東野幸治さんが2021年12月31日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオSP~俺たちの紅白歌合戦~』の中で桑田佳祐『すべての歌に懺悔しな!!』を選曲し、曲の思い出を話していました。
【#ホンモノラジオ SP
俺たちの紅白歌合戦】
白組キャプテン!#永野 さん登場!!「ラッセンに特に興味ありません!」 #ドッキリGP では東野幸治しか
笑っていないそうです。。。#東野幸治 #ABCラジオ pic.twitter.com/D7p5gew7kh— 【公式】東野幸治のホンモノラジオ(ABCラジオ) (@honmonoabc1008) December 31, 2021
(東野幸治)さあ、続いて私、邦楽の方にいかせてもらっていいですか? あの、桑田佳祐さん。『すべての歌に懺悔しな!!』。
(永野)最高!
(東野幸治)俺、これね、リリースが94年ですか。ソロ作で。『孤独の太陽』っていうアルバム、俺、好きなんですよ。
(永野)僕も持ってますよ。
(東野幸治)めっちゃ暗いじゃないですか。
(永野)僕、暗いのが好きなんですよ。
(東野幸治)俺も暗いのが好きで。あれ、大好きなアルバムで。
(永野)『月』もいいですよね。
(東野幸治)で、これは一応、5作目のシングルの『祭りのあと』のB面なんですけども。あ、『月』もいい! 『ふぞろいの林檎たち』でかかるんですよ。後期の方の『ふぞろい』でもいきなりかかって。俺はそこで知るんですよ。「なんや、この歌?」って思って。で、調べたらこの歌なんですけども。
で、その『すべての歌に懺悔しな!!』っていうのは言うたら問題作で。アーティストがおだてられてドラマに出たりして。それに「お前らアホか、猿か!」っていう、すごい汚いキツい表現をしていて。それを当時、矢沢永吉さんがドラマに出ていたり、長渕剛さんもドラマに出ていたから。その2人に対する揶揄じゃないか、みたいなのですごい芸能スキャンダルみたいになって。
で、会見を開いて否定したりとか。矢沢永吉さんは「俺はいいけども、桑田は大丈夫なのか?」って心配して。大人の対応を見せたりとか。一方、長渕さんは「絶対に許せねえ。ボコボコにしてやるぜ」って言ったりとか。対応が全く違って。でも、洋楽が好きだから。そんなの、洋楽雑誌を見たらめちゃめちゃ載っているから。「やっと日本もここまで来たか!」って。音楽ゴシップ大好きの俺としてはすごく嬉しかったんですよ。
(永野)それこそ、大晦日でしたからね。桑田さんのライブに長渕さんが乱入するんじゃないか?って。
(東野幸治)乱入するんじゃないか、みたいな。不穏な感じ。そういうのが今はもう全然ないじゃないですか。
(永野)そうなんですよ。不穏が足りないんですよ、本当に芸能界とかは。だから「昔、尖ってました」ってあれ、やめませんか? ずっと尖っていろよ!っていう。
桑田佳祐と長渕剛の不穏な空気感
(東野幸治)乱入していけよ、とか。で、紅白歌合戦もね、なかなか選ぶメンバーもこれでいいの? とか。ハラハラドキドキ感みたいなものを僕は求めるタイプなので。この曲を改めて聞いてちょっとあの頃、ヒリヒリしていたし。それ以来、一切共演しないし。今のオリンピックの歌を歌っている桑田佳祐さんもいいけど、俺はどっちかって言ったら人の悪口を言う桑田佳祐さんが大好きなんですよ。
(永野)僕も同じです。あとはエッチな歌とか、ナンセンスな歌の桑田さんが好きで。ちょっと自慢していいですか? 急に。
(東野幸治)いや、いいよ、いいよ。
(永野)YouTubeで永野CHANNELってやっている中で『稲村ジェーン』ってあったじゃないですか。あれを30年ぶりぐらいにディレクターさんに借りてブルーレイで見て。そしたら当時はよくわかんなかったんですよ。
(東野幸治)酷評ですよ。
(永野)大酷評だったじゃないですか。それで今、いろんな経験を経て見てみたら……あと『真夏の果実』とか『希望の轍』が自分の人生のサントラにもなっているじゃないですか。30年かかって。だから、思いが入っちゃって。あの退屈な感じがジム・ジャームッシュの作品みたいな感じで刺さっちゃったんですよ。
(東野幸治)なるほどね。
(永野)それを私ごときのYouTubeで語ったら、桑田さんまで届いたんですよ。桑田さんがラジオで「永野さんが僕の作品を……」とか言ってくれて。これ、すごくないですか?
(東野幸治)いや、すごいよ。『稲村ジェーン』、あの桑田佳祐が監督するっていうので話題になって。その同時期に、たけしさんも映画を作るんですよ。
(永野)あれも聞いたところによるとアンサーらしいですね。
(東野幸治)あれ、アンサーなのよ。で、なおかつ桑田さん、最高のミュージシャンが監督をするから、たけしさんは音楽では勝たれへんからっていうんで。真木蔵人さん主演の耳の不自由なサーファーが主人公の『あの夏、いちばん静かな海。』。あれ、一切曲が流れないんですよ。
(永野)そういうことなんですね。
(東野幸治)音楽を流さないんですよ。っていうのもあったりする、そんな時代のヒリヒリしたアーティストの喧嘩歌じゃないけども。これはこれで賛否はありますけども。これぐらい、気持ちよく喧嘩腰で歌っているのはなかなかないなと思うので、聞いてほしいなと思います。桑田佳祐さんで『すべての歌に懺悔しな!!』。張り切ってどうぞ!
桑田佳祐『すべての歌に懺悔しな!!』
(東野幸治)いやー、やっぱりいいですね。こういう風に急にめちゃくちゃ言うっていう。国民的バンドで流行歌手の一面もあるバンド、ビッグバンド。それが急に、ナイフ持って後ろから襲いかかってくるっていう(笑)。「えっ、どうした?」みたいな。これ、音楽好きというか、こういうのが好きな人なんかにすると刺さるというか。
(永野)いいですよね。フォークに統一したアルバムなんですよね。フォークな精神なんですよ。素晴らしい。
(東野幸治)メッセージですからね。桑田佳祐さんの『すべての歌に懺悔しな!!』でございます。
<書き起こしおわり>