東野幸治 令和時代のドッキリを語る

東野幸治 令和時代のドッキリを語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2022年8月19日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中で『ドッキリGP』についてトーク。令和になり、視聴者にウケる、受け入れられるドッキリの形が変化してきていることを話していました。

(東野幸治)こちらのメール。これ、俺は見てないけど。なんかすごい評判に……ネットニュースにもなってました。「日テレで放送された『ダウンタウンvsZ世代』という番組が面白かったです。『昭和のVTRやそれに対するダウンタウンのコメントが面白い』とか『SixTONESと森本くんが頑張っててかわいかった』などいろいろありましたが、とにかく丁寧に番組を作られている印象で、最後まで楽しく見ることができました。最後にエンドロールが流れ、企画兼総合演出を見ると高橋利之さんの名前がありました。高橋さんといえばテレビ局員のあり方やお金の価値観など、東野さんにきちんとした影響を与えた方だと記憶しています」。これ、だからあつむくん曰く、おばちゃんの心を持った人でしょう?

(渡辺あつむ)と、聞いております。世間の視聴者の方の気持ちがわかる天才・高橋さん。高橋トシさん。

(東野幸治)だから我々、言うたら「いや、それもうちょっと飽きたし。それよりはこっちの方がもっと新しいから面白いやん」って思いがちだけど、そうじゃなくて。テレビを見てる人……主におばちゃんのハートをわしづかみできる、おばちゃんのハートを持っている人だという噂を。

(渡辺あつむ)はい。又聞きで聞きました。天才だと。

(東野幸治)その方の話で。だから「今度、浜田さんと打ち合わせに行くんです」と言っていたから。「ああ、なんかしはるんやな」とか思ったりもしたんで。すごいですね。この方も。本当に。「テレビが面白くないと言われる時代。正直言って、本当に面白くないと思うことも少なくない中、真摯に作られているというのを感じられて久しぶりに見終わった後に『面白かった』と口に出して言いました。見応えのある番組でした」。すごいですね。

これ、たぶんこれ土曜日にやってたんですよ。3時間スペシャルで。その裏で俺、『ドッキリGP』っていう番組をやってて。その『ドッキリGP』がこの『24時間テレビ』の裏で4時間スペシャルをやる。去年もやって。で、詳しくは知らないけど、見てる人の数字もよくって。なんか好評なんで。「今年もお願いします」みたいな感じで。「ああ、4時間やるんですか」って。。僕らなんてね、言うたら歯車のひとつですから。4時間のドッキリのVTRをゲラゲラ笑いながら見るっていう仕事。

なかなか職業欄に書きづらいですけど。「テレビを見たら2月後にお金が入ってくる仕事なんです」って(笑)。で、全部見終わったんですよ。だから2回ぐらいに分けて。久しぶりになんか「金、かかってるな」って思いました。「ああ、こんなんで海外、行ってんねや」とか。「なんか爆破の火薬の量とか多いな」とか。「ええなあ」って。なんかいいよね。昔の勢いのあるフジテレビの……採石場のところでドーン! みたいな。「ああ、久しぶりにこんなん見たな」と思って。

最初の『ドッキリGP』を立ち上げられて、なかやまきんに君がトラック1周走る。走った後ね、「ハァハァ」言うじゃないですか。水飲みたいじゃないですか。それで「水です」って言ってペットボトルを渡すんですよ。お酢なんです。ほんで「ヴフォッ!」って吐くんですよ。ほんで俺、スタジオでゲラゲラ笑ってるっていう。そんなところから始まってますから。

(渡辺あつむ)もうYouTuberもスルーするやつですよ(笑)。

(東野幸治)フハハハハハハハハッ! そうそう。だから俺もびっくりして。いろんなドッキリを見てきたけど。「今、こんなドッキリなんや」って。「秒でドッキリ」っていうコーナーがあってね。もうまとめてダダダダダッて見せるっていう。なんとなく打ち合わせで最初「秒でドッキリ」って最初に聞いた時に「ええっ? 秒でドッキリ? ドッキリってなんか構想3ヶ月とか、お金かけるとか、言うたらいろいろ、総勢○人でやるんと違うんですか?」みたいに思って。

で、そのきんに君が走ってお酢を飲んでブワーッてやって。まあ、おもろいけど。そういうのを、だから片っ端からやるんですよ。「えっ、こんなんってみんな、面白いんかな?」って思うじゃないですか。で、オンエアーされた次の週とか、スタッフに「子供たちが大爆笑です。子供たちの数字が高いんです」って。俺はもうね、シソンヌ長谷川がダース・ベイダーかぶせられて。何しゃべっても「コーッ、カーッ……」って。取れなくて。

で、パンツ一丁でダース・ベイダーの格好でウロウロして。「カーッ、コーッ……」ってなっているのを腹抱えて笑っているっていう。そんなう話をこの間、カンテレのスタッフにして。カンテレのスタッフ、プロデューサーの子供が秒でドッキリ。単純なドッキリでゲラゲラ笑って。ダース・ベイダーで何も笑ってないねんって(笑)。

