田中康夫 竹中平蔵の「ベーシックインカム」を語る

田中康夫 竹中平蔵の「ベーシックインカム」を語る ナイツのちゃきちゃき大放送

田中康夫さんが2020年9月26日放送のTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』に出演。竹中平蔵さんが提唱した「ベーシックインカム」について話していました。

(塙宣之)このベーシックインカムは?

(田中康夫)ああ、ベーシックインカム。

(塙宣之)これ、「7万円」っていう金額は「7万円から10万円ぐらいが妥当」みたいに言われてたじゃないですか?

(田中康夫)これ、「ベーシックインカム」って手前味噌ですけど。国会で初めて質疑をしたのは、2010年2月26日の衆議院予算委員会に田中康夫っていう人がしたんですよ。

(土屋伸之)ええっ、そうなんですか!

はじめて国会でベーシックインカムを質疑した田中康夫

(田中康夫)これ、Twitterにね、「田中康夫にベーシックインカムを聞かず、竹中平蔵案を飲むなど、なんだ」っていう風に言っている方がいて。

(田中康夫)それで大塚英志さんっていう方も「かつてのリベラルや左派の政策や理念をキーワードだけ頂き換骨奪胎して新自由主義仕様に作り変えるのが安倍政権やその支持者の特技だったが、ここまで露骨というか稚拙だと、さすがに通用しない」っていう風に言っているんですよ。

(田中康夫)それで「ベーシックインカム」っていうのはね、よく皆さんは「最低限所得保障」とか「負の所得税」とか言ってるんだけども。僕がずっと言ってるのはこれ、「国民配当」だと思うんですよ。つまり、この日本という国で生まれたばかりの赤ちゃんから、お爺ちゃん、お婆ちゃんまでみんな「国民」でしょう? で、国民はそこに参加しているんだから、国民にまず配当を与えるっていう。株式と同じ発想。その上で、障害のある方であったり、あるいは大変に病気がちで苦しいとか、そういう方にはプラスをしなきゃいけないのに。

でも竹中さんが言ってることは「はい、皆さん、7万円です。7万円で後は全部、自助ですよ!」って言っちゃっているんだよね。これは(愛犬の)ロッタの誕生日の来週に『モーニングクロス』という番組で……これはもうしゃべると30分ぐらいかかる話題なんだけども、10分くらいでしゃべりますけれども。だから僕、「自助、共助、公助」っていう言葉も、なんか二項対立、三項対立になっちゃっているのが変だなと思うんですよ。つまり、何かあったら……みんな、だって自助と共助と公助は一緒に同時並行でやってこそコミュニティーじゃないんですか?

「自助、共助、公助」

なのに、「自助でやれ!」って言う人がいて。それに対して「いや、公助が先だろ!」って言っている人がいて。「公助って言ってるやつは甘えてる!」って。それは違うと思うんだよね。だって道路って、普通の道路は皆さん、これは普通は採算が取れないんだよ。でも、税金を使って道路を作る。教育だってある意味ではそうですよ。医療もそう。「採算」っていうことだけを考えたら。だけど、無駄は廃するけども、公助をして。そしてみんなも甘えてるだけじゃなくて、自分で立ち上がれる部分は立ち上がりましょうっていうね。

なんかね、僕はこれ、二項対立の話に持っていっているのがすごい変だなっていう。だからこれ、やっぱり竹中平蔵さんとかよりも……ベーシックインカムってアントニオ・ネグリっていうイタリアの人もいて。この人は僕に近い考えなの。で、もう1人、実は経済的新自由主義のミルトン・フリードマンという人は竹中さん的なベーシックインカムの考えなんですよ。これ両方、違うのね。

(塙宣之)なるほど。「ベーシックインカム」って言ってもいろいろと違ういうことなんですね。

(田中康夫)いや、違うっていうか。つまり今、社会は見直さなきゃいけないっていうのはコロナになる前から、株主資本主義……「株主さえ儲かればいいんだ」っていう資本主義。だって世界中、今はもうロシアだって資本主義ですよ。資本主義の中で、株主資本主義に対して中国みたいな国は国家資本主義だ。でもこれも株主だったり、国家の一部だったりが全部、利益を得ている。

でも、それは違うんじゃないの?っていうのがこれ、原丈人っていう人が『「公益」資本主義』っていうことを言っていて。「公」って日本では「公共事業」っていう言葉があるから「行政がやることだ」と思っているけども。「公」って……「公園」っていうのは「パブリックパーク」ね。庭のある。これ、誰でも入れるわけですよ。そこで裸になっちゃいけないけど。そういう、みんなが参加できる「公益」資本主義にしましょうっていうことなんだよね。

<書き起こしおわり>

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