星野源『SPY×FAMILY』EDアニメ映像の素晴らしさを語る

星野源『SPY×FAMILY』EDアニメ映像の素晴らしさを語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年4月26日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で自身の楽曲『喜劇』が流れる『SPY×FAMILY』EDアニメ映像についてトーク。その素晴らしさを話していました。

(星野源)さあ、それでは、ちょっと話そうかな。土曜日、アニメ『SPY×FAMILY』ミッション3がオンエアーされまして、新曲『喜劇』が流れるエンディングアニメ映像が初オンエアーとなりました! ありがとうございます。皆さん、見ていただけましたでしょうかね? TwitterとかYouTubeでも公式でノンテロップ版のエンディングアニメ映像が公開されて。とんでもない再生数になってますけども。見ていただいた方も多いと思います。素晴らしかったですね。本当にもう、早く発表しなかったよ。

だから俺、インスタにも書いたんだけどね。ちょっと、あまりに素晴らしい映像すぎてね。みんなで見ていたの。僕の音楽のチームのみんなと最初、見てて。「これ、届きましたよ。完成して、届きました!」っつって。見てさ、もう泣きそうなっちゃったの、俺。でもなんか、みんなの前で泣くのは恥ずかしいからすっごい我慢して。すごいなんか、変な人みたいになって(笑)。「早く家に帰ってじっくり見たい!」みたいな。で、家に帰ってじっくり見て、ポロポロ泣いて。「すげえ素敵!」と思いながら泣いたぐらい好きな作品でしたね。

絵コンテと演出が錦織敦史さんということで。僕がもう6年ぐらい前か。『YELLOW VOYAGE』だったかな? ツアーに見に来ていただいて。その時にちょっと連絡先を交換して、そこからやりとりさせていただいたりとかしてて。で、『THE IDOLM@STER』っていうアニメ作品、僕は大好きなんですけど。その映画も監督もされていて、アニメも監督されていて。で、たぶん皆さん的によりわかりやすい名前で言うと『シン・エヴァンゲリオン』の総作画監督。そしてキャラクターデザインをやられている方で。割と同世代、僕の1個上ぐらいの方なんですけど。もうすごい人で。

なかなか……「いつか、お仕事ご一緒できたらいいですね」みたいな話はしてたんですけど、こんなタイミングでできるとは……っていう。で、僕がエンディング主題歌をやることが決まってちょっとしてから、「源さん、錦織さんってご存知ですか?」って言われて。「ああ、もちろん。知り合いですよ」って話をしたら「実はエンディングの演出をするみたいです」「マジっすか!? やったー!」みたいな。すげえ嬉しくてですね。で、初めて完成版を見た時に、あまりの……曲をめちゃめちゃ聞いてくださってる感じっていうか。

もちろんね、その『SPY×FAMILY』っていう作品への深い洞察力というか。「ここを持ってくるんだな」みたいな。本当にあの細かいところ……一番最初の「ジャーン、ジャーン、ジャーン、ジャーン♪」ってアーニャが1人でポツンと立つところがどこなのか、とか。その淡い線で書かれている門がどこの門なのか、とか。そういうところも細かく見ていくと、本当に素晴らしいアニメーションなんですよね。あと、その楽曲への理解度みたいな。リズムも含めてすごく合わせて作ってくださったりとか。あのサビのね、もう手を繋いでるところでね、「ああっ!」ってなるの(笑)。で、見た人はわかると思うんですけど、最後に寝ているところが出て。「夢の中だったんだな」って思うんですけど。

そのね、だからいわゆるアーニャが……ちょっと『SPY×FAMILY』の内容に関しては省略させていただきますけど。アーニャがロイドとヨルと家族になって暮らすことになる前。その前っていうのが想像できるように作られてるんですよね。だから、いわゆるアニメのエンディングとかって、オープニングもそうかもしれないけど。今後、出てくるキャラクターとかがちょちょっとずつ出てくるみたいな。

