オードリー若林「できて当たり前」と思われている仕事を語る

オードリー若林「できて当たり前」と思われている仕事を語る オードリーのオールナイトニッポン

オードリー若林さんが2021年11月20日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で「できて当たり前」だと思われてしまっている自身の仕事について話していました。

(若林正恭)で、この間、『バチくるオードリー』で漫才やったじゃん? あれもさ、だからさ、世代もあるけどさ。若い時、ああいう企画でやらせていただくとさ、なんていうんだろう? プラスがあるんだよ。「ああ、できるじゃん」っていう。でもさ、今の俺があれをやってさ、できたところでさ、なんか誰も褒めないのよ。で、できなかったらめっちゃ言われるから。だから俺、ちょっと思ったの。「できません」っていう漫才に持ち込んだ方がいいのかな?って一瞬、本番前によぎったのよ。でも、それって計算してやったらバレるじゃん?

(春日俊彰)まあ、そうだね。できるはずなのに。

(若林正恭)だからやれたところで別にプラスないし。やれなかったらマイナスあるしっていう風になってくるよね。若いじゃん? 井口とかたけるはすごかったけど。でも俺ができても別にさ、春日も岩井ちゃんも「ああ」みたいなさ(笑)。

(春日俊彰)そもそもだから「できるかな? どうかな?」っていう目線じゃないからね。たけるちゃんとか井口くんはいつものコンビじゃない、相方じゃない人と……まあ「できる」っていうのはもちろんわかるけど。どのぐらいできるのかな?って。

(若林正恭)腕があるのは知ってるけど、どうなのるのか? 普段の相方と違うから。

(春日俊彰)そう。下手したら全然かみ合わない感じになったり。焦っちゃったりとかして。そうなるのかな?っていうのがあるから。

(若林正恭)ただ、あの企画で俺も春日も参戦しないと、なんか冠であぐらかいてる感が出るから。どっちかやらないとダメだよな。

(春日俊彰)まあまあ、そうだね。うん(笑)。

(若林正恭)でも、もう別に「言われたい」っていう気持ちもないのかもしれない。できたところで……。

(春日俊彰)それもあるだろうし、たぶん腕を見せてやるっていう気持ちもないじゃない?

(若林正恭)なかった。

(春日俊彰)だから見てる側も「できるかな? できないかな?」っていう目線じゃないから。

(若林正恭)ハラハラしない。で、ハラハラしないんだったら、なんでやるんだよ?(笑)。

(春日俊彰)ただの確認なだけだもんね。「やっぱりできた」っていうだけの(笑)。

(若林正恭)ただの確認だけど、やるとしたら3番手なんだよな。順番はやっぱり。一番手ではないわな。

(春日俊彰)まあだから……どうなんだろうね? 「やっぱりできたな」っていうので、うん。微増ぐらいはしてるんじゃないですか?

(若林正恭)いや、微増もしてないと思うよ。で、してなくていいし(笑)。してなくていいのよ、別に。

(春日俊彰)マイナスじゃないだけ、いいのか。

(若林正恭)だからマイナスにならないようにするんだけど。「マイナスになった方がいいのかな?」っていうのは一瞬、よぎった。

(春日俊彰)ああ、なるへそ。それは難しいところだよね。

(若林正恭)難しいところだよ。だから夢がないんだよね。仕事してて。

(春日俊彰)たしかにね! 減らさないためにやってるみたいなね。マイナスにならないために。そうだね。

(若林正恭)そうだよなー。欽ちゃんとか、どうしてたのかな? 欽ちゃんと自分を比べるのはおこがましいけど。欽ちゃんってどうしてたんだろうね? できて当たり前の時期が長いでしょう? きっと。できなかったらめっちゃ言われるし。あと、できないのを望まれてる感じも感じたぜ? 『バチくるオードリー』で。

(春日俊彰)ああ、そうですか。

(若林正恭)「みんな『若林、できねえじゃん』って思いたいだろうな」みたいな。

(春日俊彰)「どうしたんすか?」みたいな感じのやつね。

できて当たり前。できないことを望まれている?

(若林正恭)だったらそっちの方がいいのかなとか。でも、狙ってやったら岩井ちゃんと春日にバレるし。えっ、じゃあなに? 春日の気持ち的には出てくる俺の……「次、若林です」っていう時はどういう感じなの?

