パンサー向井『コントが始まる』菅田将暉&マクベスの改善ポイントを語る

パンサー向井『コントが始まる』菅田将暉&マクベスの改善ポイントを語る CBCラジオ

パンサー向井さんが2021年5月18日放送のCBCラジオ『#むかいの喋り方』の中でドラマ『コントが始まる』についてトーク。同じトリオのお笑いグループの人間として、解散寸前のマクベスが売れるための改善ポイントを提案。菅田将暉さんがすべきことを話していました。

(パンサー向井)あともう1個、やっぱり毎週しゃべらせてもらってるところで言うと『コントが始まる』ね。今週も見させていただきまして。これね、結構今回はまさしく、芸人やってる10年選手たちは刺さっちゃう、リアルな回でしたね。非常に。10年やって売れていないっていうことは……やっぱりね、そういう人ってもちろん結構いるんですよ。自分の周りにもね、いっぱいいますし。で、やっぱりやめられないんですよね。それはまさにパチンコとかと一緒で。10万、もうすでに負けちゃってるんですよ。で、この台から離れた瞬間に「10万負けた」っていうことが確定する。でも、もう1万入れたら、この後に12万で返ってくるかもしれないとかっていう、その望みに賭けるしかないから、やめられないっていうところなんですよね。

だから10年続けてしまって、マクベスっていうとトリオがまだ2年目、3年目ぐらいの時に営業に行って、10年目の先輩が喧嘩してて。「いや、10年経ってああなったら終わりだよな」みたいなことをマクベスは言ってたけど、もう今ではその先輩の芸歴になってしまっているっていうところ。で、結構パチンコとかギャンブルと芸人で夢を追うみたいなことって近いなと思うんですよね。たとえば、じゃあ当たったら当たったで、連チャンっていうものをするんですよ。確変に入って、パチンコが何連チャンみたいにしていく。たとえば、170連チャンしたら、これがまた飽きちゃうんですよ。

もう1個、そっちの話っていうのも正直、あると思うんですよ。上のお兄さん方って、言ったらもう200連チャン、300連チャンしてるようなことだと思うんですよ。パチンコで言うところの。ただ、やっぱりパチンコを打ったことがある方なら分かると思うんですけど、ずっと当たりを打っていても、これは退屈なんですよ。俺なんかまだ、小当りの連続。単発で時短、単発で時短みたいな人生だからあれなんですけど。連チャンが続いていたら続いていたで、たぶん退屈が襲ってきちゃうとか。だから本当に一番最初に当たった瞬間、当たるかもしれないっていうリーチを見ている瞬間が実は一番、楽しいみたいなところもあったりするんですけど。だからそのマクベスっていうお笑いトリオもまさに10年やってしまって。

やめる、やめないの瀬戸際っていうところでお笑いをやっていて。で、仲野太賀さんが雀荘で働いていて。その雀荘に来たお客さんに「へー、お笑いやってんの? なんか面白いこと、やってよ。一発ギャグ、やってよ」とか言われて。プライドもあるし。「えっ、ええっ?」ってなっていて。で、「なんだよ、全然面白くないじゃん 俺の方が面白いよな」とかって言われちゃったりとか。これはもう厳しい! でも、実際にあるから。「お笑いをやってる」っていうだけで。

もちろん、コンパみたいなところに行っても「お笑い、やっているんでしょう? 一発ギャグやってよ」とかはまあまあ、あるよ。で、いろいろしんどいよなっていう状況。「解散しようかな?」っていう、10年やってるけどうまく行ってない中で、プライベートでいじられたりとか。で、自分の同級生からマクベスが仕事を振ってもらうんですよ。ITかなんかの世界で成功して、社長になった同級生が「じゃあマクベス、俺らの会社のイベントでネタやってよ。司会やってよ」って誘われるけど、菅田将暉さんはプライドがあるから。「なんだよ。お前らに同情されたくねえよ」みたいなんで断っちゃうとか。

で、「わかるよ、わかるよ」っていうような感じなんですけど。で、今回のコントがね、カラオケボックスのコントで。菅田さんがカラオケボックスの店員さん。仲野太賀さんと神木隆之介さんが夫婦役で。仲野太賀さんが奥さんの役。で、カラオケをしてて。それで店員の菅田さんが「どうですか? もう時間ですけど。延長なさいますか?」みたいなことを言う中で、「実はこのカラオケボックス、今日で閉店なんです。閉店なんですけども、まだ延長なさいますか? どうしますか?」みたいなコントなんですけども。

まあ毎回ね、コントにダメ出しみたいなのをしたりしてますけど。もう今回に関しては、もうなんかもうそんなボケてもなかったので(笑)。なんか小劇団みたいなコントなんですよね。演劇寄りのコントだから、ボケとかボケじゃないみたいなことも言えないコントだったんで。なんかそこに関してはないんですけども。まあ、今までのマクベスのネタをバーッと見ていった時に、おそらく菅田さんがツッコミなんですよね。一応ね。で、菅田さんがネタ書をいてるっていうトリオなんですよ。で、トリオの関係性の中で、菅田さんがネタを書いて、演出とかも結構厳しいんですよ。仲野太賀さんとかに「お前、もっとちゃんとやれよ!」とかって菅田さんが言うんですよね。

