R-指定 神門『一握り』を語る

R-指定 神門『一握り』を語る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

R-指定さんが2023年3月13日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』の中で神門さんの『一握り』を紹介していました。

(R-指定)じゃあ、ここで1曲ね、紹介させてもらいます。今日、かけようとしている曲がね、14分ある曲で。

(DJ松永)嘘だろ? えっ、なに? 『We Are The Wild』?

(R-指定)違う(笑)。B-BOYパークの『We Are The Wild』じゃなくて、14分ある曲なんで。さすがに全部は難しいんで、途中でいいところで切ってしまって。あとは皆さん、サブスクとかCDでお楽しみくださいっていうことにしようと思うんですけど。

この番組でも何度か紹介している神門さんっていうね、神戸のラッパーの人。神門さんの『夢』っていう新しいEPが出されたんですけど。これ、3曲入りなんですけど。その3曲入りのEPの1曲『一握り』っていう楽曲が14分ある楽曲なんですけど。これは神門さんがにヒップホップに出会って今までその14分中にバーッと詰め込んだ楽曲なんです。でも神門さんって、これまでもヒップホップに出会ってから今までとか、今の状況っていうのを事細かに書いてきてるんやけど。

なんかそれをね、また今の神門さんが改めて1からさかのぼって書いてるような歌詞で。その間、間に神門さんの残してきた楽曲とか、名フレーズとか、神門さんが出てたイベントとか、関わったラッパーがよぎるような瞬間とかがいっぱい出てくるんですよ。

(DJ松永)へー!

(R-指定)で、なんやったら曲の前半のところは、言うたら俺らみたいな別にめちゃくちゃストリートの人間じゃないやつがヒップホップに出会って、はまっていく様ってのが結構克明に記されていて。結構多くのラッパーたちが「ああ、俺もこんな感じやったかも」って思い出されるような感じがあったり。で、神戸の人なんで。神門さんって。神戸の当時の2006、7年ぐらいのヒップホップの盛り上がりの感じとか、神戸の……この番組でも『商売繁盛』という楽曲をかけたけど蟹バケツシンドロームっていう人たち。神戸のヒップホップシーンの盛り上がりとかも追体験できるし。

なんやったら俺はそこに若手で、梅田サイファーのコペルとかテークエムとかとも一緒に、その神戸の昔のシーンに出てたりした時期もあるから、すごいそこが蘇ってくるんですね。で、神門さんがすごいのが、ほんまにりラップ、変なフロウをするわけでもないし、メロディーを使うわけでもないのに14分、聞けてしまうんですよ。なんか、それこそ一席聞いた後のような。

で、この『一握り』っていう曲の中で神門さんがラップうまくなっていく時に見つけた自分の武器っていうのが言われてるんすけど。「ドラムの上にも隙間 言葉ってこんな立体的になるんや」っていうリリックがあるんすけど、ほんまに立体的なんですよ。神門さんの言葉って。いろんな情景とか影とか光が全体から見えて。なんかね、ほんまに……あと感情の込め方ってこんな種類があんねやとか。それでこんだけ景色変わってくんねやっていうのがほんまにだからね、うーん。

神門さん自身は「ポエトリー」という方面にくくられるのも嫌やろうし、俺もそっちにくくりたくない。もう純正のヒップホップ、ラッパーやと思うんですけど。なんていうか、ほんまに言葉の力ってものをこんなにも、言葉だけで全部を描き切れるラッパーってのいうはやっぱり稀有やなと思って。ちょっとこの曲は聞いてほしいなと思います。『一握り』。

神門『一握り』

<書き起こしおわり>

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