(春日俊彰)どういう感じ……いや、興味深いよね。「あの人がどういう感じで、どうなるんだろう?」っていう。そんな、別に無関心なわけじゃないからね。

(若林正恭)でもそういう人って、いっぱいいるんだろうな。他の職業でも。

(春日俊彰)そうだろうね。できて当たり前。できなかったらマイナス。褒められないっていうね。

(若林正恭)そうだよな。飲食業界なんて絶対そうだもんな。

(春日俊彰)ああ、そうじゃない? いつものカレーライスを同じ客に出していて。ある日急に「めちゃめちゃ美味いっすね!」とは言われないもんね。ただ、いまいちの時は相当……「いや、今日はマズかったね」って。マイナスを……そうだよね。

(若林正恭)だから、覚えているもん。はじめて……だから『ダイナマイト関西』ってね、俺はたぶんテレビでネタをやる前ぐらいに『ダイナマイト関西』が事務所関係なく、どこの誰でも応募していいですよっていう大会があって。俺、それに応募したんだよ。メールして。で、それがあって。なんかその時はあったたもんね。「大喜利をするんだ」みたいな空気が。勝ち上がっていくたびに。そういうの、あるよな。夢がねえんだよなー。

(春日俊彰)そうだよね。たしかにね。

(若林正恭)「失敗してほしい」っていう感じ、すごい感じる。いろんな……たとえば『しくじり先生』とかで自分がやることになった時に。

(春日俊彰)そうだね。たしかにそっちの方が意外だもんね。失敗した方が、そっちの方が盛り上がるんだろうな。

(若林正恭)だからなんかサトミツと最近、ずっと相談してるんだけど。大喜利を……たとえばYouTubeでずっと俺が大喜利やってたらさ、なんか嫌じゃない? わかる? 今、やっていたら。

(春日俊彰)たしかに……なんか嫌だよね。なんなんだろう? なんか、嫌だよな。なんか、明るくないよね(笑)。ポップじゃないというか。なんつーんだろうね(笑)。

(若林正恭)だから、あんまりいないもんな。やっているっていう人な。

(春日俊彰)なんだろうね? まあ、別に悪くはないんだろうけどね。

(若林正恭)なんかそれ、ちょっと思ったな。

(中略)

(若林正恭)やっぱり疲れ方が違うんだね。スタジオとロケではね。

(春日俊彰)いやー、違うね。やっぱり疲れは……身体的には疲れてはないけど。

(若林正恭)なんかこう、頭というか。

(春日俊彰)あれは大変だよ。

(若林正恭)「あれは大変だよ」(笑)。でも、誰も「大変だ」って思わないよ?

(春日俊彰)うん、そうだろうね。見た目的にそんな大変そうじゃないから。

(若林正恭)座って話を聞いてるだけ、みたいな。俺、2人だけ言われたもん。『激レアさん』のゲストに。俺、「絶対許さねえ」と思っているからね。

(春日俊彰)なんでよ?(笑)。

(若林正恭)弘中ちゃん、大変じゃん。パネルを貼って。

(春日俊彰)そうね。全部把握しなきゃいけないしね。

(若林正恭)で、プレゼンもすごいじゃん? 朝入るのも早いのよ。リハをやるから。そしたら2人だけ、ゲストで。「弘中ちゃん、大変だね。あんたは話聞いてるだけで楽しすぎよ」って。あともう1人、俳優さんにも言われたの。「絶対忘れねえからな、お前!」って心の中で思って(笑)。口にも出しそうになったけど(笑)。でも、ウケないから。そんなことを言っても。

(春日俊彰)そうだね。伝わらないだろうしね。たしかにそうだなー。

(若林正恭)でも、難しいよな。だからな。

(春日俊彰)わかりづらいからね。

(若林正恭)いや、でも「わかってもらいたい」とも思わないけど。春日に聞いてみて、なんかすごいすっきりした。春日でもそうなんだと思って。

(春日俊彰)あれはダメだ。スタジオ収録なんて週に1回か2回しなきゃダメだ。

(若林正恭)あれも出たじゃん? 『潜在能力テスト』。あれもやっぱり疲れ方、ロケと違う?

