PUNPEEと宇多丸『Return of The Sofakingdom』を語る

PUNPEEと宇多丸『Return of The Sofakingdom』を語る アフター6ジャンクション

PUNPEEさんが2023年1月30日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。EP『Return of The Sofakingdom』について、宇多丸さんと話していました。

(宇多丸)その前にやはり、最新EP『Return of The Sofakingdom』についてお話を伺いたいと思います。『The Sofakingdom』シリーズっていうか。『Return of』ってなっているのって、なんかあるんですか? その他のアルバムとラインとして違いみたいなのは?

(PUNPEE)いや、なんかでもやっぱり『The Sofakingdom』って、「ソファーの前だったら誰でも王様になれる」じゃないですけど。そういうところからも来ていたり。あとは「So F*cking Damn」とか。「すげえめっちゃいいぜ」みたいな。そういうダブルミーニングというか。なんか、自分の中では作っていて、やっぱりコロナ禍のなんか仮想世界に逃げてキングダムを作っちゃってるみたいな、そういうラインに自分の中でリンクしちゃっていて。まあ、自然とそういうコロナ以降の自分の中の世界みたいな位置づけになってしまった部分もあるかもしれないです。

(宇多丸)なるほどね。でもなんか、J-WAVEの例の番組もね、『SOFA KING FRIDAY』だったし。

(PUNPEE)そこからの流れだったりも。

(宇多丸)でもなんか『The Sofakingdom』ってワードがすごいPさまの、インドア感みたいなのにも似合うっていうかね。

(PUNPEE)そうなんすかね。言ったら、ずっと座ってDVDを見ていたりとか、Netflixを見ていたりとか、ゲームをしてたりとか。そんな感じの生活が続いてたんで。なんかそこと連動して、紐づいて、このシリーズになっていた感はあるかもしれないです。

(宇多丸)でもそれですごい超かっこいい世界が浮かび上がるんだから、全然それでいいじゃんっていうかね。この時代のイケてる感っていうのが出てると思いますよ。やっぱりそれは。今回ね、またいろんな人が参加していて。なかなか意外な人が参加するのもこのシリーズかと思うんで。クレちゃんとかに続いて、今回は漢くんがね。

(PUNPEE)そうっすね。

(宇多丸)接点って、あったんですか?

(PUNPEE)本当にでも、池袋のBEDっていうクラブがあったんですけども。そこよくイベントが昔、一緒になっていて。結構本当、酒飲んで酔っ払って話しかけたりとか。

(宇多丸)漢くんの方が先輩なんだよね?

(PUNPEE)全然先輩で。接点はそんな、数えるぐらいしかないんですけど。でも、なんか対談に誘ってもらったんですよ。最近。マクガフィンっていう番組があって。で、その時に、やっぱり前作のKREVAさんの『夢追人』の対極になる曲っていうか。前の作品の続き、追加コンテンツっていう位置づけで来てるのもあるから……なんだろうな? 調子に乗った自分みたいなのに現実を突きつけることができるラッパーの方って誰かな?ってなっていて。で、対談した時に「ああ、めちゃくちゃ漢さんやん!」みたいになって。

(PUNPEE)なんか、自分の結構病んでた時代。BEDにいた時代の自分とかを見てるんで。なんかそれを歌ってもらったら、前の『夢追人』との対比というか。そうなるかな、みたいな。

(宇多丸)リアル側からの釘刺人として。

(PUNPEE)だからリリック中でも「勘違いしてるPUNPEEや」みたいなのが入っていて(笑)。

(宇多丸)そう! もちろん、意図的になんだろうけども。繰り返しそういうのが出てきてさ。ねえ。しかも漢くんに言われたらグウの音も出ないわっていうさ(笑)。

(PUNPEE)でも、その感じが出て面白いというか、意味があるかなっていうところから、お誘いさせていただいた感じですかね。

(宇多丸)いや、すごいこれもよかったし。

PUNPEE『Messiah Complex feat. 漢 a.k.a. GAMI』

(宇多丸)あと、バックインザデイ物もね、あるけども。今回のGAPPERとやっている『BIG GUY』。面白かったですよ。リアルで。描写の細部、ディテールがリアルで。「ああ、この世代感だ」みたいな。

