佐久間宣行 CDデビュー曲『俺のベビースターラーメン』を語る

佐久間宣行 CDデビュー曲『俺のベビースターラーメン』を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

佐久間宣行さんが2021年3月17日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中でテレビ東京の三宅優樹さんとともに歌ったCDデビュー曲『俺のベビースターラーメン』について話していました。

(佐久間宣行)ただね、今日の放送でね、このあとですけど。ちょっと1個、皆さんに報告しなきゃいけないことがあるんですよ。あのー、まあちょっと重大発表ってわけでもないんですけど。これ、言わなきゃいけないことがあって。それは何かというと……俺、CDデビューすることになったんですよ。フハハハハハハハハッ!

そうなんですよ。うん。俺ね、CDデビューをするんですよ(笑)。ちょっと説明していきますね? どういうことかっていうのを……ええと、まあまあ、退職をするっていう裏でこの1月半ぐらいの間ね、青春高校がプロジェクトで終了するじゃない? それで卒業式の収録を三宅が5時半撮ったってことで三四郎・相田も嘆いてたけども。そういうのと同時に、最後のアルバムを作ろうっていう話があって。で、まだ出してない曲も全部入れようってなって。その打ち合わせをま2月の上旬にしていたの。リモートでね。で、その頃はまだ俺、会社を辞めるって秋元さんにちょっと言ったぐらいで。他のレコード会社の人とかには言ってないような状態。

それでレコード会社のユニバーサルミュージックの人たちとテレ東のスタッフの三宅とか。あと、秋元さんもいて。まあまあ、「この曲は入れてないけど、いい曲だから卒業アルバムに入れたいですね」っていうような話をして。その他にも「そういえば前回、1年前の時はMCの皆さんの曲を入れましたね」って。それ、日村さんとか小峠とかがメインで歌ってくれて。めちゃくちゃいい曲だったんだけど。生徒たちへのメッセージみたいな。

で、その次は、相田がダンス部で歌った、相田が入ってる曲ができて……みたいな。そういう変わり種というか、大人の曲みたいなのも入れているのよ。毎回、1曲ぐらい。「卒業アルバム、そういうの、どうしましょうか? いらないですかね? 生徒たちだけでもいいですかね?」みたいに言っていたら秋元さんがサラッと「ああ、でもこれ、佐久間と三宅の曲がいいんじゃないの?」みたいなことを言って。

「ああ、はいはい……いやいやいやいや!」っつって。「またまたー」ぐらいな感じで流して。「だいたい俺、歌ド下手ですから」「ああ、佐久間、そうなの?」「いや、俺は歌、全然下手ですから。申し訳ないですから」みたいなことを言ったの。で、パッとZOOMの画面を見たら三宅だけ「悪くない」っていう顔をしているのよ。フハハハハハハハハッ! 一言もしゃべらない。否定もしないのよ。「そっか。曲か……」っていう顔をしてるから。「こいつ、なんなんだろうな?」と思ったんだけど。

まあ、それが2月の上旬ぐらい。で、2週間後ぐらいの2月の中旬。17、8日ぐらいにユニバーサルミュージックからLINEが来て。「メール、見ました?」「えっ、なんすか?」「曲ができてきました」って言われて。「はあ?」って思ったの。「えっ、どういうこと?」って俺と三宅とレコード会社のグループLINEに返したら、「秋元さんから曲が送られてきました」って言われて。「えっ、誰の?」「佐久間さんと三宅さんのです」って。「えっ、2週間前に言ってたの、冗談じゃないの?」っていう。

で、「もう仮歌と歌詞が出来上がってるんで送ります」と言われて。仮歌っていうのはレコーディングディレクターとかがもう、歌の練習のためにもツルっと歌ったやつが全部入ってるやつ。なんだったら、仮曲よ。だからね。「それもデータで送ってます」っていう。「えっ、ちょっと待って? ちょっと待って? 俺と三宅が歌うの? 生徒たちへの応援歌を番組のプロデューサーと演出が歌う? 意味わかんねえだろ!」っていう。フハハハハハハハハッ! しかも、俺たちの力不足で終わる番組の、その力不足だったプロデューサーと演出が歌うってもう、意味がわかんないから(笑)。

それで、怖くて。俺、ちょっと1日、2日、開かなかったのよ。送られてきているのは知っていたんだけど。開いたらもう、存在しちゃうからね。でも、やっぱりさすがに……まあ、俺たちからダメ出しをすることなんかはないけど。でも、「まあまあ、聞かないとな。生徒たちへの応援歌か」とか思いながら。あと、思ったのは「秋元さん、なんでこの曲に関してはそんなに歌詞がツルッと早いの?」っていう。フハハハハハハハハッ!

