(DJ YANATAKE)じゃあ、ちょっと今のところまでの話を整理すると、今のビジョンでKOWICHIくんがやりたいことを実現するためにSelf Madeっていうレーベルを作ったっていうところまでは大丈夫?
(KOWICHI)ああ、そうです。それの第一弾が今回の『Higher』です。
(渡辺志保)じゃあ今後もいろんなラッパーの作品が続くのかもしれないみたいな?
(KOWICHI)そうだね。うん。そのつもりです。
(渡辺志保)でも、どうですか? 心機一転って感じですか?
(KOWICHI)そうね。まあ、やることは変わらないけどね。
(渡辺志保)ZOTくんとかもね、ずっと一緒にやっているメンツだしね。うん。でも、逆にいいよね。ポジティブにさ、まただから真っ白いところに今から自分がいろんなことを付け足していくわけじゃないですか。
(KOWICHI)そうだね。今まではラッパー。ラップをするだけというか、アーティストとしてやってるだけだったけど、これからはレーベルオーナーじゃないけど。うん。まあそういう感じのこともやっぱりやっていく。
(渡辺志保)で、次世代のアーティストもフックアップしながら。でも、そういう責任感じゃないけどさ。結構私もKOWICHIくんとちょこちょこ話すうちにさだんだん、その次の若い世代の子たちの話も聞くし。やっぱり前にNormcore BoyzのYoung Daluくんとかとは泣いた時にもKOWICHIくんがすごいちょっとインスパイアリングだったっていうか。
「ずっとインディペンデントでやっていて、一緒にレコーディングをして刺激を受けた」みたいなことを言ってて。たしかにね、KOWICHIくんもそういう立場だよなって思い始めたのね。だからアルバム『Value』の頃ですよね。だから自分の中でさ、そういう次の、ネクストステップに進まなきゃな、みたいな気持ちが芽生え始めたのっていつぐらいですか?
(KOWICHI)でも、そうだな。でも本当、今年かな? 今回のそのSelf Madeに関してはやっぱり今年かな? 全然もう最近だね。最近降ってきたって考え方っていうか。でもやっぱり、ずっと成長し続けたいし。その「成長し続けたい」っていう内容が今回、ちょっと濃かったっていうか。
(渡辺志保)ああ、そうだね。たしかにその通りだね。以前にこの『INSIDE OUT』にも恋人のMinamiさんと一緒に出てくれたこともありますよね。

(渡辺志保)そういうさ、自分の将来とかさ、ビジネスをどう成長させていくか。自分もどう成長するかみたいなことってさ、やっぱそういうパートナーの刺激とかもありますか?
(KOWICHI)ああ、めっちゃあるっすね。めっちゃあるよ。
(渡辺志保)ああ、そうなんだ。そういう意味でもすごくいいね。そうなんだね。
(DJ YANATAKE)ちょうどね、CREAMも自分たちでやっていくみたいな。なんで……。
(KOWICHI)そうですね。お互いになんかね、そうなんですよ。
(DJ YANATAKE)そういう話し合いみたいのはあったんですか?
(KOWICHI)ああ、「なんか不思議だね。いろいろ変わる年だね」みたいな、そういう話はしましたけどね。
コロナ禍の活動
(DJ YANATAKE)これは何だろうね? お互いに……なかなかコロナでさ、やっぱりライブで全国を毎週末、盛り上げるみたいな。CREAMもKOWICHIもそうだと想うんだけども。やっぱりそういうのがなかなかできないから、いろんなことを考える時間があったっていうのも大きかったんですかね?
(KOWICHI)でもやっぱりそれは……たぶんみんなありそうじゃないですか?