(春日俊彰)まあ、こっちは答える側だからさ。あれは、MC側だったら大変よ。あれはやっぱり月イチぐらいしなきゃダメ。体がおかしくなっちゃう。スタジオ収録は週1か2。あとは全部ロケとかの方がいいよ。あんな……やっぱり『あちこち』とかでも疲れるもんね。疲れ方が違うもん。ロケよりも全然疲れるね。

(若林正恭)でも、この間『オドぜひ』のスタッフが言ってたけど。YouTubeで更新されたりして。この間、オープニングトークが……オープニングトークってカットされるがこと多いんだよね。毎回、撮るんだけど。それを洗い出すために、オープニングトークの素材を散々見たら、春日が本当に地蔵みたいにしゃべんない期間があったってね。で、やっぱり結婚してからすごいしゃべるようになってるって言ってたよ。

(春日俊彰)ああ、それは松永くんが言う「ラジオで切れてるんじゃないか」時期と重なるのかな? 重なるかもね。

オードリー若林とDJ松永 春日のラジオ無気力時代を語る
オードリー若林さんが2021年11月6日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中でDJ松永さんに生電話をかけ、春日さんがラジオに無気力だった時代のことについて話していました。

(若林正恭)でもさ、羨ましいよね。羨ましいよ。だってさ、世阿弥の本にも書いてあるんだけど。「珍しいっていうのもひとつの花なんだ」っていうね。だから、そのしゃべんなかったからしゃべるようになってさ。『あちこち』でもさ、なんか突っ込みが切れ味鋭いみたいに言われるけど……今まで鋭くなかったから言われるわけじゃん?

(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! まあ、そうだね(笑)。

(若林正恭)それ、俺はすごいずるいと思うんだよね(笑)。

(春日俊彰)「ずるい」って言われても……(笑)。

(若林正恭)俺はできなかったら言われるからね。1個、拾わないだけで。

(春日俊彰)たしかに。こっちはプラスしかないからね。

(若林正恭)プラスしかないから。だからこの間も『バチくる』の打ち合わせの時にスタッフさんが入ってきて。「いや、春日さんの回し、すごかったっすね」って。俺の前で……俺が泣いたから。

(春日俊彰)はいはい。ピュアソングの時に。

(若林正恭)もう全員、本当にビンタしてやろうかと思って。あれ、「珍しいの花」じゃん。あれ、10年やったら言われないからね。あんなこと。悪いけど。珍しい、珍花だから。珍花だから言われるだけであって(笑)。

(春日俊彰)たしかにね。たまーにしか咲かない花みたいなね。

珍花・春日

(若林正恭)でも、だからやっぱり主役なんだよな。春日って。だから……スターってそうだからね。三振かホームランだから花があるわけじゃん? 見ていて。ワクワクするし。

(春日俊彰)そうだね。ホームランの方が圧倒的に少ないわけだからね。うん。

(若林正恭)だからこそ、すごいんだけどね。春日ってね。

(春日俊彰)まあ、そうか。

(若林正恭)珍花だよ、珍花。だから珍しいじゃなく……その花を枯らすために俺はどんどん、あの番組ではMCを放棄していこうと思うね。

(春日俊彰)ちょっと待ってくれよ! たまに咲かせてくれよ。嫌だよ。毎回毎回、咲かさせられて枯らされるの(笑)。

(若林正恭)でもさ、そう考えるとさ、サザンオールスターズとかってどんな気持ちなのかな?

(春日俊彰)いや、そうだね。

(若林正恭)いや、星野さんにもさ、ゲストで来ていただいた時に聞いたけどさ。「だんだん褒めなくなってきませんか?」っていう話をしたけどさ。全部の曲、素晴らしい曲をリーリスし続けるじゃん? でもまあ、星野さんは言われてるもんね。出すたびにね。だから、なんだろう? その作り方とかも変えたりとか。「今回もすごい。更新してる」って。そういうことだもんな。だから、サザンオールスターズとかってどう思ってるのかな? 桑田佳祐さんって……毎回いい曲じゃん? で、それを何十年やってるの?

(春日俊彰)30年……40年とか?

(若林正恭)で、このラジオだってそうだよな。だから言ったら。どんなもんなんだろうな? 面白さとして。

(春日俊彰)まあ、そうだね。誰も褒めないもんな。

(若林正恭)今日のオープニングってどうなんだろうな?

(春日俊彰)どうなんだろう? ぼた餅、どうなのよ? ああ、「先週よりもおもしろい」? なんだ、その言い方は! 先週は……先週はよっぽどだったんだな(笑)。

<書き起こしおわり>

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