佐久間宣行 超おしゃれなカメラマンに撮られるための服を買いに行った話

佐久間宣行 超おしゃれなカメラマンに撮られるための服を買いに行った話 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

佐久間宣行さんが2021年4月14日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中で周囲の人々から「服がダサすぎる」と指摘され、超おしゃれなカメラマンに撮影をされるための服を買いに家族で出かけた際の模様を話していました。

(佐久間宣行)そんなね、ニューヨークがブレイク中みたいな話をしてるんだけど。僕が独立してね、なんかわかんないんだけど。興味を持ってくださる方が結構いるのか、取材を結構受けたんですよ。それはたぶんね、独立のニュースがヤフートップに載ったからだと思うんだけど。それでいろんな人が知ったから俺、今月いろんな取材を受けるんだけど。その時、そうなってくると1個、問題があって。これがね、俺の服がダサすぎる問題っていうのが……フハハハハハハハハッ! あるのよ。

まあまあ、元々全く服に興味がある人間じゃない。これはもう本当に認める。でも、しょうがないじゃない? それは何に興味があって、何にお金を使うかは個人の問題だから。俺はもう全然、気にしなかったんだけど。ずっとこのシャツね(笑)。ミクチャの人もあれだと思うけども(笑)。秋ぐらいからずっと同じシャツで。別に衣替えとかしないんだなっていう。赤黒のチェックのシャツみたいなのをずっと着てたりするんだけど。

(佐久間宣行)それでね、俺は気にしなかったんだけど、周囲が気にするようになってきていて。この間、ついにオークラさんから……なんか俺のフライデーの記事かなんかを持ってきて。「ダサすぎる!」って言われて(笑)。で、「スタイリストを付けた方がいい」って言われたの。「なんで?」って言ったら「いや、佐久間さんは変わらなくていいと思ってるけど、一緒に仕事してる俺たちと、あとあんたと一緒にやってる番組のカリスマ性が落ちていく。佐久間さんがダサい服でどんどん出てると」って言われて(笑)。「ええっ?」と思って。

でも、別に俺みたいなのの取材って、基本そんなにギャラとかたくさんもらうわけでもないし。なんだったらノーギャラのやつもあるから。それに全部スタイリストをつけていたら、俺は毎回、それに数万払うことになるわけ。だからそれはやっぱりさすがに……って思って。そうしたら、オークラさんから「もう、だから服買った方がいい。紹介する」って言われたんだけど。でもオークラさんってね、俺、芸能界で知ってる人の中で一番おしゃれなのよ。あの人、本当にアレクサンダー・マックイーンとか、グッチとかさ、もうそういう服しか着ていないから。そんなのに……いや、全く払えないっていうわけじゃないよ? 俺だって40半ばの人間だから。ただ俺はもう本当、「もったいない」と思っちゃうの。

あと、もうね、染み付いている「高い買い物をするんだったら、嫁の許可がないと怖い」っていう(笑)。まあ、これは別に嫁に言われるわけじゃなくて、なんかそういう風に染みついちゃったのね。そしたら……この間、家で仕事をしていたら、奥さんが俺の部屋をガチャッと開けて。怒った感じで。「どうしたの?」って言ったらフライデーを見せられて。「ダサすぎる!」って言われて(笑)。

「ええっ?」「いや、ちょっともう嫌だ」「いや、そりゃあさ、そもそもお前が『どうせパパなんて別に服に興味ないし。すぐ汚し合うながらZARAとかユニクロとかで買って、シーズンごとに着つぶして新しい服を着ていった方が逆にいいぐらいよ』って言っていたからそうしているんだよ」「いや、普段はそれでいいですが……さすがに独立して、ちょっとはイメージがあるでしょう?」「ええっ?」って。

そしたら、今度雑誌の『SPA!』かなんかのコーナーに出るんだけど。それの取材の申請が来て。「ああ、全然。喜んで」って言っていたら、なんかその『SPA!』の担当の方から「写真を撮るの、この人です」っていう風に資料が送られてきて。それで「ティム・ギャロ」って書いてあって。で、そのティム・ギャロさんの過去に撮った写真みたいなのがあって。そしたら田中圭さんとか、佐藤健さんとか、めちゃくちゃかっこいい写真が何枚もあって。で、その人のインスタを見たら……「ティム・ギャロ」で検索すると出てくるけども。とにかく、めちゃくちゃおしゃれな写真しか撮っていない、ファッションカメラマンみたいな。「なんで俺を撮るんだ?」っていう。フハハハハハハハハッ!

