渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で2018年アカデミー賞授賞式を振り返り。その中でも特にティファニー・ハディッシュについて話し、DJ Khaledの新曲『Top Off』を紹介していました。
(渡辺志保)3月に入りまして。「もう3月、早い!」とか言ってるわけですけれども。日本ではね、月曜日の朝。そしてアメリカ時間では日曜日の夜のプライムタイム、何があったかと言いますと、第90回アカデミー賞が行われた。つい1ヶ月ほど前に、音楽の式典のグラミー賞がありましたが、グラミー賞は第60回。そしてアカデミー賞はもう第90回ということで。数年前にはねすごくノミネートされた女優さん、俳優さんが全て白人ばっかりで。「Oscar So White」とかいって言われましたけれども、去年は『ムーンライト』がバババッと総ナメしたりとか。で、今年は、ちょっと思ったよりもスピーチに割く時間が短かったりとか、ちょっとスタンドアウトする瞬間っていうのが例年とはまたちょっと違う形だったのかな? という風にも感じまして。
私も、ただまだちょっと細く追ってませんので、今日これからリキャップしてですね、ハイライトをいろいろと見たいと思うんですけれども。ただ、主演女優賞は『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンド。ベテラン女優さんでございますけれども。私もちょっと前に『スリー・ビルボード』を映画館に見に行って、すごいインパクトを受けて。本当にちょっと重くて、真面目な所ももちろんあるんですけども、なんと言ってもフランシス。マクドーマンドのね、本当に「行け、行け!」みたいな感じの演技がもう最高でしたし。
あと脚本賞は『ゲット・アウト』ということで。あのチャンス・ザ・ラッパーも賞賛した『ゲット・アウト』。社会派スリラーなんて呼ばれてますけれども、あれも本当に人種の軋轢を生むような嫌な部分をすごく見事に描き出していたし。ピール監督も本当に相当でしたし。あと、テレビドラマの『アトランタ』を見てる方はうれしいかもしれないけど、あのダリウス役の俳優さんが『ゲット・アウト』でもすごいいい役を演じているとか。そんな、いろんなハイライトがございましたが、私的にはもういちばんのハイライトは、ティファニー・ハディッシュ! あのモノローグ含めて、ティファニー・ハディッシュが全部持っていった感じがしましたので。またちょっとこの後、ティファニー・ハディッシュのことも話したいんですけども。
ティファニー・ハディッシュが全部持っていった感
Tiffany Haddish & Maya Rudolph: Could They Be 2019 Oscar Hosts? Producers Are Open To It, Says Source https://t.co/hOYIsYRTHE pic.twitter.com/FbxgXRIDtM
— lusirusi (@lusirusi3) 2018年3月6日
ここでですね、前置きがいつも長くなってしまうんですが、オープニング・チューンをかけさせていただきたいと思います。で、毎週金曜日にね、いろんな新曲がもう本当にわんさかわんさかリリースされる昨今なわけですけれども。またあの「金持ちポッセ」って言ったら嫌がられたいそうというか、顰蹙を買いそうですけども、金持ち親バカポッセが新曲出しました。DJキャレドの『Top Off』という新曲が発売になりました。フィーチャリングがジェイ・Z、フューチャー&ビヨンセ。で、いつものジェイ・Zらしいラップ、フューチャーのいつもの華のあるコーラス。そしてビヨンセがまたね、キル! キル! キル! してらっしゃるんですね。この曲がリリースされた後に、あのチャンス・ザ・ラッパーも「僕のフェイバリット・ラッパーはビヨンセだ」っていう風にツイートをしてまして。「おお、さすがおチャン」とか思ったわけなんですけども。
もうすごい。ビヨンセのしょっぱなのラインが「I’m the only lady here, still the realest n*gga in the room」って。「この中で、フューチャー、ジェイ・Z、キャレドがいて。女は私1人だけど、誰よりも男らしいのは私!」みたいなこと言ってまして。で、ちょっとキム・カーダシアンに向けたサブリミナル・ディスみたいなラインもあるんですけど。最後に「If they’re tryna party with the queen They gon’ have to sign a non-disclosure, ayy」って。「もしクイーン(ビヨンセの自称)と一緒にパーティーしたいなら、『秘密を守ります』という文書にサインしないとダメよ、ayy!」って言っているラインで終わるんだけど。これ実は、さっきちょっと言及したティファニー・ハディッシュに向けたラインだっていう風にすごく言われいて。
で、ティファニー自身も「いやー! これ、私のことでしょう? むしろうれしい!」っていう感じになっているんですよ。で、どういうことかというと、「私とパーティーしたいしたいなら、口は固くなってダメよ」っていうラインなんですけど、ちょっと前にティファニー・ハディッシュが動画で、「この間、パーティーに行ったらジェイ・Zとビヨンセがいて。誰か知らない女優がジェイ・Zのの胸に手を置いててさ。そしたらビヨンセが『私の男に触るんじゃねえ!』みたいな態度で歩いてきたのよ!」みたいなことをペラペラペラペラしゃべっていて。かつ、ビヨンセと一緒にパーティーでセルフィーで撮っている写真なんかもインスタグラムにアップしてて。これはティファニー・ハディッシュがビヨンセのプライベートのところをベラベラしゃべったから、ビヨンセがそれに牽制するように、この『Top Off』の中で言及したんじゃないか? という風に言われております。
