佐久間宣行さんが2022年2月16日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中で自身の担当する番組『黄金の定食』についてトーク。急遽、店探しをした際に自身が10年通う常連の町中華を推薦したという話をしていました。
なにわ男子・大橋和也、MC挑戦 シソンヌ・長谷川&佐久間宣行Pとのタッグで新グルメ番組スタート #黄金の定食 #大橋和也 #長谷川忍 #佐久間宣行 #なにわ男子 https://t.co/gpjPrwmpWx pic.twitter.com/0NpOl1MX3A
— クランクイン! (@crank_in_net) January 8, 2022
(佐久間宣行)あのですね、新番組を1月からやってるんですけど。『黄金の定食』っていう番組。なにわ男子の大橋くんとシソンヌの長谷川くんの2人で。どういう番組かって、前も説明したかもしれないけど。定食屋さんに行って、いろんなメニューの中からただただ悩んで1個……メインの定食と小鉢をひとつずつだけ頼めるっていうので。2人が延々と悩み続けて、最終的にはそれぞれが決めて食べるっていうだけの番組なのね。で、食べるシーンが非常に長いっていう番組なんだけど。
まあ、それがお陰様で結構好評で。出演者の皆さんとも楽しくやっているの。何より、ロケが楽しいんだよ。大橋くんと長谷川がすげえいいやつだからロケが楽しくて。なんだけど、今こういうコロナとかの時期だから……『黄金の定食』ていいのは、そのお店しか行かないから。移動しないから。だからコロナ対策をしっかりやってロケをやってるんだけど、たまにね、お店の方がコロナでお休みになっちゃうとか。そういうこととかがあるんだけど。
それが、先週ロケをやる予定だったお店が、ロケの1週間前ぐらいにそんな事情で、ちょっとコロナの関係でロケができなくなったわけ。それが、もうロケ1週間前だったから、会議でみんなで「えっ、どうする?」「どうしようか?」みたいな。で、元々「中華のお店に行こう」っていっていたのね。なんでかって言うと、それまでに普通の定食のお店とか、洋食とかって回っていったら、まだ行ってないのが中華だったの。だから「中華、行きたいね」って言って中華を調べて、中華のお店で内諾を取れてたお店がちょっと、そのコロナの関係で「ここは行けません」ってなって。
予定していた店が急遽ロケ不可能に
(佐久間宣行)で、みんなで「来週だな?」ってなって。リモート会議をやっている時に。で、候補のお店が結構あるんだけど。でも、もちろんおいしいお店で、ロケできるスペースがあって、店員さんが理解があって……っていうんで。今回は、お店の関係上、中華で、みたいなことをやっていたら、よさそうなところがなかなかなくて。「どうしようか? 1週間後ですよ? 許可なんか、急に取れないじゃないですか?」ってなって。
で、「調べます」ってなったんだけど……あの番組って、ディレクターがお店に通いつめて、全部のメニューを食べる。で、食べて、ディレクターがよかったものをお勧めするっていうやり方だから、そのディレクターが食べられる期間で言うと、5日とかないと全部は食べられないでしょう? だから、1週間前には決めてないと間に合わないの「じゃあ、今日決めないと間に合わないですね」ってなって。
そうなると、もう自分のよく行くお店しか思いつかないわけ。で、俺もひとつ、思いついたの。中華の、俺が10年以上通ってる店があって。「あそこなら、許可を取りやすいだろうな。店員さんも優しいし、テレビのロケも何回か、結構やってるお店だから。あそこなら、たぶん今お願いしてもOKしてくれそうだな」っていうお店をひとつ、思いついたの。なんだけど……混むの、嫌じゃん?(笑)。わかる? テレビマンの悩み、ジレンマなのよ。これはもう、言うしかない。
「もうたぶん町中華のあの店を言えば、抑えられるだろう」っていうテレプロデューサーとして気持ちと、もうひとつ、常連として「ようやくテレビロケも最近はなくなって。ここのところ、入りやすい。いつ行っても空いているようになってきたのに……混むのは嫌だな!」っていうので悩んで。で、会議で「言うべきか? 言わないでいるべきか?」みたいな。で、「誰か、もっといい店を言ってくれ!」っていう。「ああ、そういえば……」を待ってたんだけど、全然……「この店、どうですか?」ってあったんだけど、「その店、そのロケの曜日は定期日です……」みたいなのがあって。「うわー、マジかよ……」ってなって。
