米津玄師 星野源『不思議』を語る

星野源と米津玄師 ラブソングを語る 星野源のオールナイトニッポン

米津玄師さんが2021年6月8日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に出演。星野源さんと『不思議』について話していました。

(星野源)じゃあちょっと、僕の新曲『不思議』という曲がありまして。その曲もちょっとかけたいんですけど。そうだね。さっきもでも話しながら、どうしても同じ時期にラブソングを書いてるから。なんか「俺も、俺も」みたいな感じでどっちの話もしてる感じはあるんですけど。

(米津玄師)僕はすごく好きです。

(星野源)ありがとう!

(米津玄師)『不思議』っていうタイトルの曲に言うのもバカみたいな話だなと思うんですけども。とても不思議な……(笑)。不思議な温度感の、すごくあったかい側面もありつつ、なんか冷たい感覚もなんとなくするというか。個人的にですけども。ビートも跳ねたり戻ったりっていう。すごい、本当にバカみたいですけども不思議な感じの温度感で。あんまり源さんの曲の中で聞いたことないような感じがすごいするし。プラス、映像もすげえ好きでした。

(星野源)ああ、ありがとう!

(米津玄師)すごいなんか、幾何学的っていうのかな? わからないけども。直線と曲線で満たされたりしていて。

(星野源)構図がね。うんうん。

(米津玄師)すごい……まあ俺の個人的なやつですけど。冷たい印象を持ったりとかする中で……中でもあの誰もいないショッピングモールみたいなところに行って、1人で買い物をしているところとかがなんかすごいグッとくるっていうか。終末感がすごいするっていうか。オタク心ですよね(笑)。

(星野源)アハハハハハハハハッ! 嬉しい、嬉しい(笑)。それをちゃんと気づいてくれるの、嬉しい(笑)。

(米津玄師)誰もいないショッピングモールって最高じゃないですか?(笑)。

(星野源)いいね。誰もいない空港も最高だった(笑)。

(米津玄師)すげえ美しいし。曲にも本当に最高に合っていて。何回も見ちゃいますね。

ミュージックビデオの終末感

(星野源)自分がその「ラブソングを書くぞ!」ってなった時に、「自分にとって愛とは、恋とは何ぞや?」って全く同じで、そこにぶち当たって。そうなった時に、「自分にとっての愛とはこういうものだ」っていうのをどんどん書いていったんだけど。なんか、そこで生まれてくる感覚がなんて言うか、僕にとって愛っていうのはやっぱりそれがあるだけですごく勇気になったりとか。本当に世の中がね、本当にクソみたいだなと思っていて。でも、そんな中でも、その愛があるなら笑顔を作れる。そういうような感覚だったりもして。

で、どうしてもラブソングって、いろんな形があって。どちらかというと自分は失恋の方のラブソングじゃなくて、あたたかい方を描きたいなって思ってて書いてたんだけど。そうなると、「世界ハッピー、全部ハッピー」みたいな曲になりがちだなと思っていて。なんかその、そうじゃないって思っていて。「世の中が素敵だからこの愛がある」んじゃなくて。「世の中がどれだけクソでも、俺たちは愛を生むことができる。この世界のおかげでこの愛が生まれているんじゃない」ってすごい思って(笑)。

なんか、そこへの怒りみたいなものがすごいあって。でも、その中で描くものはめっちゃあたたかいっていうか。僕らが、あと自分が思う恋愛っていうものは、とてもかけがえのないものだっていう、なんかそういう風にしたいなと思って書いていましたね。

(米津玄師)すごくなんか得心が行くというか。やっぱり、その怒りの発露として、ああいう形になるっていうのがすごく、俺は個人的にはよくわかるなっていう。なんて言ったらいいんだろうか?

(星野源)今、生きているとどうしても感じざるを得ないつらさがあるじゃない? そこに正直にならないと作れないっていうかさ。「作れない」というか、正直になるタイプなんだと思うんだけど(笑)。その楽曲の制作スタイル的に。2人とも。だから、そうやって感じてもらえるのはすごく嬉しいし。ビデオにもそういう気持ちを込めたというか。

(米津玄師)やっぱり源さんがポップソングで地獄を歌うのがすごく好きなんですよ(笑)。

(星野源)フフフ、そうだね(笑)。それも正直なところだなっていう。なんか、地獄だけど。あと「檻の中だな」ってすごく思うけど、希望がないわけじゃないっていう。希望もあるっていう。なんかそういうところ……じゃあ、そんな流れで曲を聞いていただきましょう。星野源、再来週の23日。米津くんのシングルの次の週にリリースします。6月23日(水)リリースです。『不思議/創造』から星野源で『不思議』。

星野源『不思議』

(星野源)お送りしたのは星野源で『不思議』でした。曲中も話していたけども。曲を生むの、大変だよね? なんというか、「なんでこんなつらいんだろうと思いながらやってたよね」って話を……だからたぶん同じ時期に苦しんでいたんだと思う(笑)。

(米津玄師)そうですね(笑)。

(星野源)俺も白目剥きながら作っていて。全然寝ないで「ううう……」って言いながらやっていたな。

(米津玄師)俺も締切に追われながら……「これ……あれ? ヤバくない? ヤバくない?」って思いながら。ずっとでも、なんにも出てこないから。腕を組みながら画面を見つめるだけみたいな。そういう時間をずっと過ごしていました。

(星野源)「なんでこんなことをやっているんだろう?」って思うけどね。

(米津玄師)思いますね。

(星野源)できあがるとね、「またやろう」ってなっちゃうんだよね。

(米津玄師)なんかね。「バカなのかな?」って思いますけども(笑)。

(星野源)フフフ、結論「俺たち、バカなのかな?」(笑)。いやー、そうですね。曲を聞いていただいてありがとうございます。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました