R-指定 はじめて怪談バーに行った話

R-指定 はじめて怪談バーに行った話 Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

R-指定さんが2020年10月6日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中ではじめて新宿歌舞伎町の怪談バーに行った際の模様を話していました。

(R-指定)まあでも(霜降り明星・せいやさんと)同世代とかについて、俺の話を語りたいとかヒップホップの話を語りたいっていうのがあるんですけども。俺は「語る」で言ったらめちゃくちゃ怖い話、怪談が好きって何回もこのラジオで言ってるじゃないですか。

(DJ松永)言ってるよね。プライベートでもずっと言っているしね。

(R-指定)それででも、ネットとかDVDで怪談、怖い話を見ていただけなんですよ。それとか人づてに聞いて……とかぐらいで。実際にプロの怪談師のお話を聞いたことはなかったんですよ。

(DJ松永)たとえばライブを見に行くだったりとか?

(R-指定)そうそうそう。で、この間、ちょっと休みができたので友達と2人で新宿の歌舞伎町にある怪談バー……「怪談ライブバースリラーナイト」っていうお店があるんですけども。そこは1時間に1回、プロの怪談師の人が出てきてくれて、みんなでお酒を飲んだりジュース飲んだりお菓子食べたりしているところに怪談1本、語ってくれるっていうシステムのバーなんですよ。

(DJ松永)ああ、そうなんだ。それが通常運転なの?

(R-指定)そう。通常運転で1時間に1回、怪談師の人が来てバーッと話してくれるっていう。で、これはずっといろんなところから聞いていて。「行きたいな、行きたいな」って思っていて。で、この間、はじめて友達と行ったんですけど。行ったら最初、僕らしか客がいなくて。入り口とかもちゃんと検温とかをして通してもらったんだけども。見た目もね、店の中もおどろおどろしい雰囲気。ホラー版のビクドンみたいな感じ。ツタとか垂れ下がっているし。

(DJ松永)ゴリラがいたりして。

(R-指定)そうそう。その代わりにゾンビの置物とか、怖い顔の人形とかがいっぱい並べてあったりして。「これ、ワクワクするな!」って。ドクロが垂れ下がっていたり。

(DJ松永)最高だな!

(R-指定)いいのよ。ほんで、俺らしかおらんから一番前の席に座らせてもらって。座っていて。「開演までお待ちください」ってなっていて。店員さんが来てジュースをたのんだりしていたら1人目の怪談師の人が来て。伊山さんという人が来たんですけど。この人も当然僕、YouTubeとかでいろいろ怪談を見たことがあって。「うわっ、伊山さんが来た!」って思って。

それで始まるんですけど、真っ暗になって。盛り上げもすごいんですよ。やっぱり怪談が始まるまで。どんどん会場の流れてるBGMが下がっていって、真っ暗になって、パッと照明がついたところにトットットッて上っていってパッ座って。「えー、こんばんは……」みたいな感じで。もうそこから話し出すの。

(DJ松永)へー!

(R-指定)ほんで、その伊山さんが話したのは「ひとりかくれんぼ」っていう、まあ怪談界では大ネタ。もうみんな知っている話なんですけど。でも、そのひとりかくれんぼっていう儀式のことをみんな知っているっていうだけで、そのひとりかくれんぼした人がどうなるか?ってのは人それぞれ違うんですよ。まあ、コックリさんみたいな降霊術で。

それで「ああ、ひとりかくれんぼね……」って。で、もうそのひとりかくれんぼしたらどうなるかっていうのはだいたいわかってはいるんですけど、その伊山さんの語り口が「知り合いがひとりかくれんぼをやって、それを実際にやってるのを生中継で連絡を取りながら……」みたいな話で。どんどんと真に迫っていって。怖いんですよ。それと、ブワッて怖がらせるパンチラインが出た時。それを言った時に「プシューン!」とか音が出て。音響でも怖がらせてきて。

(DJ松永)すげえじゃん!

(R-指定)俺なんかも「ああ、この話ね」なんて。怪談通ぶりたいから。「ああ、はいはいはいはい……」ってなっていたんですけども、それでボソッと言って「プシュー!」ってなって「うわっ!」って大声でびっくりしてしまって。恥ずかしい(笑)。もう、4D。目で見える、音で聞ける、もう全身で体験する4Dよ!

(DJ松永)それ、映画だけじゃなくて今、怪談もそうなってんの?

(R-指定)4D怪談!

(DJ松永)すげえな、それ。4D怪談っていうジャンルがあるの?

