R-指定さんが2020年1月21日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中でKennyDoesさんの『気持ち』を紹介していました。
(DJ松永)はい。じゃあRさんの日本語ラップ紹介のコーナーです。
(R-指定)はい。今日紹介したいのはですね、またこれ梅田サイファーのメンバーなんですが。
(DJ松永)ああ、ツレ? ツレの曲?
(R-指定)KennyDoes。ケニーです。
(DJ松永)ケニーはラップがね、上手いのよ!
(R-指定)KennyDoes、ずっと昔から俺らとラップをやってて。それでコペルと俺が組んでるコッペパンというグループでもDJをやってくれたりとかしてたんですけどね。
(DJ松永)ああ、その頃はそうだね。
(R-指定)元々はラップしてなかったんですよ。
(DJ松永)ラップ始めたてだったのよ。俺が初めて会った時、それこそ東京の『ADRENALINE』っていうイベントで。それで東京で初めて会って「最近、ラップ始めました」みたいな感じの子だったからね。
(R-指定)でもKennyDoesはめきめきラップが上手くなっていって。それで梅田サイファーで出した『マジでハイ』っていう曲でKennyDoesのラップの上手さが結構世に知れたという。
(DJ松永)全国に知れ渡ったよね。あれでね。
R-指定, KZ, peko, ふぁんく, KOPERU, KBD, KennyDoes『マジでハイ』
(R-指定)そう。元々上手かったんですけど。
(DJ松永)異常にキレキレというかね。
(R-指定)ずっとキレキレ。で、そのKennyDoesがソロアルバム『セレブレイション』っていうのを1月23日(木)に出すということで。その中の『気持ち』という曲をかけたいんですけども。まあ、このKennyDoesはラップがすごく上手くて。で、それこそさっき話してたようにIDがめっちゃラップ上手いのにいろいろ悩んでるという。「お前はラップが上手いんやから堂々としてりゃいい」っていう。で、それはドイケンにも同じことを思っていて。「お前、ラップ上手いから。他のことは何も考えんでいいからラップだけしとけ」っていう感じなんだけど。それをこいつがやっと自分的に自覚して曲に落とし込んだのがこの『気持ち』なんですよ。
(DJ松永)はいはい。
(R-指定)だからドイケンはもうその気持ち、強い気持ちを持って「俺はラップ上手いぞ!」っていうのをボースティングしまくってる曲なんですけど。これがね、またホンマに……これ、自分でトラックを作っているのよ。なんでドイケン、今回のアルバムで自分でトラック作ってるのが結構あって。それでラップも全編キレキレなんですけど。この『気持ち』っていうのがドイケン、まずサビのリリックで言うと「I’ve got a voice, I’ve got a flow」って。「俺は声を持っている、フロウを持っている」ということで。
この「I’ve got a ◯◯」っていう感じで進んでいくんですよ。「I’ve got a voice, I’ve got a flow, I’ve got a, I’ve got a style. I’ve got a rhythm.」っていう。「声もフロウもスタイルもリズム全部持っている」っていう。それで「I’ve got a rhyme」っていう風に来て「I’ve got a 武器 I’ve got a 気持ち」っていうことで。それで気持ちもラップの上手さとともに手にしたわけですよ。
それで最後に「I’me with the 勇気 I’me with the 空気」っていう。「勇気を持って、なにかやらかしそうな空気を持って」って。それで「I’ve got a JUICE」。「名声とかを手にするぞ」っていう、結構そういう感じのサビで。「I’ve got a, I’ve got a」っていうので何を持っているのか? 「正確なリズム感」とか、ドイケンが持っているものを羅列していくんですね。KennyDoesが持っているものを。
「言語学者的感覚」「制圧する威圧感」「変革できるカリスマ性」とかどんどんと持っているものを言っていく。その後で「後世に残すべきワンバース」という。これもKennyDoesが持っている。それで「恒例のフロウからの脱し方」という。いろんなラッパーがやっている恒例の、お決まりのフロウから脱したケニーのフリーキーなフロウのことですね。で、「これから先の勝ちパターン」。他のラッパーがなし得なかったような勝ち方で登っていくぞと。で、「ヤバい肺 Like a バスタ・ライムズ」。まあこれはね、海外にバスタ・ライムズっていうラッパーがいるんですけども。めちゃくちゃ早口ですごい肺活量のあるラッパーなんですよ。
「ヤバい肺 Like a バスタ・ライムズ」
まあ、そいつぐらいエゲツないラップができる。そのぐらいの肺を持っている。で、その後に「マジでハイ トラボルタカスタム」。この『マジでハイ』っていうのがドイケン、KennyDoesがこんだけラップが上手いっていうのが世にしれた曲。それから『トラボルタ』でのケニーはキレキレにカマしていた。
それで最後にバースのケツで「持ってないフリしとったんやけど割りかし持っていたわ」っつってもう1回、サビに行くという。まあ、これもケニーらしいボースティングですよね。じゃあ1回、どんだけラップが上手いかも含めてKennyDoes『気持ち』を聞いてください。
KennyDoes『気持ち』
(R-指定)ねえ。これ、2バース目もめっちゃ上手くて。「後聞きの上手さ 2日目のカレー 後味はまるでファニーゲーム 書けない時期は早送りした 意味がわからなきゃ巻き戻しな」っていうところは「後聞きのうまさがまるで2日目のカレーだ」という。それで『ファニーゲーム』という映画はすっごい後味が悪いんですよ。ズシンと来る。
で、その『ファニーゲーム』の中でまさかの第4の壁を突破して、悪いやつが映画の中で早送りとか巻き戻しを自分でするようになるんですよ。だから「書けない時期は早送りした」っていうのはドイケンがリリックが書けなくて悩んでいた時期は『ファニーゲーム』みたいに早送りをした。それから意味がわからなければ巻き戻したという。
で、その後の「大勢にとってのオールタイムフェイバリットじゃねえが今世紀最大の功績 それはあの日、あの屋根にのぼった三島みたいな俺の気持ち」っていう。これはまあ、三島由紀夫のことですよね。屋根の上に上って演説して最期を遂げるという、そんぐらいの覚悟、気持ちを持ってKennyDoesはこのアルバムを引っさげて登場したという、そのバイブスですよね。
で、「持っているやつに持ってないやつがたまには勝つと思ってたい」って。これはRHYMESTERの『ザ・グレート・アマチュアリズム』の宇多さんのバースからのサンプリングから、最後の「持っていない俺が世界最強 クソ熱い日本語ラップ代表」っていう。これはブッダのラインをサンプリングしているという。
(DJ松永)なるほどね。よくできている曲ですね。
(R-指定)よくできた曲やし、よくできたアルバムなのでぜひKennyDoesの『セレブレイション』を皆さん、聞いてください。
<書き起こしおわり>