木村拓哉とCreepy Nuts コロナ禍でのアーティスト活動を語る

R-指定とDJ松永 木村拓哉の優しさを語る TOKYO FM

Creepy Nutsのお二人が2020年11月1日放送のTOKYO FM『木村拓哉のFlow』に出演。木村拓哉さんとコロナ禍でのアーティスト活動について話していました。

(木村拓哉)でも実際さ、今年2020年。このコロナ禍でのライブができなかったりとか、そういう状況の中、2人の音楽活動っていうのはどういう状態になったんですか?

(R-指定)この期間はでも、ひたすら曲を作ってましたね。もうやっぱり家に2人ともこもって曲を作るということしかなかったんで。まあ緊急事態宣言の時はずっとお互いに家で曲を作ってましたし。でも逆に言うと、すごい音楽だけに純粋な意味で向き合えたのかな、みたいな。制作に。でも、その期間が終わると、ライブを……やっぱり曲が出来上がるとライブしたいわけじゃないですか。

でも、やっぱりライブができない。それで今、配信ライブとかちょくちょくやらせてもらったりとか。まあ、ちょっとずつお客さんいるライブとかも、本当ンい数える程度ですけど、できるようになったんですけど。やっぱり、「ライブができない」っていう状況がこんなにアーティストにとってしんどいんやなっていうのはお互いホンマにびっくりするぐらい改めて自覚させられたみたいな。

(木村拓哉)そうね。

(R-指定)それまで、結構毎週ライブが入ってたりとか。それで曲作りもせなアカン。ライブもせなアカンってブワーッてなっていて。

(木村拓哉)そのライブっていう、実際に人の前で……それこそ自分たちの作ったものをすごく熱く受け止めてくれる人たちがいるっていう現状と、自分たちで新しいものを作るっていうそのクリエイトの天秤がすごく今までは均等に保たれていたりとか。もしくは、そのライブの非常にちょっと重くなってくると、より良いものをライブの会場に持っていきたいからちゃんと作らなきゃっていうので、その天秤のバランスがすごくいい感じで取れてたと思うんですけど。

(DJ松永)自分の自覚としてはライブに向かう時に「いいライブしなきゃ」とか「カマさなきゃ」みたいな感じとか。あとは「乗り切る」みたいな意識でライブをやっていたんですけど。ライブやってないと結構、精神的な健康が蝕まれていったんですよね。

ライブができないことで精神的な健康が蝕まれる

(R-指定)だからホンマ、それまではむしろ「勝負」っていう感じだったんですよ。毎回毎回ライブが「この現場、外されへん」っていう。それが毎日って感じだったんですけど、そんなこと……勝負とかよりも、もっと俺らの根元に関わるというか。

(DJ松永)そうそう。やっぱり、何で人前に立ったりとか、DJをやり始めたのかというと、めっちゃ人前に出てカッコつけたいんですよね。それで、ちゃんと歓声を浴びて、称賛を浴びたい。自分が持ってる、そのナルシストな自分を全部フルに出したいからやっぱりステージに立っていたんですよ。でも、それがなくなると、なんだろうな? そういう自分を消化できる場所が全くなくなって。「まっすぐ歓声を浴びたい」みたいな自分が全く報われなくて。結構それで精神的にガタガタッと崩れたりとかして。このタイミングになって「ああ、めっちゃは俺ナルシストだな」って気づいたんですよね。

(R-指定)自覚しましたよね。

(DJ松永)「俺、めっちゃカッコつけたいんだな」っていうのを、ライブがなくなってこのタイミングめっちゃ気付きましたね。「ちゃんとストレートにカッコいいと思われたいんだ、俺」って。

(木村拓哉)うんうん。それでまあ、若干だけど配信でライブができるようになったりとか。さっきR-指定さんも言ってたけど、本当に人数は制限されるけれども、お客さんがいてくれてライブができるように徐々にはなってきてるじゃないですか。なんだけど、どこかちょっとむずかゆいような状況ではあるんだけども。だからといって、その制作意欲が蝕まれてしまって物が作れなくなるってなると、それもシャクだし。

(R-指定)そうですね。だからもう、そういうのもあって、新しく出したアルバムの1曲目(『ヘルレイザー』)なんかはもう、そういう思いとかを全部曲にして。

(木村拓哉)おお、やっぱり出てくるんだね。

(R-指定)やっぱりね、タイムリーな言葉が出てくるように……特にヒップホップって他の音楽のジャンルと明確に違うところはやっぱり「自分のことを歌う」っていうことがすごい多いんですよ。本当に自分の話というか、俺の話っていう。それをするってなったらやっぱり今、ライブできへん状況。

それでお客さんもライブを見たいけど行けないという状況。こんだけ、言うたら禁欲生活じゃないけど。こんだけ離された状態になっていたら、次に「ライブができるぞ」ってなった時にどんだけ楽しいんやろうな、みたいな。そういう想像みたいなので1曲作っちゃったぐらいにやっぱり大きかったっすね。

(木村拓哉)そうだよね。なんか、ここで「ドラえもん」というワードを出していいのかわかんないけども。こういうストレスがあると、ドラえもん話をしたくなるよね。「あれがあったらいいな」とか、「こうなったらいいな」とか。

(R-指定)まさしく、その歌詞の中に「どこでもドア」が出てきたりしちゃうんですよね(笑)。

(木村・松永)フフフ(笑)。

Creepy Nuts『ヘルレイザー』

<書き起こしおわり>

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