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宇多丸 DJ OASISと2人きりで話したことを語る

宇多丸 野外フェス『波物語2021』問題を語る アフター6ジャンクション
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宇多丸さんが2021年10月25日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でDJ OASISさんと直接会って話したことについてトーク。オアシスさんのトランスジェンダーに関するツイートについて、2人きりで話した結果を報告していました。

(宇多丸)あの、すいませんね。ちょっと若干、事情が入り組んでるというか。でも一応、この月曜日に関係してる話なんで順を追って言いますと……9月27日ですかね。この番組の月曜日、このオープニングでお話しさせていただいた内容で。キングギドラというRHYMESTERとともに、90年から2000年にかけて……今ももちろんずっと続いてるグループ。我々とも盟友関係でもあり、ライバルでもあるというようなグループでございます。そのキングギドラのDJ OASISさんという人がいて。このオアシスとは私はソロでもフィーチャリングでやって3部作を作ったりとか。一緒に曲を作ったりするというような関係性でもあって。

非常に近しいところだったということですよね。最近、近年はちょっとなかなか直接会う機会がなかったんだけど。みたいなところで、DJ OASISさんがTwitterをやられていて。で、いろいろと発言する中で、本人はもちろんね、ちょっと後ほどちゃんと言いますけど。本人的にはね、そういう差別したり傷つけたりするという意図はなかったということではあるんだけども。でも客観的に見ると……私は特にね、この番組でトランスジェンダーのカルチャーであるとか。差別されてきた歴史みたいなこともね、特集でも扱っているし。自分も勉強させていただいて「なるほど」って、やっていて。発信する側ですから。

ちょっと、なんというか、一線を越えたというか。ちょっとはっきり、侮蔑してたり、差別をしていたり。なんというか、言説として暴力的なことになっちゃってるよっていうようなところがあったという風に私は思って。で、それに関してこの番組で発言した。これ、いきなりラジオで発言をするという決断もですね、あんまり近しくないところだったら別にTwitterで勝手にやってることだったらあれなんだけど。まあ一緒に曲を作ってる仲で、実際に「どうなってるんだ?」みたいなメールも来たんで。ここで僕が何も発言しないと、もしくはプライベートだけでやり取りなんかしてると、やっぱり容認した感っていうか。それが出てしまうなと思って。

で、僕はやっぱり特に人権に関することというか、人権が抑圧されたりとか。で、実際にそのトランスジェンダーの皆さんっていうのはすごく、はっきり言っていろんな人いる中で……もちろん、そもそもそういう、トランスジェンダーの人を「男、女」って分けるっていう考え方そのものに僕は反対だけども。まあその現状、トランスジェンダーだの人たちっていうのはすごく、一番声が小さいし、弱い立場で。アメリカなんかだと暴力とかに直接晒されるような立場だし。ということで、やっぱりその発言する緊急性というのかな? 責任というのかな? それも感じて、ラジオで敢えて話させていただきました。

で、翌日、宇垣美里さんの火曜日の日もそのフォローをするというか。要するに問題になっているというような性自認というね。要するに自分で性のあり方を決められるというね。で、そうなるとでも、たとえば女性用のパブリックスペース。「女性用の空間みたいなところにいろんな人が入っててしまっては危ないんじゃないか?」という意見があるんだけど。でも、それはトランスジェンダーの人たちが起こす何かではないじゃないですか。その性犯罪の抑止、防止、罰していくという件とトランスジェンダーの人の権利拡大っていうのは全く別の話であって。だから、そこが対立構造になるのはおかしいと思うというような話も追加でさせていただきました。

宇多丸 DJ OASISのトランスジェンダーへの問題発言を語る
宇多丸さんが2021年9月27日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でDJ OASISさんがTwitterで発したトランスジェンダーに対する問題発言について、話していました。
宇多丸 DJ OASISのトランスジェンダー発言への提言と反応を語る
宇多丸さんが2021年9月28日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で、前日DJ OASISさんがTwitterで発したトランスジェンダーに対する問題発言について話したトークを振り返り。DJ OASISさんやZEEBRAさんのその後の反応などについて話していました。

(宇多丸)でね、僕は僕でちょっとキングギドラというか、今後とも仲間として仕事をする機会もあるというか、ありうるし。実際、ちょっとひとつあったりするような中で、今までみたいにとは言いたくないけども。なあなあにしながら一緒になんかやってくみたいなのはよくないという風に思って。まずはキングギドラの中で一番中立的な立場というか。そのZEEBRAさんに連絡して。で、ZEEBRAさんを通じて最初は連絡を取るみたいな。

