米津玄師と星野源『さらしもの feat. PUNPEE』を語る

米津玄師と星野源『さらしもの feat. PUNPEE』を語る 星野源のオールナイトニッポン

米津玄師さんが2020年9月1日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に出演。星野源さんと『さらしもの feat. PUNPEE』について話していました。

(星野源)お送りしたのは僕が好きな米津くんの曲、『春雷』でございました。いや、嬉しいでございます。

(米津玄師)嬉しいですね。

星野源と米津玄師『春雷』を語る
米津玄師さんが2020年9月1日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に出演。星野源さんと『春雷』について話していました。今夜の #星野源ANN では、米津玄師さんがゲストに登場!お互いの好きな曲についてなど、じっくり音楽談義を...

(星野源)よかったです。じゃあ、ちょっと逆にというか。米津くん側からの曲を教えてもらってもいいでしょうか?

(米津玄師)俺は結構いろいろあるにはあるんですよ。今回、1曲選ばなきゃならないっていうので。「どうしようかな?」と思ったんですけど。実は1回、菅田将暉さんと会った時に……。

(星野源)ああ、去年の年末にね。

(米津玄師)その時、ちらっと話をしたんですけど。

(星野源)それって、なんだったっけ?

(米津玄師)俺、『さらしもの』がすごく好きだっていう話をして。

(星野源)ああ、そうだ、そうだ。

(米津玄師)俺は……曲もものすごくいいし、何よりも俺は言葉がすごくグッと突き刺さってくる感じがあって。中でも、ちょっともしかしたらセンテンスが違うかもしれないですけど。「この輝きは僕のじゃなくて 世の光映してるだけで 身の丈じゃないプライドは君にあげる 受け取って捨てといて」っていう。あれが俺、すごいキラーワードっていうか、「いいな!」っていう。

「この輝きは僕のじゃなくて 世の光映してるだけで…」

(米津玄師)すごく、おんなじことを思うんですよ。それは源さんと全く同じかどうかはわからないし、あるいはちょっと違うところもあるかもしれないですけど。なんか……まあ、俺もそのポップソングの人間としてある程度大きくなってきて。その中で、いろんなことは感じますよね。すごくありがたいなと思う部分もものすごくいっぱいあるし。やってきてよかったなと思う部分もあるけれどもも。かたや、「これは一体どういう現象なんだろうな?」っていう、懐疑的になるというか。ちょっと冷めた視点でいる自分というのも一緒にあって。

そういうものを歌詞になにか、また感じた……俺も同じようなことを感じたから。だから、「これは俺のことを歌ってくれてるのかな?」みたいな風にも思ったりするくらい、やっぱりぐっさりと刺さりましたね。あの曲は。だから、まあ『さらしもの』を。でも、いろいろあるんですよ。俺、『地獄でなぜ悪い』とかもすごく好きで。

(星野源)ああ、嬉しい。

(米津玄師)あれは、おそらくその源さんが病気なさったっていうのがひとつ、大きな……。

(星野源)そうだね。で、あれは映画の主題歌でもあって。自分が出て映画の。でも、歌詞は全然映画と関係なくて。それもあの『ドラえもん』の時と同じように、「作品と同じタイトルの曲にしたいな」っていうのだけ思っていて。だから「地獄」みたいなワードだけがあって。でも、その時にちょうど倒れるみたいなのがあった後だったから。それで、その定期検査があって。

1回、手術をして。その定期検査に……1回、治ったんだけども、定期検査を何回かしてる中で検査入院っていうのがあって。で、ずっと詞が書けなくて。その検査入院をしている病室のベッドの上で「あっ!」て思いついてガーッと歌詞を書いて。で、その検査入院明けで歌のレコーディングをして。その歌を入れた後に、その検査入院をした時の検査で再発が発覚して。それでまた、しばらくお休みをすることになるんだけども。だからすごい、いいなっていうか。

(米津玄師)そう。あの曲はそういうものも踏まえて作られたっていうのはすごくよくわかるなと思うんですけど。すごいなんかから騒ぎ的な音じゃないですか。トラック的には。それで「パッパッパーッ♪」って軽快に始まっていって歌い出し。一番最初の言葉が「病室」っていう。「これはすごい!」っていう(笑)。

(星野源)フフフ(笑)。「これはすごい!」って。ガッツポーズを(笑)。

(米津玄師)それは本当にすごいことだなって。

(星野源)ああ、嬉しい。

(米津玄師)歌詞は本当にシリアスな歌詞じゃないですか。それはだから……あるいは、一番最初に(『MIU404』の件を)話してたように、ものすごくシリアスなシーンの裏でメロンパンの歌が流れているみたいな。そういう、どこかこうアンビバレントなものがひとつの作品の中に共存しているっていうのはすごくグッとくる、俺の個人的なツボポイントなんですよ。あと、『Crazy Crazy』とかも好きだし。

(星野源)うんうん!

