東野幸治『お笑いの日2022』の『あらびき団』生放送を語る

東野幸治『お笑いの日2022』の『あらびき団』生放送を語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2022年10月14日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中で『お笑いの日2022』の『あらびき団』生放送について話していました。

(東野幸治)で、だから土曜日に『お笑いの日』があって。それでダウンタウンさんが7時間、8時間やる。なんか最初の2時間ぐらいやって、1時間、『あらびき団』で。その後、鶴瓶師匠と今田さんのやつが2時間ぐらいあって、『キングオブコント』やったじゃないですか。ほんで俺、『あらびき団』で生放送をやるって言って。「うん? 生放送? なんか危険な香り、するな」と思いながら当日、行ったんですよ。ほんで、なんか「どんな台本かな?」と思ったら、やっぱりすごいですね。『お笑いの日』って。

やっぱりダウンタウンさんがするから、大手企業のCMがめちゃくちゃあって。台本もだから『あらびき団』の台本を楽屋に着いて。なんか着替えるも、お茶飲もなく、「台本、どんな進行なんやろう? 『あらびき団』で1時間って?」って思って見たら、ほんまにも大手企業の提供がブワーッと並んでいて。こんな自分の惨めな話をするのもなんやけど。たとえば特番とか、MCとかするとか、ゲストに行くとかあるじゃないですか。

ほんなら台本って楽屋に置いてあるんですよ。で、なんかたとえば2週間前とか1ヶ月前に収録して編集してテレビでオンエアーされるじゃないですか。だからたまに、番組によっては……どこの局のどの番組とは言えないですけど。こういうペラでコピー用紙の中に表紙は番組タイトルと収録日とオンエアーの日が書いてあって。で、なんか制作協力で○○の制作会社がやってますよ、みたいなのが表紙で。ペラっとめくったらスポンサーみたいなのが書いてるじゃないですか。で、たまに……たまにですけど。まだ2枠ぐらい空いている番組もあって(笑)。

「鋭意調整中」みたいに書いていたりする時に一瞬だけ「フンッ!」って。踏ん張らなあかんのよ。自分の中で(笑)。それはちょっと、思うやん? 「あれ、これ大丈夫かな? あと2週間ぐらいしか、ないで?」とか。いや、誰にも言えへんけど、自分の中で……その「あと2枠」みたいなことが下の方に書いてあるんですよ。で、なにも言わんとグッと奥歯を噛み締めて(笑)。たまにね、その番組で初めて、言うたら坂道シリーズの女の子がね、ドキドキしながらね、「バラエティ、初めてなんです。お願いします」って頭下げんねんけども。「いや、すまんん。2枠、売れてないねん……」って(笑)。こっちの方が謝りたいっていうぐらいの、そういう番組も僕はやったりして、一生懸命に頑張っていたりするんですけども。

やっぱりダウンタウンさんと『お笑いの日』のコラボやから、パッと見たらもう一流企業の……ひとネタやって、CMで一流企業のCM。ひとネタやって、一流企業のCMっていう、そんな1時間で。「なんじゃ、これ?』みたいな。『あらびき団』なんてね、ほぼほぼねスポンサーが付いてない、弱小から始まったから。日差しが強すぎるんですよ(笑)。「日差し、強っ!」と思って。びっくりして。目が開けられへん(笑)。

超一流企業のCMだらけ

(東野幸治)「めちゃめちゃ眩しい! 超一流企業じゃん! えっ、こんなところで『あらびき団』、大丈夫なん?」ってドキドキしながら生放送やってて。で、ラスト3組の時にダウンタウンさんがやってくる。で、なんとなくやりながらも……だいたい『あらびき団』で3ネタやって、スタジオでトークして。収録はね。それをなんか編集して、上手にパッケージして、テンポ良く見せるっていうのが『あらびき団』のやり方やけど。生放送やから。そんな感じでもなく。ひとネタやって……なんか3ネタぐらいやってしゃべったりとかすると、テンポが出るけど。ひとネタやって、眩しい企業CM。ひとネタやって、眩しい……もう目がチカチカする感じで。もうカンペも光って見えないぐらい感じで進行していくけども。

「まあ、これはこれで、TBSさんの『お笑いの日』に参加することによって、年末年始とか『あらびき団』で深夜とかで番組をやらせてもらったらええな」ぐらいの感じでやっていて。ほんで、ダウンタウンさんが登場します。ほんだら、TBSの『水曜日のダウンタウン』とか、なんかその取り巻きのスタッフさんとか、大勢でブワーッて登場して。それでやる。「ダウンタウンさん、『あらびき団』、知ってますか?」だの、どうだこうだっていう流れの中でやるけども、全然笑ってくれへんで終わっていく。

で、最終的に「全然あかんやん」みたいな感じで終わるのはいいんですけど。やりながら、ふとパッてみたら……久しぶりに見てんけど。なんかね、1人、言うたらダウンタウンさん周りの偉いさん、何人か知ってるんですけど。1人ね、頭からつま先まで真っ黒の人がいてて。それがちょっと、言うたらラッパーの好きなようなファッションというか。ヒップホップが好きなような、そのカルチャーの。ちょっとダボッとした感じで、黒の、ベースボールキャップのつばじゃないキャップをかぶって。で、黒っぽい。黒縁眼鏡でマスクをしてて。だからもう目の下ぐらいしか見えてない。