で、たとえば「『トランスジェンダーとハリウッド』という作品があるから、これをぜひ見て。そこから先でちょっと思うところを考えてくれよ」みたいな、そういうことを間接的にやり取りしていたんだけど。で、オアシスからね、直接私にメッセージが来て。「直接、話してくれ。直接、話をした上で判断して……」っていう。僕も「たしかにそうだな」と思って。最初は「直接会っても考えの隔たりが結構大きいから、なんかそんなに建設的なことになんないんじゃないかな?」という気もしてて。

「どうかな?」なんて言ってたんだけど……でも、たしかに付き合いも長いし。いろんな人に影響を与える中で会いもしないでそんな重大なことを決めちゃうのもなんだかなっていうことで。「じゃあぜひぜひ、会おうよ」って。元々別に仲はいいわけですから。で、日時を決めて私どものスタープレイヤーズ事務所にお招きして。「タリーズでコーヒーを買ってくるけど。ホットとかアイスとかラテとかあるかい?」「じゃあ、ホットのラテで」っていうんで。ホットのラテを。私はブラックで、なんて買ってきて。すいませんね、余計な情報で。でも、そういう感じなんですよね。

(熊崎風斗)そういうムードっていうか。

事務所で直接会って話す

(宇多丸)そうそう。要するに本来、人として嫌いになってるわけじゃないから。で、お招きして、本当に穏やかに、でも忌憚なくというか。話し合いました。もう2時間半ぐらい。最初は一応「2時間で時間を切ろうぜ」って言っていたけども。結局それが終わった後も30分ぐらいは最近のこう時世に関してお互い思うところみたいなことを話したりとかして。まあざっくばらんかつ、でもなんて言うかなちゃんと……要はね、なあなあにするというよりは、お互いの考えのなんて言うのかな? 「そこは悪意ないのは分かってる」とか。

「でも、たとえば悪意がなくて、とか正義感からやったことでも十分に人を傷付けたり、抑圧的だったり。なんなら暴力的な傾向に加担してしまうことが歴史上もいくらでもあるし。だからこそ、気を付けなきゃいけないんだ。特に我々は抑圧的な立場になりやすい50代男性で、だからめちゃくちゃ発言は気を付けなきゃいけないんだよ」っていうようなことを僕は話して。で、彼は彼で「こういう考えで言ってることで」って。「でも、僕はそれに対してもこう思う」とか、いろいろ本当に忌憚なく話して。

で、あるところで「ここはじゃあ、考え方が完全に違うところだから。ここはなかなか簡単に埋まるところじゃない。っていうか、この考え方の違いがあるからこのぐらいの差があるんだよね」っていうか。だから、要するに話し合いの結果、「オールOK。イエーイ。チャンチャン」っていう手打ちみたいな感じでは全然ない。むしろ、そこを明確にするための話し合いというか。でも、その上でオアシスさんも……これ、ぜひね、僕とヒップホップ業界の友人の話ではあるけども。皆さんが身の回りで考え方がすごく違う……考え方が違うのは別にいいんだけど。

なんか、「こっちから見るとそれは暴力的だよ。差別的だよ」みたいなことになった場合の一例として、やっぱり話し合って。で、僕は「やっぱりこれは特に看過し難い……要するに侮蔑したりとか、差別するような展開になっちゃってたじゃん。一時は」っていう。で、彼も「それはちょっと本当に反省している。ちょっと発言とか行き過ぎたところがあるのは認めるし。そういうトランスジェンダーの人たちのいろんな歴史みたいなのもわかったし、学んでいく」というようなことをおっしゃってくれて。

なので、これはだから「無神経だったところもある」みたいなことは前にもTwitterで書いてくれてたけど。「1回、ちゃんと『間違っていたし、そこは謝ります」っていうことを明確にしてくれないと、そこは俺はちょっと……その一線かな?」みたいなことを言ったら、「もう、それはぜひやるよ」と言ってくれて。それで実際に今日の昼、そういう訂正、謝罪かつ、今後の考え方みたいなことを書いてくれて。

もちろんね、まだまだ考え方に溝はあるし。それこそ話し合いの内容の受け取り方も、それこそ『最後の決闘裁判』よろしくですね、お互いに受け取り方そのもの、解釈の仕方そのものにももちろんまだ、当然違いはあるんだと思うけど。でも僕はオアシスなりにすごく話を聞いてくれて。彼なりに本当に学んで。で、本当に謝るところは謝るっていうのを実行してくれたし。そこはすごい感謝もしているし。「思ったよりも偉いな。思ったよりもこいつ、偉い」みたいな。俺、偉そうだけどね。すいませんね。ごめんね。みたいな風にも思った。

