東野幸治さんが2022年7月22日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中でいがらしみきおさんの漫画『Sink』を紹介していました。
(東野幸治)『幽☆遊☆白書』は見てるんですか。漫画、見てたの?
(渡辺あつむ)1回見て、もうだいぶ忘れました。「後半、えげつないほどおもろい」だけ覚えてます。
(東野幸治)そう。前半、1話、2話、3話が映画の『ゴースト』のなんかパクりみたいやった。言葉悪いけど(笑)。
(渡辺あつむ)まあまあ、幽霊やからね。
(東野幸治)浦飯幽助っていう……これ、作者もたぶん許してくれると思うけど。ジャンプに連載決まって、主人公の名前をいろいろ考えると思うねん。才能ある方やから。富樫先生やろ? あると思うのよ。で、「浦飯幽助にする」ってことはもうどう考えてもその頃、力がなくて。ジャンプの編集の担当の人に、「いや、わかりづれえんだよ。だからヤンキーの男の子が好きな女の子を守って死んじゃったけど、幽霊になってその女の子を守るっていう……だからラブコメなんだよ!」って言われて。
「くっそ! いつか見とけよ!」ってなって。で、戦闘シーン、喧嘩シーン、アクションシーンから火がついて、どんどんどんどん自分のやりたい方に行ったけど。でもその唯一の心残りが「なんで主人公を浦飯幽助にしたんだろう?」っていう(笑)。絶対そうやろ? 絶対つけたらあかん名前やん?(笑)。
(渡辺あつむ)いや、そうですね(笑)。その恨みがあって「休んでやる!」って(笑)。
「浦飯幽助」の恨み?
(東野幸治)休んだりとか、自由自由に漫画を書くっていう(笑)。だから、あのことがあったから。浦飯幽助てゴリ押しでやってしまったから、集英社側も強く言えないと。それがNetflixでドラマ化するという。これもだから北村匠海くんがやるんでしょう? まあ賛否も……絶対、漫画の原作で。そら実写化したら絶対にファンの方が怒るやん?
(渡辺あつむ)ああ、まあそうですね。うん。
(東野幸治)いや、でもちょっとどんなんなるのか、楽しみだなとはちょっと思いますし。あと『SLAM DUNK』も今年の秋から来年ぐらい、映画でしょう? アニメで。あれ、だからどこをするかもいまいちまだ、わかってないんでしょう? 山王戦になるのか、山王戦の前なのか。それが1個で終わるのか、前編・後編なのか。テレ朝のアニメは全国大会の行く直前で終わったんですよね。
(渡辺あつむ)山王戦とか、なかったんですよね。
(東野幸治)なかった、なかった。山王戦をやるのか、その前のをするのか、どうするのかですから。これはだから、見に行かなあかんでしょう? 『SLAM DUNK』は。
(渡辺あつむ)見たいです。一番好きな漫画です。はい。
(東野幸治)ああ、一番好きなの?
(渡辺あつむ)はい。僕、意外とハッピーな人間です(笑)。
(東野幸治)そうよね? 俺がたまに紹介する漫画、えらいくさすもんな?(笑)。
(渡辺あつむ)いや、くさしはしません。いや、もうほんまにめっちゃ面白いんですけど。でも東野さんがおすすめしてくださる漫画ってだいたい暗いタイプのやつなんで。めちゃくちゃ面白いんです。ただ、あの……後味悪いっす(笑)。
(東野幸治)ああ、そう?(笑)。そうなんですよ。『Sink』とかね、紹介しました(笑)。
(渡辺あつむ)あれはめっちゃ面白いです。『Sink』。いがらしみきお先生。めっちゃ面白い。もうめちゃくちゃやん!
いがらしみきお『Sink』
(東野幸治)フハハハハハハハハッ! 『Sink』って知ってます? いがらしみきお先生の全2巻なんですけど。めちゃくちゃ怖いんですよ。で、いがらしみきおさんって昔、デビュー当時はギャグ漫画で。『ぼのぼの』とか、その前は『ネ暗トピア』とか、今から40年ぐらい前に書いていたんですよ。それもメジャーな出版社じゃなくて書いてて。東北の出身の方なんかな? 相原コージの『コージ苑』の前から、もうそういうちょっと不条理って言われてるような4コマ漫画を書いていて。
で、『ぼのぼの』でちょっと小動物のやつやって。それが何か、グッズになったり、ああいうのになって儲かって。で、たまに『ぼのぼの』の中で見せる、なんかちょっとね、なんとも言えへん変な感じのギャグみたいなのもあって。それを残しつつ、それがしばらくしてからあんまり書かなくなった時に急に『Sink』っていう漫画を書きだして。それはたぶん当時の流行りの先駆け的なネタ。言うたらパソコンを使って書く感じの絵なんですよ。で、主人公は、なんか普通の一般家庭があって。子供が高1から中3ぐらい。なんとなく。で、思春期からお母さんも「なんとなく急に雰囲気、えらい変わったな。あれ? こんな子やったっけ? あれ? こんなに背、デカかったっけ? こんなに手、デカかったっけ?」っていうのが始まって。
そこから急に、その街の中で謎の事件じゃないけど。なんか電信柱の上の方に、半分に切られた車のタイヤがあったりとか。で、徐々に街がおかしくなって、人がおかしくなって、どんどんどんどんなんか怖くなっていって。なんかある、なんかある……ってなったら急に、2巻の中盤ぐらいからスパークしだして。怖くなって。ただただ怖くなって。
(渡辺あつむ)息子がね。
(東野幸治)息子がどんどんデカなってきて。ほんで服、着いひんようになってきて。ほんで怪物になってきて。よく『世界仰天ニュース』で家から出られへん太ったやつみたいになってきて(笑)。それでさあ、一体どうなるんだ?っていうのを紹介したんですよ。
(渡辺あつむ)めっちゃ面白いんですよ。ドキドキドキドキするんですよ。後味、めっちゃ悪いんですよ(笑)。
(東野幸治)フハハハハハハハハッ! いやー、ちょっとNetflixでドラマ化してくれへんかな? 『Sink』(笑)。
<書き起こしおわり>