他の曲とか、人によるとそのレコーディングのぎりぎりまで歌詞ができてなかったり。あと、噂によると、他のアイドルなんかはMVを撮るギリギリまで歌詞があがってこないみたいなのとかもインタビューで読んだことあるよ。「なに、その冗談で言ってから2週間であげてきてるの? 腕をぶんぶん回してんの?」っていう(笑)。で、それが送られてきたわけよ。

「でも、その日村さんとかが歌った曲も素晴らしかったし。青春高校での生徒たちが歌う合唱曲もいい曲だから、まあそれは俺と三宅で越えることはできないけども。生徒たちへの応援歌だったら頑張ろうかな」と思って。観念して、まず歌詞から開いたの。もう受け入れた。気持ちとしては受け入れた。だって送られてきちゃっているんだから。まあ、それをバラエティ的にも面白いかもっていうのもあるから。「応援歌か」って思って歌詞を開いたの。そしたらタイトルが『俺のベビースターラーメン』っていうタイトルなのよ(笑)。

タイトルが『俺のベビースターラーメン』っていう曲なのよ。「えっ、ちょっと待って?」って。『俺のベビースターラーメン(佐久間&三宅)』って書いてあったから。「これ、そうだな」って思って。それでその歌詞を読んでみたら、サラリーマンがいろいろ働いて。悔しい思いとかをして。「働くのは大変だ」ってなって。それで、今夜もベビースターラーメンをつまみに酒を飲むっていう、おじさんの応援歌なのよ。フハハハハハハハハッ!

働くおじさんたちの応援歌

(佐久間宣行)10代への応援歌でもなんでもなくて、世で働く人たちの気持ちを汲んで「わかるよ。おじさんになって働くの、大変だね!」っていう全働くおじさんへの応援歌を秋元康が書いてきたわけ(笑)。で、「えっ、えっ、これ、なに?」って思って、曲を聞いてみたの。めちゃくちゃフォーク(笑)。めちゃくちゃフォークでこれ、すごいいい歌だったの。仮歌だけ聞くとね。で、「これはもったいねえな」と思ったんだけど。あと、疑念が残るよ。青春高校のアルバムにサラリーマン、おじさんへの応援歌が入ってきて。それをしかもプロデューサーが歌うって、もう意味がわかんないから。あと、もう力不足で。本当はね、もう終わらせたみたいなぐらいなので。

「いや、これはさ……力不足で終わらせたプロデューサーが、その番組のアルバムでおじさんへの応援歌を歌うなんて、わかんねえな」って思っていたら、そのユニバーサルミュージックの方から「レコーディング日は3月上旬です。佐久間さんと三宅さん、別々にやりますんで」って言われて。「嘘?」って思って。「ちょっと待ってください。決定ですか?」っていう風に、もう最後のあがきでLINEを送ろうと思って打っている途中ぐらいから「ボイトレ行きます!」って三宅がLINEを送ってきて。「『ボイトレ行きます』じゃねえんだよ!」っていう(笑)。なにを「待ってました!」みたいなLINEを送っているんだよ?っていう(笑)。もうすげえムカついたんだけども。

「ボイトレ行きます!」の後にやる気満々のスタンプがついてきていたっていう(笑)。で、それを受け取ったのがさっきも話したけども2月18日とかぐらいで。そこからレコーディングの3月上旬までって2週間ぐらいしかないわけ。そうなると俺、歌が下手だから、もう練習するしかないじゃん。で、とにかく下手なんだから、せめて完璧に覚えていかないと失礼。あとは書いてくださった方とかね、作曲の方とかにも。それで俺、一生懸命練習を始めようと思った時に「俺、最近もなんか練習してたな?」と思ったら、が~まるちょばを練習してたのよ。

「ちょっと待って? が~まるちょばを練習させられて。今度はフォークの歌を歌わされて。俺、まだ全然サラリーマンなんだけど? 俺、まだフリーになってないんだけど? なんでが~まるちょばから歌の練習に行かなきゃいけないの?」っていう。それで歌っていたら、まあ序盤。語り口調で字余りでバーって語っていって。これ、下手でも味がある感じになるような曲で。「ああ、これだったらまだ歌えるかも」って。そういう風に考えてくださっていて。しかもやっぱり、いい曲なのよ。

