オードリー若林「トスバッティングライブ」案を語る

オードリー若林「トスバッティングライブ」案を語る オードリーのオールナイトニッポン

オードリー若林さんが2022年5月7日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中でオードリーの2人の実際のキャラクターを生かすネタ「トスバッティング」について春日さんと話していました。

(若林正恭)まあ、どこでやるってわけじゃなく、漫才を喫茶店に入って考えたりする時があるんすけど。なんか、もう苦労したくないなと思って。苦労したからって面白いものが作れるわけじゃないのがわかってきてるんで。

(春日俊彰)なるへそ。

(若林正恭)で、基本的にこのラジオもそうだし、『オドぜひ』もそうだけど、ボケないじゃないですか。オープニングとか。このオープニングが全ての仕事の中で一番自然じゃないですか。

(春日俊彰)はいはい。

(若林正恭)それで俺、いい方法を思いついたんだけど。「フリートークライブ」って銘打って、俺がボケの漫才を書いていけばいいんじゃないかな?ってこの間、ひらめいたんだよね。

(春日俊彰)ほう。なるへそ。

(若林正恭)ピンクのベストを着て七三でライブのオープニングトークの時とか、出てくるじゃん? あの時、普通にしゃべってるじゃん? だから普通にしゃべれる……でもサンパチマイクが置いてあると、ちょっと違うのか?

(春日俊彰)まあネタ……「漫才やります」みたいな感じになるのかな? その、枠というか、くくりが。

(若林正恭)だからもうおかしいよな。このラジオを聞いてる人からしたら。

(春日俊彰)まあ、そうだね。急にねサンパチマイクがあったら、ゆっくり出てくるわけだからね(笑)。

(若林正恭)逆だよね。見る分量と聞く分量が絶対ラジオの方が多いから。でも、そう考えるとなんかほら、このラジオしか聞かない人は俺の顔も春日の顔も知らないわけじゃん?

(春日俊彰)そんな奴、いないだろうよ?(笑)。

(若林正恭)いや、それは言い切れないんじゃない?

(春日俊彰)そんな奴はいない。これはもう言い切るよ。海外とかでね、聞いてたりすると、あるかもしれないけど。

(若林正恭)俺が緑のモヒカンなことも知らないわけじゃない?(笑)。

(春日俊彰)フハハハハハハハハッ!

(若林正恭)たぶん、その見たことがなければだよ。テレビでオードリーを。俺が緑のモヒカンで、春日がなんだろうな? 今風の髪型だと思うと思うよ(笑)。

(春日俊彰)そんな、見たことがない人には……(笑)。ラジオしか出てないわけじゃないですから。我々は。そのパターン、あるじゃない? ラジオのディスクジョッキーみたいな人が想像と実際に見たらが違うみたいな。でも今の時代はもうないのかな? SNSとかあるから。顔がわからない人とかってたぶん、いないでしょう? 顔がわからないでラジオで声しか知らないみたいな。

(若林正恭)ああ、そういうもんですか。

(春日俊彰)昔はまあ、よくあったけどね。で、実際に見てがっかりするみたいなパターン、あるじゃないですか。想像と違った、みたいな。それはもう、いないでしょう?

(若林正恭)あれでしょう? 俺たちが子供の頃の少年ジャンプの正月号で作者の人たちが顔写真で出てくる時にがっかりするみたいな(笑)。

(春日俊彰)がっかりするね。勝手な想像なのよ。こっちのね。勝手に「シュッとしてるんだろうな」と思ってるけど。こんな、なんかおじさんというかね、冴えない感じの……。

(若林正恭)だいたい薄いサングラスをかけている。あの大門的なサングラスをかけてる。

(春日俊彰)「こんなさえない感じなんだ。こんなおしゃれな漫画を書いているのに……」みたいなのはあったけど。今はね、うん。ないだろうし。

(若林正恭)でも伊集院さんが『あちこちオードリー』で言ってたじゃない? 「ラジオはラジオの伝わりやすいことと、伝わりにくいことがあって。テレビはテレビの伝わりやすいこと伝わりにくいことがある」って。俺さ、思うんだけど。結局さ、『ドラえもん』のキャラの配置だよな。見た目って。これ、どうしようもない。のび太、スネ夫、ジャイアン、出木杉くん。っていう見た目で分かれるよな?