おしゃれなカメラマン、ティム・ギャロ

(佐久間宣行)で、しかもそれをなんで俺に送ってきたんだ?っていう。で、嫁がそのメールを見たの。で、ティム・ギャロの写真を見たら、うちの奥さんって田中圭さんとか大ファンなんだけど。「圭と同じ写真家が撮るんだったら……」って言って。「はあ?」「圭と同じ写真家が撮るんだったら、服を買いに行くしかねえ! 恥ずかしい!」って言い始めて。「ええっ!?」って言って。で、その日は久しぶりに半日ぐらい休みだったのね。土曜だったんだけども。で、家族でごはんを食べようっていう風に。久しぶりに外でね。ずっと家メシだから、家族だったらいいだろうっていうことで外で食べようってなっていたから。「その時間、遅らせてでも服を買いに行こう」って言って。娘もついてきて。家族3人で俺の服、買いに行ったんだよ(笑)。

それで銀座のさ、服屋。結構いいところに行ったのよ。で、そこに家族3人で行って。家族3人で行ったら嫁がその店員さんに「この人、服がほしいんですけど」って。それで俺さ、もうずっとネット通販でしか服を買ってないから。まずなんかもうちょっと、服屋が恥ずかしいというか。なんかさ、わかる? これ、服に興味がない人しかわからないかもしれないけど。「服屋に着ていく服がないわ」っていう状態なの。俺はもう。だって俺、このシャツで行っているんだから(笑)。だから「服屋に着ていくシャツがないわ」とか思っているから、服屋に入った瞬間から「帰りたい」っていう気持ちがわいちゃうのよ。もう。

「帰りたい」がもうその時点でわいているの。で、奥さんが「この人の服……」って言ったら店員さんがザッと見て。それで……だいたいね、シーズンとか始まる前の服がたくさんあるタイミングじゃない時に入った服屋って、俺のサイズがだいたいないのよ。俺、身長が184で、XLよりも全然デカいから。だからユニクロとかで買う時も、XXLとかなのよ。で、そんな服はないから、店員さんが明らかに「えっ?」って顔をしたの。そしたら奥さんが「この人、今度取材があるんですよ。写真とか撮られるんです。だから、一式コーディネートしてください」って店員に丸投げしたの(笑)。「お願いします! ええと、なんだっけ? ティム・ギャロ?」みたいな(笑)。「いやいやいや!」みたいな(笑)。

でね、店員さんが「わかりました。コーディネートすればいいんですね」って。それでシャツとパンツとジャケット、全部持ってきてくれ。これがね、どれも入らなかったんだよ(笑)。そのお店のちょっとおしゃれだって言われてる服。要は、その店員さんが「だったらこれでしょ!」っていうタイプの服。スリム的なやつ。どれも肩が入らなくて。そしたらもう、嫁と娘が顔真っ赤になってきて。それで店員さんが「あっ、すいません。あの、ちょっとあれですね。もう1回、探してきます」って言った瞬間に「恥ずかしい」って言い始めて。

「家族3人でこんなところに来るんじゃなかった:って言われて。それで娘が「本当についてくるんじゃなかった」って言い始めて。嫁が「お前、ふざけんじゃない! 痩せろ!」って言い始めて。それで店員さんで慌ててね、また持ってきてくれた服。ジャケット、何種類か。それも入らなかったの。ギリギリ入るんだけど、肩が入らないみたいな状態。となると、また持ってくるとさ、どんどんと無地になってくるのよ。柄物がなくなってきて、無地のものになってきて。

で、店員さんが「いやー、でもなんか、体が大きいとシンプルな方がいいと思います! シンプルな方が……柄とかだと、お客さんぐらい大きいと、ねえ」とか言うから。そしたら嫁が「甘やかさないでください。デブって言ってください!」っつって(笑)。「なんでだよ! なんで店員にデブって言われなきゃいけないんだよ?」っていう(笑)。で、「帰りてえ……早く帰りてえ」って思ったの。