ちなみにティファニー・ハディッシュ、今日のオスカーにプレゼンテーターとして登場したんですけども。アレキサンダー・マックイーンの白い素敵なドレスを着ていたんですね。で、それがなんのドレスか?っていうと、ティファニーが……彼女は去年『Girls Trip』っていうすごい、えげつない版『セックス・アンド・ザ・シティ』みたいな素晴らしい映画があって。そこでのプレミアで着ていたドレスなんですけど。その後、彼女が今年に入って『サタデー・ナイト・ライブ』っていう、この間ちょうど先週にミーゴスが出てましたけども。人気コメディー番組『サタデー・ナイト・ライブ』でも着てたドレスなんですよ。
結構そういうセレブリティーが、自分がスポットライトを当たるところで同じドレスを何回も着るのはタブーなんですよ。でも、ティファニーは「馬鹿言ってんじゃないよ! このドレス、アレキサンダー・マックイーンで4000ドルもしたんだから! あたしゃ何回でも着るよ!」って言って、実際にその自分が主演を務めたレッドカーペットでも着てた。『サタデー・ナイト・ライブ』の司会をするときにも着ていた。そして今日、オスカーの場所でも着てたっていう。もう、それだけでもティファニー・ハディッシュ。彼女はコメディアンというかスタンダップ・コメディーでも有名ななんだけど、それだけで、同じドレスを三回着るっていうのを自ら、身を挺して芸にしてまして。もう本当に彼女最高!っていう風に思ったのが今日のオスカー。そしてこの『Top Off』の曲を聞いた時の第一印象。
で、この「If they’re tryna party with the queen」っていうのはカーディ・Bも『Bartier Cardi』でちょっとこういうラインを歌っていますから。そこにも……ディスじゃないけど、ちょっとカーディのことも意識したんじゃないかな?っていう風にも思ったり思わなかったりという感じです。では、この堂々としたラッパー、ビヨンセのラインまで聞いていただきたいと思います。DJキャレド feat. ジェイ・Z、フューチャー&ビヨンセで『Top Off』。
DJ Khaled『Top Off Trailer ft. JAY Z, Future, Beyonce』
はい。いまお聞きいただいておりますのはDJキャレドの新曲『Top Off feat. ジェイ・Z、フューチャー&ビヨンセ』。「Top Off」っていうのはね、ビデオのティーザーも出ていますけども。車の天井、屋根、幌。あれをおろして走ることを「Top Off」といいまして。「Drop Top」とも言いますけども。そういうことです。
ちなみにこの曲、最初に触れるの忘れたけども、ジェイ・Zもビヨンセも「Free Meek Mill」のことについて言及していて。いまだに「Free Meek Mill」。ミーク・ミルは不当な裁判の判決を受けて長らくの刑を課されているということですから、ここでも2人がエールを送っているという形になります。
(中略)
(DJ YANATAKE)さっき、アカデミー賞の話で「スピーチが短い」みたいな。あれ、オプションで最短スピーチ者にはジェットスキーを進呈っていうね。あれが話題になってましたね。
(渡辺志保)ああ、そうそう(笑)。今日はジェットスキーが最初から最後まで話題をかっさらってましたね。
(DJ YANATAKE)スピーチ、たしかに長い人もいっぱいいるのかな?
(渡辺志保)まあ、そうね。いるでしょう。言いたくなるよ。だってもし、どうします? 私とかヤナタケさん、グラミー賞とかアカデミー賞で舞台に上がるんですよ? もうここぞとばかりに私は感謝を述べたい!
(DJ YANATAKE)言いたいこと、やっぱりあるよね。お父さんとお母さんに感謝して、神に感謝したり。
(渡辺志保)「レコード・レーベルのA&R、広報、プロデューサー。ああ、最後に忘れていたわ!」みたいな感じとか、妄想しちゃいますよね。
(DJ YANATAKE)でも、『ファントム・スレッド』という映画で衣装デザイン賞を受賞したマーク・ブリッジスさんという人が190万円のジェットスキー+2泊3日の旅行みたいなのをもらったみたいですね。こういうのも、アワードみたいなのもユーモアがあっていいよね。
(渡辺志保)本当、そうなんですよ。ユーモアもあるし。あと、受賞された人とかノミネートされた人、みなさんがちゃんと自分の意見を言う場所としても機能しているのが本当にいい。日本もね、ちょっと前にアカデミー賞がありましたけど。
(DJ YANATAKE)あったけど、なんかちょっと暗いというか。もうちょっとこういう遊び要素もあっていいんじゃないなか? なんて今日のを見て思ったね。
(渡辺志保)(ツイートを読む)「『INSIDE OUT』的には『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督」ということで。『ゲット・アウト』、マジでいい映画。っていうか、気持ち悪いい映画なので。日本はブルーレイが4月発売かな? 私、USのを買ったんですけど、エンディングが2種類あるんですよ。本編バージョンとオルタネイトバージョンっていうカットされたバージョン。どっちもすごい考えさせられるエンディングなので、みなさんぜひぜひ『ゲット・アウト』をいまからでも見てほしいなって思います。
<書き起こしおわり>