堀込高樹さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。KIRINJIの新作アルバム『愛をあるだけ、すべて』の曲、『silver girl』とDrake『Passionfruit』について宇多丸さんと話していました。
(宇多丸)あと、そうだな。お聞きしたいのは最後に『silver girl』っていう曲。これ、高橋芳朗くんのインタビューで、高樹さん前に一緒にレコーディングしている時もやっぱりいまの音楽に対する意識をすごく張られていて。割とそれがすごく結実している感じっていうのを聞いたんですけども。
「KIRINJIニューアルバム発売記念~堀込高樹さん選曲のプレイリストを聴いてみよう!」(高橋芳朗の洋楽コラム) https://t.co/a2B5MB8bew
【堀込高樹】
そう、あれはドレイクの「Passionfruit」が死ぬほど好きで。— みやーんZZ (@miyearnzz) 2018年6月9日
(堀込高樹)そうですね。なんか、これはドレイクの『Passionfruit』っていう曲があって。その曲のシンコペーションがすごく印象的なんですよ。で、自分が作っていた曲にそれをポロポロッと合わせてみたらハマッたから。「じゃあ、これを引用して仕上げよう」っていう。
Drake『Passionfruit』
KIRINJI『silver girl』
(宇多丸)これ、すごいですよね。KIRINJIと、やっぱり最先端のヒップホップと。なかなか想像がつかないあたりじゃないですか。
(堀込高樹)まあ、そうかもしれないですね。
(宇多丸)でもやっぱり常に時代とのシンクロみたいなのもちゃんとやっていきたいみたいな?
(堀込高樹)まあ、ここ最近ですよね。そういうのを思い出したのは。『ネオ』とかを出した頃。
(宇多丸)それは、なぜこのタイミングでそう思われたんですか?
(堀込高樹)やっぱり世の中の音楽が、KIRINJIがデビューした頃のムードと結構かけ離れてきたっていうところですかね。だからヒップホップとかダンスミュージックのレンジ感の中でいままでやってきたようなスタイルだと結構沈んでいくというか、古臭く聞こえるというか。地味に聞こえるような気がして。ちゃんと自分がやっていることをポップスとしていま機能させようと思うと、やっぱりそういうところ、ダンスミュージック的な音像は避けて通れない。あのぐらいの音圧っていうのかな?
(宇多丸)じゃあミックスも相当、そういう感じでこだわられた?
(堀込高樹)そうですね。やっぱり低音の感じとか上の伸び方とかは割といまの音楽を参考にしながら。「もうちょっとあった方がいいんじゃないか?」とか。
(宇多丸)うんうん。でも、すごくなっていますよ。まさに一昨日、wind-s.のお三方に来てもらって。彼らは自分で……。
(堀込高樹)そうなんですよ。びっくりしましたよ!
(宇多丸)自分で録りもしてミックスもしてマスタリングまでするっていう、ちょっと頭がおかしい人たちなんですけども。
(堀込高樹)だって歌えて踊れてかっこよくて音も作れるって完璧じゃん!っていうような話を割とこのへんでしていたんですよ。友達と。
今っぽさを決めるのは「音像」
(宇多丸)そんなことで、そこでもやっぱり今っぽさを決めるのは、いまは音像っていうか。音楽像じゃなくて音像の方だっていう話をね。
(堀込高樹)スタイルじゃないんだよね。
(宇多丸)そうそう。でも、まさにそれになっていると思いますよ。
(堀込高樹)ああ、そうですか。
(宇多丸)それも含めて「チキショー!」っていうね。「なんでいつもかっこよさを更新してくるんだ、しかも素敵に!」っていう。いやですねー、本当にね(笑)。
(堀込高樹)フフフ(笑)。
(宇多丸)褒めているんですよ。
(堀込高樹)いやいや、うれしいです(笑)。
<書き起こしおわり>