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佐久間宣行 石岡瑛子展でフット後藤のマジ歌の面白さの正体を理解した話

佐久間宣行 石岡瑛子展でフット後藤のマジ歌の面白さの正体を理解した話 佐久間宣行のオールナイトニッポン0
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佐久間宣行さんが2021年2月10日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中で石岡瑛子展を見に行った際のエピソードを紹介。展覧会を見てフットボールアワー後藤さんのマジ歌の面白さの正体を理解したという話をしていました。

(佐久間宣行)それでね、今日1個、話したかったのは先週末、展覧会に行ってきたのよ。石岡瑛子展っていう。『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』っていう展覧会で。石岡瑛子さんというのは1960年代初頭から広告のデザイン始めて。資生堂から始まって。それで1980年以降は拠点をニューヨークに移して映画の衣装デザイナーとか舞台セットデザインとかを手がけた、数々の世界的な賞を受賞したスーパークリエイターね。とにかくすごいスーパークリエイター。アカデミー賞も受賞しているし。

それでもう、その人はとにかくかっこいいのよ。その人の口癖が「サバイブ」だからね。あと「タイムレス、オリジナリティー、レボリューショナリー。この3つがないものは作らない」とか。あと「私は衣装ではなく視覚言語を作っています」とか。そういう風にとにかくインタビューもかっこいいし。もう作品もかっこよくて。で、その方の大規模回顧展っていうのが東京都現代美術館があって。

本当にすごい人だから見たいなと思ってたんだけど。今、コロナだからさ、入場制限をしていて。事前予約制だったの。だから年内に行きたくても、直前に予定が空いても行ったら入れないとかっていうのの繰り返しで行けなくて。だったんだけど、もうそろそろ今週末とかで終わっちゃうのかな? だから「なんとか……」と思って。そしたら仕事と仕事の合間に2時間半、空いたところがあったから「もうここは何も入れないようにしよう」と思って。

で、チケットを予約して。1週間前ぐらいに予約して。それで「行こう!」と思って。で、その日、朝の仕事が終わった後、タクシーで……清澄白河にあるから、そこまで行って。話によると2時間ぐらいたっぷりあった方がいいっていう。1時間じゃ見きれないっていうことだから「早めに行かなきゃ!」と思ってタクシーに乗ったの。それで乗ったんだけど……そしたら運転手さんが右手の中指を突き指したのかわかんないんだけど。包帯ぐるぐる巻きで……要はピンと立っている状態なので。それで「東京都現代美術館まで」って言ったんだけど、その運転手さんはわからなくて。

カーナビを、入れようとしたんだけど……カーナビを押そうとするとぐるぐる巻きのでっかい中指が先に当たっちゃって、カーナビがうまく押せないの。でも、中指は包帯で巻いているから反応してくれないわけ。で、小指で押そうとするんだけど、押せないわけ。で、人差し指で押そうとするんだけど、先にやっぱりどうしても中指がガツンと当たっちゃって。そこで時間を食っちゃうのよ。で、「お客さん、わかります?」って言われたんだけど、東京都現代美術館の行き方はわからない。清澄白河しかわかんないから。

「うーん、じゃあ俺がカーナビを入れます」って言って。運転手さんのところでカーナビを入れて。「ありがとうございます」って言って運転手さん、中指をぴんと立てたままね、向かって。「本当に申し訳ありませんね。このへん……普段は池袋とか流してるからさ」「いや、大丈夫ですよ」って。それでカーナビに従って進みながら、でもやっぱりちょっと時間がかかって。ぎりぎりになっちゃって。「お客さん、すみませんね」って言われて。「いや、全然大丈夫ですよ」「領収書、いりますか?」って言われて。

俺は1回、財布をタクシーでなくしているから。領収書は常にもらうようにしているから「ください」って言って。「はい。わかりますよ。金額、安くしますよ」って言われたんだけども。そうすると、領収書と整合性が取れなくなるから。「いや、大丈夫です」って言って。それで領収書を渡してくれたんだけど。渡す姿がさ、中指が包帯ぐるぐる巻きでぴんと立っているから、渡す時にね、ファックユー的な感じになるのよ(笑)。いや、別にいいんだけど。俺に向かって中指を突き立ててる状態なのね。「ありがとうございます」って言いながら領収書を渡す時に。

で、まあ別にこれは誰も悪くないんだけど、複雑な心境で。「本当、ありがとうございます」って言いながらずっとファックユーの感じになっていて(笑)。サイコだよね? そうなっているんだよね(笑)。まあ、これは本題じゃなくて。こういうことがあったっていう事実なだけね。それで、美術館の中に入って。展覧会自体がもうめちゃくちゃすごくて。

入るとすぐ、そこの「Timeless, Original, Revolutionary」っていうのが書いてあって。で、まずは60年代の資生堂から始まった広告のデザインで日本席巻してた頃の作品があがっていて。それにずっと音声で石岡瑛子のインタビューが流れていて。だからもう、それがずっと響いていて。それもすごくかっこよくて。で、その作品自体もすごいんだけども、この展覧会がすごいのはその過程が見れるのね。

作品の制作の過程が見れる

どういうことかというと、目の前のポスターがあったら、そこからちょっと離れたところに版下とかに直しの指示が赤でブワーッて書かれたやつとかが見れるの。それがすごまじいのよ。1個の作品に対してどこまで……俺、これデザイナーで一緒にやってたら、ちょっと泣いちゃうなっていうぐらい。「全然違う!」とか「もっと○○で!」とか。全部ブワーッて書いてあって。「これを持って印刷所に行ったんだな」って思うぐらいすごいのよ。

だからそれがすごくて。全部の作品にどのぐらい熱量を込めて直してたか?っていうのがわかるから。その作品自体は歴史的なものだから図録とかで見たことがあるんだけども、それにたどり着くまでの思考の過程も見れるっていうのがすごくて。

(佐久間宣行)だからもう、とにかく食らいまくるわけ。最初の着想がどこで、どこで修正して。熱量と……周囲にはこんなに厳しく伝えたからここまでクオリティーが上がるんだとか、そういうのが分かるわけ。で、最初さ、それはインプットとか勉強になればとかって思う気持ちがちょっと一瞬あって俺も行ったのよ。でも、無理無理! 「すげえ!」っていうだけ(笑)。全部無理で圧倒される感じなのね。それで、その前半ブロックが終わって。1回外に出て。「うわっ、食らったなー!」って思ったんだけども。

後半ブロックは石岡さんって80年代以降は世界的に衣装デザイナーとしてめちゃくちゃすごかったから。衣装がたくさん飾ってあるのね。たとえばそのフランシス・フォード・コッポラの「ドラキュラ』とか。シルク・ドゥ・ソレイユの衣装とかもそうだし。北京オリンピックの競技ユニフォームとかも石岡さんなわけ。で、そういうあの衣装がたくさんあるわけ。その衣装がさ、やっぱり衣装単体で見ると、なんて言ったらいいの? 正直、かっこいいもあるけど、「キョトン」もあるわけ。たくさん。

「これ、これを着ろって言われても?」……って。要は、「石岡さんがこの衣装を上げてきても、俺はこれを『かっこいい』と認められるだろうか? 俺がクライアントだった時に……」とかっていうような。でもね、それも過程が見れて。衣装があった後でモニターがあって。それで実際に着てる人とか、そういうのを見るとめちゃくちゃかっこいいわけ。だから、どっちかって言うともうすごすぎて石岡さんの立場にはならないわけ。

「俺、石岡瑛子がこのデザインをあげてきたら、『これ、いいっすね!』って言えるかな?」っていう、そっちの方。「俺、止める方になってなかったかな?」とか思いながら見ていたの。で、その数々の……オペラとかのもすごくて。の中でひとつ、グレイス・ジョーンズっていうジャマイカ系アメリカ人の歌手の人がいて。黒人の方なんだけど。1970年代にアンディ・ウォーホルのミューズとかにもなったような、すごいアーティストがいて。その人の衣装があったんだけど。

その人の衣装ブロックの衣装が、飛び抜けてすごいのよ。「飛び抜けてすごい」というのは、笑いの目線で言うと「飛び抜けてトンチキ」なわけ。うん。説明は難しいんだよ。白い陶器でできた防災頭巾の……陶器の防災頭巾の肩の部分がめちゃくちゃ長くて角みたいになってるみたいな。わかる? うーん……なんて言ったらいいんだろうな? ダースベーダーのここの横の部分の白だけがなってるのよ。あとね、坊主頭に青いトサカのどデカイのだけがあるみたいな、そういう衣装だけ見ると、こんなのマジで来たら大抵の芸人が「いや、ボケ強すぎますよ!」って言うような衣装なの。

グレイス・ジョーンズの衣装


(佐久間宣行)だからもう、「これはさすがに俺、『かっこいい』と言えるかな?」って思って。それで見ていくと億にモニターがあるのね。それでモニターにそのグレイス・ジョーンズが着て歌っているのを見ると、めちゃくちゃかっこいいの。もう、本当にめちゃくちゃかっこいいのよ。でも、衣装だけを見ると……ここでも説明しづらいんだけど。ネットで検索してほしい。「石岡瑛子 グレイス・ジョーンズ」で検索してほしいんだけども。それで出てくる白い防災頭巾の棘がすごいやつみたいなのを見てほしいんだけども。

そういう衣装なのよ。紙一重過ぎるわけ。でね、映像を見ると、そのぐらいのパワーとその人のかっこよさが合わさると「すげえ!」ってなるけど、大抵の人間はもう間違いでボケとして笑いが来るなと思った時に、何となく……俺はちょっとそのへんから「あれ……?」と思い始めて。「おやおや?」と思ったの。自分の中で結構謎がちょっとずつ解けてきて。なんかその映像の前でちょっと10分ぐらい立っちゃって。見ていて「あれ? これ、なんかなんか解けそうだな?」と思って。

それがね、「本当にかっこいいものはその人でしかかっこよく見えないからかっこいいんじゃないか?」っていう。わかる? 誰にでもかっこいいものでかっこいいのは普通で。本当にかっこいいのはその人でしかかっこよく見えないぐらい強烈なものだから。その人のパワーでしか着こなせないからかっこいいんだなって思ったの。やっとね、自分の中で解けたわけ。

でね、「これは衣装に限ったことじゃないな」と思った時に、実はその時にいろんなものが繋がって。これ、今更言うのはちょっと恥ずかしいんだけど。実は俺、面白さがいまいちわかってなくてやってた仕事があって。適当に毎回、インタビューの時に答えてたんだけど。それって、マジ歌なんだけど。俺がやってる仕事の中でもね、結構みんなが喜んでくれる仕事のひとつなんだけど。そん中でフットボールアワー後藤さんのマジ歌ってあるじゃん? あれ、めちゃくちゃ面白いのね。で、みんなから「面白い」って言っていただくし、ライブでも圧倒的に盛り上がる。毎回、爆発的にウケるの。

それで俺、一緒に作ってる。リハーサルも立ち会ってるし、演出とかカット割も俺がやってるんだけど。実は俺、心の中で「なんであんなにウケるのか?」ってわかってなくて。俺、なんで面白いのかっていうのが分かってなくて。あれ、みんな「ダサい」って言うじゃん? 「本当にダサいのかな?」って俺はずっと思っていて。「いや、実はダサくなくね?」とかって心の中で思ってるんだけど、みんなが「ダサい」って言って笑ってくれるから「ダサい」っていうカテゴリーで演出してるんだけど。

あれさ、ぶっちゃけみんな分かってると思うけども。あれってBLANKEY JET CITYじゃん。BLANKEY JET CITYが大好きで、BLANKEY JET CITYがある程度モチーフなのね。後藤さんも俺も大好きだし。俺、解散の時のフジロックにも行ってるし。それで、後藤さんはりスペクトがすごいから徹底的にオマージュしてる曲もあるわけ。ブランキーにほど近い曲もあるのよ。なんだけど、ブランキーってめちゃくちゃかっこいい。後藤さんはめちゃくちゃ面白い。俺、ここの謎が実はずっと解けてなくて。

だから一時期は「後藤さんが滑稽だから面白いんだ」とかって思ってたけど。実は別に後藤さん、ギターも上手いしさ、ちゃんとやってるんだよ。でね、最初はずっと考えてたんだけど。「かっこよさが行き過ぎると面白いのかな?」っていう結論を俺は1回、出していたの。矢沢とかさ、宝塚とかさ、かっこいいけど面白いじゃん? で、俺は最初のインタビューでそういう説明してたのね。なんだけど……矢沢のモノマネって別にさ、どんなに上手くても、「すげえ」とはなるし、笑えるけど、「面白い」じゃないんだよね。マジ歌的な面白さじゃないじゃん?

で、宝塚のモノマネとかも、そうじゃん。「似てるね」っていうことで。だけど、マジ歌的な面白さじゃないのよ。だから、ずっと俺はごまかしながら、そういうののインタビューには答えていて。実は謎が解けていなかったんだけども。だから「ブランキーが面白いのかな?」っていうのもあったけど、別に面白くはないよなって。で、「後藤さんが何をやっても面白いのかな?」って思っても、実は後藤さんは面白いんだけども、ギター芸人としていろんなところに出ているじゃない? で、ギター芸人の後藤さんは俺の中でね、俺の中だけどマジ歌の後藤さんほど面白くないの。

で、「これはなんでなんだろう?」って思っていたんだけど、考える止めていたの。なんだけど、それがその石岡瑛子展でグレイス・ジョーンズの衣装とかを見た時に「ああ、これ、かっこよすぎるものはその人以外には似合わないからかっこいいんだ」って思って。だから、どっちかがダサいとかどっちかが面白いとかじゃなくて。ブランキーはブランキー以外がやったらかっこ悪いぐらいかっこいいことをやっているんだっていう。