そしたら店員さんが無地のやつを2つぐらい持ってきて。で、1個、それでもおしゃれな方。「ちょっとシルエットがいいんですよ。このジャケット、着てみませんか?」ってなって。で、着たんだけども……もうね、帰りたい。早く決めたいってなって。それで、肩まで入ったの。でも、明らかに肩が詰まってこれ以上は動けない。ちょっと動いたら、『HUNTER×HUNTER』のゴンみたいに服を全部破くっていうような状態。わかる? あの状態だったの。でも、俺は「もうこれでいい」って思ったの。「写真撮影で動かなきゃいいんだから」っていう。

そしたら奥さんが「ちょっときついんじゃない?」って言うから「いや、きつくないですよ? 全然きつくないっす」「ちょっと手、上げてみ?」「はあ? なんで手、上げちゃきゃいけないの?」って……フハハハハハハハハッ! 店員の前で夫婦で(笑)。「いや、手、上げられるでしょ?」「いや、上げなきゃいけない理由がわかんないもん」って(笑)。そしたら奥さんに後ろに回られて。「うん、はいはい。動きません!」って言われて(笑)。それでもう、その店にあるジャケットは全部ダメだっていうことになったの。

そしたら店員さんが今度、「こっちのパターンはどうですか?」って。なんかジャケットじゃなくて、ブルゾンとジャケットの間ぐらいの、形状が変わった、素材感がちょっとビニールみたいにゴワゴワの、本当におしゃれな人が着るタイプの服なんだけど。「素材で勝負してます」みたいなやつ。「これだったら、ゆるいんで」って。で、それは入るのよ。でも、俺の中では「いや、これ……素材で勝負するの、俺には無理なんじゃないか?」と思ったんだけど。奥さんは「ああ、これは動くじゃん。これ、おしゃれだから。これにしよう」って。「えっ、これに合わせていくの?」ってなって。

素材感で勝負

(佐久間宣行)で、その素材感のやつに合わせていくってなると……店員さんが「と、なると、やっぱりこっち、素材が変わってますから。パンツも変わってきますね。持ってきます!」っつって。で、持ってきたのが真っ白な、ちょっとビニールっぽいパンツ、あるじゃん? 素材感に素材感を重ねて。上の素材に負けない感じの素材のやつを持ってきて。「えっ、俺、この素材と素材とを合わせたやつで出るの?」ってなって。それともう1個、今度は普通のちょっとグレーっぽい、「これ、シルエットがきれいなんですよ。これと合わせたらきれいだと思います」っていう。で、俺はそのシルエットの方。そっちの方が攻めてないから。「あ、これにします」って言って。

「じゃあ、1回、履きますか」って言われて。「ああ、入るんじゃないですか?」って言ったんだけど、奥さんが「そんなわけないじゃん! パンツ、試着しないで買うやつ、いるわけないんだから。それは試着しろよ!」って言われて。「わかりました」って。で、もう娘はさ、たぶんそのやり取りが恥ずかしくなってるのかな? 中3だから。もう遠巻き離れて、スマホをいじっていて(笑)。「ついてくるんじゃなかった」っていう感じで。

それでね、パンツを試着室で着たんだけど。入ったのよ。入ったんだけど。ギリギリちゃんと入ったの。ぴったりフィット。でも、ファスナーが最後まで上がらなかったのね。ファスナーが最後まで上がらなかったんだけど……ギリギリ、本当にあと3センチぐらい上がらない状態。俺の中ではもう帰りたいから。「このシャツを下げて、ファスナーを隠したらバレないだろうな」と思って。で、「入りました」っつって、ガサッと開けて。それで大股で歩いて破れるとヤバいから、ゆっくり動いて(笑)。それで、ちょっとずつ近づいて。

「おお、ギリギリ入った」って。で、そのジャケットも着せられて「ああ、シルエットもいいじゃないですか」ってなって。でも、奥さんが気づいて。「あれ? ちょっと待って? 本当に入っている?」「いや、入っているよ」って。で、パッと手を離して。「別に落ちるわけもなくて。入っているよ」「ちょっと待って? シャツ、上げられる?」「なんで上げなきゃいけないんだよ?」っつって。フハハハハハハハハッ!

