佐久間宣行『鎌倉殿の13人』特番MCと三谷幸喜対談を語る

佐久間宣行『鎌倉殿の13人』特番MCと三谷幸喜対談を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

(佐久間宣行)で、緊張してるから30分間に入ってさ。30分前に入って、何をやりたかったかっていうと、当日の台本にメモをしたかったわけ。早めに入って。俺が自分で個人的に取ったメモを当日の台本にして。台本は持ち込めるじゃん? でも、携帯のメモを持ち込めないだろうなって思ったから、当日の台本にメモっていったの。『鎌倉殿』を見返して取ったメモを。で、それをしていて時間が来た時に、外の廊下がね、ざわざわし始めたの。

明らかにこれは役者陣が入ってきたなっていう感じの取り巻きの人の多さ。それを感じる廊下の感じね。で、はたと気づいたのよ。「これは俺、楽屋挨拶に行くべきなのかな?」って。初対面。でも行って、ちょっと何か変な空気になったりしたらやりづらいし。もう俺は正直、一生会わないよ(笑)。

俺は三谷幸喜が好きで、『鎌倉殿』が好きだからこの魅力を伝えるだけ。別に役者さんと仲良くやろうとか、うまくやろうと思うと邪念が入るから。「もう挨拶はしない」って決めて。俺はもう、ただのファンだから(笑)。ただのファンがMCやるっていうのもわけがわかんないだけど。「俺はただのファンだから……」と思いながら、とにかくメモを取って。

で、ずっとトイレに行きたかったから、廊下が静かになるのを待って、それで扉を半分だけ開けたら、誰もいなかったの。「この隙でトイレに行くしかない」と思って、トイレに行って。「誰にも会わないまま、スタジオに行こう」思いながらトイレに行ったら、トイレに入った瞬間に佐藤二朗さんがおしっこをしていて。佐藤二朗さんだけいて。佐藤二朗さんに「おおっ、佐久間さん。すいません。はじめまして!」って。いい人だからめちゃくちゃ挨拶してくれて。

で、俺は「あ、ああっ、すいません!」って言いながら、小だったんだけども大の方に入って。ガチャッ!って閉じこもって。で、佐藤二朗さんがいなくなど待ちながら。「俺、なんでMCなのにこんなコソコソしてるんだろうな?」と思って(笑)。「えっ、俺の思うMCって、こういうことじゃないんだけどな……」って。でも、こういう思いをしないようにここでもうおしっこを全部、出し切って。もうトイレに行こうと思わないように。

しっかり準備をしてスタジオへ

(佐久間宣行)そして「誰よりも早くスタジオに入って、誰にも会わないように本番を迎えよう」と思って。メイクをしさせてもらって、簡単に打ち合わせして。台本のメモを完璧に取って、どこを聞かれても大丈夫なようにして、その台本だけ持ったままスタジオに行ったのよ。で、スタジオに向かっていったら、そのスタジオの前室にもういたの。小栗旬さん、坂口健太郎さん、小池栄子さん。超かっこいいんだよね。小栗さんと坂口さん。で、まず見てびっくりしたのは小栗旬さんクラスになると、ゴールデンのトークバラエティに出るのにニットなんだね。

俺とかさ、スタイリストさんにさ、「出演者さんに失礼じゃないように、あんまり着ないですけど、ちゃんとしたジャケットとかお願いします」って言ったんだけど。坂口健太郎さんと小栗旬さん、ざっくりしたニットだったの。かっこいいんだよ(笑)。で、小池さんもいらっしゃって。で、これは挨拶しないわけにいかないから。「どうもすいません。テレビプロデューサーの佐久間といいます。今日はよろしくお願いします」って言って、そそくさとスタジオ入ろうとしたら、小池栄子さんが「佐久間さん」って呼び止めてくださって。

「はい」って言ったら「東野さんに『鎌倉殿』、面白いですよっておすすめしていただいてありがとうございます」って言って頭下げてくれて。で、小栗さんとかに「佐久間さんがいろんなところでとにかく『鎌倉殿』を見る人を増やしていただいて。東野さんにも面白いって言ってくださったんですよ」って言ってくれたから、みんなが笑顔になって。「めちゃくちゃいい人だな!」って思って。「この後、一生、会うことはないかもしれないけど。応援します!」って心の中だけで思って(笑)。

そしたらまあまあ、小栗さんとか坂口さんも「ありがとうございます」って言ってくださって。「こちらこそ」って。それで一瞬、その場にいて談笑をしようかなって思ったけど、話すことが何も思いつかないから。これはもう、とにかくスタジオに入ろうと思ってスタジオに入って。それでマイクをつけてもらって、メモを見返しながら、MC席に座ったの。MC席の真ん中で。左側に出演者が並んで。俺のMC席の右手にNHKのエースアナウンサーの杉浦さんがお座りになって。

で、俺の左側に台本を置く台みたいのがあったから。「これ、台本置きですか?」って聞いたら「ああ、そうです。台本置きです」って言われて、そこに台本を置いて、完璧にセッティングして。「これを見れば大丈夫。もう、これでいこう!」って思って。「俺のやることはこの台本のメモをもとに『鎌倉殿』の魅力をとにかく存分に話して。で、そのスタッフの思う番宣番組作ることだ」って思って。

そしたら、キャストの皆さんが入ってこられて。坂東彌十郎さんとかもいらっしゃって。で、佐藤二朗さんだけ……要は北条家の人じゃないから。「だから佐藤さんだけ後で登場します。佐久間さん、あとで呼んでください」っつって、スタジオの裏にスタンバイされて。「わかりました。じゃあ、北条家の皆さんと僕らで始まるんですね」って。そしたら、プロデューサーの方が来て。「そろそろ始まります」っていう時にプロデューサーの一番偉い方が来て。

