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町山智浩 クリストファー・ノーランと『TENET テネット』を語る

町山智浩 クリストファー・ノーランと『TENET テネット』を語る YouTube
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町山智浩さんが2020年9月22日配信の『町山智浩のアメリカ特電』の中でクリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』について話していました。

(町山智浩)本棚って面白いなと思うのは、そのクリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』って映画は本棚から始まるんですよね。で、本棚をカメラがなめていくところから始まるですけれども。あの本棚に置いてある本というのは全部ノーランの私物なんですって。これは直接本人に会った時に聞いたらそう言ってたんですけども。彼は本が好きで、ネットが大嫌いなんですよ。で、(マーティン・エイミス『Time’s Arrow』を持ちながら)「こういう形の本じゃなきゃ嫌なんだ」って言ってるんですよ。あ、これはだから『インターステラー』の本棚にあった本のひとつなんですけども。

だから『インターステラー』ってインターネットが出てこないんですよ。スマホも出てこないですよ。あれは彼が大嫌いだからです。スマホを持ってないらしいんですよ。スマホ禁止らしいんですよ。現場でも。で、僕が彼にやったインタビューがどこか、ネットに転がってると思うんですけれども。彼が何で本が好きか?っていう理由はいくつもあるですけど、

クリストファー・ノーランが本を好きな理由

ひとつの理由としては「本は後から読める」っていうことがあって。ネットもまあ読めるんですけども。「本はこうやって読む場所を自由に変えられる」っていうことがあるんですよね。読み方とかをね。で、彼のクセがあって。そのへんがすごく実は、その今回の映画『TENET テネット』に影響を与えていますね。で、「SFなんだ。ややこしい話なんだ」という風に言っている、思ってる人が多くて。「これを理解するのは難しい」って言ってる人は多いんですけども、そういう科学的な話じゃないんですよ。

元々、彼は科学に興味があるわけじゃないですよ。彼は文学から入って。その文学とか小説とかから今回の『TENET テネット』の発想を得てるんですね。『インターステラー』の時もそうでしたけども。だからその、彼がいっぱいいろんな詩を引用するのはたぶん、みんな知ってると思います。『インターステラー』でも詩を朗読してましたけどもね。キルケゴールの言葉を引用したりね、すごくブッキッシュな人なんです。とにかく本が大好きなです。文学が好きなんですよ、彼は。

そこに『TENET テネット』の鍵があるんですよね。実はあの科学的なことを……「時間反転」みたいなことを言ったりするんですけど。「エントロピーが……」とか言ったりするんですけども。あれはほとんど意味ないですよ。わざと意味ないものを意味あるように言ってるだけですね。あれはでたらめです。はっきり言って。彼が発想したのは本からなんですよ。この本から全てが始まってるんです。

本から発想する

そういう話をしていきます。本だけじゃなくて、もう1本映画があって。だからものすごく文学の……文系の人ですから。クリストファー・ノーランっていう人は。その話を今度、26日のライブでしますね。まあクローズドにして有料にした理由っていうのは、「ネタバレだ、ネタバレだ」っていうことになるのが一番面倒くさいっていう。そういう問題がひとつありますね。結末まで全部びっしりやりますから。はい。

「ネタバレ」って書いてあっても「ネタバレだ」って言う人がいるって本当に困っちゃうよね。パンフレットがそうですけど。僕はパンフレットに「かならずそういうのを入れてくれ」っていう風に言ってるんですけども。それがあっても「ネタバレだ」っていう人がいるんでね。「偶然読んじゃったんだ」って言うんでしょうけどね。

本当に困っちゃうなと。だから、もうそんなに言うんだったら全部クローズドでやるしかないよっていう。だって映画の結末まで語らなければ、映画評論なんかできないわけですよね。結末が重要なんですからね(笑)。だからまあクローズやるしかないので、26日に『TENET テネット』の完全解説というのをやります。

ただ皆さんが期待してるような、こういうことじゃないですよ。「あれがどうなって、これがどうなって……」って。「車が燃えると温度が下がるってのは科学的にどういう仕組みなのか?」とかね、「弾丸がなぜ放射能を帯びているのか?」とかね。それの説明ってはっきり言ってないですから。適当ですから。クリストファー・ノーラン。

たとえば、クリストファー・ノーランで有名なのは『メメント』の解説でこういう時間枠をやってね。「こういう風に実際の時間は進むんですけど、映画としてはこういう風に描いてますよ」っていう有名な図をノーランが書いてやってましたけども。まあ、その程度のことはしますけどね。はい。ただ「エントロピーが一体どうなっているのか?」とか、そんなことは重要ではないというか、はっきり言って間違っているので。あの映画は。

だって、これは言っていいと思うんですけど。「酸素を空気から取り込めない」って言ってるじゃないですか。そうしたら、消火はどうなるのか?って話ですよね。あと、自動車は逆に進んでいますけども。自動車の中でも酸素を燃焼させていてーー船もそうでしたけどもーー走ってるわけですからね。そっちはいいの?っていう話ですから。だから適当なんですよ。

弾丸もそうで、弾丸の中に酸化剤っていうのが入っていて、酸素を燃焼させて発射させてるんで。弾丸は普通に反転させても発射できてるわけですからね。だから都合のいい時だけ「そういうのができない」とか言ってるだけなんで、そこを真剣に考えてもしょうがないですね。はいだからそのへんの科学的なことは置いといて。それはマクガフィンだから。マクガフィンっていうのはまあ、目くらましですからね。本質的なところは、もっと文学的なものなんですよ。『TENET テネット』というか、クリストファー・ノーランっていう人は。それについて解説しますんで。26日、ぜひお楽しみに。

<書き起こしおわり>

町山智浩『TENET テネット』を語る
町山智浩さんが2020年9月8日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中でクリストファー・ノーランの最新作『TENET テネット』を紹介していました。

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