それで夜、家族が寝た後にリビングで歌うわけ。歌う練習をするわけ。もうしょうがないからね。リビングで……自分の部屋で歌っていると、うるさいから。だからリビングで歌うんだよ。しかもさ、この2月下旬ってさ、俺は退職の手続きの真っ只中で。ラジオでも話したけど、辞表を書いたりしていた時期なのよ。で、辞表を書きながら、その曲とかを聞いてるわけよ。つらくてベビースターラーメンをつまみに飲むっていう。泣けてきちゃってさ(笑)。なんかさ、これ……「うわっ、ヤバい。えっ、俺の気持ちにシンクロしてる!」と思いながら(笑)。

佐久間宣行 退職願提出までの長い道のりを語る
佐久間宣行さんが2021年3月3日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中でテレビ東京退職のために退職願を提出しに行った際のエピソードを紹介していました。

(佐久間宣行)それで、何回も練習していたの。そして家族に聞いてもらったら奥さんは「マシにはなった。でも、これはすごい進歩よ。あなたの歌の下手さからしたら。でも、上手くはない」って言われて。それで娘にも聞いてもらって。「上手くはないけど……味は? 味はある?」って聞いたら「味は、わからん!」って言われて(笑)。いや、わかるわけないのよ。よく考えたら。中2に(笑)。「味は、わからん」って言われて。で、俺も自分で歌っていて、下手さからするとそれなりにはなったけども。「でも、なんかが足りないな」って思って。

下手なりに曲は覚えたし。でも、その歌に……これは僭越ながら言うけどね。俺はなにもわかってないけどもね。たぶん「魂」というか、俺じゃなきゃいけない何かが足りないなって思って。「なんだろう? あと1週間しかないな」って思って。それでハッと気づいたのよ。「俺、ベビースターラーメンを食ってねえわ」って思って。フハハハハハハハハッ! 「ああ、俺、食べてねえは。これはもうここから毎日、食べよう!」って思って。で、近くのスーパーに行って。今、4個入りの、4袋セットのがあるじゃない? ちっちゃいやつ。それを棚にある分、全部買って。6つぐらい買って。で、そこから毎日ね、仕事終わった夜にいいちことかビールとかを飲みながら、ベビースターラーメンをつまみにやって。気持ち作ってから練習するっていう(笑)。

(佐久間宣行)でも、そうするとやっぱり酔いながら、ある程度酔ってからやるじゃん? 声が大きくなって、めちゃくちゃ家族に怒られるっていう(笑)。リビングで、徐々に声が大きくなっていってっていう。そうこうするうちに、2月の末の金曜、26日。本当は発表予定じゃなかったのに、急に俺の退職がネットニュースになっちゃって。会社に問い合わせが殺到して。翌月曜にヤフートップになっちゃったから、その週に発表しなきゃいけないってなって。もう大わらわ。で、その日の夕方ね、ユニバーサルからメールが来て。「レコーディングディレクターとスタジオの調整がやっとできました。立て込んでいたんで。3月4日(木)のお昼、レコーディングです」って言われて。

3月4日のお昼のレコーディングってパッとカレンダーを見たら、3月3日がオールナイトなのよ。そこで退職発表をするわけ。で、退職発表をした5時間後に俺、レコーディングしているのよ(笑)。「なに、このスケジュール?」と思って。「それ、ちょっとリスケできませんかね?」っていう風に送ろうと思ったら、三宅が「はいっ!」っていうLINEを送ってきたから。「『はいっ!』じゃねえんだよ!」っていう。「待ってました! 準備万端です! なぜなら、ボイトレやっているから!」っていう(笑)。そんなLINEが返ってきて。「なんだよ? 欲、出すんじゃないよ?」って思ったんだけども。もう、それは断れないから、バタバタのまま、その週は退職報告のラジオの準備をして。

で、ネットニュースが出ちゃったから、まだ言っていない関係各所に連絡をして。で、このラジオでも話したけど。会長、社長へのごあいさつをして。それで夜は、ベビースターラーメンの練習(笑)。なにをやってるの? 俺、なんの仕事してる人なの?(笑)。で、3月3日、深夜に退職ラジオをやりましたよね? やって。それでまあ、ありがたい話ね、皆さん結構温かく。「頑張れよ」みたいなものをたくさんいただいて。胸いっぱいで家に帰ったわけ。

佐久間宣行 テレビ東京退社を語る
佐久間宣行さんが2021年3月3日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中でテレビ東京を3月31日付けで退社することになった話をしていました。

(佐久間宣行)で、胸いっぱいで家に帰ったら、なかなか眠れないじゃん? だから、ビールを飲むよね。そしてベビースターラーメン、あるよね。で、そのベビースターラーメンを食べながらビールを飲んで。今日のラジオを思い返していて。で、歌も聞かなきゃいけないから、聞いて。今日がレコーディングだから。で、聞きながらベビースターラーメンを食べて退職のことを思い出したら、いつの間にか涙がホロッとこぼれて。「この気持ちだ……」って思って。「歌に必要なのは、この気持ちだ。俺、やっと歌に入れた」と思って。「入れた」じゃねえよっていう。フハハハハハハハハッ!

