東野幸治『THE FIRST SLAM DUNK』と井上雄彦とのラジオトークを語る

マヂカルラブリー『THE FIRST SLAM DUNK』を語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2022年12月9日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中で映画『THE FIRST SLAM DUNK』を見てきたことについてトーク。そして20数年前、自身のラジオ番組に井上雄彦さんがゲスト出演した際に話したことなどを紹介していました。

(東野幸治)皆さんは『SLAM DUNK』、見たでしょうか? 私は朝8時50分の回、1人で行ってきました(笑)。六本木ヒルズ朝8時50分の回、たった1人で行ってきました。とっても充実した午前中でした。『東野幸治のホンモノラジオ』! どうも、こんばんは。東野幸治でございます。今夜も1時間、楽しく『SLAM DUNK』の話をしたいなって思っておりますけれども。あつむくんはまだ見てないですか?

(渡辺あつむ)まだです。

(東野幸治)はぁー、ダッシュが効かないですね、相変わらず。正座しすぎちゃいますか? 足の方が落語しすぎてしびれとるんとちゃいますか?(笑)。行ってきましたよ、六本木ヒルズに。8時50分。月曜日……土曜日か金曜日に公開して、行けなくて。あつむくん、何を下を向いているんですか?

(渡辺あつむ)8時50分?(笑)。

(東野幸治)いや、だってそれしか俺、時間がないんです。午前中、それ見て昼から仕事に行くから。それか、深夜……11時、12時とか。それもいいけども。それやったらもう朝早く。だって最近、7時ぐらいに目が覚めるから、俺の中ではそんなに苦痛じゃないんですよ(笑)。

(渡辺あつむ)まあ、ほんまにおじいちゃんやから(笑)。

(東野幸治)おじいちゃんやから。とにかく1人で、言うたらもう「『SLAM DUNK』、行くぞ!」というところで。最近では……まあ、東京の方に住んでるんですけど。普段、タクシーみたいなんを頻繁に、仕事場に行く時とか、移動の時とか、タクシーを多めに乗せてもらうんですけど。最近、言うたらGO Payとか、スマホでタクシーを呼ぶから、まあタクシーがつかまれへんのよ。もう迎車、迎車。で、車を迎えに行く途中ですから、空車やないんですよ。「来た」と思って手を上げたら迎車みたいな。

それがもう連続やし、こっちはもう『SLAM DUNK』、急いでんのに。で、なんか『SLAM DUNK』のためにGo Payで呼ぶけど、10分ぐらいかかるってなって。8時50分に間に合わへん。一番最初から見たいから、みたいなのでドキドキしながら。でも、とにかく車をお願いしました。お願いして、ほんで最初の3分ぐらいで車、空車が通って止まったらキャンセルできるけど。なんかなある程度の分数をすぎたら500円。500円やで? アコギなことをしますよ、本当に。新作落語で作ってくださいよ(笑)。500円やで? でも、その「今からキャンセルしたら500円かかります」ってなった段階で空車、走ってきよるねん。あれ、もうなんか角から見てるんちゃうかな?っていうぐらい。

でも、キャンセルして500円、多めに払ってタクシーに乗って。六本木ヒルズ、けやき坂みたいな。「けやき坂に行ってください!」って言って、1人でちょっと小走りで行って。それでガラガラかなと思ったら、40代とか30代後半の、主に男性が多かったです。足元を見るとやっぱりナイキのバスケシューズを履いてる子とか、おじさんとかも何人かちらほら見ながら。カップルで来ている感じとかいてて。六本木ヒルズは半分弱、埋まってましたよ。8時50分で。

ほんで、始まって。だからネタバレになったりもするから、あんまり言えないけど。とにかく井上先生の原作・脚本・監督のアニメーションですから。結果だけ言うと、もうあの人のもんやから、なんにも言えないです。井上先生が漫画を25年ぐらい前に書いて。それで今回、井上先生が脚本を書いて。井上先生が総監督みたいなんをやってるわけよ。もう井上先生のもんやん? だから僕らがね、ああだこうだ言うもんじゃないな、みたいな感じでずっと見させていただいたけど。まあ、あれですよ。「ああ、このやり方なんだ!」っていう感じの『THE FIRST SLAM DUNK』ですから。「このやり方やったら、セカンドもあるやん? 行けるんちゃうの? サードも行けるんちゃうの?」とかね、あるし。だからあのテレビ朝日の『SLAM DUNK』のアニメの最終回は、神奈川県の県予選。あれで勝って。「次は全国大会だ!」でたしか終わったんですよね。

