安住紳一郎さんが2020年4月12日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中でエチオピア在住のリスナーから届いた現地の新型コロナウィルス関連のお便りを紹介していました。
(安住紳一郎)それから先週は海外にいらっしゃるリスナーの皆さんからのメールを紹介しました。
(安住紳一郎)今週もたくさんいただいています。シンガポールの「トシ」さん。スイスの「アルプスの三十路」さん。ベトナム・ホーチミン市の「アワの班長」さん。サウジアラビアの女性の方からもいただきましたし、ネパールの「スミコ」さんからもいただいています。ありがとうございます。
(中澤有美子)ありがとうございます。
(安住紳一郎)あとつい放送前にも何通か海外から届いていましたが、お名前だけでもと思いましたが……アメリカ・ロサンゼルスの「ヒッキー」さん。40代男性の方。シアトルの「シアトライト」さん。イギリスから「ケンブリッジとこちゃん」さん。ありがとうございました。日本にいても私たちはとても不安なのに、慣れているとはいえ海外にお住まいになっていて、とても不安だろうなと思いますね。
(中澤有美子)そうですね。
エチオピアからのメール
— EBC News (@ebczena) April 8, 2020
(安住紳一郎)今日は一通だけ紹介します。エチオピアからいただきました。「インドア派」さん。30歳、男性の方なんですけども。エチオピアですって。アフリカですけれどもね。西アフリカ。ちょうどね、とんがっている「アフリカの角」と言われる、ソマリアの近くですけれども。深刻な状況ですけどもユーモアたっぷりに書いてくださってますので、私も先ほど笑って読みましたけれども。聞いてください。
「私の住むエチオピアでは街中の至る所に手を洗うための設備が置かれ、手を洗わないと入店できない商店が増えています。エチオピアで一番最初の感染者は日本人でした。アジア人への差別的行為や風評被害の話もよく聞きます。私は普段は地方都市に住んでいるのですが先日、首都のアディスアベバに出張に行きました。事務所からホテルに移動する時、周囲の人から『この道に入ってくるな!』と言われました。『出た! 日本人に対する露骨な差別! 私は差別と断固、戦うんだ!』と思いました。そして彼らを無視してその道を進んだのです。ところがその先は工事中で通行止めになっていただけてきた」。
(中澤有美子)フフフフフ(笑)。
(安住紳一郎)「周囲の人に目的地を話したら、『こっちの道はスリが多いから、あっちから行った方がいいよ』とすごく丁寧に教えてくれ、彼らを『差別をするやつら』と疑ったことに自責の念にかられてしまいました」。頑張ってるね! 「……別の日には若者のグループに『コロナウイルス』とからかわれました。すると浮浪者のような風貌の男性が近寄ってきて『私はあなたの仲間だ。嫌われている』と言われ、私の手の甲にキスをしていきました。これはこれで他の感染症が心配です」(笑)。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
(安住紳一郎)嬉しいやら悲しいやらってことかな? 頑張ってるね! 「……エチオピアには中国人が多く、アジア人イコール中国人と思われています」。そうですよね。WHOのテドロス事務局長もエチオピアの方ですもんね。「アジア人イコール中国人と思われています。『中国人は仲間だ。中国が悪いわけじゃない。これまでと同じく中国もエチオピアも世界中で一緒に協力しよう』みたいなことを知らない人から長々と道端で話されることが最近の悩みです。『私は日本人なんだけど……』と言い出すこともできず、話を遮って終わらすこともできず、にこにこ笑って聞き流しています。
アフリカの傾向
アフリカは他の地域に比べて早期に都市封鎖や外出禁止令が出される傾向にあるようです。医療設備も乏しいし、一家族の人数が多い上に隔離するような部屋がない家が多いのです。都市部には路上生活者もいます。一度、市中感染が起これば拡大は免れません。また南スーダンやソマリアから来た多くの難民が難民キャンプに暮らしています。そこでの拡大も大きな懸念です。私も難民支援の活動を行なっていますが、支援団体は危機感を持って対応にあたっています。今年はバッタの大量発生などもあり、大変な年ですが何とか乗り越えられることに祈っています」。エチオピアの30歳の男性の方からいただきました。ありがとうございます。
(中澤有美子)ありがとうございます。そうかー。
(安住紳一郎)そうですね。たくさんの日本人の皆さんの海外での活躍が私たちの生活を支えてくださっていると思い、本当に感謝を申し上げます。
<書き起こしおわり>