(春日俊彰)えっ、見た目で分かれる? どういうこと?

(若林正恭)だから、性格は違くても、ジャイアンっぽかったらジャイアンぽいっていうか。

(春日俊彰)ああ、その見た目がね。はいはい。印象っていう意味ね。

(若林正恭)その、微妙な差はあるよ。ブタゴリラとジャイアンの。

(春日俊彰)まあ、そうだね。

(若林正恭)で、なんか春日っていかにもボケそうじゃん? で、俺はボケなさそうじゃん? でも『ヒルナンデス』のVとか自分で見ていても、「変だな」って思うもん(笑)。

(春日俊彰)ああ、パッと見の印象と違うのか。

(若林正恭)でも、ラジオでボケてる方が、伝わってない部分があるんだよね。音声だけだから。

(春日俊彰)見た目で邪魔されない……「邪魔」というか、印象づけられないっていうか。そういうことだよね。

(若林正恭)だって見た目は真面目なジャイアンじゃん?(笑)。だから漫才がマジで……ちょっと面倒くさいんだよね、もう。

(春日俊彰)面倒くさい?

(若林正恭)春日がボケとして生きるものを探す時間と労力っていうものを計算すると、ものすごいコストパフォーマンスが悪いのよ。で、俺がボケの方がもう一瞬で作れるのよ(笑)。

(春日俊彰)ああ、なるほどね。はいはいはい。

(若林正恭)で、聞いたことあるんだよ。真面目な空気の時。「黒いスーツ着て、髪を下ろして出るの、無理だよね?」って聞いたら「無理」っつってたよね?(笑)。

(春日俊彰)無理だね(笑)。今から。

(若林正恭)ああ、そうか。じゃあ、しょうがないんだよね。でも、もう書く気しないぜ。ズレ漫才。真面目な。その4秒おきに笑いどころが来るの。はっきり言って(笑)。

(春日俊彰)まあ、そうか。そうだね。

(若林正恭)そうなのよ。誰か、なんかいないかな? そういうのな。

(春日俊彰)「いない」ってどういうことですか?

(若林正恭)いや、なんか俺はもうわかんないから。「春日がボケ」っていうもので生きる……でも、だいたいテレビの春日を元にした脚本じゃん? テレビの春日を振りにした。ドラマコントとかで春日が面白い時って。でも、そうじゃないんだよね。自分たちでネタをやるとなると。

(春日俊彰)ああ、そうだね。たしかに。

(若林正恭)「ヤバい奴だな」と思ったことないもん(笑)。でも、探さなきゃいけないのよ。違うヤバさがあるはずだから。視点を変えれば。俺と春日が一番生きる設定、なにか知ってる?

(春日俊彰)ええっ? なんだろうね?

(若林正恭)トスバッティングなんだよね。

(春日俊彰)トスバッティング? どういうことですか?

(若林正恭)俺がトスバッティングのバッティングの方。春日がトスをしてくる方。で、春日のトスが上すぎたり、下すぎたり、早すぎたり、遅すぎたり、手前すぎたりすることに俺がブチ切れるっていう。で、春日はピンと来てないっていうのが一番オードリーなの。オードリーを凝縮したら、トスバッティングになるの(笑)。

(春日俊彰)ああ、トスバッティングコンビなんだ(笑)。

「オードリーを凝縮したら、トスバッティングになる」(若林)

(若林正恭)でもなんでできないかっていうと、舞台上でやると危ないからなんですよ(笑)。ネットがね。

(春日俊彰)ああ、なるへそ! 絶対に客席に飛ばないようにしたら、できるのかな?

(若林正恭)で、たまにさ、「コロナ禍でもライブやってます」ってビニールのシートが客席と舞台の間に……っていう時代があったじゃん? あれを見た時に「あっ、いよいよトスバッティングのコントができるぞ!」って思ったんだよね。あれ、もう1時間できるから。

(春日俊彰)うん、わかる。

(若林正恭)俺はお前がトスが下手なことを、もちろんそのお前の人格まで否定するから(笑)。

(春日俊彰)ああ、いいですねえ!