(PUNPEE)そうですね。高校からの同級生なんで。これも、前作は最後の曲が5lack、弟とやっていたんですけども。

(宇多丸)あれも兄弟感がいい感じでしたけども。

(PUNPEE)今回はGAPPERさんとやらせてもらって。

(宇多丸)なんか、教室が浮かびますよ。

(PUNPEE)ああ、本当ですか? 覚えてるんですよね。なんか、保健体育の授業だったんですよ。3組と4組だったんで、保健体育とか技術の授業が一緒になる時っていうのがあって。で、GAPPERが3組だったんで。その時に「めちゃくちゃデカいやつがいるな」っていうのを覚えていて。その時からの記憶から結構、書いたりもしました。

(宇多丸)バックインザデイ物っていろいろあるけど。こんだけ学校の教室の景色から浮かぶのはなかなかないから。よかった。これも。

『BIG GUY feat. GAPPER』

(宇多丸)で、ちょっとこの後に1曲、かけたいなと思ってて。『Award Tour』っていう曲にしようと思うんですが。単純にこのアルバムが一番ド派手な1曲だし、ストレートに上がるかなと思って。これはでも、あれですよね。もう今のPさまのあちこちに行っていろいろやってますよっていう、そのヒリヒリも込みで。

(PUNPEE)そうですね。ツアーがちょうど始まる時期でもあったんで。なんかツアーで一発……でも、苦行とかじゃなくて。「これはもう自分へのご褒美だ」ぐらいのノリで回りたいっていう願望もあったんで。そこから『Award Tour(ごほうびツアー)』っていう。そんな感じのノリで作らせていただいた曲です。

(宇多丸)めちゃめちゃかっこいいし。途中のラインとしてやっぱり注目は「お膳立てより巴御前の朝のお膳」っていう。来ますね!

(PUNPEE)アハハハハハハハハッ!

(宇多丸)これ、カマシでしょう? カマシですよね、これね?(笑)。まあ、拝見していました。

(PUNPEE)なんか、いい感じでライミングできたんで。はい……。

(宇多丸)『鎌倉殿』、拝見してましたよ。めっちゃ面白かったよ、本当に!

(PUNPEE)あの、台本とか、手伝ったりしてました。

(宇多丸)ああ、そうなんだ。読みを?

(PUNPEE)和田(義盛)さんになったりして……。

(宇多丸)ああ、そう? 全然タイプが違うけども(笑)。はい。お疲れ様でございましたっていうことも含めて、Pさまから曲紹介をお願いします。

(PUNPEE)はい。『Return of The Sofakingdom』より『Award Tour』。PUNPEEでございます。Let’s Go!

PUNPEE『Award Tour』

(宇多丸)フフフ(笑)。最後のところ、今、素で言ったみたいになっているけども。こういうのが入っているんだよね(笑)。

(PUNPEE)そうですね(笑)。

(宇多丸)途中のGAPPERのやり取りとか、こういう素のやつがポンと今回は入るもんね。

(PUNPEE)なんか、そこが一番自然かなって思って。毎回、残して最後に使うっていう。

(宇多丸)ねえ。でもそれもかっこよくちゃんとはまっている風に聞こえるから。もはや、Pさまの場合は。

(PUNPEE)これ、増田さんっていう自分を担当してるSummitの人に送る時に最後、「こういう感じなんです、今回」っていうのをそのまんま、残した感じで。

(宇多丸)でも、いいと思うよ。それも含めて、めちゃめえちゃかっこいい曲でした。PUNPEEさんで『Award Tour』をお聞きいただきました。

<書き起こしおわり>

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