東野幸治『あちこちオードリー』中田敦彦回を見て思い出した渡辺正行の言葉を語る

東野幸治『あちこちオードリー』中田敦彦回を見て思い出した渡辺正行の言葉を語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2022年10月28日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中で『あちこちオードリー』オリエンタルラジオ・中田敦彦さん回についてトーク。番組を見ていて、コント赤信号・渡辺正行さんの言葉を思い出したことを話していました。

(東野幸治)そして……『あちこちオードリー』、あるじゃないですか。いろんな芸人さんとかタレントさんが普段、思ってることを赤裸々にしゃべるみたいな番組があって。それでオリラジのあっちゃんが久しぶりにピンのゲストで来て。たまたま家で見て、「どんな感じなんやろう?」って思って。それが面白かって。オリラジのあっちゃんも、もちろん面白いし。「ああ、こんなつもりで」って。YouTubeも過酷な状況で、背水の陣でやってて。奥さんとも仲も悪いし。2年間ぐらいまともに奥さんとも楽しく話もせず、ひたすら本を読んで、ひたすらホワイトボードで本の説明をして……っていうつらい時期とか。

あと、なんか黒い訳のわからん「幸福洗脳」みたいな服を作ったりして売ってたけど。あれも本人曰く、もうとにかく藁をもすがるつもりで。「もうテレビは無理だったんだ」みたいな話を赤裸々にしてて。それはそれで面白かったんですけど。その時に、オードリーの若林くんが思うテレビの中で、バラエティ番組の中で階段を上っていくMC。レジェンドMCになるにはどうすればいいのか?っていうのを本人が吐露している部分があって。

「こういうMCじゃないと階段は上っていけないんじゃないか?」っていう真面目な話をしていて。「ああ、たしかにそうだな」って。だから本人曰く、「MCというのは番組のスタッフとかに『こういう感じで番組を作ってください、やってください』っていうオファーが来るけれども。でもやっぱりMCっていうのはその笑いの強さ……言っても、独裁者であらなきゃいけないし。そういう風なMCになるとステージが上に上がったりとか、天下を取るMCになるんじゃないか?」っていう風におっしゃってて。まさにその通りやと僕は思うんすけど。

「自分のお笑いの教科書強い人が芯を取る」

(東野幸治)僕はその『あちこちオードリー』でしゃべってたのは「才能あるディレクターの傭兵でありたい」っていう(笑)。真逆のことを当時、言ってたんですよ。その時、若林くんはすごいうなずいてくれててんで?(笑)。めちゃくちゃ、「そうですよね!」とか。だから片岡飛鳥さんとか、言ったらテレ朝の加地やないけども、そういう人と出会うような旅だと。『ドラゴンクエスト』で草原を歩いたら敵が現れて。「デカい敵であれ!」と思ったらスライムだ。「チッ、またスライムディレクターか……」と思って斬る。「なんや、おもろないな」って。

で、「次の特番こそ加地さんであれ!」と思ったら「また訳のわからん情報番組上がりのディレクターか……」って。それで一生懸命仕事をする。ビシャッと斬る。ねえ。そんなんばっかりやけれども、我々はそういう人と出会うために……っていうことを説明したのよ。それを説明したら、すごいオードリーの若林くん、うなずいてくれてて。「そうですよね」って言っててくれたから俺も「響いた!」と思って。「俺たち、頑張っていこうぜ! 傭兵として、ディレクターが作りたい映像、画を俺らがMCとして実現しよう。俺らは表に映っているフロアディレクターだっていう気持ちでやろう!」って意気投合したけども。

(東野幸治)でも若林くん。彼はもう三つぐらい、ステージ上に行って。「笑いは強さ」っていう。おっしゃる通りやなって思いながら。それはこのABCテレビで昔、勝俣さんと『東西芸人いきなり!2人旅』という番組。あつむくんが桂三度でスリムクラブの真栄田くんと……いきなり、よく知らない東西の芸人2人が、先輩後輩とか。だから、誰が来るかわからんけど出会って。それで1泊2日の旅行をして。で、まあちょっとおもろかったり、変なことになったりとか。ゲラゲラ腹抱えて笑いながらも、最後はちょっと笑いに対する思いとか、漫才とか落語とか、バラエティ番組とか、そういうことを赤裸々にしゃべるっていう、なんとなくのフォーマットの番組ですけども。

