佐久間宣行 ラジオとテレビの違いを語る

佐久間宣行 ラジオとテレビの違いを語る ニッポン放送

テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行さんがニッポン放送開局65周年特番に出演。ラジオとテレビの違いなどについて話していました。

(佐久間宣行)いやー、でも『くりいむしちゅーのオールナイトニッポン』は面白かったですよね。

(飯田浩司)面白かったですよね。

(佐久間宣行) 済々黌でしたっけ? 高校の思い出話だけの回とかね、めちゃくちゃ面白かったですよ。

(飯田浩司)で、やっぱりリスナーがガンガンに上田さんをいじるみたいな。

(佐久間宣行)そうそう。「有田軍団」っていう感じでしたもんね。

(飯田浩司)うんちく王とかで結構インテリ系みたいな時にガンガンにいじるみたいな感じで。でもこれ、佐久間さんも二部をやっていてすげえいじられてるなって思うのが、Twitterでさっき来ていたんですけど。「まだかな、ヨーソロー」って。

(佐久間宣行)ああ、そうですね。僕、いつの間にか「船長」って呼ばれているんですよ。その43歳のおじさんが船長って呼ばれるって、ヤバくないですか? あと、まだラジオの中だったらいいんですけど、電車で時々隣りに座ったやつがこっそり「船長、聞いてます」って言うのだけはやめてほしいんですよ、マジで。本当にクルーたちが(笑)。

(飯田浩司)クルーたちがこっそり言ってくるんですか?(笑)。

(佐久間宣行)クルーたちがこっそり言ってくるのだけは本当にやめてほしいっていうか(笑)。ありがたいんですけどね。

(飯田浩司)勝手にリスナーとそういう関係性を作るみたいな。

「船長、聞いてます」

(佐久間宣行)あと、学生でもないから。だいたい僕のリスナーって20代から30代の若い社会人が聞いてるっぽいんですけども。満員電車の中でおじさんがスーツ姿のおじさんに「クルーです」って言うの、やめてほしいんですよね。「船長、船長!」って(笑)。

(飯田浩司)わざわざちょっとかき分けて来たりするんでしょう?(笑)。

(佐久間宣行)かき分けて来たりするから(笑)。いや、そうなんですよ、本当。昨日か一昨日かな? 阿佐ヶ谷の駅でもうベロンベロンの酔っぱらいに抱きしめられましたよ。「船長!」っつって(笑)。熊みたいな酔っぱらいに(笑)。

(飯田浩司)フハハハハハハッ!

(東島衣里)ラジオっぽいですね(笑)。

(飯田浩司)ラジオっぽいですね! テレビをやっていてもそういうことはなかなかないわけでしょう?

(佐久間宣行)そうですね。テレビは逆に……やっぱりそれがラジオのすごさなんでしょうね。リスナーとの距離の近さっていうか。

(飯田浩司)さあ、10年後のニッポン放送ということでいろいろとメッセージなどもいただいているんですが、佐久間さんへの質問などもあるようです。

(東島衣里)こちら、大田区にお住まいの方。「テレビとラジオのメディアミックス、昔から様々な形で試されていますが、うまくいったケースは少ないと思います。佐久間さんはテレビとラジオは無理に融合する必要はないと思いますか? それとも企んでいることはありますか?」

(佐久間宣行)ああー、いや、もともとはラジオとテレビの特性はそれぞれに違うから、それぞれで楽しめばいいかなと思ったんですけど。でも、いまは実際にラジオに出てみるといろんなことができるなって思いますね。僕の個人的な考えで言うと、「テレビの通販よりもラジオの通販の方が買いたくなったりするのってなんでなんだろう?」って考えてみると、やっぱりテレビのバラエティーは無料でいろんなところに届くけど、ラジオの魅力は一対一でハートを掴めるっていうことだと思うんで。

一対一でリスナーのハートを掴むラジオ

だからラジオでいろんなライブの動員をしながらテレビに生かすとか。僕の場合だったら若手芸人のネタとかをよくやるんですけど、テレビに出るにはまだ華とか力が足りないけど、その中でラジオでリスナーと一緒に育てていったりするのも楽しいな、なんて思ったりもするし。そういう風に思いますね。テレビはすぐに結果を出さなくてはいけない現場だったりするところもあるんですけど。ラジオってリスナーと一緒に育ったりもできるっていう。だからそういう意味でいうと、役割を変えながらひとつのものをやっていくっていうのはできるなって思いますね。

(飯田浩司)たしかに、長い目で見るみたいなことがラジオの方ができるっていうことなんですか。しゃべる尺にしても、長い尺を取れるのはラジオの方ですよね。

(佐久間宣行)そうだと思います。

(飯田浩司)朝のニュース番組をやっていても「ラジオの方が言いたいことを言えるんだよね」みたいなコメンテーターの人、結構いて。そのへんってやっぱりテレビだと瞬間的な反射神経みたいなのでガッとやっていかないとなかなか難しい部分があるんですかね?