で、一方で僕も、もちろんさっき言ったように、なんていうか、これに限らずですけど。あんまり私ね、なんかこうオピニオンリーダーみたいなのを認じているわけじゃないですから。なんでもかんでも意見を言いたいわけじゃないんだけど。これに関してはもう本当に関係してる……一緒に曲を出してる人ですし。今後も仕事する可能性大な人ですから。関係してるということで、さっき言ったように看過したように見えてしまうこと自体が有害だと思ったから発言したけども。すいませんね。クドクドした話になってね。

だけども、やっぱり彼にしてみれば「だったら直接、連絡してくればいいものを……」っていうのを頭越しにラジオで言ったっていうことに対して、傷ついただろうし、「攻撃された」っていう風に過剰に思ってしまったかもしれないし。それによってなんか、余計に事態をこじらせたところも正直あるのかもしれないから。なので、そこはちょっと申し訳なかったかなとも本当に思いますよね。うん。

まあ、もちろんでも僕が毎日ラジオをやっていて。「そうやってオピニオンっていうことをバシッと言うべき時に言わないといけないんだよ」ってことに対しても「そういう立場も士郎くん、全然わかるよ。それは。言わなきゃいけなかったっていうことも」っていう風にもおっしゃってくれている。というような感じで、話をしてね。オアシスくんもそういう風に約束通りのツイートを上げてくれたんで。

もちろん、だから何度も言いますけど。これで全ての当事者……たとえば一連の流れですごく傷ついたとか、おかしいってなってる人が完全に納得するところまではもちろん行ってないと思います。私もそうですけど。だからまあ今後、どういう関係で、どういうレベルの感じになっていくのかはまだちょっと分かんないけど。「キングドラでも話し合ってね。もうちょっとね」なんていう話はしましたけど。とりあえず、「ここまで来ました」っていう話かな。

(熊崎風斗)実際に会ってみるのと、文章で見るのとはまたちょっと違ったりするんですね。

(宇多丸)もちろん、そう。向こうもそうだと思うよ。それは。「宇多丸、ラジオでこう言ってたよ」なんてさ、それこそ間接的に聞いたりするなんていうとどんどん話がねじ曲がってきますし。まあでも、とはいえ別になあなあにしたわけじゃないんで。本当に、穏やかに話しまして。穏やかに忌憚なくやったんで。まあ1日、2時間半だけ話したにしてはこれは進歩のうちなのかなというようなことで勘弁していただけないでしょうか?

(熊崎風斗)お疲れ様でした。

(宇多丸)いや、全然。私が称えられるようなことじゃなくて、むしろ人の事務所まで来てくれて話をしてくれたオアシスが本当に……最初に思ってたよりは全然。というよりはやっぱり、うん。まあそれはね、元々仲間なんだから。話ができないはずもないんだし。いや、だからこれ、みんながみんな、こうやってなるわけじゃないけども。やっぱり、なんていうのかな? 面倒くさいかもしれないけど、話して、話して。探って、探って……っていうことがムダではないと思いたいかな、みたいな。

(熊崎風斗)そういう仲間がいるっていうのはね、またいいなって今のお話を伺ってやっぱり思いましたね。

(宇多丸)そうだね。だし、なんかその……SNSが悪いわけじゃない。もちろん非常に優れた機能というかね、有効に機能してると思うけど。やっぱりその、なんか議論が抽象的なことになっていきがちっていうのかな? やっぱり敵味方構図もすごくパキッとしちゃうし。もっとさ、「ここはこうだけど、ここはこうなんだよな」とか「ここはそこまで俺、そのテンションじゃないんだけど。こうなんだよな」みたいなのが……なんかガーッとね、誰もがなっちゃって。だからね、オアシスもTwitterで書いてましたけども。「やっぱり会って話すって大事だね」っていう、バカみたいな結論だけど。それもすごく感じたことかな。と、思いました。

会って話すことは大事

(宇多丸)まあ、ちょっとわかりませんけどね。ただ、オアシスとはすごく建設的な話し合い。その第一歩は持ってたかな?っていう感じで。皆さんも日々の暮らしにね……これね、だからすごくやっぱりね、Apple TV+のドラマ『テッド・ラッソ』を見ていてよかったなって。俺、今『テッド・ラッソ』にすごく学べと思って。やっぱりその、常にナイスにしなきゃダメですよ。ナイスにしないと……人にナイスにしないと、ナイスになりようがないんだもん。本当に。

(熊崎風斗)本当にそれ、おっしゃる通りですね。

(宇多丸)なんてことをね……もちろん、だからすごくナイスにしてくれた。向こうもね。っていうことですよ。

<書き起こしおわり>

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