R-指定 NIPPS『GOD BIRD feat. K-BOMB, DEV LARGE, XBS & GORE-TEX』を語る

R-指定 NIPPS『GOD BIRD feat. K-BOMB, DEV LARGE, XBS & GORE-TEX』を語る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

R-指定さんが2021年3月16日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中でNIPPS『GOD BIRD feat. K-BOMB, DEV LARGE, XBS & GORE-TEX』を紹介していました。

(DJ松永)じゃあ、日本語ラップ紹介のコーナーです。

(R-指定)今日、紹介したいのはですね、これは日本語ラップのクラシックなんですが。『GOD BIRD』という曲を紹介したいと思います。

(DJ松永)あっ! プス兄?

(R-指定)プス兄。「プス兄」って言ってもわからんと思うけども、NIPPSさんね。まあ、説明不要の日本語ラップ界の伝説のグループ、BUDDHA BRANDのMCであるNIPPSさんのソロっていうか、NIPPSさん周りの人もたくさん入っているから。でも、一応ソロ名義になるんですかね。『MIDORINO GOHONYUBI presents MIDORINO GOHONYUBI MUSIC/ONE FOOT』っていうアルバム収録の『GOD BIRD』という曲。

これ、フィーチャリングがK-BOMBさん、そしてNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDからXBSさんとGORE-TEXさん。そしてDEV LARGEさんとNIPPSさんでやっている曲なんですけども。

(DJ松永)名曲ですよね。

(R-指定)名曲。もうこれ、実際に聞いてもらいますかね。なんというか、これ、いろんなもちろん、高度なライムとかもあるんですけども。意味とか、かかっている場所っていうのは結構いろんな捉え方ができたりもするし。下手したら説明が野暮になる可能性すらあるぐらい、こっちに考える余地というものを残してくれているぐらい、リリックも散文的なんですよ。取りようによっては意味がわからない。

でも、その意味を考えるのが楽しいみたいな。結構散文的なライムなので。曲が終わった後にちょっと「ここはこういう意味っぽいな」みたいなところとかを説明していきますけども。とにかく、今から出てくる5人のめちゃくちゃ独特な……「ILL」って言われたりしますけども。そのラップの聞き心地だけでもいいんで。まずは聞いてください。

NIPPS『GOD BIRD feat. K-BOMB, DEV LARGE, XBS & GORE-TEX』

(R-指定)いやー、ヤバすぎですねー。

(DJ松永)めちゃくちゃかっこいいねー。久々に聞いたけども。

(R-指定)まずはK-BOMBさんのあのガラガラの声で……聞き心地とかすごいいいんですけども。この「アテンションプリーズ 履かない勝新のブリーフ」っていう(笑)。「アテンションプリーズ」っていうめっちゃかっこいいフレーズから「履かない勝新のブリーフ」っていう。まあ、勝新太郎さんのブリーフの中に何かが隠されていたっていうことから「俺は隠さない」っていう……まあ、そこも各々、調べてほしいんですけども。そういうフレーズやったりとか。

「履かない勝新のブリーフ」

(R-指定)NIPPSさんも始まりからとんでもないこと言っていますよ。「ILLな牛病プラチナム スーパーブッダカルテル 隠語はラディカル 2週に1度は床屋で髪刈る」っていう。この「髪刈る」って「髪の毛を刈る」っていうのと、その続きのリリックが「砕く細胞」って言っているから……これはラスタで髪の毛を切らなかったりするやん? あれは「自分の体の一部を殺さない」っていうことなんよ。そういう意味で、「でも俺は逆に髪を刈るぞ」っていう。「砕く細胞」っていうのは髪という肉体の神様を刈っているっていう意味にもかかっているのかもしれない。

その後の「砕く細胞 友達とのベースボール 打つのは必然 イチローと新庄 はびこる偽者 Acting like 女の子s」っていう。「女の子s」ってなんなん?っていう(笑)。「女の子」に複数形の「s」(笑)。でも、そんな変なことを言いながらも、フロウは超かっこいいい。「女の子s out of control 生でraw 神か王 Giving you more」みたいなのとか。その後の「空飛ぶ神様タイプ マニラよりIller よく見りゃ目の見えない 目の前のキラー」とか。

なんかそんな乗せ方、フロウ、音のはめ方をこの時代にバリバリにやっていたのがBUDDHA BRANDというか、NIPPSさん周りのフロウ巧者っていうか。そのとにかく韻とかリリカルなところもこっちにめちゃくちゃ考える余白を残しつつ、リズムのとり方も単純に小節のケツで韻を踏むだけじゃないっていう。そのラップの可能性、幅広さみたいな。やっぱり最高ですね。

(DJ松永)すごいなー。DEV LARGEさんも最高にかっこいい。

(R-指定)最高!

(DJ松永)最高だよね!

(R-指定)「再送信」っていうあの言い方とかもね。まあ、とにかく名曲なんでぜひ皆さん、聞いてみてください。『GOD BIRD』でした。

(中略)

(R-指定)クラシック、よかったなー。

(DJ松永)そうですね。クラシック、よかったね。あと、『PARTNERS IN CRIME』とかも思い出しちゃうよね。マイクリレー系だとね。

(R-指定)そうなんよ。どっちか迷ったんです。ほぼ同じようなメンツでやっていますからね。XBSさんとGORE-TEXさんが入って。DEV LARGEさんとNIPPSさんっていうね。

(DJ松永)最高ですよね。いいよね。

NIPPS『PARTNERS IN CRIME』

(R-指定)あそこらへんの曲ってホンマに説明が野暮になっちゃうから。

(DJ松永)ねえ。たしかに。

(R-指定)「とにかく聞いてくれ、食らってくれ。こっちで考える余地がある」っていうようなパターンでもあるんですよね。だからムズいんですよ。

(DJ松永)たしかに。だってさ、あんまり歌詞カードとか見ても「なにこれ?」っていう。

(R-指定)たぶん正解はないんですよ。「これはこういう意味」っていうのもたぶん、俺らが思っているのと違う意味で書いている可能性があるから。

(DJ松永)BUDDHA BRANDとかさ、最初にCDを買って歌詞カードを開いたらびっくりしたもんね。「ブッと食ってミルク 賞味期限無限で超Deep」とか……「これ、どういうこと?」っていう(笑)。

(R-指定)すごいからな(笑)。

(DJ松永)それがかっこいいんだもんね。だから意味がわからないのがかっこいいんだよね。

(R-指定)正解を出さないかっこよさっていうか。こっちで感じ取れっていうことなんですよね。

(DJ松永)たしかに。中学生なんてわけのわからないものを摂取したいもんな。

(R-指定)やっぱり「知ったふりしろ」って言ってますからね。

<書き起こしおわり>

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