「今クールで出てくるキャラクターはこれですよ」っていうような予告で、それを見てわくわくしてくださいね、みたいな意味合いもあったりするわけじゃないですか。で、「ああ、なるほど。このキャラクターが今後、出てくるんだな」っていうのは楽しみにするんだけど。

だから今後、描かれるものも描かれてるんだけど。でも、アーニャがその前に何があったか?っていうことがこれはアーニャが見ている夢なので。今、暮らしていて、登場人物のことをみんな知っているんだけど、それの前の記憶っていうのが断片的に出てきているっていうような演出になっていて。それがすごく淡い線で書かれていたりする。

アーニャの記憶が断片的に出てくる演出

(星野源)で、途中でロイドとヨルが出てきて、手を繋いで家の中に入っていくんだけど。それの入り方が『サザエさん』っぽかったりっていうのもわざとだと思うんですよね。だからそう思うと、アーニャはアニメが好きですから。もしかしたら『サザエさん』を見てたりするのかもしれないっていう。まあ、年代的にちょっとあれですけど。どうなのかわからないですけども。まあ、『SPY×FAMILY』の年代の設定っていうのは一応、架空の国の設定だったりもするので曖昧なところがまたいいっていうような。だからそれもあって、もしかしたら見てるかもしれないっていうのも含めてアーニャの夢の中でインスパイアされてそれが出てきているかもしれない。

で、最初がロイドもヨルも顔が見えてなくて灰色なんですよ。ちょっとシルエットっぽいっていう。それがだんだん顔が見えてくる。そのだんだん見えてくる感じが「家族である」っていうことをだんだん認識が強まってくる感じっていうか。すごくほっとしていくような。で、1人だった場所から周りに人がどんどん増えていって、大事な人が増えていくっていうようなのを夢の中で追体験しているような感じっていうんですかね? で、最後に踊ったりとか、一緒にオムライスを食べたり……俺、あのオムライスのカットがもうダメなんだよ……。

あれ、「これ、告知していいですよ」っていうアニメの一枚絵みたいなのをたくさんいただいて。俺、あのオムライスをみんなで食べてる絵だけでもちょっと涙が……(笑)。「ちょっとヤバい! ううっ……」みたいな。俺、本当ああいうのが弱いんですけど。でもなぜかというと、やっぱりそれの前を想像するからなんですよ。その「楽しい、嬉しい」っていうのの前に「そうじゃない日」があったっていうのがすごくわかるから。

だから「ううっ……」ってなるんですけど。そこも照明の具合によって灰色になったり、その影がすごく……ずっとロイドとヨルがきれいに見えてるんじゃなくて影が入ることによって、その影は何も映らなくなるんですよ。なので、その影っていうのは夢の中ですごく不安な要素。不確実な要素になっている。

だから「本当にこのまま一緒にいてもらえるんだろうか?」みたいな気持ちを表現しているように見えるんですよね。で、「すげえな。いいな!」って思ったのはその夢の中で影が不安な要素なんですけど、最後にフワーッとアーニャが飛んでいって。で、その夢の中から現実の寝てる姿になるんですけど。その寝てる姿……きっと、自分の部屋で寝ていて。カメラ側にドアがあって。そのドアが開いていて、ドア側に光があって。その光でロイドの影が見える。そのアーニャが寝てるのを見守っていて最後、明かりを消すみたいな。

だからその夢の中では影が不安の要素だったんだけど、現実の方ではそのロイドの影っていうのが「本当にいる」ということの説明になっている。だからアーニャの不安じゃなくて安心のメタファーが影になってるいう、その二つの影の切り替えみたいなところが最高だぜ!っていう風に思いましたね。なので、そんなところも含めてですね、ぜひ。めちゃめちゃ細かいところに「ああ、これが書いてあるんだな」とか、すごくあるので。ぜひ止めながらでもいいんで、何回でも見ていただきたいですし。『喜劇』もたくさん聞いていただきたいと思っております。

