東野幸治さんが2021年8月27日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中でビートルズ『A Hard Day’s Night』についてトーク。この曲がオープニングで使われていた笑福亭鶴瓶さんの番組『突然ガバチョ!』について話していました。
(東野幸治)さあ、そしてもうひとつ。こちらでございます。練馬区の方です。「今から30年ぐらい前。中学生でゲームが好きだった私はゲームセンターで『新入社員とおるくん』というゲームをよくやっていました。新入社員のとおるくんを操作して残業をサボってみゆきちゃんとデートをするため、追いかけてくる会社の上司や先輩にヘッドバットを食らわせて逃げるというパンチの効いた設定のゲームだったのですが、軽快な音楽に引き込まれ、夢中でプレーしていました。
それからしばらく経ったある日、テレビの音楽番組を見ていたら『新入社員とおるくん』の曲を外人のバンドが演奏をしているのを見てびっくり。調べたらこのゲームで使われていたのはビートルズの有名な曲『A Hard Day’s Night』と『Twist And Shout』だったんです」。
(東野幸治)これはね、僕ら世代、関西の人にとっては『とつガバ』ですよ。『突然ガバチョ!』って、聞いたことあります? 鶴瓶師匠が毎日放送でやっていて。それが全国ネットになってっていう。だから極端に言ったら「笑ってはいけない」の原型ちゃいますか?
だから「つるべタクシー」っていうコーナーがあって。鶴瓶さんがタクシーの運転手になって、タクシーに乗り込んでくる……誰かわからんけども有名人が来て。で、その人にインタビューするっていうコーナーがあって。
(東野幸治)で、一番有名なんが「テレビにらめっこ」っていうコーナーで。ハガキが送られてくるんです。だからラジオの言うたらおもしろコーナーみたいなハガキが毎日放送に送られくる。
「笑ってはいけない」の原型、「テレビにらめっこ」
(東野幸治)で、それを読むんですよ。小話みたいなおもしろハガキを。それで会場に来ている若い女の子たち……150人ぐらい集まって見ている。で、みんな笑いに来ているんですけども、鶴瓶師匠の企画がすごい優れているのは、その女の子たち、笑いに来ているのにこの「テレビにらめっこ」のコーナーの時だけは笑ってはいけないんですよ。で、その空気がもう面白いんですよ。
で、ハードルがそんなに高くない、おもろいことを書いてあるハガキを読むんですよ。たとえばペンネーム「ちんこきんたま」ぐらいのところで「笑ったらあかん」っていう状況やから笑うんですよ。で、笑っちゃうとそれを監視する……だから『さんまのまんま』のまんまちゃんとか、木金堂の伝次郎の内臓の人が当時、カメの格好をして「誰が笑っているか?」みたいなのを見張るんです。
で、おもろいハガキを読む。誰かが笑う。ほんならその内臓の人が指を指して、パンツ一丁のムキムキマンが現れて、その笑った子は楽しい番組の収録やけども、スタジオから追い出されるんです。っていうコーナーなんですよ。「笑ってはいけない」の原型やと思うんですよ。たぶんテレビで「笑ってはいけない」っていうルールを作ったのはそれがはじめてやと思うんですよ。
(東野幸治)で、そのコーナーのある『突然ガバチョ!』っていう番組のテーマ曲がこれ(『A Hard Day’s Night』)なんですよ。だから俺もこれ、かっこええ曲やなって思っていたらビートルズの『A Hard Day’s Night』っていう。ほんで、ある時はエンディングで急に「生放送」って出るんですよ。で、暗いところの空き地みたいなところで「鶴瓶です。今、生放送で。ここ、どこかわかる人。よかったら来て。待ってるで」みたいな。
「わからへんかな?」なんて言っている矢先に向こうから「つるべー!」言うて中学生ぐらいの子が走ってくるんですよ。「つるべー!」言うて(笑)。で、ワーワー言うてたら2人、3人と一気に現れて番組が終わっていくとか。なんかゲリラ的なこととか、いろんなことをやる実験的な番組で。面白かったです。『とつガバ』。
『4時ですよーだ』と同じプロデューサー
(東野幸治)それのプロデューサーの人が後に『4時ですよーだ』のプロデューサーになって。田中さんっていう。東大空手部。で、『4時ですよーだ』に僕とか今田さんとかが新人で、末端で出ていて。ダウンタウンさんの番組やから出させてもらっていて。
で、人気番組になったから僕らは当たり前のように天狗になり。入り時間も遅れて10分、20分、30分と遅刻していって。ある日、今田さんが1時間ぐらい遅刻していって。「おはようございます」って言ったら「お前、なに遅刻してんねや? 10年早いわ!」って言って東大空手部仕込みの上段蹴りをやってピタッと止めるんですよ(笑)。ピタッと止めて……「10年早いわ!」言うて(笑)。っていう人がプロデューサーだったという裏話でございます。
<書き起こしおわり>