ほんで、あれですよ。三度くんから聞いたんですけど。三度くんから聞いたんかな? その真栄田くんの人となりがすごくいいと。たまたまABCテレビを見てた人がね、それを見て「スリムクラブの真栄田くんってこんな子やったんや」っていうことで『探偵!ナイトスクープ』の探偵に1本釣りされたんですよ。ねえ。

(渡辺あつむ)ああ、僕はそれ、言ってないですけども。

(東野幸治)らしいんですよ。ほんで「あれ? あ、三度くんちゃうやん」って思って(笑)。

(渡辺あつむ)いやいや、悔しいです……。

(東野幸治)っていうような番組があった時に、たまたまね、コント赤信号のリーダーと、これは誰やったかな? 笑い飯の哲夫かな? それか千鳥のノブか。どっちかが行ったんですよ。その時その若手、どっちかがリーダーに「笑いってなんですか?」って聞いたの。俺、それをすごい覚えてるのよ。「リーダーって、なんて言うんやろう?」と思って。あつむくん、「笑いってなんですか?」って後輩に質問されたらどう答える?

(渡辺あつむ)ええと……脂汗、めっちゃかきますね(笑)。

(東野幸治)フハハハハハハハハッ! そう。だから「笑いってなんですかね?」っていう。素朴な質問として「なんですかね?」って質問されて。その時にコント赤信号のリーダーが「いや、笑いってね、強さだよ」って言って。「ああ、なるほど!」って思って。俺、それをすごい覚えてて。「だから、その自分が面白いと思うことを人が何を言おうがやり続ける強さ。今、この笑いが流行っているから、その笑いに移り気してしまう気持ちもわかるけど、それじゃ弱い。だからやっぱり売れてる人は、みんなその自分の笑いがあるから。そういう人はみんな強い。笑いは強さだよ」っていう風に言っていて。なんか、ええ言葉やなと思って。「なんかあった時にこれ、使おう」ってずっと思っていて(笑)。

(渡辺あつむ)ズルいなー! ほんまに……オープニングからずっとズルい!

「なんかあった時にこれ、使おう」

(東野幸治)そう思うてて(笑)。ほんで、それをすっかり忘れてて。『あちこちオードリー』でね、「加地さんに出会いたい。第二の片岡飛鳥に甘噛みされたい。お腹、よしよしされたい。せやけど、会うやつ会うやつ、草むらから出てくるのは柔らかいスライムばっかりやし……でも俺はそのための傭兵だ!」って言うてて。その頃はもう、「笑いは強さだ」って教わってんねんで? 収録、終わっているから。なぜ、それが出てけえへんのか? で、それから数年後、若林くんがあっちゃんを前にして「MCってやっぱり強さなんだ」って言っていた時に「ああっ! 俺もその答え、ポケットの奥に持ってたのに……」って。

(渡辺あつむ)いや、違う違う。持ってへんのよ(笑)。

(東野幸治)「リーダーのやつ、ポケットに入れたのに! なんであの時に『あちこちオードリー』で言えへんかったんや! 俺、なんか情報番組のディレクターを腐すようなことばっかり……『あいつはあかん』『あいつは画が見えてない』『なんや、この台本? 薄っぺらいカンペやな』とか言ってたんやろう」って。この番組でもよく言ってますけども。「収録日と撮影日が同じで、間違えて5時やんけ!」とかね、嬉々としてしゃべるみたいな。それじゃあかんのよ(笑)。っていうのを思いながら。なんか『東西芸人いきなり!2人旅』のコント赤信号のリーダーの話とか。俺が『あちこちオードリー』でしゃべったこととか、いろいろ考えながら見てたら、めちゃくちゃ面白かったなって思ってて。

『あちこちオードリー』中田敦彦回

<書き起こしおわり>

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