佐久間宣行 カカロニ栗谷との入れ替わり企画で起きた奇跡を語る

佐久間宣行 カカロニ栗谷コスプレで『ストレンジャー・シングス』イベントに出た話 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

佐久間宣行さんが2022年7月27日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中で以前から「似ている」と指摘されてきたカカロニ栗谷さんとYouTubeの企画で入れ替わりドッキリをした際の模様を紹介。ニセ佐久間として女性モデルのインタビューを受けた栗谷さんが起こした奇跡について話していました。

(佐久間宣行)この間、あるYouTubeの企画を撮りまして。発端は前々から言われてたんだけど、俺とカカロニの栗谷くんの顔が似てるっていう。それがSNSでちょっと言われていたの。で、彼が初めて『ゴッドタン』に出た2年前ぐらいにSNSで言われてて。その頃は俺はまだ「まあまあ、ちょっとね……」ぐらいの気持ちでいたの。「まあ少し、似てるところもあるのかな」ぐらいの気持ちいたんだけど。でもあいつ、ほら。「モテない・童貞」っていうキャラクターでやってるじゃん? だから俺、それは「いや、俺は妻も子供もいるし……」みたいな。そういう謎のツッパリをしてたんだけど。

ついに、このラジオでも話したけど。先日、『ストレンジャー・シングス』のイベントの時。俺がNetflixさんの指定で80年代の髪型にしたのよ。そのスティーブっていうキャラクターの髪型で、オールバックで髪を一束だけ前に垂らすってやつね。そういう風にやったら、完全に栗谷の髪型だったわけ。で、結果、ネットで拡散されて「栗谷に似ている」ってなったのよ。

よく考えたら栗谷にもあれ、たぶんエルヴィス・プレスリーに近い感じでやってるから、80年代だし。だからもうほぼ一緒で、俺が栗谷に寄せに行った。俺がカカロニ栗谷のコスプレやったわけ。それで、そしたらまたSNSってがっちりいじられて。で、まあもしょうがないなってことで、それをラジオで話した。

佐久間宣行 カカロニ栗谷コスプレで『ストレンジャー・シングス』イベントに出た話
佐久間宣行さんが2022年7月6日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中で『ストレンジャー・シングス4』のPRイベントに出演した際の模様を紹介。登場キャラクターのコスプレをしたところ、カカロニ栗谷さん風になってしまった話をしていました。

(佐久間宣行)そしたら、その翌週のYouTubeの会議で作家の誰かが……あ、作家じゃないな。「なりきり佐久間宣行選手権」っていう企画を出してきたのね。めちゃくちゃいじられてるんだけど。これ、俺のYouTubeって謎のことがあって。これ、あんまり話したことないんだけど。スポンサーと一緒にやっているのよ。クレイジースポンサーがついてて、その人たちを一緒にやってるっつったじゃん? そのクレイジースポンサーがね、なぜか謎なんだけど。このYouTubeを一緒にやってるプロデューサーの、そのスポンサーから来てる人も毎回、企画を出すのね。作家と同じで宿題、出してくるの。

で、俺にダメ出しされんの。「オノさん」っていうんだけど。「ちょっとオノさん、このネタは弱いっすね」とかって……スポンサーなんだよ? 金出してるんだよ? なのに毎回、俺に……なんだったらダメな時は本当にちゃんとボロクソに言われるわけ。「ちょっとこの企画、成立してないっすね。これとかぶってますね」「ああ、すいません」っつって。そんな感じで出してるんだけど。で、さらにそのスポンサーの会社に新しく中途の人かな? 入ってきたのね。で、その人も「佐久間さんのYouTube、ちょっとやらせてください」って言って入ったんだけど、そいつも企画を出すんだよ。自主的に(笑)。