「皆さん、よろしくお願いします。これ、結構ダークな回が続いたから、1回こういうのを挟もうっていうことになりまして。で、魅力を伝えたいと思います。MCは佐久間さんにやっていただくんですけど……あのですね、皆さん。台本ありましたけど、佐久間さん中心に自由にやっていただいていいんで。これ、台本とらわれないで。段取りはありますけど、もういろんな話を佐久間さんとかとやっちゃってください!」ってなって。

俺は心の中で……本当に心の中で「バカ野郎!」って思って(笑)。「こっちは台本通り、やるんだよ! NHKだろう! 台本を守れ、バカ!」と思いながら(笑)。「あのね、佐久間さん。佐久間さんは本当にファンなんで。自由に話し合っちゃってください。なあ、杉浦?」なんて。アナウンサーの方に。「台本の段取りだけじゃないからな!」みたいな。「いや、ドラマ班の皆さんね、バラエティってそんな自由にやってないから! 勘違いしないでください、ドラマのプロデューサーの皆さん!」って思いながら。

「わかりました」って言いながらも、俺、「まあまあまあ……」って顔をしたの役者の皆さんは「ああ、じゃあ佐久間さんにお任せで」みたいな顔をするから。「いや、まあまあね、台本のね……」って。で、台本置きを確認しながら始めようと思った。そしたらその瞬間、真ん中のあたりでカメラマンとフロアチーフみたいのがコソコソ、揉めてるっていうか、話し合っているの。「あれ、あれだな?」みたいな。で、うっすら聞こえるんだけども。「あれ、いらねえだろう? いや、なに?」って。

それでこっそり、そのフロアチーフが近づいてきて。「あの、佐久間さん。さっき台本なしの自由、みたいなのがあったじゃないすか。なので、佐久間さんのお隣に置いてある台本……ちょっと目立つんですよね」って。要は、アナウンサーの杉浦さんが置いてる台本は一番端っこなのよ。だから画面で切れる。そういう風にカメラマンが言ってるんだよ。「あっちは切れるけど」って。でも佐久間の台本は出演者と俺のど真ん中に、すごいきれいに作っているセットの中にその汚い、くしゃくしゃの俺のメモだらけの台本が置いてあるから。だからカメラマン的に「あれ、ない方がいいな。邪魔だな」っていう風になったらしくて。

「申し訳ないです。佐久間さん、これ、ちょっと撤収させていただいていいですか?」って言われて。俺が丸3日ぐらい徹夜して取ったメモ。そのメモを書き写して。一問ずつQ&Aを書いた台本。それを「申し訳ない。撤収を。ちょっとやっぱり見切りが……」って。それで俺、「いいですよ」とも言わなかったのよ。「ああ、そうっすかー」って。そしたら「申し訳ないです」って撤収されていったんだよ。で、撤収されていって。「じゃあ何のためにこの台本置きを置いたんだ?」とか思いながら「ヤベえ、始まるのか!」って思って。

準備した台本なしで本番に臨む

(佐久間宣行)「まあ、でも段取りはあるっぽいし……」って思っていたら、今度はそのフロアチーフが「さあ、始めましょう。あ、佐久間さん。こっちはVTRとかのきっかけのコメントしか出しませんので。質問、もろもろフリーでやっちゃってください! おまかせでやっちゃってください!」って言って。それで「さあ、楽しんでいきましょう!」みたいなことをフロアチーフが言って。「待て待て待て!」って思いながら「はい、5秒前!」って始まって(笑)。「待て待て! 俺、台本もカンペもなしでやるの?」って思って。

マジで段取り以外、カンペ出ないんだよ。で、「始まります。5秒前! 4、3、2……」「拍手ブワーッ! クレーン、ブワーッ!」って始まって。で、始まって隣には俺を見つめる小池栄子さん、小栗旬さん、坂東彌十郎さん、坂口健太郎さんがいて。で、「挨拶」とだけ書かれたカンペが出てて。「挨拶・オープニングトーク」って書かれたカンペがあって。「マジかよ!」って思っていながら(笑)。「俺は準備の人なんだよ!」って思って。

俺は、何だったら準備のために今日、体調悪いんだよ! 2日ぐらい、寝てないんだからっていう。そんな状態で「はい、始まりました。テレビプロデューサーの佐久間宣行です」って言いながら「えっ、俺、今、NHKのゴールデンでしゃべってんだ?」と思いながら始まったんだよ。で、始まったから、もう思いの丈を話すしかないと思って。『鎌倉殿』がどんだけ好きかって話してる間に、すっかり佐藤二朗さんを呼び込むのを忘れて。30分ぐらいトークして。

しびれを切らした佐藤二朗さんが自分で入ってきたんだよ(笑)。「いやいや、佐久間さん!」っつって(笑)。で、もうそこからほぼ覚えてないけど。とにかく、盛り上がったのは盛り上がったんだけど、2時間半収録したから、どこが使われるのか、わかんないけど。記憶にあんまりないから、とりあえずオンエアーを見てくださいっていう。いや、すごい出来事でしたよ、マジで。バラエティってそういうことじゃないんだよ(笑)。

<書き起こしおわり>

佐久間宣行『鎌倉殿の13人』特番の反響を語る
佐久間宣行さんが2022年10月12日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中で自身がMCを務めた『鎌倉殿の13人』特番の反響を話していました。
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