R-指定とDJ松永 Creepy Nuts『Dr.フランケンシュタイン』を語る

R-指定とDJ松永 Creepy Nuts『Dr.フランケンシュタイン』を語る サウンドクリエイターズ・ファイル

R-指定さんとDJ松永さんが2020年9月27日放送のNHK FM『サウンドクリエイターズ・ファイル』の中でCreepy Nuts『Dr.フランケンシュタイン』について話していました。

(R-指定)まずは1曲、聞いてもらいましょう。

(DJ松永)今回は最終回なので。ちょっと卒業ソング的なのがCreepy Nutsで1曲、あったんで。

(R-指定)実はね、そうなんですよ。「卒業」っていうことでね、そうそう。俺、卒業の時期、ちょうど卒業シーズンに書いたニューアルバムに入っている曲があるんですよ。ちょっとこれ、並ぶんちゃう? 『贈る言葉』とか『3月9日』とか『卒業写真』とかに匹敵するCreepy Nutsの卒業ソングができました。お聞きください。Creepy Nutsで『Dr.フランケンシュタイン』。

Creepy Nuts『Dr.フランケンシュタイン』

(R-指定)お聞きいただいたのはCreepy Nutsで『Dr.フランケンシュタイン』でした。いやー、卒業ソングでしたね。

(DJ松永)ちょっと詳しく聞かせてもらっていいですか?

(R-指定)フハハハハハハハハッ! いや、だから『Dr.フランケンシュタイン』っていうのはあの『フランケンシュタイン』っていう映画がありますけども。あの『フランケンシュタイン』っていうのに出てくる頭に釘が刺さったやつは「怪物」で名前がないんですよ。あの怪物を作った先生が「フランケンシュタイン博士」っていう名前なんですね。

(DJ松永)なるほど。

(R-指定)それで、我々。どうですか? 最初、赤ちゃんやった頃はすごいいびつな形やったじゃないですか。名前もない。何者でもない。いろんなところからつぎはぎで合わされたような、いびつなあの化け物の状態だったんですよ。それをですよ、社会とか大人とか。周りの大人たち、学校教育……日本のこの教育制度のおかげさまで、均等に整えられ、ハミ出した部分をそぎ落とされ。個性などを潰され、はぎ取られ、色を抜かれ……それで立派な大人になりましたという。「ありがとーござやしたっ!」っていうね、卒業ソングでございます!

(DJ松永)フフフ、キレちゃってるじゃん(笑)。これ、「卒業式ソング」っていうよりは「お礼参りソング」だから(笑)。思って「どーもありがとーござっした!」っていうね。

卒業ソングではなく、お礼参りソング

(R-指定)「どーもありがとーございやしたっ!」っていうね。ねえ。昔は当たり前やと思ってたんですよ。その、みんなと一緒に整列して。同じ教室に入って。みんなと同じような格好して勉強するというのをやってたんですけど。でも大人になったら「お前だけの個性を……」とか。面接でも言われるわけでしょう? 「あなたの特技はなんですか? 特性はなんですか? あなただけの……」って。あんだけ、みんなと一緒に歩幅を合わせて歩かされてきたのに、大人になった瞬間に急に「お前はありきたりな人間だな」って。いや、そうしたのはお前らやないか! ありがとーございやしたー!っていう曲でございますね。

(DJ松永)キレてるねー(笑)。

(R-指定)これは卒業ソングです。

(DJ松永)全然気持ちよくない卒業式でしたねー。

(R-指定)不良のお礼参りは殴りに行きますけど、我々のお礼参りはイヤミです(笑)。

(DJ松永)「ありがとーございやしたっ!」っていう(笑)。

(R-指定)「アリガトーゴジャイマシター」っていうね(笑)。

(DJ松永)ザコのお礼参り(笑)。

(R-指定)ザコのお礼参りソングね(笑)。

<書き起こしおわり>

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