4D怪談

(R-指定)「プシューッ、ボーン!」「うおっ!」みたいな。それで怖がって15分、みっちりと怖い話をして。「うわっ、すごい!」ってなって。そしたら、伊山さんが下りてきてくれはって。ほんで照明も明るくなって。「いかがでした?」って客席まで来てくれるんですよ。「いかがでした?」「いやー、めっちゃ怖かったですよ」って。それで話をしたら、そこから「でもね、似た話でこういうのもあるんですよ」って。2、3話、また……。

(DJ松永)マジで?

(R-指定)そう。本番15分終わってからピロー怪談みたいなのを客席でわざわざしてくれて。

(DJ松永)すげえ贅沢じゃん!

(R-指定)それで「えっ、そんなんあるんですか!」って。会話形式で2、3話、話をしてくれて。「こんなにしてくれるんですね」って言ったら「いやー、僕は怪談でしかコミュニケーションを取れないんで」って。かっけー!

(DJ松永)かっけー! なにそれ?

(R-指定)そう言っていたら、もう1人お客さんが入ってきたんですよ。で、そのお客さんは伊山さんに「ああ、久しぶりです。この間ね……」って話してるから、常連さん。で、常連さんらしいんですけど、俺ちょっと離れた席に座って。そこで話している会話を聞いたら、そのお客さんはどうやらマジシャンらしくて。で、たぶんマジシャンと怪談師……その人もマジシャンバーとかの人なんかか? マジックバーとか。そういう夜のお店繋がりで仲がいいのかな? で、そのマジシャンの人にまた伊山さんはちょっとその人だけに向けて話をしていて。俺もちょっと聞き耳を立てていて。「うわっ、贅沢やな」と思っていて。

ほんなら、その日の2人目の怪談師の人。村上ロックさんっていう人がバーッて入ってきて。で、その人もかなり有名な怪談師さんで。「来た! 村上ロックや!」って思って。で、その村上ロックさんもえまず怪談が始まる前に明るいお店の状態ところにみんな、1人1人にあいさつをしていって。俺らの席にも来てくれて。「いやー、今日は来てくれてありがとうございます」みたいな。「僕もYouTubeでいろいろ見てます」みたいな話をして。そしたらそのマジシャンの方に村上ロックさんが行って。そのマジシャン人もまた「久しぶりです」みたいな。やっぱり超常連なんですよ。

そしたら、あいさつするやいなや、そのマジシャンの人が村上ロックさんに「じゃあ、これをやりますか」って。ペットボトルでこんなんやって。「これ、ほら……(バッ!)。ほら、見えないでしょう?」「えっ、どこに行ったんですか?」って。マジシャンの人が村上ロックさんにマジック見せてるの。隣で。その、あっちがプロの仕事をする前にこっちがプロの仕事でカマしだしてるのよ。

(DJ松永)客が? ええっ? どういうこと?

(R-指定)すげえのよ。でも、マジックもホンマに俺も横目で見ていたけど。「すげっ! なんで今のが消えた……?」とか思いながら。そうなっていたら、もう1人お客さんが入ってきて。だから俺らが最前列。で、その一番端っこにマジシャン。で、その俺らの2列目の後ろの席にもう1人。その人も1人で来ていて。おじさんがバッと座って。そしたら、その村上ロックさんがバーッと挨拶に行って。「いやー、久しぶりです」って。その人はでもね、常連というか、別の現場で1回だけ挨拶したことがあるみたいな。で、はじめてここに来ましたみたいな感じで。それでしゃべっていて。「いやー、あの話もあの話も怖いですよね」って。「ああ、後ろの人は怪談通なんやな」って思って。

まあ、俺もいろいろと知っているから。「どんなんをするんやろう?」ってなって。そしたら村上ロックさんが「じゃあ、今日は聞いたことがないやつの方がいいですよね?」みたいな感じでその人に言っていて。「そうですね。なんかあります?」「じゃあ、今日はちょっといやーなお話、しましょうか……」って。そしたらその1人で来ている怪談通の人が「えっ、それって死ぬ系?」って聞いていて。「いや、死にはしないんですけど……まあ、ちょっとついてきちゃうっていうか……」「ああ、大丈夫。僕、祓えるんで」っていう会話をしていて。「ええっ、なになになに?」っていう。

(DJ松永)ええーっ? えっ、えっ?

(R-指定)「なにその空中戦みたいな? 怖い話の空中戦みたいな?」って。そしたら村上ロックさんが「今日はちょっといやな話。話を聞いた人に影響があるような話をするけども……」って言ったらそのお客さんが「大丈夫。僕、祓えるんで」って。

(DJ松永)なんちゅう能力があるの?