あとは全部真っ黒で、ダボッとした感じの人がなんか1人、見てるんですよね。で、ダウンタウンさんが来て、ああだこうだ言っていて。「いや、滑った。すいません」だの。で、他のスタッフは笑っているけど、その人だけ笑ってないんですよ。で、「あれ?」と思って。よう見たら、総合演出の藤井健太郎さん。「ああ、こんな感じなんや。なかなかすごいな」と思って。

黒ずくめの藤井健太郎

(東野幸治)みんな先輩芸人とか、メインのタレントさんがいてるスタッフやったら、なんとなく歯を見せて笑うじゃないけども。明るい感じで……でも1人だけ、なんか明るくない感じでずっと見ている人がいて。「藤井健太郎さんや」思って。で、それと同時進行で生放送で、それを本番中で気づいて。「ああ、藤井健太郎さんや。こんな感じで見てんねや」みたいな。今までない感じで見てて。

それと同時進行でダウンタウンさんが来てやんねんけど。なかなかパフォーマンスでダウンタウンさん、笑ってくれてへん。で、いろいろやって。汗かきながら終わっていくみたいな時に、『あらびき団』のスタッフもパッと見たらね、そのダウンタウンさんのスタッフと……『あらびき団』スタッフ、弱小やらか隅の方にいてるんですよ。ちょっと寂しい顔してたんかな? なんかちょっと、なんとも言えん顔してたのよ。「もうちょっと、はまったらよかったな」みたいな気持ち、してたんですよ。

で、俺もね、生放送が終わってすぐに『あらびき団』のスタッフのところに行って。「いや、もあれは最後、ああやってた方がよかったんちゃうの?」とかね、アドバイスというか。「こんな感じでしたよ」みたいなことをほんまはね、言わなあかんじゃないですか。立場として。『あらびき団』のスタッフに駆け寄っていって、「いや、よかったよ。CMもいろいろ眩しかったけど。これも次のステップになったんちゃう?」ってほんまは、ほんまは言わんとあかんかったんやけど。ふと、なんかね、思い出したんですよ。

昔、『爆笑BOOING』っていう番組があって。カンテレの深夜にね。今から20年ぐらい前。ジャリズムとか出ていたじゃないですか。千原兄弟とか。これ、TKOに聞いた話で。TKO、松竹やったじゃないですか。木下・木本ね。で、なんか松竹が吉本と仲良くなってるのを見せなあかん。ファンの方に「ああ、実は仲がええんだ」っていうので、それがライブの動員にも繋がるから……って。

それで当時、TKOがやっていたことは『爆笑BOOING』をやる。で、エンディングは吉本・松竹関係なくステージにいてる。で、「また来週!」っていう時にカメラが引く。その時に木下と木本が相談した結果、木下が千原ジュニアのところに歩み寄ってきてしゃべる。で、木本がせいじのところに行ってしゃべる。で、それを引きで撮ると「ああ、TKOさんって千原兄弟と仲がええんや。友達なんや」みたいなんがあって。それでそのTKOの値打ちが上がるっていう行為をやってたっていう話。それがなんか知らんけど、ふっとよぎったのよ(笑)。

ほんで、最後に言うたら『あらびき団』のパフォーマンス。チャックアップ。「なんや、これ!」「あ、時間です」って終わった時に、気持ちはね、気持ちは『あらびき団』の弱小スタッフに「いい思い出、できたな」って行こうとしてんねんけど。いかんせん足が、その黒ずくめの藤井健太郎さんのところに……(笑)。

(渡辺あつむ)うーわ……。

(東野幸治)行ってるねん、俺(笑)。なんやったらちょっと『あらびき団』のスタッフに見られる感じで。「僕は藤井健太郎さんともしゃべるんだ」って(笑)。で、なんか「久しぶりですね」とか(笑)。「いやいや、久しぶりですね、藤井さん! 最後、滑っちゃいました」みたいな(笑)。それを『あらびき団』のスタッフはどう思っていたんやろう?って(笑)。

(渡辺あつむ)フハハハハハハハハッ!

(東野幸治)「なんや、こいつ? こいつ、最低やな……」って(笑)。

(渡辺あつむ)そうっすね(笑)。なんか東野さん、好感度上がっていってるというイメージですけども。『あらびき団』のスタッフさんもそうやったと思うんですよ。でもやっぱり腐ってんねんなって(笑)。

やっぱり腐っている東野幸治

(東野幸治)そやな(笑)。「いや、久しぶりですね。すごいですね! 今度また、お願いします」って(笑)。なんか『あらびき団』の現場の今のADに見せるがごとく。「あ、東野さんって、あの藤井健太さんともしゃべるんだ」っていうのをこっちは見せなあかんって思って(笑)。しゃべってるのを、ちょっとその背中を見せて。で、しゃべってから『あらびき団』のスタッフのところに行って。「いや、よかったん違う?」みたいなことを……(笑)。「俺、最低やな」と思いながら(笑)。

(渡辺あつむ)そうですね。『あらびき団』のスタッフさん、終わってから飲みに行って、どうしてたんでしょうね?

(東野幸治)「なんか東野さん、今日、エンディング、おかしなかった? なんでこっち、来へんの? なんや、あれ? あいつ、なんやねん? 藤井健太郎さんの方に行って……目の横にあんなにシワ、刻むか?」って(笑)。

(渡辺あつむ)フハハハハハハハハッ!

<書き起こしおわり>

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