で、「今回は一体どこのやつをその『SLAM DUNK』の映画版でやるんか?」みたいなところのも僕、全くわからない状態で行って。「ああ、やっぱりここをやってくれたんか!」みたいな感じでね、やるし。始まりは「うん? なんや、がこの始まり? 『SLAM DUNK』でこんなん、なかったぞ?」というのが出てきて。そこから始まって。ドキドキしながら「ああ、こうなっていくんや」みたいなのがありながら。で、映画、最初はだから声優さんももちろん変わってるんですよ。声優さんも前の方からは変わっていて。それもなんか賛否両論あったんですけど。

でも、これは言っていいかな? 流川くんなんかはね、ほぼしゃべってませんから(笑)。試合に夢中でしたから。ほぼしゃべってませんから、そない気にならなかった。で、そのアニメを見ていく上で、バスケットの試合の描写というか。それが……僕は中学の時、バスケ部でしたから。まあ、リアルというか。なんか漫画チックなバスケットの試合じゃなくて。本当にバスケットの試合をまるで実写で見てるかのような感じやし。それで、だから言うたらキャプテンのゴリ。原作を読んだ時に思ったんですけど。ゴリはもうずっとビビッてるじゃないですか(笑)。ずっとビビッてるでしょう? 映画でも、ビビッてました(笑)。

だから、スクリーンってあるんすよ。中学の時、バスケやってて。言うたら5人で攻めていくんですけれども。シュートが上手いやつにパスする。でもみんな、マンツーマンでディフェンスしてるから、なかなかパスしてもすぐディフェンスが来るから、シュート打ちづらい。だから、2人のプレイヤーが交差する時に、言うたらシュート上手いやつについているディフェンスにちょっと死に役やないけども、ぶつかって。そのシュート上手いやつへディフェンスに行くのを邪魔するっていう。壁的なやつをずっとゴリ、やってた(笑)。ずっとゴリがやっていて。俺、ほんまに「お前、それしかないな」って思って(笑)。

(渡辺あつむ)いやいやいや……(笑)。

(東野幸治)でも、そういうのもありながら、リアルな試合も、やいろんなことがありながら。最後はもう言うたら、エンディングに向けてドゥワーッ!って行って。さあ、果たして一体どうなるのか?っていうところで、まあ楽しく見させていただいて。なんだったら、もう1回見てもええぐらいというか。あと、だから『SLAM DUNK』の情報みたいなんが、なんかわからんけど。

だから、これが今、ヒットをしてるわけじゃないですか。で、別にもう2みたいな、セカンドみたいなのもあってもいいわけやし。『SLAM DUNK』の漫画はあそこで終わっているけれども、その後の全国大会の続き。『SLAM DUNK』で湘北は主役やないけど、なんか森重みたいな、なんか太ったデカい「うわーっ」て生あくびしながら湘北と山王の試合を見ていて。「おっちゃーん」って言ってたやつがおったんですよ。態度が悪いやつ。

衝撃のデビューを果たす、みたいな。あいつのチームが主役でもいいんですけども。ぜひぜひ、それもあるし。で、それを見ながら思い出したんですけど。20年、25年ぐらい前ですかね? 文化放送で今田さんとラジオをやってる時に『SLAM DUNK』……俺ら、あの時はまだ少年ジャンプを読んでいて。ほんで、いきなり終わって、度肝を抜かれて。ほんで、ゲストに井上先生が来たことがあるんですよ。

(渡辺あつむ)へー!

今田耕司さんとのラジオに井上雄彦先生がゲスト出演

(東野幸治)ほんで、なんか『バガボンド』みたいなんが始まるっていう番宣も兼ねていらっしゃったんですけど。まあ、『バガボンド』の話はせずに。「なぜ終わったんですか?」って(笑)。痛いぐらい(笑)。

(渡辺あつむ)また井上先生も出る場所、間違いましたね(笑)。

(東野幸治)フハハハハハハハッ! ガサツにいろいろなことを聞きましたよ。だからそのインタビューでも言ってるんですけれども。「『ドカベン』にはしたくなかった」っていう。結局、その『SLAM DUNK』っていう漫画を、まあ『ドカベン』は『ドカベン』でいいんですけども。明訓高校っていう山田太郎率いる、里中、岩鬼、殿馬率いる明訓高校みたいに毎回毎回、全国大会に行って。ライバル校と切磋琢磨しながらも、最後は勝って勝って勝って優勝するっていう、それまでのありがちのスポーツ漫画にしたくなくて。なんとなく話を聞いてる分にはダマで……あの当時、少年ジャンプは絶対にやめさせてくれへんかったから、ダマで負けさせたみたいな感じのニュアンスのことは勝手にちょっと受け取ったんですけど。