「俺、やっと歌に入れた」

(佐久間宣行)朝の5時に(笑)。「俺、歌に入れた! この気持ちで歌わなきゃダメなんだ!」と思って。退職、いろんな人生の岐路っていう。でも、それを忘れないうちに寝ようと思って。やるじゃん? 子供とか、テスト勉強の内容を忘れないうちに寝ようっていうやつ(笑)。で、ビールを飲んで、忘れないうちに寝て。それで起きて。翌朝、電車に乗ってレコーディングスタジオの駅に行って。スタジオの近く、歩いていたの。「ああ、ここだな」って。そこは何回も行ったことがあるから。青春高校のレコーディングでも。

で、行ってレコーディングスタジオに入ろうかとした瞬間に、目の前のマスクをしている女性が「ああーっ!」って言って。「えっ、なに?」って思ったらイヤホンを外して「今、佐久間さんのラジオ、聞いてました! 退職の話してたのを。うわっ、こんなこと、あるんですね!」ってその女性に言われて。「ありがとうございます!」って言って。で、その女性も「これからも楽しい番組、作ってください。頑張ってくださいね。退職しても! これからも楽しい番組、作ってください!」って言われて。俺、心の中で「いや、今からね、俺は歌うのよ」っていう(笑)。

「テレビもラジオも関係ないのよ。楽しい番組、これからも作りますけど。俺、今からやるのはレコーディングなんです」って思いながら。でも、それは言えないから。ちょっと半笑いで「ありがとうございます……」みたいな感じでスタジオに入って。で、スタジオに入ったら、レコーディングディレクターもプロ中のプロの方で。田中さんっておっしゃるんだけど。AKBから、たぶん坂道もやってるのかな? 秋元さん物件を全部やっているようなプロ中のプロのレコーディングディレクターがいて。

「佐久間さん、リラックスしてやってみましょう。緊張しないで」って。で、機材の説明だけされて。「まずはツルッと全部歌ってみよう」って。その人はとにかくすごくて。たぶんどんなに歌が得意じゃない人も、盛り上げて録るのがすごいっていう人で。「ツルッと全部、歌ってください」って言われて。「えっ、急に? 俺が全部歌うの?」って思って。あっちのリアクションもわからないから。もうとにかく、必死で歌ったら「OK、OK、すごいいいよ!」って言われて。「本当?」って思ったら「じゃあ、もう1回。頭からやってみよう」って言われて。「本当?」ってなって。

もう1回、歌うじゃん? そしたら「OK、OK! 佐久間さん、もう録れてる! 録れているんだけど、もう1回、頭からやってみよう!」って言われて。それでもう1回、やって。「これ、本当にいいのかな?」って思いながら歌うじゃん? 何回か歌ったら「いい! これでいいぐらい。これで終わっちゃっていいぐらいだけど……もう1回、歌ってみようか」って言われて(笑)。「ダメじゃん、絶対に」って思いながら(笑)。それで4回ぐらい歌ったら「OK、OK。1回、ちょっとこっちでチェックします」って言われて。

それで1回、待っていたらイヤホンから薄く、俺の声を組み合わせて一連にしてるのが聞こえてくるんだけど……全然ダメなんだよね(笑)。ガチガチなのよ。下手なのは仕方ないけど、うまくやろうとしてる感じ。俺でもわかる。そしたら田中さんがまた来て。「いや、味がある。これ、すごいいい。じゃああと何回か歌ってみよう。佐久間さん、どう?」「いや、ちょっとまだわかんないですね」「じゃあ、歌ってみたらいいよ」って。それで、何回か自分なりに歌っていたら、ラジオ明けじゃん。しかもテンションが入ったラジオの明けだから、徐々に喉が枯れてきたの。

