Creepy Nutsのお二人が2021年8月4日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』ミクチャ配信限定アフタートークの中でインタビューについてトーク。鹿野淳さんのインタビューのすごさや、高木”JET”晋一郎さんの日本語ラップヘッズとしての信頼感などについて話していました。
(DJ松永)アルバムができて、作品自体は完成したけれども。ここで何かが一段落するわけではなく。ここからプロモーション期間という次のフェーズに移行するんですけど。それこそね、取材日とか。1日、朝から晩までいろんな取材が立て続けに入るという、そういう1日みたいなのがあって。やっぱり取材って2本目から「ああ、プロモーション時期が来たか」って思うのよ。要は同じ話をさ、何回もするじゃないですか。
(R-指定)そうっすね(笑)。
(DJ松永)だから1回目の取材ってあんまり……あんまり実感がないんだけども。2回目からよ。
(R-指定)やし、なんかやっぱり自分でもまとまりきってないところもあったりすんのかな? インタビュアーの人が聞いてくれて「ああ、俺、こういうことを考えてたんや」みたいなのが徐々に固まっていく感じはありますけどね。
(DJ松永)それこそさ、俺ら毎回、インタビューで『MUSICA』の鹿野さん(鹿野淳)にインタビューしてもらうけどさ。俺、まだそんなキャリア長くないけど。いろんなインタビュアーにインタビューしてもらったけどさ。鹿野さん、一番すごいかもって思う。インタビュアーとして。すごい。
鹿野淳のインタビューのすごさ
(R-指定)鹿野さんは……一応、俺の目線から行くと、同じぐらい歌詞とか俺の感情とね、併走してくれてるの。聞きながら。その上で、その時に感じた鹿野さんの感情を鹿野さんの言葉でしゃべってくれるから。で、その解釈がたぶん俺と違っても、それが鹿野さんの中でちゃんとロジックとして考え抜いた上で俺らにしゃべってくれるから。だから自分の知らん面が出てくるのよ。「ああ、そんな聞き方もできましたか!」って。「たしかにそう思ってたかも……」みたいなのも出てくるぐらい。マジですごいよ、あの人。
(DJ松永)マジですごい。俺、そのトラックの表現とかもさ、「『俺より偉い奴』のトラックを聞いて網走を彷彿とさせた」って……それは俺、「お見事!」って思ったもん。「網走ですね!」って。
(R-指定)「ホンマ、網走やな。たしかに!」って。
(DJ松永)本当にインタビューってさ、マジでベタに当たり前の質問を投げかけて、それに俺たちが答えるっていうので成立するじゃん? するんだけど、もう鹿野さんは1回、俺らの先にちゃんと自分のフィルターを通して、自分の解釈を通して、自分の言葉を通して伝えて。で、俺らとの会話のラリーというか。その物語を作るじゃないですか。あの人に関した作品を作っているなって思う。正直、鹿野さんは毎回。そのインタビューというか。なんか、もう本当にマジで質問を聞いて、俺らの言葉を書き起こすだけでインタビュー記事って成立するっちゃすると思うのよ。でも、鹿野さんのインタビュー、鹿野さんの記事は完全にあの人の1個のアート作品になってるなとか思うから。やっぱり毎回、インタビューしてもらうと……あの時間はやっぱり充実してるよね。
(R-指定)楽しいですね。やっぱり。
(DJ松永)それこそ、Rさんが言っていたみたいに自分のまだ見てなかった自分に気付けたりとかする瞬間ってやっぱりあるもんね。
(R-指定)ありますね、やっぱり。で、それが毎回毎回、やっぱりちゃんと理論立ててくれるから。そこの部分も説明してくれるから「ああ、なるほど」ってなるし。いや、たしか作品やな。あの人、やっぱりかなりパンチラインを残してくれるから。
(DJ松永)残す!
(R-指定)一番最初の「いやー、これを聞いた時に網走が浮かんだんだよ」って。そこでまず、掴まれるやん? 「えっ?」みたいな。「えっ、なんで?」ってなって。その理由とかを聞いたら「ああっ!」って。合点がいったりとかして。
(DJ松永)そう。作っている時には気づかなかったけども、聞かれることで「ああ、俺は網走をイメージしながら完成形に持っていったのかも?」みたいな。トラックを作る時ってなんか1個、頭にイメージを浮かべてやっていった方がうまく行ったりするからさ。そうしながら作ることが多いんだけども。いや、お見事ですよね。だからインタビューも……だからあと、Rさんは高木さん(高木”JET”晋一郎)さんのインタビューの時が楽しそうだね。日本語ラップ話とか。
(R-指定)そうっすね。
(DJ松永)「ヘッズ仲間」っていう感じがする。落ち着くしな(笑)。
ヘッズ仲間の高木”JET”晋一郎
(R-指定)そうそう。高木さんはまた別の視点でやっぱりより、ヒップホップというのもプラスやけど、より日本語ラップヘッズやったやつらの作品というか。日本語ラップヘッズの友達が作品を出したのを、日本語ラップヘッズ的な視点で見てくれるっていうところもあるから。しゃべっていて楽しいですね。
(DJ松永)しかもRさんは結構いろいろ引用したり。日本ラップ的な文脈を踏まえたりするから。そこはやっぱり高木さんのね、ヒップホップ文脈を。そこはすごく「ああ、そうなんですよ!」って。そのギミックとかのリテラシーがめちゃくちゃ高いからね。
(R-指定)そうなんですよね。だからそこはまた、鹿野さんとは違う楽しみというか。逆に言うと、俺が気づいてほしくてやったギミックとかについて、高木さんは「おお、やっぱりわかってくれましたか!」っていうようなことが多いから。
(DJ松永)だからね、インタビューが上手い人っていうのは本当にすげえなって思う瞬間、あるからね。鹿野さん……今回も始まって一発目が鹿野さんだったけども。「ああ、やっぱりすげえな」って思ったもんな。まあ、プロモーション、始まりますけども。引き続き、頑張りましょう。体調に気をつけながら、頑張りましょうね。
<書き起こしおわり>
今日アップされたわけじゃないけど、Creepy Nutsからのこのコメントは57年間分の誕生プレゼントのようなものだ。
今回もこれからも、裏切らない取材、テキストを作る最強の励みになります。
というか、2人のアルバムが掘っても掘っても底が見えないからこうなるんだけどね。https://t.co/XvuxKCd5bF— 鹿野 淳 (@sikappe) August 5, 2021