(渡辺あつむ)フフフ(笑)。そうかー。

(東野幸治)親世代が笑ってるとか、作り手みたいな人は笑ってるけど。なんか、わかりやすい感じで……だから、あるやん? おそばとか、わんこそば。どんどん食べていくっていう。5杯目、6杯目で言うたら体にいい、お酢がきついやつが入っている。それを食べる。で、「ブフォッ!」って戻す。それがキラキラしする。俺やったら「こんなん、食えるか!」とか、「うわーっ! 無理無理!」とかやるじゃないですか。

でも、今の若い人……たしか最初、EXITがそのリアクションをしてびっくりしてんけど。どんなリアクションやと思う? 自分が仮に、じゃああつむくんがそういう風なドッキリにかかって。わんこそばで4杯目がお酢。それで「うわー!」ってなる。「食えるか!」っていうリアクションでしょう?

(渡辺あつむ)そうです。

(東野幸治)そうでしょう? でも「ブワーッ」って吐くのがお店の人に失礼。だから、なにかミス、手違いでこういう味になってるんだって思って、我慢するのよ。我慢して。ほんで、また乗せられる。我慢するけど、でもなんか気持ち悪い。また戻す。でもそれを食べる。我慢する、食べる。で、スタジオのみんなが「こいつ、めっちゃいいやつや!」ってなる。俺、自分が全然時代と合ってないと思って(笑)。

(渡辺あつむ)はい。合ってないです。僕も無理やなと思いました。

お店の人に失礼だから、我慢する

(東野幸治)いや、そうなのよ。で、そこから何人か、その感じやったで。ドッキリかかってない子がね、TVでネタを頑張ってドッキリに呼ばれて。わんこそば食べて。辛いとかすっぱいってなっても、なんかこう、ごまかす。店の方が横でついでくれているから。「こんなん、食えるか!」とか「ヴォヴォヴォヴォヴォッ……」とかしゃべりながら飛ばすみたいな。それはもう、ナンセンス。ごめんなさい。

(渡辺あつむ)ええっ? なんですか? それ、インスタとかTikTokのせいですか?

(東野幸治)いや、違う、違う。逆ギレされようが……たとえばあなたがスタッフ、プロデューサーに「今日、キャバクラに行きましょうよ」ってなって。それで行く。ほんならキャバ嬢の1人が「三度さん。私、三度さんの大ファンなんです。LINE、交換してください」とか言う。それを奥さんがモニタリングしている。で、「終わったらちょっと2人でどこか、行きませんか?」みたいなやつ。どうします? 「LINE、交換してください」って。

(渡辺あつむ)そんなの、連れて行ってもらってますし。誰の恥もかかされへんし。で、誘われてるし。いや、もうそんなの交換を……。

(東野幸治)いやいや、古い。古いわ。

(渡辺あつむ)えっ、なんですの?

(東野幸治)古いわー。だから噺家、嫌やねん(笑)。いや、着物が見える。座布団が見えるわ。

(渡辺あつむ)棚からぼたもちやおまへんか?

(東野幸治)いやいや、違う。スタジオでそういうドッキリをここ何回か、見たんですけど。お客さんもひっくるめて、一番スタジオが盛り上がるのは……それ、断るんです。

(渡辺あつむ)ええっ?

(東野幸治)断る。「ごめんなさい。僕、奥さん、いてるんで。ごめんなさい」「ファンなんです」「いやいや、本当にごめんなさい」。スタジオ、「うーわーっ! ワッショイ、ワッショイ!」って(笑)。

(渡辺あつむ)無理や……。

浮気を持ちかけられても断るのがウケる

(東野幸治)「ワッショイ、ワッショイ!」って(笑)。それを、言うたらほっぺにチューする。「ギャーッ! この人、信じられへん! 奥さん! 奥さんがいてるのに、チューしてる!」って。「ごめんなさい。僕、妻がいてるんで。LINE、交換できません」「ワッショイ、ワッショイ!」って(笑)。

(渡辺あつむ)もう時代が変わった……昭和と違う。大川栄策さんの……。

(東野幸治)ああ、あのゴルフで18番ホール。高いバンカーのところでキャディーさん、女の乳を揉むっていう。最低……(笑)。それで「ワッショイ!」いうたらどんな国やねん? 「揉め、揉め!」って……。

(渡辺あつむ)子供で笑いましたけども。

(東野幸治)めちゃくちゃ笑ってた。乳、ほり出して揉んでるんですよ。「いいねえ」言うて。で、「ドッキリでした!」って言ってキレるわけでもなくて。「えっ、ドッキリだったの?」って。特にキレるわけでもなく。「じゃあ、お疲れ」みたいな。あれ。ごめんなさい。すいません。そういう時代でございます!

<書き起こしおわり>

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