「もっとちゃんと真剣にネタ、練習しろよ!」みたいなことを言う。だからたぶん菅田さんが一番権力を持ったトリオですよ、あそこって。あれね、ネタを書いていて権力持ってるツッコミのコンビやトリオは、ほぼ失敗します(笑)。あれね、難しいですよ。非常にあのトリオは難しいです。私が前に組んでたトリオ、ブルースタンダードを見ているようです。

ネタを書くツッコミが権力を持つと失敗する

(パンサー向井)そのブルースタンダードを組んでいた時は僕がネタを書いていたんですよ。で、ツッコミをやっていて。全部ネタの「こうボケて」とか「こういう風にこのボケのセリフ、言って」とかって言ってたんですけど。これってもう絶対、上手くいかないんですね。で、「あくまでもツッコミはボケがいるからこそできる職業だ」ということを忘れてしまったら、もう破綻するんですね。で、あのマクベスというトリオを見た時に、絶対一番に笑いを取る面白い人は仲野さんなんですよ。キャラが面白いから。だから俺からマクベスにできるアドバイスは、菅田さん。「仲野さんが一番面白い」っていう見え方ができるコントを今から作ってください! そうしないとマクベスに先はありません!

あのね、僕の理論があるんですけど。「トリオの点数は、トリオの看板の点数」っていう論があるんですよ。それは、たとえばロバートさんで言うと、秋山さんが一番、ロバートの中では面白いっていう風になっているじゃないですか。というか、面白いし。となると、ロバートの点数って、秋山さんの点数なんですよ。それは3人の平均とかじゃなくて。そうなってくると、たとえば秋山さんが100点を取ったら、「ロバートは100点の面白さだよね」ってなるんですよ。

たとえばパンサーに置き換えてください。パンサーでもし、看板が俺だとしたら、向井なんか70点から80点しか取ることできません。その男が一番面白いトリオっていうことは、「パンサーは70点から80点のトリオ」っていうことになっちゃうんですよ。まさに今、マクベスはその状態です。菅田さんが一番の看板。「俺が笑いを作ってる」っていう感じでやっちゃってるから、マクベスはもう70点、80点のトリオです。でも、そうじゃなくて、たとえば「パンサーは菅さんが看板です」ってなった時に菅さんは90、100点を取れる人ですから。そうなったら、パンサーの点数が90点から100点になるわけですよ。だから、パンサーとしての点数が上がるわけですね。看板を変えるだけで。

そうなると、マクベスも「仲野さんが一番面白い」っていうトリオに見せると、マクベスの点数は90点から100点になるんですね。でも菅田さんが仲野さんを見下してるっていう描写があるんですよ。その時点で、マクベスはうまくいきません! だから菅田さん! 先輩2人と組んでください(笑)。マクベスを解散して、面白い先輩2人を見つけて、パンサーみたいな形になるしかもうないと思います! これね、結構難しいですよね。「トリオの看板=トリオの点数」という説。だから仲野太賀さんをトリオの看板にすると、もしかしたらマクベスはうまくいくかもしれない。

これはね、だからやっぱり「ボケの人が一番面白い」っていう見え方をしないことには、ちょっとマクベスはしんどいんじゃないですかね。だからジャングルポケットもやっぱり斉藤の点数がジャングルポケットを点数になるし。これはね、本当にネタどうこうじゃなく、もうトリオとして伝えたい。うん。今すぐ、仲野太賀さんを面白く見せるコントを作ってください! そしてプライベートでも「いやー、俺らのトリオって仲野太賀のおかげで成り立っているよな」っていう風に嘘でも言ってください。そうすると、マクベスはうまくいくと思います。

これはもう今、僕ができるマクベスへの本気の……こんなにちゃんとマクベスのことを考えてる人間、俺以外でいますか? 本当にブルースタンダードを見てるみたいですね。あんなの、絶対にダメですよ。ツッコミが調子に乗って、ボケを見下して。「俺の言うこと聞いてくれよ」とかやってるネタ書いてるツッコミのトリオなんか、もう最悪! これ、伸びない。これはもう、本当に伝えたい(笑)。

さあ、ということで先ほどハザマリツシさんの『人生』っていう曲をかけましたけども。今からもう1曲、聞いていただきたいんですけども。虹のコンキスタドール、虹コンが新曲を出すということで。『世界の中心で虹を叫んだサマー』っていう曲を出すんですね。で、初めて僕が生で見させていただいたライブで新曲として歌ってたりして。見せていただいてたりしたんですけど。ここがまたね、もうまさに「アイドルに人生をかけています」みたいな歌なんですよ。