能力者たちが集う店

(R-指定)「おいおい、俺だけ能力、ないぞ? マジシャンおる、霊媒も後ろにおる。俺だけ無個性やん。どうしよう?」って思って。そこから怪談が始まって。当然、むちゃくちゃ怖いんですよ。その村上ロックさんの。で、「どうなるんやろう? でもやっぱりさっき、音響でビビったっていうのは知っているから。そこで怖がったらハズいな」って。友達にはいいけど、そのマジシャンも霊媒もおる。俺もやっぱり怪談が好きやからナメられたくない。それで俺もじっと見ていて。それでプシューッてなってやっぱりビクッてなってもうたんですよ。でも、それ以上に後ろの霊媒が「うわあっ!」って(笑)。霊媒、めっちゃビビってるやん!って(笑)。

(DJ松永)霊媒、おいっ!(笑)。

(R-指定)「霊媒もびっくり系は怖いんかい!」っていう(笑)。

(DJ松永)すげえな、4D!

(R-指定)めっちゃ4D、楽しい。で、村上ロックさんが話し終わって。で、いつものように下りてきて、またピロートーク的に怪談をしてくれるんですよ。で、俺のところに来て話して。で、マジシャンのところに行って話して。それで後ろの霊媒のところに行って話しているなと思って。で、「そろそろ帰ろうかな」って思って帰る支度をしていて。よく耳を立てて聞いていたら、村上ロックさんの声じゃない。よく聞いたら、その霊媒が自分の話を2、3話、村上ロックさんにぶつけているんですよ。「すげえな!」って。「逆、逆、逆!」って思って。お金払って怪談を聞きに来ているんやなくて、お金を払って怪談をその怪談師にぶつけに来ているのよ。

(DJ松永)なんなんだよ(笑)。

(R-指定)でもね、これはよくよく後に聞いたら、怪談師の人がみんな怖い体験をするわけじゃない。そういう霊的な体験がある人がお客さんで来て、そのお客さんからもらった話とかを話す。で、お客さんも自分でプロのように話すのは苦手やから、その話を怪談師の人に託すっていう。なんか、これはたぶん怪談じゃないとない文化なんじゃないかな?っていう。

(DJ松永)たしかに、たしかに。

(R-指定)「これは新しい世界やな」って思って。

(DJ松永)たしかに。本当、それはないよね。

(R-指定)「僕、こんな怖い体験したけど、この話、もしかしたらあの怪談師さんやったらここの部分を汲み取ってくれて、うまく話してくれるかもしれへん。この話、託します!」みたいなのがあるんかも?って思って。たぶん、そうなんですよ。で、「すげえな。後ろは霊媒で怪談を託すし。こっちはマジシャンやし。俺はホンマにもう、ただのお客さんやな」って思って。「じゃあ、もう帰ろうか」って思って荷物を用意して。それでバッと出ていこうとしたら、その村上ロックさんがわざわざエレベーターのところまで送ってくれたんですね。

「今日はわざわざ来てくれてありがとうございます」って。で、エレベーターの閉まり際ぐらいに「あのー、すみません」って村上ロックさんに言われて。「もしかしてなんですけど……R-指定さんですか?」って言われてて。で、「シューッ」って閉まって。「よかった。俺、韻を踏む能力だけ持っていたわ」って思って。ラッパーとして認知されていて。「よかった。ただの無個性なやつじゃなくなれた」って思ってね。なんか、あそこで反省なんやねんけど。マジックを見せたり、霊媒が「俺、祓えますよ」って言った後に俺もフリースタイルをやればよかったな。「村上ロック」とかで踏んでおけばよかったな。

(DJ松永)うん。それはちょっとダサい。

(R-指定)ダサい?(笑)。

(DJ松永)それは恥ずかしいからやめてほしい。

(R-指定)「祓えるんで」って言った後に俺が後ろを向いて「俺、踏めるんで!」って。

(DJ松永)ああ、恥ずかしい。恥ずかしい、やめて。それ。

(R-指定)言えばよかったな。クソッ!

(DJ松永)絶対に言わないでね!

(R-指定)クッソー! ちょっとしくったな。もうちょいカマせば……。

(DJ松永)今後も絶対に言わないで。「俺、踏めるんで」とか絶対に言わないで!

(R-指定)今度、怪談バーに行く時……踏もう!

(DJ松永)なんか、踏めるのはあんま、かっこよくないから?

(R-指定)おいっ!(笑)。

(DJ松永)フハハハハハハハハッ!

<書き起こしおわり>

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