(佐久間宣行)はい。とにかくテレビのコメントっていうのはもうテロップ1枚に収まるぐらいのスピードでオチを言わなくてはいけなかったりするので。あとは結論が早めに来ないと視聴者に飽きられちゃったりするんですけど、ラジオはやっぱりある程度、すぐにリスナーの方が切り替えるっていうことはないじゃないですか。「じっくり聞くぞ」っていう風な姿勢を保ってくださるんで。そういう意味で言うと深い話はできますよね。

(飯田浩司)ああー。芸人さんとかを見ていても、やっぱり長く聞いた方が味があるっていう人というのはいるわけですか?

(佐久間宣行)いると思います。あとはテレビとラジオで面白さの質を変えている人はちゃんといると思いますね。くりいむしちゅーとかはそうでしたよね。売出し中だった頃は上田さんのうんちくっていうわかりやすいキャラクターで行って。でも、ラジオに行くと有田さんのあの世界観。上田さんをいじりまくるのが面白いんだってみんな知るみたいなところもあったと思うし。いまの三四郎だってそうじゃないかなって思いますね。

(飯田浩司)ああーっ!

(佐久間宣行)三四郎とかもテレビに出た時は小宮のポンコツさとかワードの面白さだけど、ラジオを聞いてみると実は相田の方がもっとクレイジーで面白いみたいなのがわかるとか。だからラジオってその人のキャラクターを掘り下げて……好きになっちゃいますよね。ラジオが面白いと。テレビが面白いと人気者になるかもしれないけど、ラジオが面白いと好きになっちゃうなっていう感じはありますね。

(東島衣里)好きになる。

(飯田浩司)好きになるか人気者になるかの違い?

テレビが面白いと人気者、ラジオが面白いと好きになる

(佐久間宣行)そうですね。そこはすごくあると思います。

(飯田浩司)好きになる方がある意味コアなファンを作ることができる。

(佐久間宣行)はい。

(飯田浩司)さあ、そろそろお別れの時間が近づいてきましたが。いまね、メディアの話。テレビとラジオっていうものを対比しながらお話しいただきましたけども。ラジオも含めた、あるいは新聞とかも含めてかもしれません。メディア全体としての未来って佐久間さんはどういうものだと思いますか? すごい難しい話ですけども……。

(佐久間宣行)フフフ、メディア全体としての未来を他局のサラリーマンに聞くっていう……(笑)。

(飯田浩司)この丸投げニッポン放送(笑)。

(佐久間宣行)でも、僕がすごく思うのはラジオって……いま、映像メディアとかも全部ひっくるめて、面白いものが無限にありすぎて、逆にわかんない時代になっているじゃないですか。Netflixからなにから、その有限な時間を奪い合っているから。ラジオってそういうのを全部指針となるような「キュレーション」って言ったり、まあ面白いものを伝えたりっていう。そういうガイド的な側面もできるなと思っているから。カルチャーがこれだけある時代の中でラジオの一対一で価値観をぶつけられるっていうのはすごく重要なんじゃないかなと思っていて。できれば僕は自分のラジオでもそういうことができたら嬉しいな、なんていう風に思っていますけどね。

(飯田浩司)ああ、「これを見たら面白かったよ」とか「この芸人さんがいいんだよ!」っていうのとか。

(佐久間宣行)そうそう。そういう話って、実はテレビってしにくいじゃないですか。

(飯田浩司)ああ、そうか。もうパッケージとしてできちゃっているものだから。

(佐久間宣行)でも、それがラジオだとできるんだよなって思ったりもしますね。

(東島衣里)メモしてしまいました(笑)。

(飯田浩司)いますごいメモしていたね(笑)。この時間はテレビ東京プロデューサー、そして水曜日のオールナイトニッポン0をご担当。日本の未来を……あ、「日本の未来」だと本当にすごいな(笑)。

(佐久間宣行)「日本の未来」だともういじりすぎですから!(笑)。

(飯田浩司)大変失礼しました(笑)。テレビ東京のプロデューサー、佐久間宣行さんでした。ありがとうございました!

(佐久間宣行)ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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