山下達郎 高橋幸宏を語る

山下達郎 アナログレコードのメンテナンスとコレクション管理を語る オールナイトニッポン

山下達郎さんが2023年2月18日放送のニッポン放送『山下達郎と上柳昌彦のオールナイトニッポン』の中で高橋幸宏さんについて話していました。

(上柳昌彦)メールをいただいておりまして。「2人で話してほしいトークテーマ」ということで。「高橋幸宏さんについて」という。いろいろと接点が本当におありになったんだなという風に思いましたね。

(山下達郎)みんな、スタジオミュージシャンとしてある程度、仕事してた時代なんですよね。で、幸宏さんたちは、それまではやっぱりサディスティック・ミカ・バンドの後、YMOまでの間にいろいろ、スタジオワークという形でやってて。坂本くんも細野晴臣さんもみんな、そういう形で。で、僕は専門がコーラスだったんで。コーラスのスタジオワークを結構やってたんですね。

その時代に何回、いくつか幸宏さんと交差してね、あれしたんですけども。それから、彼らはYMOで。それで僕なんかは『RIDE ON TIME』からツアーが始まって。だんだんみんな、スタジオから遠ざかっていったっていう、そういうあれなんで。クロスオーバーが少なくなってくるんですけども。

スタジオミュージシャン時代に交差する

(上柳昌彦)中野区の方。「達郎さんとも交流があられた幸宏さんがお亡くなりになりました。ショックです」ということで。「小学校低学年の時、運動会でYMOの『Rydeen』が流れて妙に耳に残ってハマり、子供なりにいろいろ調べてちょっとずつ背伸びしながら音楽を聞くようになりました」と。子供たちはYMOが好きだったですね。

(山下達郎)すごいですね。

(上柳昌彦)「幸宏さんの顔がタイプでした。ミュージシャンに『顔がタイプ』ってごめんなさいね。幸宏さんが関わった音楽を部屋で聞きながら『こういう音楽も見た目も洒落た人がお父さんだったらな』とパンツ一丁で歩く体重100キロのリアルな父親を思っていた青春時代でした。改めて、なにか。どんな曲がいいのかなという風に思っておりますが」ということなんですが。

(山下達郎)先ほど、お話したアン・ルイスさんのアルバムをプロデュースた時に、何曲が余ったんですよ。で、その中で僕は1曲、好きな曲があって。自分でそのライツ(権利)を買い取って、自分のアルバムに入れたんですが。それが79年の『MOONGLOW』というアルバムに入っている『RAINY WALK』という曲で。

シングルシングル『RIDE ON TIME』のカップリングですけれども。これは幸宏さんのドラムで、細野晴臣さんのベースで、佐藤博さんのキーボードっていう。そのアン・ルイスさんのレコーディングメンバーで録音された曲なので。それを今日は。

(上柳昌彦)さっきのタワーレコードのインタビューで「リズム隊に耳が行く」という風におっしゃっていた、ドラムをやってる方がいらっしゃったんでね。

(山下達郎)楽器を演奏する人は当然そうですよね。ギタリストの人はやっぱりギターに耳が行くし。だからバンドのレコーディングをやってると、レコーディングエンジニアが一番困るのはみんな、自分の音しか聞いてないから。「ベース、もうちょっと上げて。ドラム、もうちょっと……。ギターは……」って。みんな、自分のしか聞いてないから(笑)。そういうエンジニアのぼやきがありますけれど。79年の私のアルバム『MOONGLOW』に入ってます。これが1曲きりの幸宏さんが僕のレコーディングに参加しているトラックです。『RAINY WALK』。

山下達郎『RAINY WALK』

(山下達郎)私、山下達郎1979年のアルバム『MOONGLOW』に入っております『RAINY WALK』をお聞きいただきました。

(上柳昌彦)まあ、素人ですけども。やっぱりいいドラム、いいベースだなと思いますね。

(山下達郎)このパターンのね、正確さと。

(上柳昌彦)ねえ。正確なんだけど、なんか人間味というか。ありていの言葉で言うと、グルーヴ、みたいなのがね。

(山下達郎)だからYMOが残っているのは、やっぱり彼らが演奏家としても一流だったんで。だからコンピューターをやってますけども。

(上柳昌彦)そうですよね。

<書き起こしおわり>

山下達郎 高橋幸宏を追悼する
山下達郎さんが2023年1月22日放送のTOKYO FM『サンデー・ソングブック』の中で亡くなった高橋幸宏さんを追悼していました。
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