(渡辺志保)でもさ、結構さ、ネガティブなスパイラルに入ってしまう人の話とかもやっぱり聞くからさ。
(KOWICHI)多いよね。たしかにね。そこでやっぱりネガティブなスパイラルにハマってしまったらダメだってこともなんか、わかりやすかったっていうか。
(渡辺志保)なるほど。そうかそうか。
(DJ YANATAKE)でも実際やっぱりね、コロナ禍で自分でアイデアを出して、レーベルを作ったり動いていって。会社を作ったりって大変なことだと思うんだよね。簡単にできることではないから。やっぱりそれを実はKOWICHIくん、止まらずにいろいろやってたんだなっていうのはね。これはまたね、絶対に花が咲きますよ。本当にね。
(渡辺志保)ねえ。それがやっぱりすごいことだなって思いますよ。だってこの今年、しかもやっぱりエンタメ業界って一番大打撃を受けているとも言われるじゃないですか。そこでね、新しいことを始める。しかも、新しいことを始めるのは当たり前だけど、リスクが伴う。でもやっぱりそこで一歩踏み出すっていうのはやっぱりすごい……勝手に私も勇気をもらうというか、元気づけられるというか。
(KOWICHI)やっぱりね、もちろんね、Minamiにも相談してた時もあるけど。まあ最終的に行きついたのはやっぱりビビっていちゃダメだな、みたいになって。そうですね。
(DJ YANATAKE)なんかやっぱりね、言い方は難しいけど。コロナのせいにしてサボっちゃうっていうか。そういう人と、やっぱりその間もなんかしなきゃって動いていた人の差がそろそろ如実に出ちゃう感じなんだよね。
(KOWICHI)ああ、たしかに。それはあの現象が始まった時にもう思ってましたね。そうなるんだろうな、みたいな。
(渡辺志保)そうか。なんかこう、自分がネガティブにならないようにとかさ、ここで負けてしまわないようにみたいな気を張ってたみたいなところはありますか?
(KOWICHI)いや、特になくて。もちろんそのね、ワンマンが中止になっちゃったりとかっていうのは結構食らったんだけど。もちろんね。プランが崩れたし。
(渡辺志保)だってさ、AKさんからT-PABLOWくんから、本当にみんなが参加するライブだったっすもんね。
(KOWICHI)そう。だからやっぱりそれは残念だし、へこんだけども。でも、そんな最中ZOTが機材をちょっとプレゼントしてくれて。で、家にそれを導入して。やっぱり家にいたわけじゃないですか。で、こう暇さえあれば曲を作るようになっちゃって。なんかやっぱりそれが精神安定に繋がったなっていう。
(DJ YANATAKE)機材って、自分で作曲をしたってこと?
(KOWICHI)違います。なんか元々今の家に引っ越してから録れる環境だったんですよ。プリプロみたいな、仮のレコーディングみたいに録れる環境ではあったんですけど。スピーカーが鳴らなくて、あんまりやる気が出なくて。そのスピーカーが出るようにする機材をプレゼントしてくれて。誕生日の時に。で、出るようになって。そしたら制作が楽しくなって……そうですね。やっぱりいい曲を作るっていうのが一番いい……。
(渡辺志保)精神安定剤というか。
(KOWICHI)そう。まさにそう。
(渡辺志保)でも今、YouTubeでも公開している『LIVE IN VILLA』の映像もすごいいいなって思って。
(KOWICHI)ありがとうございます。
(渡辺志保)あれも、なんかこういう状況を逆手にとった、ああいう一軒家を借りてライブをして。しかもそれをカメラでずっと追っていくっていう。
(DJ YANATAKE)あれ、めちゃめちゃいいよね!
(渡辺志保)めちゃめちゃいい!
KOWICHI『LIVE IN VILLA』
(DJ YANATAKE)映像の撮り方もアイデアもちょっと……世界的に見ても新しかったっていうか。今のKOWICHIくんらしかったし。
(KOWICHI)やっぱりなんか、いろいろとみんなやっていたじゃないですか。リモートライブみたいな。
(渡辺志保)そうだね。それこそBAD HOPとかも大きいのをやっていたし。
(KOWICHI)やっぱり普通じゃないことをやりたいなっていうのはって。それでああいう形にしたって感じですかね。
(DJ YANATAKE)1カメみたいなのでずっとね、行くようなアイデアで。
(渡辺志保)しかもロケーションがすごい!
(KOWICHI)あそこ、めっちゃいい!
(渡辺志保)しかもなんかKOWICHIくんも余裕を感じさせるライブみたいな。
(KOWICHI)本当? あれ、なんかシャツ1枚しか着てなくて。めっちゃ寒くて(笑)。
(渡辺志保)ああ、そうだったんだ(笑)。全然そんな風に見えなかった(笑)。
(KOWICHI)めっちゃ寒かったっす(笑)。
(渡辺志保)ちょっとまだ見てないという方はぜひね、YouTubeでチェックしてほしいなと思います。
(DJ YANATAKE)見た方がいいです。本当に。
<書き起こしおわり>