だから、それをマジでリスペクトしてやってる後藤さんはそれに届こうとしてるけどパワーに負けてるし。正直、ブランキーのことをやる器ではないから面白いんだっていう。だからどっちもかっこいい。どっちかが面白いんじゃなくて、どっちもかっこいいんだけど、かっこよすぎるものはその人以外の人がやるとかっこ悪いんだ。だから、それをマジやっているのが面白いんだっていう謎が俺、やっと解けたのよ。解けたというか、ひとつの結論を得たわけ。

かっこよすぎるものはその人以外の人がやるとかっこ悪い

それは俺の中ではめちゃくちゃ、「うわっ!」って思って。やっと1個、その面白いの謎が解けて。「なんで面白いんだろうな?」ってずっと思っていたことが。「モチーフもパフォーマー、どっちもマジだから面白いんだ」っていうところの原点に立ち返ったの。それで俺、「うわっ!」って思って。ホカホカになって。「そういう番組、作りたいな」とか思いながら、「これ、誰かに話したいな!」と思って。それがもう、会場も終わりの方で。「誰かと話したいな」と思っていたら、ちょっと先に又吉くんがいたの。「あっ、又吉くんだ!」って思って。

で、又吉くん、俺は展覧会とかでたまに会うのね。そういう偶然があって。西加奈子と絵の展覧会に行った時も客が3人しかないのに俺と又吉くんだったことがあったから。「おっ、又吉くんだ。又吉くんと話したい!」って思ったんだけども、そんなに仲がいいわけでもないから。仕事とかはするけども。「でも、この気持ち、ホカホカだから誰かに伝えたい!」って思って。「又吉くんだ!」って思って。でも、会場の中だし、みんなソーシャルディスタンスを守っているから近寄れない。急に近寄るわけにもいかない。

だから、同じペースで歩きながら。「又吉くん、物販とか行くなよ! 俺は話したいんだよ!」って思って。物販の方に寄っていくから「いや、いいだろ、もう。Tシャツとか買うんじゃないよ! たくさん持っているだろ?」とか思いながら。「又吉くんと話したいな」って思いながらちょっとずつ近寄りながら。又吉くん、またおしゃれな、中性的な格好してるんだよ。で、石岡瑛子展ってさ、みんな勝負服で来るのよ。なんかデザイナーの展覧会だから、もうバリバリのおしゃれ。パーティーみたいな格好でみんな来てるから。又吉くんも……又吉くん自体、元々おしゃれだけど。

で、後ろからついていきながら「又吉くんと話したいな」と思って。「会場、早く出ないかな?」と思って。会場内でしゃべってる人はいないから。みんな、ソーシャルを守っているから。だから、ちょっとずつ離れながら又吉くんの後ろについていきながら。「早く出ないかな」と思ったら、やっぱり結構うろうろしてるんだよ。インスタント用の写真とか撮っているのか、わかんないけど。なんかうろうろしてて。「早く出ろよ。話したいんだよ!」って思いながら。ちょっと離れながらくっついてって(笑)。

で、東京都現代美術館って広いから、出るまで結構かかるわけ。それで出てすぐに「又吉くん!」って呼んだんだけど。音楽を聞いてるのかわかんないけど。今、音楽聞いてるかどうかってさ、ちっちゃいBluetoothイヤホンにみんななっちゃったから、わからないじゃない? あと、髪も長いし。「又吉くん!」って言ったんだけど、全然わからなくて。

音楽聞いていたのかな? 「又吉くん!」って言ったんだけども全然気づかなくて。「これ、近づいて叩いた方がいいかな?」って。でも今って叩くのも難しいじゃん? 人に声をかけるのって難しいから、走って先回りして「わっ!」っていう感じで……止め方がわからなかったから。俺ももうホカホカになっていたから。「この気持ちが冷めないうちに話したい」って思って「わっ!」ってやったら……ただのソバージュの中年の女性だったんだよね(笑)。だから俺、ただのソバージュの中年の女性に「わっ!」って感じになったの(笑)。

で、その女性も「はっ?」って顔をしているんだけども。俺、その時に「あなたじゃないよ」っていう顔をして。もっと後ろの人を呼んだ感じで。で、その人が通り過ぎても「わっ!」って言っていて。その人にちょっと会釈をされながら通り過ぎて(笑)。で、その後にタクシーに乗りながら思ったんだけども。「でも、今のも俺がマジだったから面白い」っていう(笑)。「誰が?」っていうね(笑)。

<書き起こしおわり>

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