すぐ気づくんだよな。やっぱり。もう結婚生活15年ぐらい経っていると、すぐ気づくの。旦那の嘘に。「ちょっと、上げられる?」って言うからゆっくり……「うーん」って悩んだんだけど。ゆっくり上げるのもおかしいなと思ったからパッと上げて。それですぐ下げて(笑)。「いいから上げろ」って(笑)。そしたら「ファスナー、上がってないですね」ってなって。それで結局、その素材で勝負する方。白のパンツ。真っ白のパンツよ? その方を着てみたら、それはぴったり合ったのよ。で、店員さんも「となると、中のやつもすごいおしゃれな素材のTシャツみたいなのがあるんで。それを着ましょう」っつって。それを着せてくれて。白、白、黒の素材感みたいなやつを着せられたの。

そしたら奥さんがそれを見て「まあまあ、いいんじゃない? シンプルだし」って。でも「シンプルだし」っていうか、結局その店で着れるものを3つ、合わせただけなんだよ(笑)。だって他が着れなかったんだから。で、それを着せられて。「まあまあまあ……」ってなって。それで娘が「いや、もうお腹、空いたんだけど」「そうだね」ってなって。それで店員さんが「じゃあ、これにしますか?」ってなって。試着から脱いでさ、レジに。「こっちでレジに持っていきますから」ってなって。そしたら奥さんがね、そのジャケットを見て「あっ」って言ったから「えっ、なに?」つったら、そのジャケットが5万するわけ。おしゃれな店の素材感で勝負してるやつだから。

で、パンツを見たら3万するわけ。で、Tシャツ。2万するわけ。それ、全部で10万するよの(笑)。で、奥さんがさっきまでのテンションはどこなのか?っていう感じで「高っ!」っつって。で、まあまあ、服が本当に好きな人からしたら別に普通の値段じゃない? ねえ。で、ちょっといい店でさ、少しそういうやつを着たら、ジャケットとかブルゾンが3万ぐらいって普通じゃん? でもやっぱりもうさ、そんなに買わないから。俺は「もったいない」っていう気持ちになったんだけど。

奥さんも、たぶん絶対になっているの。なっているんだけど、ここまで店員の前でバトルを繰り広げて、「買わない」っていうのはもうさ、ないじゃん? ねえ。だから、まあまあまあ、奥さんがレジに行って買ってくれたの。それで買って、戻って。「これでね、ティム・ギャロの写真、よかったじゃない?」って言ってたのよ。たぶん奥さんも自分を納得させたのよ。言い出しっぺだからね。10万かかったけど(笑)。

で、今週の月曜、その取材があったんですよ。で、それを着て、行きましたよ。行ったの。そしたら、ティム・ギャロさんは結構イケメンの、なんて言ったらいいんだろう? ミュージシャンっぽい、メガネもおしゃれな……まあ、日本の方なのかはわからなかったの。日本語も全然しゃべれたから、ネームがそういうだけなのかもしれないけども。物腰の柔らかな人だったよ。でも、写真スタジオね、青山の写真スタジオに呼ばれたの。それで行ったわけ。

青山の写真スタジオで撮影

(佐久間宣行)で、「取材と写真撮影やります」みたいな。最初、インタビューを受けて。で、「写真撮影です」ってなって。「まあ、でも大丈夫よ。俺、奥さんが買ってくれたから」ってなって。それでカメラの前に立ったら記者の人が「じゃあちょっと佐久間さん、これ、持ってもっていいですか?」って言われたて。スケッチブックを渡されて。マジック渡されて。「佐久間さんといえば、カンペなんで。カンペを書いている風景で写真、撮らせてもらっていいですか?」って。

で、ティム・ギャロさんが「ああ、そうなんですね。カンペっすね。わかりました。じゃあ、佐久間さん。スケッチブックをもっと上にあげてもらって。そのいつものカンペを書いている感じで出してもらって」って。全くおしゃれな必要がなかったっていう。フハハハハハハハハッ! もう完全に(笑)。でね、俺はもうたぶん、この後3誌ぐらいまとめて受けるんだけど。全部同じ服で出るよ(笑)。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました