安住紳一郎 重量挙げ金メダリスト・三宅義信伝説を語る

安住紳一郎 重量挙げ金メダリスト・三宅義信伝説を語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2021年7月18日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で東京オリンピック、メキシコオリンピックの重量挙げ金メダリスト、三宅義信さんについてトーク。大好きで敬愛してやまない三宅さんの逸話の数々を少し大げさに紹介していました。

(安住紳一郎)開会式はもう当然リハーサル、などが行われているようですが。あまり上空からヘリコプターとかを飛ばし、開会式のリハーサルの模様とか。「こういう開会式になるんじゃないか」っていうような予測記事を書こうとするマスコミなどに対しては上空……ドローンとかね。まあ、ドローンは飛ばさないかもしれませんが。ちょっとそういう空を飛ぶ乗り物を駆使して盗み見しようという輩に対して、かなり当局から注意が来てるようですね。

(中澤有美子)ああ、そうなんですね。

(安住紳一郎)なのであんまり……また最近のね、コンセンサスというか。炎上防止と言いますか。開会式の予想ってものはタブーになっておりますね。

(中澤有美子)そうなんですね。

(安住紳一郎)まあ、本来ね、サプライズであるべきものなので。当然、あまりそういうことに対して予想とかをする。また、それをビジネスにしちゃいけないということはよく分かるんですけど。強く「予想しちゃいけない」って言われているということで。あえて、強気で予想してみますか?

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! そうですね(笑)。

(安住紳一郎)どうですかね?

(中澤有美子)本当に全く耳に入ってこないですもんね。

(安住紳一郎)そうですよね。そうです。選挙が始まる直前のね、選挙のニュースと開会式直前の開会式のニュースが全くない。そして、いざ投票が終わった。あるいは開会式が始まるということになってから、もう本当にね、堰を切ったように一気にブワーッと全員が全員、そのことみたいなことになりますけどもね。まあ、それはそれでいいと思いますけども。

(中澤有美子)嵐の前の……。

(安住紳一郎)最終ランナーは誰になるんでしょうね? いろんな人の名前が挙がってますけれども。当然、やっぱり最終ランナーの方にはお話が行ってるわけですよね? なので本人がしゃべってしまってはいけないわけで。いろんな、私たちも名前の予想をしたんですけれども。「もし、あの人に依頼があったとしても、あの人はきっと黙ってられないから。もう話が漏れているに違いないから、違うんじゃないか?」っていう話になったりして。結局、最終的にはそういう……。

(中澤有美子)口が固そうな(笑)。

(安住紳一郎)口が固そうなというか、ええ。「うーん……」っていうような話がありましたよね(笑)。面白いですよね。あとは前回の1964年の東京オリンピックで活躍された方々にね、お呼びがかかってるんじゃないか?っていう予想もあったりしますけどね。私は重量挙げの三宅義信選手……東京オリンピックで金メダルを取ってますけども。あの三宅さんの大ファンなので。ぜひ、三宅さんに最終ランナーをやってほしいなっていう風に個人的には思ってますけども。この間、会った時に「違う」って言ってましたから、違うんじゃないでしょうか(笑)。

(中澤有美子)断言してました?(笑)。

(安住紳一郎)ええ(笑)。

(中澤有美子)あの方はとても楽しい方ですよね。

(安住紳一郎)いや、偉大な方よ。

(中澤有美子)そうですか。失礼しました。そうですよね。

(安住紳一郎)もうね、三宅義信さん。ご存知ですか? 重量挙げ。今も福島の方で三宅塾って、ウエイトリフティングの選手たちが所属じゃないのに2、3日そこで合宿をするというような。本当に立志伝中の人物ですけども。東京オリンピックで金。メキシコでも金を取ったのかな? そうですよね。その前のローマでも金を取れるはずだったっていう話ですからね。かっこいいですよ。ねえ。義理の技に信じるで「義信」さんですよね。今、女子選手で活躍している三宅宏実さんのおじさんにあたりますけどもね。素晴らしい方ですよね。まあ、いわゆる昭和の……本当に昭和オブ昭和なので、若い人が聞くともうびっくりして。むしろ、軽く炎上してしまうくらいの方なんですけれどもね。うん。素晴らしい方ですよ。本当に。

(中澤有美子)ああ、そのトレーニング方法とか、存在のあり方がもう、ぶっ飛びすぎてということですか?