そしたら、レコーディングの田中さんが「すごいいいね! 枯れてきたね! これがいい!」って言って。みんな、ブースの外でうなずいているの。で、もう1回歌ってみたら「枯れてきたね! 枯れてきたよ、いい!」って言って。「これ、喉を枯らすために何度も歌わせたんだろうな?」っていう(笑)。「どんどんよくなるよ。枯れてきたよ!」ってなって。そしたら、田中さんが盛り上げるのが上手いから、ツルッと歌えるようになってきて。で、歌ってきたら「佐久間さん、それね、結構よくなってきたから。枯れてきて、味が出てきたから、もっと遠くに届けるつもりで歌って。ここにあるマイクじゃなくて、もっと遠くに届けるつもりで。ぶつける感じで1回、思いをやるつもりで歌って」って言われて。

「わかりました!」って思って。で、自分の目の前にあるマイクを超えた、この曲を作ってくれた人とか、なんだったらもう本当、福田とか斉藤の顔も思い浮かべたよ。働いているやつらに届けるつもりで。もう本当、ぶつけるつもりで歌ったのよ。歌ったら、「いいよ! これでツルッと……佐久間さん、全部やろう!」って言われて。「結局、声が枯れるのを待って全部録り直すんじゃん!」ってなって(笑)。でも、その頃にはもう田中さんのペースに乗せられてたから、気持ちよく。枯れた中でもどんどん気持ちが入って、歌い終わったの。

そしたら、田中さんが「佐久間さん、録れました。録れたんだけど、これで行けるんだけど……今、全部に気持ちが入っちゃってるから。1番のAメロとBメロは、たとえば佐久間さん。ラジオフリートークだったら、導入からフルテンションでは話さないでしょう? 語りかける感じで入って、サビで一番聞いてほしいことを言うみたいに。ちょっと語りかける感じでAメロとBメロを録り直させて」って言われて。「なるほど!」って。それでもう1回、AメロとBメロを少し語りかける感じで歌ったら「OK! 録れた。すごいいいよ!」って言われて。

「本当かよ?」って思ったら、その田中さんが「いいよね?」って。それに目を合わせたレコード会社のユニバーサルの人も「すごいよかったです!」って。俺も「本当かな?」って。なんかわかんないままの感じで帰ったわけ。

で、そうしたらその1週間後ぐらいかな? 秋元康さんから「佐久間の歌、聞いたよ。いいね。沁みる。声がいい」って来て。「本当!?」って思うじゃん? で、翌日にユニバーサルの人からもLINEが来て。「佐久間さん、三宅さん、『俺のベビースターラーメン』のラフミックスを聞きました。すごくよかったです。男の哀愁が漂ってきて。なんなら僕、夜聞いてちょっとグッときたぐらいです」って。「本当かよ?」って。にわかに信じられない。ありがたいけど。そう思って。

で、また別のレコード会社の人からも「いや、これはめちゃくちゃいい曲ですよ。大げさじゃなく、泣けます」って。俺はにわかに信じられないじゃない? でも三宅は全部それに「ありがとうございます!」「ありがとうございます!」「ありがとうございます!」ってLINEで返事をしていて。それで「普通は完パケを送るんですけど、ラフミックスを送っちゃいます」って送られてきたの。なんだけど俺、怖くて聞けなくてなくて。そのラフミックスを。そしたら4日後にもう完パケが送られてきて。この生放送の2日前ぐらいに完パケが送られてきたわけ。「これ、もう聞くしかねえな」と思って。

それでベビースターとビールを用意して。家である程度やってから「聞くか……面倒くせえな。聞きたいわけじゃないんだけどな……」って感じ聞いたのよ。で、聞いたら……めちゃくちゃよかったですよ。フハハハハハハハハッ! いや、俺はね……ただ、もう俺は入っちゃってるから(笑)。曲に。もうベビースターラーメン食べながら、飲んじゃってるから(笑)。でね、今日、解禁します! フハハハハハハハハッ!

アーティストってこういう気持ちなんだね。俺、一生に一度しかこれ、味わないでしょう? たぶんね。これが青春高校のアルバムに入る曲だから。別に俺名義で出るわけじゃないし。だから……メジャーだよ。というか、インディーズデビューもしてないから(笑)。いや、だからこれ……リスナーのみんな、準備はできてるかな?(笑)。宇宙初解禁だよ。うわーっ! ヨッピー(吉田尚記)に聞かせてやりてえな。ヨッピーに「宇宙初解禁」って言ってほしい(笑)。というその曲があるんですよ。

あるんで、聞いていただこうかなと思います。フルコーラスで。それでは、お聞きください。佐久間宣行&三宅優樹で『俺のベビースターラーメン』。

佐久間宣行&三宅優樹『俺のベビースターラーメン』

(佐久間宣行)お聞きいただいたのは佐久間宣行&三宅優樹で……『俺のベビースターラーメン』でした(笑)。

<書き起こしおわり>

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