だからなんか、入ってくるスポンサーも、なんだったら作家……大井くんとか福田とかの面白いネタを見終わって、ハードルが上がった後に、若手の作家が出し終わった後に、スポンサーが出すっていう(笑)。で、俺に「ちょっとね、これは成立してないっすね」っつって怒られるっていうのをやってるんだけど。たぶんそのスポンサーの若手が出したんだよ。一番若い、ヤマダくんていうのが「なりきり佐久間宣行選手権」っていう企画を出したの。

「なりきり佐久間宣行選手権」

(佐久間宣行)で、それは簡単に言うとカカロニ栗谷が佐久間の入れ替えドッキリ。それで打ち合わせかインタビュー中に佐久間が途中退席して、栗谷に変わるっていう。それで指摘をされたらアウトっていうドッキリだったんだけど。俺以外の人はみんな、盛り上がってたの。「面白いっすね!」みたいになって、結構盛り上がってたんだけど。俺はまあまあ、「うーん、そんなに……」って思って。「まあま、検討はするけど……」っつって。

で、空気的に「やりましょうか」って空気になったけど、俺が「いや、でもこれさ、そのままやったらすぐバレるじゃん? だって俺、栗谷と身長10センチも違うし。さすがに体型も違うから。似てるけど即バレして。そうすると、その騙された人が言わない。指摘しないだけってなっちゃうから、面白くないんじゃない?」っていう風に言ったの。まあそれは本当にそう思ったし。

そしたら誰かが「いや、これ、入れ替わらなくてよくないっすか? 最初っから最後まで栗谷が佐久間さんの場所で『佐久間です』って出てきて。佐久間の代打オーディションっていうテイでどこまでやれるか、だったらできるじゃないですか。それだったら、面白いじゃないですか」「ああ、面白い、面白い!」ってなって。「ああ、そうかそうか。そうするとドッキリとしてもバレにくいし。バレても栗谷のチャレンジで見れるから成立するか……クッソ、成立するのか!」って思って(笑)。

まあ、わかる。みんなが「成立する」って言い始めちゃったら、これはもう俺が認めないっていうのはそれは俺がいじられたくないだけになっちゃうから(笑)。まあ、その気持ちはあるのよ。ちゃんと。「いじられたくない」って。完全にいじられたいかっていうと、そうでもないから。でもみんな、盛り上がった上に成立してるから……「じゃあまあ、栗谷のスケジュール、取れたらやりますか」っつったら、その会議中に取れてて(笑)。「ああ、もう空いてます」って(笑)。

で、スケジュールが取れて、やるしかなくなって。そしたら「じゃあ、もうちょっと詰めないといけないかもしんないから、それは俺、やります」って言ったらディレクターが「いや、そうすると変になっちゃうから。いじられる人が会議に入ってると、おかしくなっちゃうから。これはもう佐久間さん、こっちでやるんで」って言われて。「クッソ! 会議でもうちょっと成立しないところをあげつらうこともできなくなってしまった……」と思ったまま、その収録の当日まで俺は企画を細かくは知らされないままで。それで行ったの。

で、その日の夕方。収録の日、他の企画を撮り終わった夕方、カカロニが来たわけよ。ちょっと早めに。そしたら、入ってくるなり俺の顔を見てあっちも半笑いね(笑)。俺も半笑いね。そりゃそうだよね。いじり企画、自分のところでやってるんだから(笑)。で、そこに若手芸人が来るんだから、もうわけわかんないじゃん? 「どういうことなんだろうな?」って来ていて。そしたらADがまたさ、半笑いで来てさ。「これに着替えてください」っつって。服を2着、用意して。全く俺と栗谷、同じ服。茶色いパンツと黒のシャツと。

「でも俺は出て行かないんだから。栗谷だけで通すんだから、同じ服を着なくていいじゃん?」って言ったら、「いや、ネタばらしの時、面白いじゃないですか。着てくださいよ、佐久間さん」っつって。女のADのタナカっていうのが。「着てください」っつって。で、着てさ、2人で着て出てきて。同じ格好で現れたら、技術も全員笑っているの。半笑いで(笑)。もういじりが始まってて。まあ、それで始まるんだけど。栗谷、その間に打ち合わせしたんだけど。でも「この企画、不安だな」っていう話になって。半信半疑なのよ。

だから栗谷には「もう即バレしたら、しょうもない方に……『そんなプロデューサー、いないよ』っていう企画になってもいいよ。別にこれは。そしたら短く編集するし。だから大丈夫よ」って言ったの。そしたら栗谷、結構緊張してて。「あれ? どうしたんだろうな?」って思ってその相方のすがやに聞いたら、よく考えたら栗谷に行って「童貞」っていう風に自分でも言ってるし。で、プライドが高くて。だから女の子とまともに話せないの。っていう風に、自分でも言ってたの。で、目を見て話せないんだって。

で、「今日って、ターゲットのモデルさんが来て。それで佐久間さんにインタビューするっていうので1対1で会話するドッキリじゃないですか。それをどこまでやれるかじゃないですか。成立しないかもしれないですよ」って。「そうか。そもそもそういう問題じゃなくて、栗谷が女性が苦手だから成立しない可能性もあるんだ……。うわっ、これはどっちなんだろうな?」って思いながら。「だからあいつ、ドキドキして心配してたんだ」と思って。それでウォッチングルームで待っていたら、その今回のターゲットの女性のモデルさんが来たのね。新田ミオさんっていう方が来て。

で、その人もおっさんプロデューサーにインタビューするから、ちょっと緊張してるわけ。だから緊張した者同士なんだけど。で、どうやら下調べでこの俺のやってるYouTubeはそんなに見たことがない。でも『ゴッドタン』は見たことがある。マジ歌とかも見たことあるっていうぐらいだっていうから。で、『あちこちオードリー』もどうやら見たことあるっぽいけど、全部俺、マスクしてるじゃん? だから気づかないかなぐらいの感じで、ガチでドッキリがスタートしたの。企画がスタートしたの。

で、俺とその相方のすがやはウォッチングルームで見ていて。そしたら栗谷が少し遅れて登場して。「どうも、佐久間です。インタビュー、よろしくお願いします」って。ちょっと硬いの。ちょっと硬い状態で始まって。そしたらインタビュアーの新田さんは「よろしくお願いします」って。全然気づいてないの。全然気づいてない時に俺、思ったね。「えっ、俺、もっと頑張らねえと」っていうのと、あともう1個。「いや、俺、もっと頑張らないと……だけど。栗谷、お前もっと頑張れよ!」っていうのと(笑)。だって栗谷、全く気づかれてないから佐久間だと思われてるわけよ。

入れ替わっていることに全く気づかれない

(佐久間宣行)で、ここからインタビューが始まったのね。で、栗谷はちょっと緊張してる感じがあって。「大丈夫かな?」と思っていたら、あいつ最初、緊張気味でボケを入れてったの。なんかね、緊張して……あっちが信じてるから。あと、ウケを取らなきゃと思ったらしくて。で、「千鳥さんとやって大ヒットした『トークサバイバー!』。千鳥さんのすごさってなんですか?」って最初にインタビューされたの。これ、普通に俺だったらまともに答えるじゃん。それが栗谷は最初に……ニセ佐久間ね。「クセがすごい」っつったの(笑)。

「うわあ……」ってなって。「やっぱり一番すごいのは、クセですね」って言ったのよ。そしたらその新田さんも半笑いで「ああ、そうなんですか」って。で、こちら側では「これは違うな。ええと、ディレクターのマエダさん、佐久間と打ち合わせするので1回、止めてこっちに連れてきてください」っつって。「集合!」って(笑)。で、栗谷を呼んで。「機材トラブルです」とかって言って止めて呼んで。「栗谷、お前、今の違うよな?」「はい、ちょっとあの……緊張して変なボケ、入れちゃいました」っつって(笑)。

「それ、違うよね? それはわかるよね?」「いや、わかります」「成功しても失敗しても、ガチでやんないと面白くないから。それはね、俺も言いたくないよ。いじられてるの、俺だから言いたくないけど……これは真面目にやるしかないんだよ。俺を真面目にやって!」っつって(笑)。もう意味わかんないでしょう? ディレクターが俺と、いじりたくない俺がごっちゃになりながら。でも、ディレクターとして言わないと……って思って。「ここはカットするかもしれないけど、真面目に俺をやって」っつって(笑)。

で、栗谷が「わかりました。できます」って言って戻っていったの。で、戻っていっていう「うわっ、でもこの企画、出オチで失敗かもな……でも、そのぐらいのつもりで撮ったし」と思っていたら、今度は栗谷がちょっと覚悟を決めた目をしていて。で、入って座って。「すいません、ちょっとお待たせして。じゃあ、インタビューを続けましょう」って言ったら、次にインタビュアーの新田さんが「レギュラー開始から15年続く『ゴッドタン』。番組を続ける秘訣を教えてください」って言われたの。

これ、結構難しい質問じゃん? それで栗谷、ちょっと一拍待って。「あれ? これ、大丈夫かな?」と思ったら、「劇団ひとりとおぎやはぎと出会った時に、『これは運命の出会いだな。この城、長く築かなきゃな』と思ったんですよ。で、あるタイミングでゴールデンに上がるか、地下に潜るかっていう選択を迫られた時に正直、ゴールデンに上がるならマジ歌選手権を軸にやっていくのかな、なんて考えたんですけど。

でも、それだと面白くないじゃないすか? 『もっといろんなことをやりたいな。深夜っぽいことをやりたいな』って思った時に、1回地下に潜って。『数字じゃない何かで結果を出せばテレビ局って続けさせてくれる。それはDVDだったり、マジ歌のイベントだったり。それで売り上げを上げて、視聴率とは別の局の売り上げに貢献していくことで番組を続けよう』って。そう思ったんですよね」って。一息で言ったの。

「あれ?」っと思って。「しかも俺、これ言ったな」っていう。「えっ、俺じゃん?」と思って(笑)。でね、「あれ? どうした?」って思ったら、次の質問も「『ゴッドタン』の演出って結構変わってるというか。芸人さん、結構自由にやってると思うんですけど。何が違うんですか?」って。これ、結構ディレクターじゃないと答えられないと思うんだけど。「演者さんに自由にやってもらってるんだけど、一応保険と出口は作ってんですよ。『困ったらこの出口に行ってくれて、いいですよ』っていう保険を作ってあるんです。そうするとね、その中で自由に暴れてもらえるんですよね。これが意外に好評で。そうやって作ってきました」って。

「本当じゃん!」って思って(笑)。「えっ、どうした、栗谷? 完璧じゃん!」と思って。「えっ、あと俺、こんな言い方? 俺、こんな風にしゃべってる?」っていう(笑)。そんな感じでしゃべってるのよ。で、どんどんその後、俺の言ってることを完コピというか、俺が過去のインタビューでやったこととかも、再構成して質問にガンガン答えてて。その後に俺、びっくりたのが新田さんが「オードリーのすごさってなんですか?」っていう。これ、答えづらいじゃん? だって栗谷、後輩芸人だよ?

それがもう出た瞬間。「オードリーのすごさって何ですか?」って聞かれた栗谷が「最初は春日くんのキャラクターでバーン!って出してね、そこが注目されて。そこで回せる。でもね、やっぱり若林くんなんですよ」って。これ、栗谷が言ってるんだよ? 「やっぱり若林くんってなにを任せてもいけるんですね。『あちこちオードリー』って実は最初、完全フリートーク番組じゃなくて。いろいろコーナーとか用意してたんですよ。後半に。でもね、若林くん1人でフリートークだけで行っちゃって。『俺、保険いりませんよ』みたいな。『すごいな』と思って。俺ね、鬼才って言われてますけど、あの番組に限っては、作ったのはオードリーなんですよ」って。これ、栗谷、全くカンペとかもないからね? それを一息で言って。女の子が「えっ、鳥肌立っちゃいました……」みたいな(笑)。

佐久間のゾーンに入ったカカロニ栗谷

(佐久間宣行)で、栗谷がもう佐久間のゾーンに入ってるのよ(笑)。栗谷が完全に佐久間のゾーンに入って。もう佐久間が止まって見えてる感じ(笑)。「いや、マジであいつ、佐久間が止まって見えてるな! あいつ、本当に今、佐久間を簡単に打てるぞ!」っていう状態になって。そしたら相方のすがやが「佐久間さん、あんまり当人は言うことなかったかもしれないですけど。栗谷さん、そもそも佐久間さんのこと好きで。ラジオも聞いてるし、『ゴッドタン』も全部見てるから、多少そのインストールはされてるんですよ。でも、ここまでとは思いませんでした」みたいになって。

そしたら新田さんがどんどんやっぱりインタビュアーも乗ってくるじゃん? 「佐久間さんが今、考えている次の一手を教えてください」っつったの(笑)。「えっ、俺?」って思って(笑)。「えっ、俺? 俺の次の一手、なんだっけな?」って。だって、未来の話だから(笑)。そしたら栗谷が「そうですねー。いろいろあると思うんですけど。今、やってるお笑いっていうのは言葉で難しいから世界に行きにくいんで。『SASUKE』とか『料理の鉄人』とか。そういう、世界で話題だけどフォーマットとしてやれるような、そういうフォーマットをひとつでもいいから作りたいよね」って言ったのよ。「俺よりうまく答えてるじゃん!」と思って(笑)。

もう佐久間が止まって見えてる状態だからさ。佐久間の未来も止まって見えているの(笑)。で、栗谷のゾーンがどんどん高まっていって。マジでちゃんとしたことをパッと答えられるようになると、今度はボケも効いてくるわけ。だから「影響された作品は?」とかは栗谷、ちょっとボケ始めて。ない月9のドラマとかを言って。で、新田さんもそれを知らないから「どんなドラマですか?」っつったら、そのないドラマのことを栗谷が言っていったりして。「○○のシーン、知らない?」とか。で、それがちゃんと面白くなって、俺たちも笑っちゃったし。

「あれ? ちょっとなんかボケと真面目の両方ができるようになってるし……あと、あいつ、新田さんの目を見てしゃべれてるじゃん!」っていう。それで相方が「栗谷さん、佐久間さんを下ろしたら女の子としゃべるんだ」って言ってて(笑)。佐久間が止まって見える上に、女の子ともしゃべれる状態になったのよ。あいつ、マジで女の子と目を合わせてしゃべれたこと、ないんだって。だけど、しゃべれるようになっていて。で、一旦止まった時に急に栗谷。ニセ佐久間がね、「新田さん、緊張ほぐれてきた?」っつって。フハハハハハハハハッ!

「最初、緊張してたから」って。「それ、お前じゃねえか」と思ったけど。でも、そんなのもあっていい感じでいじってほぐしたりしてるんだよ。そんなの、俺もできないから。そしたら、ちょっとずつインタビュアーの新田さんもニセ佐久間に変な意味じゃなくて、惹かれてきてるんだよ。「私、この人にいい質問をしたい」みたいな感じになってきて。グイグイなってきて。「いいことを言うな」ってなっていたら急に、新田さんが悩み相談を始めたの。「あの、ちょっと悩み相談をしてもいいですか。最後に」って言ったの。

