吉田豪 真樹日佐夫から学んだことを語る

吉田豪 真樹日佐夫から学んだことを語る J-WAVE

吉田豪さんが2023年1月30日放送のJ-WAVE『STEP ONE』で真樹日佐夫先生から学んだことについて話していました。

(中田花奈)今週はそんな吉田豪さんから、人生で得た学びについて伺っていきます。初日のテーマは「人から学んだこと」。吉田豪さん、よろしくお願いします。

(音源スタート)

(吉田豪)私はこの人から学びました。作家、真樹日佐夫先生。劇画原作者、梶原一騎先生の実弟で、空手家であり、小説家であり。僕は勝手に師匠みたいな感じでよくしていただいてたんですけれども。本当に外見から何から、インパクトがものすごい人なんですよね。常にサングラスかけてガムを噛むという、Vシネマの悪い人みたいなビジュアルで街を練り歩き。

で、お兄さんに負けじと漫画原作や小説を書き、お兄さんの流れからで空手やってきた人で。なんというか、ダンディズムが尋常じゃなかったなと僕は勝手に思っていて。元々、お兄さんが極真空手の名誉段を取っていたことで。それに反発するお弟子さんたちが山ほどいたわけですよ。で、当然ながらその流れで真樹先生が空手を始めたら、みんなが潰しに来る。

で、それも乗り越えて、亡くなる寸前まで、そういうお弟子さん以上にハードな稽古を続けて。70歳を過ぎても。それも「うまい酒を飲むためだ」と言って。六本木に道場を構え、むちゃくちゃ練習して。実際に稽古を終えると粋なスーツ姿で六本木へと繰り出すっていう。かっこいいんですよね。

ただこれが僕は梶原先生の未亡人、奥さんと仲良くなっていろいろ話を聞くと「真樹も昔はあんな格好じゃなかった。ある日突然、ああいう格好をし始めたから、私は笑っちゃったのよ」とか言っていて。「ええっ?」と思って。ある時期から何かのスイッチを入れて、キャラクターを演じ切るようになった人なんですよね。それが本当にやりすぎなレベルに演じ切っていて。

ハッタリを現実にしてきた人

(吉田豪)そういうハッタリってすごい批判的に言われることも多いんですけど、ハッタリを現実にしてきた人。ああいうビジュアルをして「いかに自分が強いか」みたいなこと言っていたら、怖い人たちが次々と来るわけですよ。「お前、なんぼのもんなんだ?」みたいな。それを乗り越え、背負い続けて、ちゃんと真樹日佐夫を演じ続けたのがかっこよくて。僕は本当に影響されましたね。

なので本当に空手の弟子でもないのに、勝手に師匠として接していたんですけど。すごいのが、そのサービス精神なんですよ。最初に仕事の絡みで飲ませていただいた時に僕がお兄さんへの熱い思いを語ってたいら、突然飲み屋の斜め上の方を見ながら「そんなに言われると、照れるよな、兄貴」って言い出して。飲みの席に兄貴を降臨させるっていうか(笑)。

「ええっ、お兄さん、今そこにいるんですか!?」みたいな感じのことをちゃんとやってくれるんですよ。エピソードトークも明らかに「えっ、それはどこまで本当?」みたいな話をサービスたっぷりしてくれる。「米軍兵の彼女に手を出して、大変なことになって。後ろから撃たれた」みたいな話をしていた時も、「もう銃弾がな、頭の横15センチ、いや、1.5センチのところを飛んでいったんだよ」みたいな。

「あれ? 急に10分の1になったぞ?」みたいな(笑)。そんなことを普通に言える人ですね。かっこよかったです。今でも憧れてるし。ああはなれないけども、そういうサービス精神みたいなものは学んで、生きていきたいなとは思っていますね。

真樹日佐夫先生のサービス精神

<書き起こしおわり>

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