(米津玄師)いろいろと挙げようと思ったんですけども。

(星野源)嬉しい。

(米津玄師)でもまあ、そうですね。『さらしもの』っていうのは最新のモードの源さんっていうもあったし。そのちょっとゆったりとした後ろノリの感じとか。ああいうのが本当に素晴らしいなと思うって選ばさせてもらいました。

(星野源)なんか『さらしもの』はやっぱり世の中で、何て言えばいいんだろうな? 表に出る人……たとえば表現をする人とか、いわゆる「さらされている人」っていうんですかね? そういう人から反響が結構、友達とかでも。やっぱこういう仕事をしている人からの反響がすごい多くて。自分はやっぱりそういう、世の中に出ていって、いろんな人に聞いてもらって、その数がガーッと増えていくことに本当に感謝の気持ちがすごくあって。

でも、その感謝の気持ちがいっぱいあるのに、それをかき消されるほどの、何だろう? 不毛な状態っていうのかな? 不毛な視線だったり言葉みたいなものに自分がどんどん侵されていくみたいな感覚にどんどんなっていった時期があって。で、その時期って、なんていうか、全然それを表に出せなかったの。で、そこがやっとちょっと自分でクリアできるような気持ちになっていって。それでしばらくして、『POP VIRUS』っていうアルバムを作って。その後に一旦……あの『Same Thing』のEPって元々、自主制作でやろうと思ってて。

いわゆるフリーダウンロードみたいなのでやろうと思っていたの。それぐらい、なんかインディーズなノリでやろうと思っていたから。だから、いろんな意味で解放をされていて。だから、その思いをちゃんと作品として昇華できるんじゃないかな?って思って。なんだろうな? そういう気持ちで歌詞は書いて。それでPUNPEEくんと話しながら、ワイワイ言いながら作っているのもすごい楽しかったし……っていう曲ですね。

(米津玄師)それによっていろいろ浄化される部分っていうのがあったんですか?

(星野源)そうだね。なんか、なんだろうな? なんて言えばいいんだろう? それを、あのトラックだったり、あとほあ人と一緒にフィーチャリングでやるっていうのももうほとんど初めてぐらいだったから。やっぱり何か、やったことないこととか、変わったていくことっていうんですかね? 自分が今までやってきたことからまた、未知の領域に一歩踏み出すことが自分のセラピーになるんだなっていう。

(米津玄師)すごくよくわかりますね。

未知の領域に一歩踏み出すことが自分のセラピーになる

(星野源)それが自分を救うことになるんだなっていう。それこそ、『地獄でなぜ悪い』の時、歌詞で書いたけど。「ただ地獄を進む者が悲しい記憶に勝つ」っていうのは本当にその気持ちで書いたんだけど。なんかその言葉に今、後押しされてる感じっていうか。「やっぱりそうだよね」ってすごい思う。

(米津玄師)あそこもいいですね。「ただ地獄を進む者が……」って。なんか、ねえ。すごいこんなにポジティブなメッセージはないなっていう感じがしますね。あるいは、すごくこあの曲の言葉だけを取ってみるとネガティブな風にも映るようなものがあるかもしれないけども。だからこそ、そのひとつのワードっていうのがポジティブに働くっていう。そういうひとつの……なんて言ったらいいんだろう? 構造? そういうのをものすごく深く、源さんっていうのは根差して持っている人だなっていう風に感じますね。よく聞いていると。

(星野源)ああ、嬉しい。ありがてえ……。じゃあ、ちょっとその曲を聞いてもらいたいので、紹介をしてもらってもいいですか?

(米津玄師)星野源で『さらしもの feat. PUNPEE』。

(星野源)お送りしたのは米津くんが選んでくれた曲。星野源で『さらしもの feat. PUNPEE』でした。

<書き起こしおわり>

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