で、サビでね、「なんたってアイドルなんです あなたに届くなら普通の人生とか投げ出してもいい」って歌うんですよ。で、「青春の全ページはすべて虹の空に捧げてる」っていう。だから自分の青春の過ごしいく年齢の全てを虹の空、虹コンに捧げてるっていう風にサビで歌っちゃう。いや、気合入ってるなって思う。いや、俺はね、「そんなことしなくてもいいよ」って思うけど。でも、「そのぐらいの気持ちで私たち、虹コンやってます。人生かけてアイドルやってます」っていう感じがちょっとグッときますんで。こちらも皆さんに聞いていただきたいと思います。虹のコンキスタドールで『世界の中心で虹を叫んだサマー』。

虹のコンキスタドール『世界の中心で虹を叫んだサマー』


(パンサー向井)お送りしたのは虹のコンキスタドールで『世界の中心で虹を叫んだサマー』でした。気合入ってますよね。ねえ。「全部捧げる。普通の人生とか投げ出してもいい」っていう。やっぱり人生をかけてやってますよ。で、言ったらマクベスも、やっぱり人生をかけてやってるからこそ今、解散するか、続けるかの瀬戸際……先週の感じでいうと、「解散する」っていうのが決定したっぽい感じでしたけどね。

いや、でもまだやり直すことはできるんですよ。本当に仲野さんを立てていくっていう形です。で、だから俺らで言うと、パンサーの看板の尾形さん。尾形さんはゼロか120点かみたいな人なんで。その都度、看板をすげ替えることはできるんですよ。だから「ここは尾形さんを看板にしておいたら120点、パンサーとしては取れるかもしれない」っていうのもあるし。「ここはやっぱり菅さん一番面白いって打ち出すことで、菅さんが常に叩き出す90点、100点をパンサーのポイントにできる」っていうのもあるし。そこらへんは、「ここは神木隆之介さんを看板にした方がいい」とか「菅田さんを看板にする」とか、そこはちょっと変えれたりもすると思うんですけども。ただ、菅田さんが仲野さんを見下している時点で、それはちょっと厳しいわな……うん。そういうトリオってね、いるのよ(笑)。

いや、俺がまさにそうだったから。ブルースタンダードっていう、昔の3人でやってた時がもうまさにそうだったから。一番ダメな形に収まっちゃっていたんだよね。だからこれ、来週どうするかだよね。だから言ったら菅田さん、本当にマクベスは解散したとしても、ネタを書ける先輩と、全力で滑れる先輩と組めば、そこから成功するパターンもありますんで(笑)。それはもうパンサーパターンです。パンサーパターンに入ることも……俺も解散して25でパンサーを組んでいるんで。まあ、ちょっと菅田さんの方が遅いですけども。その道もなくはないということだと思いますので。届け! フリー素材ラジオ(笑)。時刻はまもなく11時です。

(中略)

(パンサー向井)リアクションメールです。東京都の方。「向井さん、トリオはボケが目立つべき理論ですが、東京03さんの場合はどうなりますか? ツッコミの飯塚さんがトリオを牛耳っているマクベスパターンな気がするんですが……」。これ、全然違います。これは全然違うんですよ。皆さん、わかりますか?

東京03の場合

(パンサー向井)飯塚さんはもちろんネタを書いている。中心にいるように見える。ただ、飯塚さんは角田さんのことをめちゃめちゃ好きですよね? 「角ちゃん、面白い! 角ちゃん、面白い!」って言っていますよね。これが大事なんですよ。「うちは角ちゃんだよ」っていう。それを伝えているわけですから。だから「面白い自分よりもさらに面白い人」っていう見せ方をしているから、東京03の看板は角田さんなんですよ。

霜降り明星もそうです。粗品くん、めっちゃ面白いです。R-1チャンピオンにもなったあの粗品くんが「うちのせいや、面白いんですよ。俺よりも面白いんです」って言うことで、「せいやの方が面白い」っていう見せ方を粗品くんはしているわけです。これが大事なんです! だから、菅田さんも「俺、書いてますけども仲野が面白いんですよ」って……俺、役名で呼ばなきゃいけないんだけども。役名で呼ぶとややこしくなっちゃうから役者さんのお名前で呼びますけども。もし、菅田さんが「うちは仲野が面白いんです!」って言っていたら、全然マクベスは大丈夫なんです。それを言っていないんですよ。「俺の言う通りにやれ」が出過ぎちゃっているから。だから東京03さんとマクベスは全然違います!

ここは「ネタを書いている」っていうことだけじゃないんですね。こういうトリオがいいんですよ。どんだけ自分がネタを書いていたとしても、「やっぱりこのボケ、面白いんですよ」って言えるツッコミでなくてはいけない。「自分がネタを書いている。このボケはダメだわ。2人とも、ちゃんとやって!」っていう空気が出ているトリオは、もう頭打ち。天井。これ、皆さん、いい見分け方。役に立つ見分け方だと思いますんでね。ちょっと頭の片隅に入れておいてください。

<書き起こしおわり>

パンサー向井『コントが始まる』第6話を語る
パンサー向井さんが2021年5月25日放送のCBCラジオ『#むかいの喋り方』の中でドラマ『コントが始まる』の第6話について話していました。
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