宮藤官九郎と爆笑問題・太田『俺の家の話』と長瀬智也を語る

星野源「お風呂でおしっこ」問題と『俺の家の話』を語る 爆笑問題の日曜サンデー

宮藤官九郎さんが2021年7月25日放送のTBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』に出演。爆笑問題・太田さんとドラマ『俺の家の話』や長瀬智也さんについて話していました。

(太田光)でも、本当にあまちゃんもすごかったけども。俺、最近までやっていた『俺の男の』……。

(良原安美)『俺の家の話』です(笑)。

(宮藤官九郎)『俺の男の』ってなんだったんだろう?(笑)。

(太田光)あれも素晴らしかったよね。

(宮藤官九郎)ありがとうございます。

(太田光)あれはまたさ、能の世界と介護とプロレスとっていうさ。全部勉強したわけですか?

(宮藤官九郎)いや、能は……。

(太田光)最初から好きなの?

(宮藤官九郎)プロレスは……。

(太田光)そうかー。

(田中裕二)話を聞け! お前が質問した答えなんだから。お前のターンじゃねえんだよ!

(宮藤官九郎)プロレスは世代的には好きだったから。そのプロレスの反対の芸能ってなんだろう?って思った時、全く動かない能がいいだろうっていう、そういう発想だったんですよ。で、能のことは本当に本を1冊しか読んでないです。でも、その本1冊に書いてあることは全部使いました。『風姿花伝と能』みたいな。

(太田光)ああ、入門書みたいな?

読んだ本に書いてあったことを全て使う

(宮藤官九郎)入門書みたいのがあるんですけど。そこに書いてあったことはほぼ全部、使いました。

(太田光)でも俺、あれを見て能の真髄を全部、あれは描いてましたよ。

(田中裕二)お前、何がわかるんだよ! 能の真髄をお前が全部わかっているみたいなことになっているの?

(太田光)俺は入門書も1個も読んだことがないけど。でも、あれを見た時に偶然なのかもしれないけども。プロレスと能っていうのは通じるものが途中から出てくるんだよね。

(宮藤官九郎)覆面をかぶるっていうところが……。

(太田光)いや、そんな浅いところじゃないんだよ。

(田中裕二)いいんだよ! 本人が今、話しているんだから。お前は黙っていろよ(笑)。

(宮藤官九郎)ごめんなさい。浅いですけども……覆面をかぶることで。

(太田光)あれは面だからね。

(宮藤官九郎)面。そうです、そうです。面をかぶることと、あとはリングが真四角だということで。だから、狂言じゃなくて能にしたんですよね。狂言の方だと、それで和泉元彌さんがプロレスをやっていたじゃないですか。

(太田光)ああ、やってた。たしかにやっていた(笑)。

(宮藤官九郎)そっちで行こうかなとも思ったけども。でも、やっぱりマズいかと思って、能にさせてもらいましたね。能と狂言の違いについては、だからすごく注意されました。「あなたが思っているのは狂言ですよ」って。

(太田光)たしかに。それ、セリフにも出てくるもんね。

(宮藤官九郎)そうですね。何回か、能の舞台も見に行きましたけども。

(太田光)共通点だと思ったのは、四角いリングと舞台も四角いっていうのと、覆面と面をかぶるっていうのと。

(宮藤官九郎)あと、親には覆面をかぶっているからバレていないっていうテイで。内緒でプロレスを続けるっていう話で。

(太田光)そうだよね。そこだけですか? 共通点、あなたが思っているのは。

(宮藤官九郎)ごめんなさい。すいません。ここだけです(笑)。

(太田光)そんな浅い……。

(田中裕二)本人なんだよ! お前のその真髄っていうのは、じゃあなんなの? さっきから言っているのは。

(太田光)だから、あの番組のテーマ。「自分がない」っていうのがひとつのテーマなんですよ。長瀬くんがね。で、その「自分がない」っていうことは「型だ」っていうことなんですよ。つまり、自分をいかになくすかということが、自分をいかに表現するかにつながるのが能なんですよ。そして、実はそれは型の芸能であるということは、プロレスも同じなんですよ。

(宮藤官九郎)これ、あれですよ。長瀬くん本人がそういう人なんですよ。実は。自分がないっていうか。みんなのことをすごくサービスして。気持ちよく仕事をするんだけども結局、「じゃあ、長瀬くんは?」っていうと「いや、僕は大丈夫」っていう人なんです。それでたぶん、みんながどこかで思っていたから、あのセリフが出てきたんですね。「あなたは自分がない」っていう。

(太田光)ああ、そういう風に? それなんですよ。芸能の……

(田中裕二)なんでお前がさっきからそんなこと言ってんだよ!

「自分」がない長瀬智也

(太田光)全ての日本の芸能の原点っていうのは「型」なんですよ。つまり、「家が続けばいい」っていうテーマ、ありましたよね。「形が続けばそれでいい」っていう。それが芸能。自分を出さないんだっていう。それはプロレスも能も一緒なの。

(宮藤官九郎)ああ、そうだわ。たしかに。

(太田光)そこでしょう?

(田中裕二)あの、騙されちゃダメよ?

(太田光)フハハハハハハハハッ!

(田中裕二)宮藤さんが書いたんだから。宮藤さんが言いたいことは別だとか……。

(太田光)わかってないんだ?

(宮藤官九郎)わかってなかったです(笑)。

(田中裕二)お前がわかってないっていうことかもしれないからね。それは。

(太田光)よく、そんなこともわからずに……。

(田中裕二)「わからずに」じゃねえよ!

(宮藤官九郎)すいません(笑)。

(中略)

(宮藤官九郎)太田さんのお母さんはすごく文才のある方ですよね?

(太田光)お母さんは朗読が好きで。朗読奉仕っていうのをやっていた人で。親父はなんていうか、自分勝手に生きて……全然破天荒っていうほどじゃないんだけども。面白い人で。なんかね、だから親父やおふくろを看取る時のことをあの『俺の家の話』で西田敏行さんが演じる、あの管につながれて酸素ボンベで……あの顔がうちの親父が寝たきりになった時の顔とそっくりなんだよね。

(宮藤官九郎)ああ、そうですか。

(太田光)だから親父に対するちょっと申し訳ない、親孝行したなっていう思いとか。ああいうのって自分の思いも……?

(宮藤官九郎)そうですね。父は結構早くに亡くなったので。その時のことは意識にありますし。あれはでもやっぱり西田さんが全部を晒してくれたのがすごいよかったですね。

(太田光)すごいですよね。

(宮藤官九郎)だからお風呂のシーンとか、たぶん嫌だろうなとも思っていたんですけども。全部やってくださったんで。そこはやっぱり覚悟が違いましたね。

(太田光)違うよね。池中玄太もね。我々はやっぱり影響を受けたもんね。

(宮藤官九郎)池中玄太ですよね。

<書き起こしおわり>

宮藤官九郎と高田文夫『俺の家の話』と長瀬智也を語る
宮藤官九郎さんが2021年7月19日放送のニッポン放送『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』に出演。高田文夫さんとドラマ『俺の家の話』や長瀬智也さんについて話してました。
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