R-指定とDJ松永『ヘルレイザー』を語る

R-指定とDJ松永『ヘルレイザー』を語る サウンドクリエイターズ・ファイル

R-指定さんとDJ松永さんが2020年9月6日放送のNHK FM『サウンドクリエイターズ・ファイル』の中で新作アルバム『かつて天才だった俺たちへ』から『ヘルレイザー』について話していました。

(R-指定)聞いていただいた曲はRHYMESTERで『Still Changing』でした。

(DJ松永)最高ですねー。

R-指定とDJ松永 宇多丸の天才性を語る
R-指定さんとDJ松永さんが2020年9月6日放送のNHK FM『サウンドクリエイターズ・ファイル』の中でRHYMESTER宇多丸さんの天才性について話していました。 (R-指定)今回はね、それぞれのルーツについて話していますが。ここではC...

(R-指定)最高です。説明不要でございます。「天才」にまつわる曲を聞いていただいたんですけども。ここで、Creepy Nutsのアルバム『かつて天才だった俺たちへ』の話もちょっとした方がいいかなと思いますよ。

(DJ松永)ですね。これ、タイトルがね、そのままリード曲なんですよ。

(R-指定)これ、『かつて天才だった俺たちへ』というタイトルにした理由は、やっぱり元々何者でもなかったというか、いろんなものに比べられて挫折してきたような半生を俺と松永さん、今まで語ってきたと思うんですよ。部活でダメやったとか。でも、そうなる前っていうのは結構ね、なんかわからんけど。何にも折られていないし、何も比べられてない状態のすごい可能性が無限大にあった状態のことを俺はこの場合、「天才」と呼ぼうかなっていう風に思ってこういう曲にしたんですよ。

だから、ちっちゃい頃にはみんな、無限に可能性あって。それが折られて、折られて、へし折られて今の自分になっちゃって出来上がったけども。ここから、その負けの味を知ったところからもう1回、その全可能性があった状態のことを思い出して挑戦していきたいな、みたいな感じのことを思って書いたんですよ。

Creepy Nuts『かつて天才だった俺たちへ』

(DJ松永)みんな誰しも経験があると思いますけど。小学校4年生で初めてサッカー部に入った時は「自分が下手かどうか」っていうのはまた自覚がなかったからね。

(R-指定)そうそう。そうなんですよ。

(DJ松永)「自分はめちゃめちゃ上手いかもしれない」って思いながら球を蹴り始めたわけだから。みんな、全員そうだと思います。

(R-指定)そういう時をもう1回、思い出そうぜっていう。これはどの世代にも言いたいなと思うし、自分にも言い聞かせてる曲ですね。で、今回ね、このアルバムは前回の『よふかしのうた』と同じでラジオ盤というのも付いてますけども。

(DJ松永)そうそう。ライブDVD盤とラジオ盤の2パターンを出してますけども。ライブDVD盤は去年のワンマンライブの模様を付けたもの。もうひとつ、ラジオ盤というのはオープニングトークがあって、曲振りがあって収録曲が流れる。曲振りがあって収録曲が流れっていう感じでひとつのラジオ番組風にパッケージしたものなんですよ。

(R-指定)そうなんですよね。

(DJ松永)まあ、Rさんの書く歌詞っていうのは結構一聴しただけでは全部がわからないぐらい、いろんなギミックとかいろんな聞き方ができるわけですよ。だから曲振りがあって聞くとまた、曲振りなしで聞いた時は別の違った楽しみ方ができたりするんですよ。味わいが変わってくるんですよ。でも、曲振りあってラジオ版で聞いても、まだわかんないくらい実は掘り甲斐があるんで。Rさんも「10年、20年耐久性がある曲を作りたい」っていう常々言ってるわけだから。

(R-指定)言ってる!

(DJ松永)その耐久性ある、耐えうる収録曲に今回、なってるんで。これね、1回、2回じゃなくて何回もリピート、リピートをして。ちょっと宝探してほしいな。俺は。

(R-指定)ああ、いい表現。「宝探し」。

(DJ松永)ありがとうございます!(笑)。

(R-指定)でも、ラジオ盤もそうやけど、ライブDVD盤には我々の『よふかしのうた』ツアーの新木場コーストでやったライブの映像が収められていますんで。ライブ、今なかなか苦しいじゃないですか。我々ミュージシャンからしたら。ライブというものをどう扱うか。

(DJ松永)いや、それはかなり苦しい。

(R-指定)ねえ。そういうちょうど、このアルバムは自粛期間中に作ったという側面もありまして。「やっぱりライブしたいな!」という気持ちがすごい高まった時に書いた曲があるんですよ。ちょっとそれをね、聞いていただこうかなと思います。Creepy Nutsで『ヘルレイザー』。

Creepy Nuts『ヘルレイザー』


(R-指定)お聞きいただいたのはCreepy Nutsで『ヘルレイザー』でした。ねえ。これはホンマに自粛期間中にライブがしたいという……『ヘルレイザー』というタイトルの意味、ちょっとわかんない人もおると思うんですけど。まあまあ、これは映画の『ヘルレイザー』のことです。

(DJ松永)そうなんですよ。

(R-指定)で、映画の『ヘルレイザー』の中で重要なアイテムが「箱」。封印されし箱。それを開けると、快楽が待ってるよっていうホラー映画なんですけど。今、俺たちの間で封印されてる箱はライブハウスなんで。それを開けてライブという快楽を得たいなという曲でございます。

(DJ松永)お上手!

(R-指定)お上手? あざーす!(笑)。

(DJ松永)お上手ですねー(笑)。

<書き起こしおわり>

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