宇垣美里さんが2021年8月24日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』について宇多丸さんと話していました。
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— セレブ・エクストラ (@celeb_extra) August 9, 2018
(宇多丸)宇垣さんもね、最近あのドラマを見切ったなんて話をしていましたね。『侍女の物語』こと『ハンドメイズ・テイル』。
(宇垣美里)『ハンドメイズ・テイル』、ちょっとお仕事で見る機会があって、見たらもう止まらなくて。「その次、その次……」って別に求められていないところまで見て。
(宇多丸)元の原作を読んでいても、ちゃんと?
原作『侍女の物語』・続編『誓願』とのリンク
(宇垣美里)原作を読んでいて。まず、もう私、その時点で『侍女の物語』もその先の『誓願』も読んでいるんですけども。たぶん『侍女の物語』からすると「えっ、ここまで話を広げる?」なんですけども。『誓願』を読んでるので。「ああ、だからか!」ってなるし。
(宇多丸)そうか。ちゃんとリンクしてるんだね。
(宇垣美里)そうなんです。で、ドラマが先にできているので。「ということは、このドラマがおそらく続編を作らせたのだな」っていう気がして。「すごい!」って。
(宇多丸)ああ、セットでの一連の作品だということですね。
(宇垣美里)あと、本当に……地獄。
(宇多丸)もちろん、描かれてるのはディストピア。もう強烈な性差別システムが……まさに「産む機械」なんていう言葉もありましたけども。
(宇垣美里)女性は産む機械。でも、全然男性の方の幸せそうじゃない。
(宇多丸)もちろんですね。しかも、あれは現状の家父長制っていうもののカリカチュアでもあって。ここまでのね。
(宇垣美里)やっぱり人を踏みつけにしてその上に立っていたところで、誰も幸せになれないんだよねっていう。
(宇多丸)あと僕はあのドラマシリーズだとの、あの日常が崩壊する時の回想エピソードがあるでしょう? あれが……。
(宇垣美里)つらいですよね。みんな、女の人がなんかわかんないけど「今日からもう、働かないでください」って言われたり。急に全部お金がなくなったり。
(宇多丸)で、職場の男性たちもさ、「すまん」とかなんか言ってさ。でも、やっぱり銃を向けられてますしね。その体制に従わなきゃって。で、ああいうことって世界中で、まさに体制がひっくり返ったがゆえに、今までの日常がひっくり返ってしまうという。まさに今、アフガニスタンで起こっているような。
(宇垣美里)そうなんですよ。だから、全然SFじゃなくなっちゃっているんですよね。
(宇多丸)アフガニスタンもしかり。日本だってそれは国が丸ごとひっくり返ったことだってあるわけですし。
(宇垣美里)全然あり得ることですからね。
(宇多丸)なんかこう、そういう……だからすごくSFなんだけども。ディストピアSFだけども、ものすごい現実を照射するためにこういうジャンルってあるんだなっていうか。
(宇垣美里)そう。だからもう本当に、見ていると背筋が伸びますね。「ああ、絶対に声を上げなければならない」って。
(宇多丸)だし、権力の監視とか、めっちゃ大事なんだよね。
(宇垣美里)「違和感をスルーしていてはならない」ってすごく思いました。
違和感をスルーしてはならない
(宇多丸)変な風潮が大声を出しだしたら、ちゃんとそこに異を唱えて、良識というものを守っていかなきゃいけないとか。本当にその暮らしとか、倫理とか。なんでもいいですけども、その良識というものは本当に守っていかないといけないというか。
(宇垣美里)「あっ、ヤバい、ヤバい!」って言い出した時に声を上げたのではもう遅いのよっていう。
(宇多丸)銃を取り合って戦わなくてはいけなくなったらおしまい。それではもう遅いので。民主主義が一応、昨日をしているそのうちに……っていう話でもありますよね。
(宇垣美里)怖い。もう本当にね、ぜひ見ていただきたいですね。Huluで見られますので。
(宇多丸)『ハンドメイズ・テイル』というタイトルで見られますので。
(宇垣美里)もうちょっとで次、シーズン4が始まるのかな?
(宇多丸)エリザベス・モスが。『透明人間』でも素晴らしかったですけども。
(宇垣美里)最高なんですよ。あの、やられまくってすごい虐げられているのに、目がずっと怒っている。上手い!
(宇多丸)絶対に魂は折れてない感じっていうのを出せる人ですからね。
(宇垣美里)「今に見てろよ!」っていう顔をずっとしている。
(宇多丸)ということで、『ハンドメイズ・テイル』もおすすめでございます。
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
<書き起こしおわり>