永野さんが2022年8月12日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』に出演。「俺たちの洋楽紅白歌合戦 2022夏」でDick Dale & His Del-Tones『Miserlou』を選曲して話していました。
(東野幸治)さあ、2曲目なんですけれども。永野くん、どうします?
(永野)これ、『パルプ・フィクション』が流行ったじゃないですか。94年ぐらいかな? 93、4年。
(東野幸治)好きな映画。
(永野)で、あのオープニングで流れる『Miserlou』っていうサーフミュージックを聞いて、みんなやられたと思うんですよ。
(東野幸治)うん。かっこいいよ。
(永野)かっこよかったじゃないですか。で、これもちょっと東野さんに懺悔したいというか。やっぱりタランティーノも……まあ、僕が懺悔する必要はないのか。タランティーノに謝ってほしいのが、本当難しくさせましたよね。タランティーノが映画界を。
(東野幸治)『レザボア・ドッグス』の衝撃って。「めちゃくちゃ面白い映画がある」っていうんで。タランティーノ、どんなやつだ?って言ったら、その『レザボア・ドッグス』のギャングの中に1人、すごい顔の長い受け口がいてる。「あいつが作ってるんだ!」って言って。「えっ、こいつ?」ってなって。
(永野)「変な名前だな」っつって。
(東野幸治)それがなんか、マドンナの『Like a Virgin』の歌詞の意味をレストランで食べながら、しゃべるやん? 俺ね、思い出した。ちょっと長くなってごめんね。『旅猿』でラスベガスに行ったんですよ。ロスからラスベガスへ。俺と岡村と出川さんで。で、その時に注文として『レザボア・ドッグス』のレストランで……オープニングで飯を食うんですよ。俺、あそこに行ったの。
(永野)嘘? あれって、あるんすか?
(東野幸治)あるのよ。実際に。
(永野)えっ、セットじゃないじゃないんですか?
(東野幸治)ほんで、当時のその写真も飾ってあった。「ここなんや!」って。
(永野)すげえ! 『Like a Virgin』の話をした。マイケル・マドセンとか。
(東野幸治)そうです。いや、それは自慢というか、嬉しいんですけども。で、今回永野くんは『パルプ・フィクション』のオープニングの曲を?
『パルプ・フィクション』オープニングの曲
(永野)その『Miserlou』っていうサーフミュージック。僕はその時、グランジにかぶれてたんで。そういう昔のはダサいなんて思ってたら、タランティーノってその後……今は自分で映画の作曲みたいなのを頼んでるんですけど。当時は既存の曲をかき集めて。友達にベストテープを渡すみたいなサントラだったんですよ。それが全部かっこよくて! それ以降の『ジャッキー・ブラウン』とかも。で、この時のタランティーノはサーフミュージックっていうのを何にも知らない僕みたいな人間に……「ベンチャーズなんて古い」みたいに思ってたけど。「サーフミュージックってかっこいいんだ」っていうのを教えてくれた曲ですね。
(東野幸治)なるほど。
(永野)でもやっぱり1個だけ言いたいのは、タランティーノは時間軸をずらしたりしたから、ちょっとなんか『Karma Chameleon』じゃないなっていうか。
(東野幸治)人を中心に再編集するから。「そういうことなんだ」とか後でわかるとかね。あと、言うたら『フロム・ダスク・ティル・ドーン』っていう映画があって。ギャングが女の子を拉致して、車のボンネットに入れて、町から町へ転々とする。「めちゃめちゃかっこいい映画や」って。で、女の子がしゃべる言葉が「男の人はちょっと頭がおかしくて、全部、いやらしい言葉に聞こえる」っていうんで。「センスあるな」と思ったら急にある町に行ったらそこが吸血鬼だけっていうか、ドラキュラだらけみたいな。
(永野)そうなんですよ。前半と後半が全然違うんですよね。
(東野幸治)「めちゃくちゃおもろいやん! こんな映画、あんねや!」と思って。ほんこんさんもたまたま見ていて。ほんこんさんがもう激怒りしてて。「なんやねん、あの映画! 意味わからんわ!」って(笑)。
(永野)やっぱりだから僕ね、ちょっとほんこんさんになりたいっていうか。なんか、あまりにも……。
(東野幸治)フハハハハハハハハッ! あれを受け入れたくないと?
(永野)そうなんです。
(東野幸治)「僕、映画のことが好き、タランティーノが好きですよ。えっ、あれがわかんないの?」っていう人間にはなりたくない?
(永野)はい。ほんこんさんみたいに、はっきり言う。それを言った瞬間に「無知だ」と思われてもいい。
(東野幸治)「ダサい」って思われても……。
(永野)思われてもいい。絶対ほんこんさんの方が人生にストレスないから。でもまあ、曲は最高でしたね。これ。
(東野幸治)じゃあ、紹介してください。
(永野)ディック・デイル&ヒズ・デル・トーンズで『Miserlou』。張り切ってどうぞ!
Dick Dale & His Del-Tones『Miserlou』
(東野幸治)めちゃくちゃかっこいい!
(永野)かっこいいっすよね?
(東野幸治)その、言ってましたけど。サーフミュージックとギャングが化学反応っていうか。おしゃれな感じになるよね?
(永野)それでこれ、どうしても言いたいのが僕、今日持ってこようか悩んだ曲で。プロディジーの曲があるんですけど。それ、今回は選ばなかったんですけど。『Miserlou』にも通じるんですけど。なんか「パンパンッ、パンッ!」みたいな、そういう、日本で言うと「チャチャンガ、チャン♪」みたいな。盆踊りみたいな。こういうの、ずっと聞いてられません?
(東野幸治)聞いていられる。だから耳心地がいいし。で、やっぱりこれ、久しぶりに聞いて思ったのは新鮮というか。なんか「トゥクトゥクトゥクトゥクトゥクトゥク……♪」って。あんなの、今日び誰がやんねん?っていう。
(永野)だからカルチャー・クラブもたぶん、タランティーノがサントラに入れたら一気におしゃれな感じになると思うんですよ。
(東野幸治)ああ、そうやと思う。
(永野)『Miserlou』もそうで。絶対これ、タランティーノの映画で使われなかったら「ああ、昔のテケテケサウンドね」で終わったんですけど。で、プロディジーも僕、言いたいのは他のテクノってわかんないんですよ。でもプロディジーって「パンパンッ、パンッ!」みたいな。「Ready Go!」みたいな。
(東野幸治)だからそこはやっぱりメジャー進行というか、ポップに……ガワは奇をてらっているけども。やっぱり土台……だから基礎工事はちゃんとしてるってことよね。
(永野)してて。土着的で。だから本当に本当なんですけど。この時期の後ですけど。郷ひろみさんの『GOLDFINGER’99』ってあったじゃないですか。カバーですけど。あれ、最初に聞いた時はやっぱり笑っちゃったんですよ。でも、ずっと気持ちいいじゃないですか。「パッパッ、パパラッパッパー♪」みたいな。その気持ちよさが「カーマカマカマカマ♪」とかも。「ダサい」って僕、大事だなって思って。
(東野幸治)やっぱりメジャーっていうか。超人気者はダサいと思うのよ。でも僕らが中学校、高校やったらやっぱりちょっと拒絶して。無理して拒絶したけど、実はこれ好きでしたみたいな。今日はその、お互いの恥部を発表するっていう。
(永野)そうなんですよ!
<書き起こしおわり>