『SPY×FAMILY』エンディング主題歌アニメ映像

(星野源)それであともう1個、気になったことがあって。これ、誰か指摘してる人、いるんだろうか?って思うんだけども。『SPY×FAMILY』の第2話。ミッション2でヨルとロイドが出会う服屋さんがあるんですけど。その服屋のショーウィンドウ。左のショーウィンドウと右のショーウィンドウがあって、右のショーウィンドウに『恋』のミュージックビデオのELEVENPLAYの皆が着てるふうにすごく似てる服があるんですよ。まあ、でも『恋』のミュージックビデオも60’sみたいなイメージもあったりもするので。時代的にも別に意識してない可能性も全然あるんですけど。

で、コミックスのカラー版を確認してみたら、それは違う色だったんですよ。シャツが白でスカートが黄色っていう風にアニメはなっていたんですけど、コミックスでは全然違う色だったんですよ。だからもしかしたら、なにかその色をつけた人なのか、書いてくださった人が何かを意識してくれたのかな?っていうのは……その、遊びだったのかわかんないですけど、何かをやったのか。もしくは全く関係ない可能性も全然ありますけど。

でも、もしそうだった場合、ヨルとロイドが出会った店にそれが……『恋』っていう曲のミュージックビデオの衣装と似てるものがあるっていうのがなんかキュン!ってなるみたいな。でもそれを、なんか「そうだね」って言ってる人をまだ見たことがなくて。でもね、わかんないんだけどね。実際、わかんないけど。だからその可能性は全然低いんですけど。パロディー的なことだったかどうか。でも、カラー版のコミックスは全然違う感じだったので、もしかしたらあるかもしれないな、なんて思ったりしました。はい。

(星野源)そんなわけで、ぜひたくさん本編も、そしてエンディング映像も含めて何度も見てください。『SPY×FAMILY』、よろしくお願いします。これからもね、何回も何回も流れていきますから。また来週もめっちゃ面白い回だと思うんでね。ぜひ、お楽しみにということで、ここで1曲、お送りしましょう。星野源で『喜劇』。

星野源『喜劇』

(星野源)はい。ぜひ皆さん、たくさん聞いてくださいね。星野源の新曲で『喜劇』でした。たくさんメールが届いていて。エンディングの感想ももらっているので、それも読みましょうね。「『SPY×FAMILY』の3人の生活が始まって初めて流れたエンディングアニメ映像。アーニャ目線で描かれていて『喜劇』の歌詞と音色にアニメ映像がぴったりマッチしてて感動しました。私の一番好きな場面は『踊るきしむベッドで』の部分で3人が踊ってるところです」。あれ、いいよねー。「この先もずっと3人でふざけた生活が続きますように……とアーニャの寝顔を見ながら思ってしまいました」。そうですよね。あそこなんか、踊るんだけど最後に「ゲッツ!」ってやるんだよね(笑)。「ゲッツ!」なのかはわからないんだけど、「ゲッツ!」って感じがね、かわいいんですよね。あれ。すげえ好きです。

岐阜県の方。「エンディングアニメ、見ました。『創造』のミュージックビデオのような多数の枠にわかれたイラストや、『SUN』のミュージックビデオを思い出すような部屋の壁が展開する部分があり……」。ああ、たしかに。そうだね! 『SUN』は僕も思いました。「星野さん要素が散りばめられている? と興奮しました。偶然なのか、もしくは演出された錦織さんの遊び心なんでしょうか?」という。いや、たしかに。『創造』はわかんないけども、枠はあれ、ああいうデザインが元々あるもんね。だから、もしかしたらでも『SUN』の部屋の壁がバーン! みたいなのはもしかしたらあるかもしれないですね。いや、ありがたい。

<書き起こしおわり>

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