あと、あれですよ。いろいろ聞いていて。みっちゃん(三井寿)はどの段階で湘北に……実は言うたらゴリと同級生で、バスケットのシュートがうまいっていうキャラクターにしたんですか?っていう。最初の登場の時は、なんか喧嘩をするじゃないですか。ロングヘアーで、なんかヤンキーの1人という。「あれを最初、書いた時にはそんなのを思ってましたか?」って聞いたら、「思ってなかった」っていう。

(渡辺あつむ)ええっ?

(東野幸治)出た! 聞きました。直接、本人に。で、書いてるうちになんかみっちゃんが動き出したんですよ。

(渡辺あつむ)はい。それ、水島先生のあれですよね。

(東野幸治)いや、本当にそうやし。『グラップラー刃牙』を書いていた板垣恵介先生もね、「どっちが勝つんですか?」「僕にもわかりません」とかね。みんな、乗ってきて。どんどんこの三井寿っていうキャラクターに興味がわいて深堀していった時に「ああ、そうや!」ってなって。「こういう設定にしよう!」って。

中学の時、全国でMVPになって、湘北にやってくる。ゴリは無骨にスクリーンする。真面目にコツコツ、バスケする。で、みっちゃんは派手ですけれども。言うたら、成長のスピード。上手くなるスピードも大器晩成じゃないけれども。早熟じゃないけれども。で、みっちゃんは壁にぶち当たって、膝を痛めて不良になっていく。っていうストーリーつけて。それでみっちゃんがチームに入って、バシン!って5人が揃ったっていうことでしょう?

(渡辺あつむ)そこからですもんね。『SLAM DUNK』は。

(東野幸治)そう。だから「体育館、開けてくれ。何をしてるんだ?」みたいな。あそこからでしょう? で、僕ね、聞いたんすよ。「でもね、井上先生。僕は途中で読んでて『あれっ?』と思ったんですけど。一番最初、桜木がバスケ部に入って。その時に桜木の不良軍団で1人、水戸っておったでしょう?」って。

(渡辺あつむ)あの背の高いやつ。

(東野幸治)太った、丸々したパンチパーマのね、あのメガネがちょっと角度あるやつとか。だから『シャコタンブギ』に出てくるようなやつとか、いてるけど。その横に学ラン着て、リーゼントでちょっと背が高い男。「あの水戸ってあれ、最初はバスケ部に入れようとしてませんでした?」って井上先生に聞いたんですよ。そしたら「してた」って言っていて。「でも、三井がどんどんどんどん『みっちゃん、みっちゃん!』ってなっていって。話を三井の方に変えていった」っていう風に言っていました。

だからそのみっちゃんもたしかにいいけども。水戸というのもおったら、どういう風になっていったのかな?っていうのもちょっとあるし。そうなってくると、その『SLAM DUNK』のこの映画バージョン。セカンドがもしもあるんやったら、言うたら漫画で全部終わって。で、次の全国大会とか、地方大会の新生湘北みたいな。また新しい1年生が来るみたいなんも、ぜひぜひね、やってほしいと思うけど。

なんせ『バガボンド』も途中で、どうなってるかもわからない状態ですし。井上先生自身も筆ペンで書きだしてるし。宮本武蔵を筆ペンで書いてるから。「あたたたた……」思うて。「これはもう、長いぞ……。これは、剣豪を筆ペンで書きだしたら、もう長いぞ……」って思うて。頭もスキンヘッドにしてるし。自分を宮本武蔵に投影してるから。「これは当分、帰って来えへんな」思いながらやったし。あと俺、あれも見てるんすよ。『SLAM DUNK』が終わった後の「10日後」みたいな設定のやつ、知ってます?

(渡辺あつむ)はい。

(東野幸治)ああ、知ってるか!

(渡辺あつむ)黒板の……。

(東野幸治)そう! ああっ、言われたー!

(渡辺あつむ)みんな、知ってる(笑)。

(東野幸治)フハハハハハハッ! 俺だけかと思ったのに。あちゃちゃちゃちゃ(笑)。あれは、DVDで見た?

(渡辺あつむ)はい(笑)。

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