でも、その日に決めないといけない。プロデューサーとしての責任と、ただの常連としての悩み。で、しかもロケ時間が結構決まってるから。「ヤバい……」って。で、みんなシーンとしちゃって。「これ、1本撮りでもしょうがないですかね」みたいな感じの空気になったんだけど。でも、1本撮りなんて今のなにわ男子の大橋くんのスケジュールにあるわけないのよ。
悩んで……「あの、俺が10年ぐらい通ってる、この町の町中華、どうかな? あの、おいしいのよ。餃子がね、特性のタレがあって。で、キクラゲと豚肉の炒めものとかもすごいおいしくて。定食もやってる店で、俺は定食でよく行くから……」って。そう言った後、「まあでも結構、テレビに出てるのよ。だから新鮮味はないかも。みんな、知ってると思うし。リサーチとかしても出てきちゃうから、新鮮味はないかな?」って言って。俺、もう保険を打ってね。「じゃあ、まあいいっすわ」っていう。「そのお店、知ってます」を待ってたんだけど……「いや、知らないっすね。俺、リサーチしてきます!」ってなって、ADが速攻で「じゃあ会議、終了でいいっすか? リサーチしてきます!」だって(笑)。
で、終わって。「はあ……これでよかったんだ」って。これでよかったんだ。ただ、許可が取れない可能性もある。許可が取れなかったら、苦しむのは俺なんだよ? 俺の番組だからね。苦しむんだけど、許可が取れないっていうのもワンチャンあるなって。プロデューサーとしての責務は、自分が常連の店を出した時点で果たしてるから、これで許可が取れなくても俺はもう悪くない。やることはやった。取れなかったら、運が悪い。でも、取れなかったらマジで番組は苦しい。そんな状態で「うーん……」って思ってたら1日後ぐらいに「ロケ、OKもらいました! すごいいい方でした! ここからディレクターが通い詰めます!」みたいになって。
それで最初に思ったこと。本当には最初に思ったことね。「あーあ……」って思っちゃって(笑)。「やった!」じゃないのよ。「あーあ……」って思っちゃった。これ、しょうがないのよ。常連が勝っちゃったから。で、そうするとさ、ある程度行ったら混むじゃん? だからその前に行こうと思って。オンエアーの前に行こうと思ってたんだけど……もう1週間しかないから。ギリギリで仕込んだから、もうどうやってもその町の中華屋さんに行けなくて。それで、本番の日を迎えました。
当日、お店の都合でロケが15時からだったのね。ランチタイムを除いて、15時から。テレビのロケの時って15時からってよくあるのよ。休憩の時間だから。で、その後の2軒目がもっと夜遅く。しっかり食べるから、時間を空けるっていうのもあって。で、ロケが15時だったんだけど……長谷川くんも大橋くんもすごい真面目だから、朝から食べてこないわけ。だから、昼ぐらいとか午前中のロケが一番いいのよ。で、15時のロケって初めてだったの。今までね。
腹が減りすぎてテンションがおかしい2人
(佐久間宣行)そしたら、2人とも腹が減りすぎて、もうテンションがおかしい状態で始まるっていうのがあって(笑)。で、長谷川とかはなんかもうギラギラしてて。「へー、こんなところにあったんだ。俺、見逃してたな。よくここ通ってるのに。これ、うまいんすか? 中華屋さん、初めて来ましたっ!」って。なんかチンピラみたいな感じで(笑)。腹が減りすぎて、テンションがおかしくなっていて。
で、なにわ男子の大橋くんはお腹が空きすぎると、すげえナイーブになるのよ。で、ちょっと前にお腹が空きすぎている状態でうまそうなナポリタンの映像を見たら、泣きだしたんだよ(笑)。「うまそうすぎる!」って言って。だから、赤ちゃんなのよ。チンピラと赤ちゃんの収録みたいなのが始まって。で、まあまあ、中華屋さんだからそのギラギラしたやつと赤ちゃんで始めるロケ。メニューを見せないわけ。出来上がった時にしか料理の画は見せないの。だから、メニューに書いてある名前だけで悩んでるのね。
「うわー、どれにしよう? 町中華でうまいんだったらこれ、食べたいな。酢豚、食べたいな」とか言っているんだけど。で、狭い店だから俺はそのなにわ男子の大橋くんと長谷川くんの、その正面の方は総合演出とかカメラでいっぱいだったから。俺は後ろの陰に隠れていたの。見切れない方に。そこに担当ディレクターと一緒に隠れていて。で、2人の話をモニター見ながら聞いてたんだけど。そりゃそうよね。俺が常連なんだから。
