（R-指定）しかもさ、ラッパー同士で見てたからさ、俺とかふぁんくさんとかが上がったのが、見取り図さんがネタの中で「織田信長」「織田信長？」みたいな。「いや、ドアノブカバーみたいな言い方すんな！」みたいなくだりがあったんですけど。その「ドアノブカバー」と「織田信長」っていう韻をそれこそ梅田サイファーのKBDさんが昔、バトルなんか踏んで。俺らの中ではすごい思い入れのあるライムというか。もうすごい有名なラインやったりして。
で、KBDさんと見取り図の盛山さんって昔、一緒にイベントに出たりとか。ちょっと交流があったりするんですよ。で、KBDさんのイベントに盛山さんがラップバトルをしに来たり。盛山さんが主催するイベントにKBDさんが出たりとかしていて。その、大阪のラッパーと芸人の界隈のちょっとした絆っていうか。あと、なんかサンプリングじゃないけども、その韻の感じが決勝の舞台で見れるっていうのが。それで、あの韻が出てきた時に俺もふぁんくさんも笑いながらガンフィンガーっていうか。
見取り図・盛山の「織田信長・ドアノブカバー」
（DJ松永）最高だね！
（R-指定）「うわっ！ 熱い！」みたいな。ああいうのもよかった。だから全体的にめちゃくちゃかっこいいっていうか、熱かったですよ。
（DJ松永）本当にそうだね。それこそさ、ラップとかさ、フリースタイルバトルみたいなものってさ、お笑い芸人さんのラインとかをめっちゃ引用するじゃないですか。逆がめちゃめちゃあったから……。
（R-指定）そうそう。で、その逆があったっていうのが嬉しくて。だから古武道さんもそれこそTwitterとかで言っていたけどもね。我々なんかめちゃめちゃ芸人さんの名前をサンプリングしたり、ネタをサンプリングしたりとかあるんですけども。逆にそのヒップホップの中の韻がお笑いの世界で……しかもあのM-1の決勝でパッと流れるっていうので「うわっ！」って。しかも、「韻って面白いやん？」っていうのを盛山さんが言ってくれたような気もして。すごいあれは……。
M1での「ドアノブカバー」と「織田信長」のネタの件、パクりですよねと言うような内容の文を頂戴したんですが、ラップでならばともかく漫才でならば全く違う表現方法ですし、逆にラップでお笑いのネタを引用した物など星の数ほどあるので、そこにとやかく言う野暮な真似はしません。むしろ嬉しいくらい
— KBD a.k.a 古武道 (@kbd1008) December 20, 2020
（DJ松永）本当だね。しかもそこから「便座カバー」にも発展させていくっていう。上乗せするやつでしょう？ すげえいいよね。
（R-指定）そうそう。「閻魔さま」と「便座カバー」。だから俺とふぁんくさんはそれでバッと来た時に「天下茶屋が来ると思っていた」なんて言っていて（笑）。俺とふぁんくさん。あれも楽しかったっすね（笑）。
（DJ松永）なるほどね。韻を予想するっていうね（笑）。ラッパーはバトルを見ていてそれをするからね（笑）。いや、もう最高だったわ。本当に……なんだろうね？ 恥をさらす覚悟でああやって人前に出てる人はかっこいいよ。やっぱり。めちゃくちゃかっこいいと思った。俺、戦ってる人にすごい弱いからさ。戦っている系はもう100、泣くの。
（R-指定）もう今も、ほら……今も松永さん、来てる（笑）。
（DJ松永）ヤバい。俺、これ生で動画再生していたらとんでもないことになっていたと思うよ。危ない。よく止めた（笑）。
（R-指定）意味わからん。ラジオパーソナリティーがYouTubeの動画をiPhoneのスピーカーで流して泣くって、意味わからん（笑）。
（DJ松永）わけわかんない（笑）。年末にアナザーストーリーの放送もあるから。それもめっちゃ楽しみ！ アナザーストーリー、最高なんですよね。俺、アナザーストーリーも……ミルクボーイのやつとか、とろサーモンのやつとか、何回見たことか。もう最高だよ。とろサーモンのやつで竹原ピストルさんがかかるんだから。『Forever Young』。参っちゃうよな。戦う人って、最高ですよね。うん。ちょっと……わがまま言っていいですか？ みんなで1回、聞こうよ！ Creepy Nutsで『板の上の魔物』を！
（R-指定）フハハハハハハハハッ！
Creepy Nuts『板の上の魔物』
（DJ松永）熱いね。どうしよう？
（R-指定）いい曲！（笑）。
（DJ松永）半端じゃない！ 半端じゃない！ 板の上をわかっている男たちが作ったな（笑）。
（R-指定）ホンマに。実際に血と汗を流して泥水をすすったやつらが書いた曲やな（笑）。
（DJ松永）そういうやつらにしか、書けないと思うんだよな。
（R-指定）で、そういうやつらが書いた曲やからこそ、去年書いた曲やのにワンバース目の「客がパンパンでもスカスカでも」っていうのが今年の時制と交わるみたいな奇跡的なミラクルも起こるねんな！
（DJ松永）起こるのよ！ あの、1曲入魂していると、こんなことが起こります！
（R-指定）流れ作業とかで作っていない。1曲1曲を命を削って作っていたら、どこかのタイミングで奇跡的に重なったりする！ 時を超えたダブルミーニングが生まれる！
（DJ松永）俺ら、そういう曲しか作ってねえから！ わかったか、コラッ！（笑）。最高っ！ 「ブンッ、ブルンルンルンルンッ！ ブンッ、ブルンルンルンルンッ！」（笑）。
（R-指定）フハハハハハハハハッ！
（DJ松永）これも10年語、わかっから、お前ら！ 別の意味を持つから！
（R-指定）それが時代と重なるから！
（DJ松永）「ブンッ、ブルンルンルンルンッ！」って（笑）。なんか、車がなくなる時代が……「車、いいな。車、また乗りたい」っていう時代が来た時に「ブンッ、ブルンルンルンルンッ！」って聞きたいから（笑）。あと、俺はウエストランドの井口さんの「えっ？ いないよ？」と「えっ？ 復讐だよ？」が死ぬほど好きだった（笑）。
（R-指定）フハハハハハハハハッ！ あれ、最高やったな（笑）。
（DJ松永）「かわいくて性格のいい子？ えっ、いないよ？」って（笑）。「漫才？ えっ、復讐だよ？」って（笑）。
（R-指定）最高やな（笑）。
（DJ松永）俺、もうあそこ魂が乗っかりすぎていた。マジでブルース。ブルースかつヒップホップだった。
（R-指定）クソパンチラインやったな（笑）。
ウエストランド井口のパンチライン
（DJ松永）乗っかりすぎて……最高だった。一夜で人生が変わるものが存在する業界って最高じゃない？って思う。人生、変わるんだよ。そんなことがあるって素晴らしくない？って思う。
（R-指定）そりゃあみんな、命がけでな。
（DJ松永）なおかつ、だからこそやめられないということもあって。なかなか残酷だけど、それもまるっと含めて素晴らしいよね。
（R-指定）素晴らしいよな。
＜書き起こしおわり＞