R-指定 LITTLE『KARMA feat. BIG RON』を語る

R-指定 LITTLE『KARMA feat. BIG RON』を語る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

R-指定さんが2020年10月27日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中でLITTLE『KARMA feat. BIG RON』を紹介していました。

(R-指定)今日紹介したいの曲はですね、それこそKREVAさんの話をしていましたけども。KICK THE CAN CREWのLITTLEさんのソロ曲をちょっと紹介したいんですん。これね、LITTLEさんは言わずと知れたKICK THE CAN CREWのメンバーですよ。大中小で言うところの小。一番、背の小さい真ん中におる声が高い……まあ、l特徴的なところはそこなんですけども。でもLITTLEさんは何がすごいって、めちゃくちゃライマーなんですよね。

(DJ松永)ああ、本当にそうだよね。

(R-指定)この間、「俺はもうラッパーというよりかはライマーだ。ラップはしなくなっても韻はずっと踏み続ける」っていうぐらい、超韻の使い手なんですよ。日本でも有数の。そして、めちゃくちゃリリシスト。すごくいい歌詞を書きます。だからまずはそれを聞いてもらおうかなと思うんで。LITTLEさんのアルバムに入っている『KARMA feat. BIG RON』。これは日本でヒップホップをすることについて歌っています。超いい歌詞なんで聞いてください。

LITTLE『KARMA feat. BIG RON』

(R-指定)これ、それこそ俺らが抱えているようなカルマですよ。日本人でラップするっていうことに対して「普通のやつがしていいのだろうか?」っていうことをこれ、めっちゃいい言い回しで言っていて。「すげーリッチでもすげープアでもない すげーグッドでもすげーバッドでもない すげー普通 すげー苦痛 わかるか カルマ カルチャー 何があるか? なにもないのはすごくダサい から自慢できる不幸ください」っていう。

これ、LITTLEさんが言うっていうのはキックでバーンと行って、日本人の普通の人間としてのラップをしてきたからこそこれが出てくるというか。「なにもないのはすごくダサい から自慢できる不幸ください そんなおもちゃ取り合うモラトリアム」って、もうめちゃめちゃ踏んでいるんですよね。「そこじゃなくここにあるコアとリアル」って。

それで2バース目ね。「ゲットーなんかない(ある) 劣等感がある(ない) 結構なんじゃない なくて、ねえ。どう考える? むしろめでたいのに後ろめたい 打ちのめされる前に突き止めたい」とか。ここも超上手い。「むしろめでたいのに後ろめたい」っていう今の俺らの状況ね。で、「大人が昔を懐かしがる 子供が豊かさを恥ずかしがる 心がますます貧しくなる ぬるま湯にくるまる日々にまずシグナル」っていう。もうこの子音でも踏むし、すごく意味合い的にも。で、この最後の締めが素晴らしくて。「俺は何も知らないから 誇りに思う Dear my mother and father ボケるほどの平和をありがとう 全部背負い込んで嵐へ旅立とう」っていう。

(DJ松永)ああー、素晴らしい!

(R-指定)超リリシストなんですよ。LITTLEさんはもう稀に見る完璧なバースっていうのがいくつもあるので。また今度、それは紹介したいなと思います。

(DJ松永)結局、この現状にありがとうっていうのはたしかにそうだな。そこに触れているのがすごいよな。

(R-指定)そこがちゃんと言えるっていうのがね。

(DJ松永)本当だね。

(番組放送後のミクチャ配信限定アフタートークで……)

(DJ松永)先ほど、LITTLEさんのお話しをしてましたけども。Rさん、LITTLEさんのYouTubeに前に出たよね?

(R-指定)そう。愛韻TVっていうのに出させていただいて。


(R-指定)で、ふぁんくさんとか梅田のメンバーとかも出たりしてて。改めてLITTLEさんのソロアルバムを聞いた時、めちゃくちゃ韻を……結構、バトルとかで若い子とかがブワーッと使ってるライムとかパンチラインになってるやつとかも、あらかたLITTLEさんに踏まれているんやね。

(DJ松永)ああ、とうの昔に?

(R-指定)それとか、俺も「ヤバいの、思いついた」って思っていたら「ああ、これLITTLEさん踏んでたわ」みたいなのとか。

(DJ松永)そういうのがよくあるんだ?

多彩なLITTLEの韻

(R-指定)あるある。あと、韻のパターンもめっちゃ多い。それこそ母音で踏んだりもするし、子音だけ、響きだけで踏んだりもするし。まあ、ここで歌えないけども、LITTLEさんはすごいフレーズがたくさんあるから。

(DJ松永)韻ってさ、もうめちゃくちゃ韻が踏まれてる曲ってさ、やっぱりもう天然で書けるものじゃなかったりするの? もう本当分が現われてるのかな?}

(R-指定)でも俺、LITTLEさんって天才型でもあると思うな。めちゃめちゃ、その理詰めじゃないと踏まれへん韻というものもあるけど、やっぱり口に出して気持ちいいっていうのをもしかしたら優先してるのかも。だから母音と子音に分解してこうして……とかよりかはもしかしたら、口ずさみながら作ってるのかなっていうぐらい、LITTLEさんのラップって自分でやってみたら超気持ちいい。それこそホンマにオノマトペとかもめっちゃうまいこと使いながら。それの韻にしてしまうとか。

(DJ松永)ああー、たしかに感覚っぽいね。

(R-指定)それでかつ、LITTLEさんは歌詞がすごいいいんですね。

(DJ松永)たしかにさっきの曲とかもさ、なかなかそれって両立できる?っていう感じのテーマじゃない?

(R-指定)しかもそれ、2008年、9年ぐらいのアルバムの1曲目がこの曲なんですよ。だから俺、改めて……その時にはこのアルバムにはLITTLEさんの『ワンマンショウ』っていう代表曲とか『夢のせい』っていう曲とかが入っているからそっちの印象やってんけど。1曲目でこんだけ赤裸々に日本人がラップするジレンマっていうものを歌っていたんやっていう。だから、RHYMESTERがずっとやってきたりとか、スチャダラパーが言ってきたり。ひいては俺たちもそういうテーマについて歌っているけども、やっぱりLITTLEさんとかもソロでそういうことを歌っていたんやっていうのが最近の発見で。

(DJ松永)しかも日本人がラップすることに関して歌うそのサビがBIG RONさんっていうのがまたね、素晴らしいよね。

(R-指定)そう! それがまたいいんですよね。BIG RONさん……せやな。ウェッサイも紹介しないとな。

(DJ松永)いや、本当だね!

<書き起こしおわり>

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