R-指定さんが2022年10月3日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』の中でポチョムキン『80BARZ』を紹介していました。
(R-指定)早速なんですけど、ちょっと曲紹介をしたくて。これ、先週曲紹介できんくて。その前に随喜と真田でポチョさんのソロを……。
(DJ松永)あのストーリーテリング曲ね。よかったよね。
(R-指定)今週もポチョさん、かけていい?
(DJ松永)えっ、あっ、ちょっと待って? あれ?
(R-指定)あれ。
(DJ松永)あれはヤバい!
(R-指定)あれ、聞いたかよ?
(DJ松永)あれは……R、言い忘れたよ。あれを聞いたっていう話をし忘れてたわ。あれは、ヤバい!
(R-指定)あれ、マジでヤバない?
(DJ松永)あれはヤバい!
(R-指定)ヤバい! 聞いてくれよ。ポチョムキンで『80BARZ』!
(DJ松永)あれはヤバい!
ポチョムキン『80BARZ』
(R-指定)ヤバッ! ラップ、うますぎへん?
(DJ松永)これはヤバい。
(R-指定)なんかさ、ラッパーの人生を語るっていうのはよくあるけどさ。生まれてからこれまでのポチョさんの、なんていうか……しかも、それが明確にどれを見た時にどう思ったとか、何を聞いた時に何をしたんじゃなくて。影響されて、吸収したものをなんかそのまま、フィルターにブワーッと吐き出すだけでこんなにかっこいい曲になる?っていう。
(DJ松永)自分の見てきた、いろんなものを羅列していく。でもさ、こんなに踏めて、フロウできるの? だって、ほぼ単語じゃん。それは、どういうことなの?
(R-指定)ほぼ、だから散文的に影響を受けたもの並べているだけで、それがフロウになっていて、ライムできている。それもまず、すごいし。すごいんやけど、たまたまリズムをそれが持ったとしても、ちゃんとね、画として浮かんで。あまつさえ、その接続詞とかなかったりするのに、ストーリーになってたりするんやな。それがマジですげえと思って。
(DJ松永)わかる。その前後関係とか文脈で、ちゃんとその場面場面になってるよね。
(R-指定)繋がっていってるねんな。で、そうなんですよね。映画でバーッと……しかも、その移行をする時も韻になってるのが超かっこいいんですよね。「グーニーズ、ロボコップ、ターミネーター、スタンド・バイ・ミー、キョンシー、Mr.ミヤギ見てた」っていうこの映画の話。「キャンプ場に殺人鬼 なき仁義 AKIRA」っていう。その昭和の最後に出た日本を代表するアニメに……海外の映画からその日本の映画の代表作というか、そのカルチャーにめっちゃ影響を与えたやつになって。「で気づけばもう平成」っていう風になっていく。とこうなっていくっていうところも超うまいし。
(DJ松永)なんかさ、その韻の置き所っていうのがやっぱりすごいトリッキーだと思うんだけど。どうなの? すごい距離、あったりしない? 踏んで、別の韻に行ったと思ったら、しばらく経ってからもう1回、その韻に来て。めっちゃ、時間差で気持ちいいみたいな。時間がかかって。1個、挟んだりとかさ。
(R-指定)それもある。挟むのが超うまい。「粋に生きよう Freaky Freaky Flow シュグ・ナイト ビフナイト ニキビ治療」っていう。間にシュグ・ナイトとビフナイトが挟まっていて、粋に生きようっていうのがニキビ治療にかかったり。あと、なんか踏み外しすらも超気持ちいいのが「辰吉対薬師寺戦 すげえ 羽生善治名人 寝癖」とか。「辰吉」と「羽生善、治」って……。
(DJ松永)なんか明確に差踏んでないところも気持ちよくできたりするわけ? ポチョさんは。
めちゃくちゃ大きい音節で言葉を捉えている
(R-指定)そう。たぶんそれってめちゃくちゃ大きい音節でたぶんラップというか、言葉を捉えてるからやねんな。小節のケツで「ナントカカントカで、ナントカカントカカントカで……」だけじゃなくて。文章全体をたぶん大きなリズムのくくりとして捉えられる。だから、おそらくそうやね。もちろん、ライムをめちゃくちゃしようとはしてるけど。すごい大きい流れ……だから言うと、頭からケツまで、そんなにめちゃくちゃラップのね、リズムが大幅に「ああ、ここで変えてきたな」っていう感じじゃなく、ずっと気持ちよく流れているっていう。
(DJ松永)すごいそれはわかるよ。なんか、あれでしょう? たとえば急に三連したり、急に倍になったりとかじゃないんだよね?
(R-指定)じゃないねん。ずっと、そもそもの……。
(DJ松永)グルーヴは近いんだけど、めっちゃ緻密に変わっていってるんだよね。バリエーションが。
(R-指定)だからたぶん「粋に生きよう Freaky Freaky Flow」っていう、この「II」の音でずっとやっていって。その後の「95′ 教科書 RHYMESTER キングギドラ BUDDHA 下剋上」みたいに来るんやけども。その後に「Freaky Zekey ビビアン・スー美人」っていう風にまた「II」っていう音に戻ってきたりとか。
(DJ松永)このポチョさん独特の切り方な。
(R-指定)この切り方、ヤバいよな。「ビビアン・スー美人」っていうのがなんでこんなにかっこいいんやろう? 「Freaky Zekey ビビ、アン・スー美人」っていう。これ、かっこいいよな!
(DJ松永)もう、ポチョムキンさん節だよね。
(R-指定)マジですごい。で、その自分で得てきたやつ、見てきたカルチャー、吸収してきたものを吐き出した。それをまさしく振り返った道のりで「大切なのはアティチュード 情熱 まだ生きる これで80小節」っていう締めとか。
(DJ松永)最後、ちょっと熱くなるんだよね。
(R-指定)上手いし、熱いし。バケモンやろ、この人、マジで。
(DJ松永)すごいなー!
(R-指定)すごい!
<書き起こしおわり>