ぶっ飛んだ三宅義信伝説

(安住紳一郎)そうなんですよ。ただ、当時はそれぐらいのことしないと日本人選手は栄養状態のいい、体格のいい、そして経済的に恵まれている欧米の選手に勝てなかったということなので。そこを考えて話を聞いてほしいんですけども。今、素直に聞くと全部アウトなんですよ(笑)。そうなんですよ。だから私、三宅先生のことで迷惑をかけたくないから、私の口から言えないんだけども。私が知ってる限りの話だけでも相当すごいから。

(中澤有美子)フフフ(笑)。「相当すごい」(笑)。

(安住紳一郎)相当すごいから。本当に『巨人の星』みたいな感じの方なんですよね。で、三宅先生は……もう完全に私、「先生」って呼んでますから。

(中澤有美子)そうですね(笑)。心酔していらっしゃる(笑)。

(安住紳一郎)心酔していますから。三宅義信教ですから。心酔してますから。すごくないですか? 身長150センチほどの三宅先生が155キロを挙げるんですよ? 栄養状態が悪い中で! 栄養状態が悪いんだから。すごいの。で、かならずバーベルを挙げる時に、その両輪の重りからどれぐらいの間隔のところで自分の両手を持つか?っていうのを、なんかちょっと指でこう、「いっと、にと……」みたいな感じで。親指と小指とか、親指と薬指とかで測るんですよね。尺取虫みたいな感じにして。それが三宅先生のパフォーマンスのルーティンになってるっていう風に思うかもしれませんけど。それはですね、三宅先生が電気代がもったいないから練習場が真っ暗の中で持ち上げてたんで、本当に何も見えない状態で挙げる時にその手で間隔を測るっていうことが必要だったんですよね。信じられます? もうこの話だけで震えますよね? そうなんですよ。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)経済的に恵まれてなかったので。学校の授業料を自分がアルバイトして払わなくちゃいけないので。アルバイトして、夜は外に出ていて。で、アルバイトが終わってから、電気の消えた学校に潜り込んで練習してたんですよ。なのでその重量挙げのバーベルのバーのどこを持つか?っていうのは別にかっこつけているわけじゃなくて。真っ暗の中で持ち上げてるから、その行為が絶対に必要だったっていう。ねえ。うん。ただ、なんとなくいい話に聞こえますけど、三宅先生はちゃんと鍵を壊して入ってますからね。

(中澤有美子)フハハハハハハハハッ! 「ちゃんと」って(笑)。

(安住紳一郎)最高でしょう? さすがだよね。私の愛する三宅義信さん。

(中澤有美子)さっき、お話にもありましたけど。テレビで拝見しましたけど。その栄養状態が悪い中で、お野菜などをその、畑から……。

(安住紳一郎)だから私の口から言って。これでね、最近いろいろ厳しい状態で。ポリコレなど言われてる状態で、また皆さんがで間違って。本当に全てを理解しない人たちが一部を抜粋してギャーギャー騒ぎ立てられて。それで三宅先生に迷惑がかかったら私はもう本当に切腹しなくてはなりませんから、私の口から言えませんけれども。栄養状態が悪かったので、三宅先生は溝の口の畑から野菜を盗んでました。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! めっちゃ言ってる(笑)。溝の口……(笑)。

(安住紳一郎)宮城出身の三宅先生は都内で下宿したかったんですけど、下宿代が高かったので二子玉川の向こうの武蔵溝ノ口の農家の2階をお借りして、そこで下宿をされてました。素晴らしいですよね。そして苦労されて法政大学に通いながら重量挙げを続けましたけれども。法政大学の授業も出なくちゃいけないということで、当時お付き合いされていた女性に代わりに大学の授業に出てもらっていました。

(中澤有美子)出てもらっていた(笑)。

(安住紳一郎)素晴らしい方です。大丈夫かな? 私が大好きな先生に迷惑がかかってないかな?

(中澤有美子)大丈夫だと思いますけども。

(安住紳一郎)でも当時はそれぐらいしなきゃ取れなかったっていうことですよね。うん。そして前回の1964年のオリンピックの時は当然代々木にあるオリンピック村に入るんですけども。オリンピック村に入った時の写真がすごいですもんね。もうベンチに足を放り出して。完全に大工の棟梁が1人、入っているみたい感じで。

(中澤有美子)迫力が(笑)。

(安住紳一郎)迫力が。素晴らしいんですよ。三宅先生。

(中澤有美子)なんか腹巻きみたいなのをされていて。

(安住紳一郎)そうなんですよ。腹巻きが結構ね、大事なんですよ。三宅先生は宮城の高校の時に偶然、重量挙げと出会って。重量挙げをやるんですけども。当時、まだユニフォームが買えなかったので、宮城県の高校の重量挙げの大会に行った時に、ももひきと腹巻きで行ったのかな? そしたら重量挙げの役員の人に「君は競技を侮辱してるのか?」なんて言って怒られるわけですよね。でも三宅先生は負けずにですね、「うちは貧乏でユニフォームが買えないんです。会長、じゃあ私にユニフォームを買ってください!」って言って会長にユニフォームを買わせるんですよ。

それで、優勝しちゃうんです。すごいですよね。そして全国大会に行くんです。当時、全国大会は北海道で開かれたんですけども。三宅先生、北海道旅行にちょっと浮足立っちゃって。北海道の宿泊先でカニを食べ過ぎて食中毒で大会に出られません! 三宅先生、さすがでしょう?

