R-指定 KICK THE CAN CREW『脳内VACATION』を語る

R-指定 KICK THE CAN CREW『脳内VACATION』を語る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

R-指定さんが2020年4月21日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中でKICK THE CAN CREW『脳内VACATION』を紹介していました。

(DJ松永)じゃあ、Rさんの日本語ラップ紹介、まいりましょう。

(R-指定)じゃあ、行きましょう。今日、紹介したいのはKICK THE CAN CREWさんです。これ、KICK THE CAN CREWさん、言わずとしれた日本のヒップホップの中でもトップクラスに売れて、紅白とかにも出たグループですよ。KREVAさん、LITTLEさん、MCUさんの3人。この3MCのグループなんですけども。1回、この番組では『クリスマス・イブRAP』を紹介しましたよね?

(DJ松永)ああ、流したね。

(R-指定)なんですけど、今日紹介したいのは『脳内VACATION』です。

(DJ松永)『脳内VACATION』!

(R-指定)そう。今、なかなか外に出れないので『脳内VACATION』という曲を紹介したいんですけども。これはキックの3人が全盛期の忙しい時に書いたのかな?っていう風に俺は想像しているんですけども。「みんな、旅行に行きたいんだけども行かれへんから脳内だけでも旅行をしようかな?」っていう。脳内でKREVAさん、LITTLEさん、MCUさんが旅行、バケーションをしに行くっていう内容の曲なんですよ。で、この曲のすごいのは曲のサビ。誰でもわかるような言葉、超若者言葉で。どんなサビかっていうと「どっかでなんかしたい ななななんとなくなんかしたい イエーイ!」っていう。でも、キックのすごさっていうのはこれなんですよね。

(DJ松永)ああ、たしかに!

(R-指定)KICK THE CAN CREWっていうのはメロディラップのサビでヒットしたというよりはホンマのラップサビ。メロディのついていない言葉の破壊力だけでヒップホップのヒット曲をずっと出しているんですよ。たとえば、みんな知っている『マルシェ』。「上がってんの? 下がってんの? みんなはっきり言っとけ(上がってーる!)」。これ、誰でもわかる超簡単な言い回しやけども、頭に残るフレーズ。

誰でもわかる超簡単な言い回しで頭に残るフレーズ

(R-指定)それとか「さよなら、さよなら、俺の嫌いなところだけ、イエーッ!」とか。

(R-指定)この時期になるとそれがより激化していて。『ナビ』っていう曲のサビは「手、ブンブンブン、足、ズンズンズン」っていう曲なんですよ。

(DJ松永)フハハハハハハハハッ!

(R-指定)でもサビはめっちゃ頭に残るんですよ。

(DJ松永)それ、すごいよな!

(R-指定)しかもこれをキックが一巡目にやったんですよね。ラップが流行った時に一発目でこのわかりやすくて頭に残る、メロディじゃない言葉の繰り返しでサビとしての破壊力を出すっていう。だから、後続の我々はラップサビで破壊力のあるものを作り出すのが非常に難しくなった。そんぐらいのキックのすごさ。で、この「どっかでなんかしたい ななななんとなくなんかしたい」っていうサビに象徴されるように、みんなどこかでなんかしたいっていう希望を言っているんですよね。でも、KREVAさんのパートなんか女の子に「どこに行きたい?」って聞いたら女の子が「えー、それじゃタイとかバリ」「やっばいね! ビートとかで愛を語りてえな」っていうKREVAさん丸出しのフレーズが出てくるんですけども(笑)。

(DJ松永)フフフ、丸出しだなー!(笑)。

(R-指定)そう。「タイとかバリ」と「愛を語りてえな」っていう上手い韻なんですけども、俺的にKREVAさんポイントは「やっばいね!」なんですよね(笑)。

(DJ松永)最高(笑)。

(R-指定)ほんでMCUさんも「久しぶりのバケーションじゃ 負けてられねえ若えもんにゃ」っていう、キックの中での最年長メンバーとしての言い回し。それでLITTLEさんはね、とにかくこの曲で踏みまくっております。「このいい機会に君に会いに行きたい次第です来月」って。ここ、ずっと韻が途切れることなく。「いい、機会に、君、に会いに、行き、たい、次第です、来月」。それで「いつ以来ですか長い歳月が照れくさくするそんな再会です」っていう冒頭から韻の連打。ちょっともう最高!

(DJ松永)もうそれ、連れて行かれるな!

(R-指定)連れて行かれるんで。これ、ぜひみんなもバケーションした気持ちになって聞いてください。KICK THE CAN CREWで『脳内VACATION』です。

KICK THE CAN CREW『脳内VACATION』

(DJ松永)最高だね!

(R-指定)いや、これは売れるわなっていうか。口ずさみたくなるもんな! このいい感じの……俺は当時、キックの曲をちょっと追っかけで聞いたんですけども。俺の考えるザ・東京の若者っていう感じの肩の力が抜けたこの感覚……そら、売れますよね。最高です! ホンマにどっか行きたくなる曲でした。KICK THE CAN CREWで『脳内VACATION』でした。

(DJ松永)ううう……どっか行きたい……(笑)。

(R-指定)行きたいよな、マジでな(笑)。

(DJ松永)どっか行きたいよお……(笑)。

<書き起こしおわり>

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