渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でビッグ・クリットの新作アルバム『4eva Is a Mighty Long Time』についてトーク。その中から『1999 feat. Lloyd』を紹介していました。
(渡辺志保)このまま続けて私からホットな新曲をもう1曲、紹介したいと思います。みなさん、ビッグ・クリットを待っていた方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか? いま、リスナーの8割ぐらいの方がビッグ・クリットの新しいアルバムを待っていたんじゃないかと思うんですけども。ミシシッピ出身のね、結構技巧派ラッパーっていう感じですけども。彼がすごいのは、プロデュースもするし、エンジニアリングとかもね、自分でやっちゃうんだよね。まあ、ビッグ・クリットというアーティストがいますけども。
2010年に『K.R.I.T. Wuz Here』っていうミックステープで世界的に名が知られるところになった気がするんですけども。その後にデフ・ジャムとサインしてアルバムを2枚、出しているんだけど。去年の最初の方だったかな? デフ・ジャムをいきなり辞めたんですよね。まあ、アルバムがあんまり売れなかったからっていうのもあるのかもしれないけど、もしかしたらそういう大きいレーベルにいると自分のやりたいことができなくなっちゃったのかな? とも思って。で、その後にビートジャックのフリーのミックステープなんかも出していたんですけども、まあちょっと製作のスピードが落ちてるなとか思っていて。
で、私はビッグ・クリットさん大好きなので、いつアルバムが出るんでしょうか?って思ったらもうすっごい2枚組の超特大ボリュームでこの間の金曜日にアルバムをリリースしてくれました。で、本当にすごいの。2枚組なんだけど、Big K.R.I.T.ディスクとJustin Scottディスクに分かれていて、「Big K.R.I.T.」がアーティストとしての俺。で、「Justin Scott」は自分の素の、1人の男としての俺っていうことで、2枚組になっています。ゲスト陣がいままで以上にすごくて。トランペッターのキーヨン・ハロルドとかあとジャズピアニストのロバート・グラスパーとかテラス・マーティンなんかが参加していて。
『Two Pimp A Butterfly』以降の流れ
で、このへんのメンツってケンドリック・ラマーの『Two Pimp A Butterfly』以降の流れっていうか。なんでしょう。ディアンジェロとかにもつながっているし、あとアンダーソン・パックとかともリレーションのあるミュージシャンだし。ビッグ・クリットは前作のアルバムにもテラス・マーティンが参加していて。あと、ラファエル・サディークも参加していて。で、このラファエルをわざわざ自分の新作アルバムに引っ張ってきたっていうそこのビッグ・クリットのセンスと手腕にすごい感心していたんですけども。で、今回そういうキーヨンとかロバート・グラスパーなんかも引っ張ってきましたと。しかもしかも、アウトキャストの前身でもあるようなグッディー・モブとかオーガナイズド・ノイズとか、そしてグッディー・モブのアリ&ギップの元嫁であり、いまはディアンジェロのバックシンガーでもあるジョイ・ギリアムも! ジョイ・ギリアムも参加していて、すごいんですよ。
で、ジョイ・ギリアムが参加している曲は『Miss Georgia Fornia』っていう曲なんですけど、これはプロデュースにビーコンっていうやつがさんかしていて。ビーコンはケンドリック・ラマーの『DAMN.』のほぼ全曲をプロデュースしている注目の新鋭プロデューサーだったりするんだけど。本当に私が聞いた感じだと、南も西も東も、いまのブラックミュージックのすごいいちばん濃いところをグワーッて集めたようなアルバムになっていて。で、「ちゃんと」って言ったら変だけど、サウスのグリッティ―な、ちょっとダーティーな感じももちろんあるし、西海岸のジャズ……テラス・マーティンとかロバート・グラスパーみたいなエッセンスももちろんある。まあビラルも参加しているぐらいですから、あると。
で、かつちょっとトレンドのトラップみたいな感じもある。ブルージーでソウルフルでっていう、本当に自分の、私の好きなものが全部詰まっているじゃないですか!っていうようなアルバムに仕上がっているので。まあ、全2枚組で25、6曲かな? めっちゃ長いんですけど、ぜひ聞いてもらいたいと思いますし。『INSIDE OUT』のリスナーの方にいらっしゃるかわからないけど、「最近の新譜はちょっと俺、理解できないっすわ」みたいな方にもぜひぜひ聞いてほしい新譜のアルバム作品だなという風に思いました。で、今日はそのビッグ・クリットさんの渾身のニューアルバム『4eva Is a Mighty Long Time』。そこから聞いていただきたいのが『1999』というタイトルの曲なんですよ。で、これ、フィーチャリングがロイド。懐かしいですね。『Southside』。
ロイドが参加していて、かつプロデュースがマニー・フレッシュということで。まあ90年代後半から2000年代初期のヒップホップ、R&Bを聞いていた人にもすごくいいメンツで曲を作ってくれているのと、あとはロイドがフックで歌っているフレーズがあの、あの、あの名曲(Guy『Piece Of My Love』)のフレーズで。もうすっごいお尻が震えちゃうっていう感じなので、ぜひぜひ聞いてください。ビッグ・クリット feat. ロイドで『1999』。
Big K.R.I.T.『1999 feat. Lloyd』
(渡辺志保)はい。いまお届けしておりますのはビッグ・クリット『1999 feat. Lloyd』でした。ビッグ・クリットの新アルバム『4eva Is a Mighty Long Time』、ぜひぜひみなさんも聞いてください!
<書き起こしおわり>