で、栗谷が……俺、「大丈夫か?」って思いながら見てたんだけども。「いいよ。何でも聞いて」って。もう、ゾーンに入ってるから。そしたら新田さんが「自分には特徴がないんです。それでいつも悩んでいて。オーディションにも通らない。特徴ない自分って、どうやってこの芸能界でやっていったらいいですか?」っていう質問だったの。そんなの、めちゃくちゃ難しいじゃん? 俺もどうやっても答えられない。

そしたらニセ佐久間の栗谷がね、「なんか、ちょっと好きなもの、ある?」っつったら、「プロレスとかですかね」って。「ちょっとそういうのってなんか、モノマネでもいいし、好きなシーンとか、できる?」「やってみます」って。それでやったんだけど、恥ずかしくなって笑って途中でダメになっちゃうの。正直、それって一番ダメじゃん? そういう状態だったの。「えっ、栗谷、どうすんの?」と思ったら。「座って。今、できなくて、悔しい思いをしたよね? 『悔しい』っていう気持ちって、絶対に持ち続けた方がいい。この経験って、絶対に役に立つ。俺もテレ東に入った時に最初、ドラマのADを経験して、キツかった。同じことやってるだけ。俺の存在の意味ってあるのかな? 俺の特技なんて何も生かせない……」って言っていて。これ、本当の話ね(笑)。

「そう思ったの。でも……」って。それでここで俺も何回か話した話だけども。「でも、ドラマの小道具で女子高生の弁当を作ったら、それがディレクターに認められて。ADの仕事でもドラマって面白くできるんだと思ってから、俺の仕事って変わったの。今の若い子、チャレンジしない。でも今、君は腰を上げたじゃん? チャレンジしたじゃん? もう1歩目は踏み出せているのよ。頑張るだけ。絶対大丈夫。周りのこと、気になるけどそれは小さいことで。実は今、1個チャレンジしたっていうのがめちゃくちゃ大きくて。そっから始まるから……」って。栗谷の目が、ちょっと濡れてんのよ。

で、さらに真剣な目になって。「あのね、自信って目に見えないんだ。だから、目に見えないから自分で作ることができるのよ。架空の自信って、持てるのよ。だから、マイナスなことを考えちゃいけないの。架空の自信をたくさん持って、気付かれてもいい。でも、気付かれなくてもこの架空の自信で頑張ったら、それを本物の自信に変えればいいんだよ。それまで、自分で頑張れ。本物の自信に変えられなかったら、俺が変えてやるよ。それがプロデューサーの仕事だよ」っつったの。「ええっ?」って。俺、鳥肌がゾワゾワゾワッて立って。「栗谷、佐久間を超えてるじゃん!」っていう(笑)。

佐久間を超えた栗谷

(佐久間宣行)「ニセ佐久間が……いや、栗谷が俺を超えたじゃん!」と思って。だって、めちゃくちゃいいこと言ってない? その目を見たら、栗谷の目がちょっと涙ぐんでるのね。「うわっ、なんだよ、栗谷!」って思って。そうなんだよ。栗谷は、自分に言ってんのよ。要は、そんなに売れてない芸人の自分に対して言っているわけ。

それで「そうか。栗田には自分に言ってるんだ!」と思って見たら、新田さん、号泣(笑)。その悩み相談をした新田さんが号泣してるわけ。ニセ佐久間の栗谷に人生相談して、モデルの新田さんが号泣してるのよ。でね、「うわっ、すごいな!」って思ったんだけど。同時にそこで思ったのが「えっ、これ、ネタばらし、する? えっ、どうする? だってニセ佐久間でちゃんとインタビューして、悩み相談も完璧にして、泣いて。いい収録でしたってなってるじゃん? 同じ格好の俺、これ、行く? これ、台無しじゃね?」っていう。

で、みんなスタッフに「集合!」っつって(笑)。「えっ、俺、行く? どうする?」って。それでみんなで悩んで結論、出なかったんだけど。これ、どうしたかは土曜日配信しますんで(笑)。土曜日のYouTubeでちょっとね、ご確認ください(笑)。

<書き起こしおわり>

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