(若林正恭)なんでトスが下手かを。

(春日俊彰)ただトスをやっているだけなのに。今までの人生、人格まで……(笑)。

(若林正恭)「お前は俺に気持ちよく打たせる気持ちがあるのか? 自分に聞いてみろっ!って言うんだよ。で、お前が自分に聞くの。「春日、若林さんに打たす気がありますか?」って……これ、もう1時間半できるよ。

(春日俊彰)いい、いい。

(若林正恭)トスバッティングライブ、やろうか?(笑)。

(春日俊彰)やりたいねえ! で、ワーッと怒られた時にトスしちゃったりとかしてね(笑)。

(若林正恭)「今、トスする感じじゃねえだろ、お前!」って(笑)。

(春日俊彰)「ええっ?」って(笑)。

(若林正恭)で、「それ、ボケとしてやったことはもう俺は知ってるからな?」って言うのよ。「変な風にお笑い、覚えるなよ!」っていうところも否定していくから、一番盛り上がるんですよ。

(春日俊彰)バッティングセンターとかでやればいいんじゃない? ああ、いいねえ。

(若林正恭)ネタ合わせも必要ないから。

(春日俊彰)なんかそういう、「トスバッティングライブ」っつって言えばできんじゃないですか? 銘打てば。

(若林正恭)でもそれで『ベストワン』、出させてくれるのかな?

(春日俊彰)行けるでしょう?

(若林正恭)透明のシートとかやって?

(春日俊彰)とか、本当に緑のネットを。

(若林正恭)でも、1時間やるんだよ? それを(笑)。

(春日俊彰)いや、そっちの方がたぶん怒られると思うよ(笑)。1時間やることが。

(若林正恭)それで「変われ! 気持ちがわかるから。どんぐらい嫌か」っつって。顔面に思いっきりビニールボール、当てるから(笑)。

(春日俊彰)いいねえ!

(若林正恭)で、苦情が来て謝らないっていう(笑)。

(春日俊彰)ああ、いいですねえ! やってみたいね。

(若林正恭)トスバッティングなんすよ。「トスバッティング」って一番上にノートに書いてから考えてるもん(笑)。構造がトスバッティングのものを探すけど、結構ないんだよね。

(春日俊彰)ああ、そうかもね。

(若林正恭)そうなのよ。

トスバッティング的な構造のものがない

(春日俊彰)で、なんかそうね。ボールとかバットなしでやるのもちょっと違うしね。コントっぽくね。

(若林正恭)全然違う。

(春日俊彰)絶対、実際にボールとバットがあった方がいいしな。

(若林正恭)そんな、いいですよ。しゃべらなくて。わかってないから。

(春日俊彰)フハハハハハハハハッ!

(若林正恭)あの、俺のところまではね(笑)。だから、しゃべるのはいいわ。やっぱり(笑)。

(春日俊彰)別にいいでしょう?(笑)。ああ、いいねえ。なるへそ。そういうことだったんだな。

(若林正恭)オードリーのトスバッティングニッポン、やりたいんだよね。全国ツアー(笑)。トスバッティングだけで全国を回っていくっていう。1時間できるから。

(春日俊彰)うんうん。野球場でやってもいいだろうしな。ライブハウスじゃなくてもいいんじゃない、別に。それをやるなら。

(若林正恭)うん? 理由は?

(春日俊彰)いやいや、トスバッティングができるからね。トスバッティングが。

(若林正恭)えっ? 遠い人でもわかりやすいってこと?

(春日俊彰)いや、その遠くにお客さんいるとかじゃなくて。

(若林正恭)野球場でやるのと舞台でやるとだったら、野球場の方が笑いも増えるの?

(春日俊彰)いやいや、笑いが増えるとかじゃなくて。その、トスバッティングができるからっていうね。

(若林正恭)うーん。じゃあ、別に野球場じゃなくてもできるね。

(春日俊彰)すいませんでした……。

(若林正恭)フフフ(笑)。

(春日俊彰)なんで謝らなきゃいけないんだよ!(笑)。ちょっとした……案じゃないのよ(笑)。

(若林正恭)野球場でやる方がウケないのよ。厳密に言うと。マッチするから。

(春日俊彰)ああ、なるへそ。不自然じゃなくなるから(笑)。難しいな。

(若林正恭)あ、しゃべらないでいいです。俺のところまではわからないから。

(春日俊彰)なんでだよ! 別にいいじゃん。しゃべっても(笑)。しゃべることは別にいいでしょう?(笑)。

(若林正恭)いや、そうなのよね。それがあるんだけどねうん。

<書き起こしおわり>

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