で、ここが重要なのよ。俺はそれを言っちゃうと、大橋くんと長谷川がやりづらいかなって思っていて。「俺の常連の店だ」とは言ってないけど。10年通ってる店だっていうのは。で、ロケをやってたんですよ。ただ、やっぱり気になるんだよね。俺がいつも食うのはキクラゲと豚肉の炒めと餃子。特製のタレがあって、それがうまいから。それがあるんだけど、そのことを一向に言わないのよ。長谷川と大橋くんが。「酢豚が食べたいな」とか言ってるんだよ。「違うんだよ、豚肉とキクラゲの炒めがうめえんだよ!」って思って(笑)。後ろでね。
「ええっ?」って。そういう番組なんだよ。そういう番組なんだけど。「角煮、うまそうっすね」みたいな。「違うよ。キクラゲと豚肉の炒めがうめんだよ!」って思いながら後ろで待ってたの。そしたら今度、これは自分が通ってる店だと「その店の魅力を知ってほしい」っていう常連の気持ちの方が立ってくるんだね。そうすると、お店に通ってたくさん食べたディレクターがお勧めをするんだけど。「今回はそのお勧めのメニューとかはガチでやってほしいから、俺は知らないでおくわ。口を出したくなっちゃうから」って言って、ディレクターにも言わなかったの。
いつも多少、押しのメニューはチェックしたりはするんだけど、何にも言わないで。俺は初見で。後ろでね。常連だから。そしたらディレクターが「ここはキクラゲと豚肉の炒めものがうまいんですよ」って。「わかっているじゃん! それそれ!」って思って(笑)。「それよ!」って思って。でも、大事なことを言っていないの。「餃子はうまい」って言っていたんだけども、「特製のタレがついてる」って言わなかったの。そのディレクターが。「マジか!」って思って(笑)。いや、他にもおいしいメニューはあるんだけども。その特製のタレのことを言ってないの。言ったのかもしれないんだけど、俺は聞き取れなくて。「マジかよ? 言ってねえな!」と思って。
でも、『黄金の定食』っていう番組は一番影響を与えるのは最後に出てくる、そのお店の常連さんのお勧めなのよ。やっぱり常連さんのお勧めって食べたくなるじゃん? で、いつもは定食屋の常連ってだいたいおじさんだったりするから。あとはガテン系の若者とかで。そういう人が来て、最後に「僕はこれを食べてます」とか「この店に最後に来るんだったら、このガッツリナポリタンを食べます」とかっていう。それが最後に影響を与えるわけ。
で、これはありがたいんだけど、店も1週間前に決まったじゃん? だから常連さんもなかなかつかまらなかったの。急にスケジュールを取ったから。お店も探してくれて。で、無理やりスケジュールをこじ開けて常連さんが来てくれたんだけど、スケジュールが合ったのが20代の若い男性と女性だったのね。その2人組だったの。で、通って5年だっていうの。その人がね。俺もその常連さんもその時が初めてだったから。まあ、どこかでお店で会ったことはあるのかもしれないけど。その20代の男女が来て。「通って5年になる」っていう話をした時に俺、後ろで「マジかよ? 俺、10年なんだけど?」って思って(笑)。
いや、5年でも十分なんだよ? ただ俺、12年ぐらい通ってるから。「マジかよ? お前、5年で大丈夫かよ?って思って(笑)。せっかく来てくれた常連さんに……言ってないよ。心の中でちょっと思っただけよ? 「でもまあ、5年通ってるんだったら、魅力は伝わるはず。いまいちここまで目立ってない豚肉とキクラゲとか、特製の餃子のタレの話をしてくれるはずだ」って思って。そしたら、第一声で「お若いですね。何歳ですか?」みたいな話になった時に「あの……」って。急に決まった常連さんだし、別にリハとかもやってないから、ガチガチに緊張してるわけ。若いし。あのね、おじさんは緊張しないの。シソンヌの長谷川もなにわ男子の大橋くんも別にびびんないから。
でも、20代の男女だと、ジャニーズのスターとシソンヌがいるから、やっぱり緊張しちゃうのよ。で、ガチガチに緊張してるから、プロデューサーとしてね、心配な気持ちもある。「大丈夫か?」っていう気持ち。そしてもう1個、常連として「お前、伝えられるか? この店の魅力を」っていう(笑)。そういう気持ちでいたの。そしたら、まあまあ「ここは角煮とか土鍋がおいしいです」って言っていて。「ああ、それもうまいよな。でも……でも……?」って思ったんだけども。でも、その土鍋の話しかしないわけ。