(中澤有美子)そんなことが……(笑)。

(安住紳一郎)で、大会では残念ながらいい成績が出せなくて。すごく不本意だって言ってるんですけど、翌日、体調が回復したんですよ。で、有珠山に観光に出かけちゃったんですよね。そしたら有珠山の火山ガス……張り切りすぎて、なんか入っちゃいけないところに入って。火山ガスを吸いすぎて救急車で運ばれてます!

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)どうですか? 私の大好きな三宅先生。さすがでしょう? いろんなエピソードがあって。

(中澤有美子)すごい(笑)。濃い! 濃いです!(笑)。

濃すぎるエピソード

(安住紳一郎)濃いですよ。で、ローマオリンピックでも金メダル候補と言われてたんですけども。やっぱりちょっと初の海外遠征などに慣れず。どうやら時差の調整がうまくいかなくて。前の日にしっかり睡眠がとれなかったっていうこともあって、体調がよくなくて。東京オリンピックの時はしっかりやらなきゃダメだということで、三宅先生は睡眠調整ということで。大会の前の日がぐっすり寝られるように、大会の前の前の日は徹夜で麻雀をしてます!

(中澤有美子)嘘!?

(安住紳一郎)どうです? ナショナルトレーニングセンターがひっくり返りますよね! 三宅先生、かっこいい! でも、気持ちはわかるでしょう? 前の日にしっかり寝られるように、前の前の日は徹夜で麻雀! で、その次の日に「あー、眠い、眠い」ってよく寝る。「よーし、寝ました!」って。かっこいい! すごいよね。9回の試技、東京オリンピックでは完璧にこなしてますからね。完全優勝ですよ。かっこいいんだ! うん。1投目は母のため。フッ!って挙げてね。2投目はお父さんと兄弟のため。3投目は当時の皇太子殿下と皇太子妃殿下が見えられたから。「国のために挙げるぞ!」って挙げるんですよ。かっこいい。金メダル。ねえ。

それで、陸上自衛隊の所属で。自衛隊に所属した時の方が重量挙げがしっかりできるということで。当時はまだ、陸上自衛隊ではスポーツ選手を教育したり保護したりするような感じではなかったんで。そのシステムを自分が第一号ということでね、所属して。最終的には陸上自衛隊体育学校の校長になり、階級はなんと「陸将補」っていうね、上から2番目の階級まで上がるということですよ。ええ。すごいんですから。150センチの身長、体躯で腕と胸、腕章ジャラジャラですからね。ええ。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)当時の三宅陸将補を知ってる人はみんな言ってますよ。世界一、身長の低いジェネラルと言われてですね。で、もう2メーター近いようなアメリカの軍隊なんかも三宅先生を見るともう全員が直立不動ですよね。その中をピョコリンピョコリンピョコリンって。「三宅義信陸将補、敬礼!」って。いや、本当に私が迷惑をかけてなきゃいいんですけども(笑)。

(中澤有美子)いや、恐れ入ります。本当にいい話!

(安住紳一郎)なんかちょっとね、最近聞かないような、さまざまな胸をすくようなエピソードがいっぱいありますよね。東京オリンピックで金メダルを取って。そして地元の宮城に凱旋して。今もね、地元に凱旋するような時はありますけども。凱旋のパレードの時にですね、ちょうど友達がバイクか何かを運転してて。そのバイクが少しなんか、慣れないところで暴走しちゃったのかな? で、後ろにいた三宅先生がその暴走したバイクを「危ない!」なんて言ってハンドルを握ったら、その握った瞬間にアクセルがグンッて回っちゃって。なんと金メダルをかけたまま、三宅先生はそのバイクもろとも民家に突撃して。で、小指を怪我してるっていう。そんなことあります、今? もうスポーツ新聞なんか一面に出ますよね。

(中澤有美子)本当です。後ろに乗っていたのを前に手を伸ばして?

(安住紳一郎)そう。そのバイクをね、うまく操作しようとしたみたいなんですけどね。うん。いろんなこと、ありますよね。三宅さん、本当に面白いですよ。で、弟さん。三宅義行さんかな? 大活躍してますけども。次の大会では三宅さんのお母さんが「義信、あなたは東京で金を取ったんだから。次はもう弟に金をあげなさい」なんて言ってね。そう。お母さんも奮ってますよね。で、お母さんは今度、弟に「お兄ちゃんはもう現役が最後かもしれないから、お兄ちゃんに金を譲りなさい」なんて。お母さんのダブルスタンダード。面白いよね。いろんな逸話がありまして。私が大好きな三宅義信先生の話を少し大げさにさせていただきました。本当に迷惑がかかってなければいいな。いよいよ、来週から東京オリンピックが始まるということです。

<書き起こしおわり>

安住紳一郎 東京五輪開会式・三宅義信先生登場を語る
安住紳一郎さんが2021年7月25日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で東京オリンピックの開会式に重量挙げの金メダリスト、三宅義信さんが登場した件について話していました。
タイトルとURLをコピーしました