まあ、それもいいんだよ。その人が食べたいんだから。正解はないんだから(笑)。この番組に正解なんかないんだから、別にいいんだけど。「まあまあ、そうね。でも……?」と思いながら(笑)。「でも……?」って思ってたの。それで担当ディレクターが俺の隣にいたんだけど。俺に「ちょっと緊張してますね?」って。で、本当は言わなきゃいけないことも言ってないのかもしれない。わかんないけど。で、その後女性の方が麺ものをお勧めしていて。そこは麺ものもうまいの。麺もののお勧めもあって、たしかに麺ものも言ってほしかったの。「でも……?」って思って(笑)。「だって、特製の餃子のタレのこと、言ってないじゃん!」と思って。
「特製の餃子のタレのこと、言ってないじゃん!」
(佐久間宣行)「これ、ディレクターが言ってほしいことを言ってないんだから、そこは常連が絶対に言ってほしい!」と思ってたんだけど。その麺もので、ある麺料理のことを言って。大橋くんとかも「うわっ、それ、食えるんすか? いいなー!」って言っていて。「うわっ、ヤバい。その麺料理、行っちゃうじゃん! あと角煮、行っちゃうじゃん。このテンション……」と思ったら、長谷川がやっぱり「うわっ、角煮、いいっすね」みたいな感じになって。「マジかよ?」って思って。
「えっ、ダメなの? 俺が言っちゃ、ダメなの?」って思って。フハハハハハハハハッ! そう思ったのね。一瞬。で、そのへんからもう常連のブロックが終わったわけ。そうすると、本チャンの注文になるわけ。その時点で豚肉のキクラゲの炒めがそこまでプッシュされていない。あと、これが問題。これはね、聞いて? 餃子の特製のタレの話をしてないので。そこは餃子の特製のタレがうまいの! でも、それを言ってないってなると、正当な競争じゃなくなるじゃん? 全部の情報が明かされた上で選ぶんだったらいいよ。それで選ばれないんだったら、俺だって諦めるよ。うん。それはフェア。
でも、伝えられてない情報がある状態で、俺の常連の店が……俺がずっと、10年通ってる店がジャッジされるのは我慢ができないと思ったの(笑)。それで、担当ディレクターの方を見たら、担当ディレクターがたしかに「佐久間さん、タレの話、してないですね」「どうする?」「大丈夫です」って。俺の方に頷いてくれたのよ。頷いてくれたのを俺はね、最初「どっちだ?」って思ったの。「もう、このまま行きましょう」なのか……。俺は、「佐久間さん、言った方がいいですよ」って感じたの。
だから、長谷川と大橋くんが「うーん、これ、どうしようかな? でもまあ、今の常連さんの話を聞くと……」って言っていたぐらいの、その最後の注文する前に、俺は後ろにいるのよ? 角の方。その後ろから出てきて「あの……俺、10年ここに通っているんだけど……」って。「ちょっと待ったー!」っていう(笑)。「ちょっと待ったー!」っつって。もうド痛常連(笑)。ド痛常連の人よ。それだけはね、もうどうしても我慢できなくて。
「あのね、俺、ここに10年通ってるんだけど……」「ええっ? じゃあなんで最初から言わないんですか?」っていう。まず、それがあるじゃん? 「最初からずっといるのに、なんでそれを言わなかったんですか?」ってなった後で「いや、ちょっとひとつだけ言わせて? ここは、餃子を頼むと、別に頼むと特製のタレが付いてきて。それは一見、真っ赤に染まってて。『激辛だな』って思うんだけど。そこにドボンと餃子をつけて食べる、激辛じゃない。甘い。そして、ほんのり辛い味がしてきて。すごい、もうご飯もビールも全部進むの! これだけは、なかった情報だから。これだけは、どうしても常連として言いたくて」「ああ、そうなんですか? ええっ、それは聞いてなかった。よかったです」って。
「あと、豚肉とキクラゲの炒めがめちゃくちゃうまいんだよ!」って言って。それでいなくなって。それで奥を見たらその総合演出がすげえびっくりしていて(笑)。「えええーっ?」っていう(笑)。こっち側のディレクターは「この話が抜けてるから言おう」ってなっていたけど、総合演出だけ向かいにいたからそれを伝えられなくて。本当はLINEを送ればよかったんだけど。で、総合演出だけめちゃくちゃびびっていて。でも結果、それでまた一盛り上がりあったのよ。「ああ、その情報があると、変わってくるな。うわー!」って盛り上がって。
で、最終的に大橋くんと長谷川が何を頼んだかっていうのだけは、オンエアーを見てほしいって話なんだけど(笑)。あとね、終わった後に総合演出にちゃんと謝ったよ(笑)。何を頼んでもいいんだよ? でも、俺は餃子を頼んでほしかったから(笑)。
<書き起こしおわり>