Superorganism・Oronoと星野源 安易な「ちゃん」付けへの違和感を語る

星野源とSuperorganism・Oronoと小田部仁 友達になったきっかけを語る 星野源のオールナイトニッポン

Superorganism Oronoさんとライターの小田部仁さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に出演。星野源さんが読んだメールで「ちゃん」付けで呼ばれたことに対して、安易な「ちゃん」付けへの違和感について話していました。

(星野源)じゃあ最後にこのメールだけ読もうかな? 「先週の放送でスーパーオーガニズムのオロノちゃんがゲストに来ると聞き、この1週間めちゃめちゃ楽しみにしていました。私はスーパーオーガニズムのファンで、オロノちゃんの生き方や考え方、芯を持った自由さが大好きです……」。

(Orono)……

(星野源)「ちゃん」は嫌だ?

(Orono)「ちゃん」、嫌だ!

(星野源)フハハハハハハッ!

(Orono)もうダメダメダメ。「ちゃん」って言われた瞬間、もう聞いてないもん。

(小田部仁)すげえいい質問だったよ?

(Orono)聞いているよ。Thank you. I appriciated.

(星野源)フフフ(笑)。

(小田部仁)「ありがとうございます。感謝しています」。

(Orono)But that is demeaning to me.

(小田部仁)どういう意味?

(Orono)Demeaning. It’s rude.

(小田部仁)ああ、「すごくあまりよろしくない」っていうことらしいです。すごい……そう。「無礼だ」って。

(星野源)フハハハハハハッ! OK。じゃあ、「ちゃん」をなくして読むよ。

(Orono)いいよ。すごいありがたい。けど、その日本のそういうなんだろう? もうジェンダーとかさ、いろんなボックスがあるのを、そういうのを思い出させてしまう。そういうのを。それで「ちょっとダメじゃん!」ってなっちゃうの。まず、そこを言わせてほしい。

(星野源)OK。

(小田部仁)自分が海外に出た理由みたいなものがそういうところにあるからね。

(Orono)Exactly! I’m sorry.

(小田部仁)OK。ごめんなさい。

(Orono)フフフ(笑)。

(星野源)「オロノさん」は大丈夫ね?

(Orono)「オロノさん」は大丈夫。

「オロノさん」ならOK

(星野源)じゃあ、これを読み換えて。言い換えてやってみます。面白いね。英語でしゃべった方が自然にしゃべれるわけでしょう?

(Orono)めっちゃ自然。

(星野源)じゃあ、それを訳してもらう方が……。

(Orono)ずっと横で訳すっていう。

(星野源)じゃあ、ちょっと読むわ。「……先週の放送でスーパーオーガニズムのオロノさんがゲストで来ると聞き、楽しみにしていました。私はスーパーオーガニズムのファンで、オロノさんの生き方、考え方、芯を持った自由さが大好きです。去年、CDやレコードを買い、いまでも毎日聞いているんですが、メンバー全員が本当に音楽を楽しんでいる感じがひしひしと伝わってきて。さらに聞いている私たちも一緒に楽しめ、自然と歌って踊れる。かといって『こう』と決めつける感じがなく、自分なりの楽しみ方ができる、そういう魅力があるなと思うのです。なので今回ゲストにいらっしゃって、たくさんのリスナーの方に知ってもらえると思うと嬉しすぎて泣けます」という。そういうメールだったんですよ。25歳の女の子。

(Orono)Wow, thank you.

(小田部仁)超ファンじゃん。

(Orono)ねえ。それに「Don’t call me “chan”!」みたいな感じでキレてるっていうね。でもね、すごい嬉しいんだけども……。

(星野源)英語で言っていいよ。

(Orono)OK. I’m so fucking on edge, right now.

(小田部仁)「on edge」ってお前……。

(Orono)いやいや……。「テンパっている」っていうことです。

(小田部仁)すごいテンパっているらしいです。

(Orono)なんでかっていうと、エモーショナルになっちゃった。なんでかっていうと……That’s exciting to me. That’s super cool. Say it.

(小田部仁)Why?

(Orono)Because she likes our music. And she is saying all sorts of nice shits about it. But I’m not doing it for anyone else except me. I’m doing it because it’s fun. Music is fun. Art is fun. That’s the only reason why I do it. I’m not doing it to inspire peope. I’m inspiring myself.

(小田部仁)It’s fucking long!

(星野源)フハハハハハハッ! がんばって。小田部くん。

(小田部仁)「すごい興奮していて……」みたいな。なんだっけ? 最後の方、なんて言っていたっけ?

(Orono)あのね、だからあの……。

(星野源)日本語(笑)。

(Orono)自分が音楽とかアートとかをやっているのは自己満足でやっているだけだから。だからこういうメッセージを呼んで「わあ、嬉しい。ありがとう!」みたいに思う人がいるっていうこともすごくわかっているんだけども、自分はそうやって人をハッピーにさせたいとか、有名になりたいとか、そういうのでは全くやっていない。自己満足だけでやっているから。自分がハッピーだったらそれでもう終わりだから。こういうメッセージを読んでも「ああ、もっとがんばらなきゃ!」とかは特に思わない。けど、I appriciated. But it’s not why I do it. And I wanna make that very clear.

(小田部仁)いまのところだけ訳しますけど、「すごい感謝はしていますけど、別にそれが理由でやっているわけじゃない」っていうことだよね。

(星野源)うんうん。

(Orono)Exactly.

(小田部仁)なんとか面目躍如っていう感じですけども。

(星野源)フフフ、最後だけ(笑)。いまのはギリ、俺でもわかった(笑)。

(小田部仁)そうですよね。だから、意味がなかったっていうことですよね?(笑)。

(星野源)でも、すごくわかりやすかった。

(Orono)けど、ね。だから、なにが好きなんだろう? 人生で。なんで生きているんだろう? そのメールを書いた人は。それがすごく気になる。その人の生きがいを知りたい。それで、自分たちの音楽を聞いて、自分が好きなことにもっとがんばっていこうとか、そういう風に思うのは素晴らしい。けどそこで、「Wow! Such a cool music! I’m following them on instagram!」って。そこで終わるのはすごい自分は嫌なの。

(小田部仁)なるほどね。Instagramをフォローするだけで、「うわー、かっこいいじゃーん」ぐらいの感じの気分だけっていうか。

(Orono)そうそう。それがすんごい嫌なの! すごい、それはアーティストとしてはビジネス面からしたら……。

(小田部仁)ありがたいね。

(Orono)いや、ありがたくないよ! 自分の考え方、それはダメじゃん。だってフォローなんかすんなよ。ブロックしろ!っていうぐらいの。

(星野源)なんでだよ?(笑)。

(小田部仁)なんでだよ?

(Orono)いいんだよ。フォローしなくていいよ。むしろ。それぐらいでやっているから。

(小田部仁)なるほどね。自分では。

(Orono)そう。自分のフォロワーを増やせよ!

(小田部仁)ビジネス面の話はなんだったの? 一体……。

(Orono)だからビジネス面ではその自分が持っている考えは全然効率が悪いし、お金にならない考え方だっていうことが言いたかったわけ。わかる?

(小田部仁)ああ、わかった。ありがとう。

(Orono)フフフ(笑)。

(小田部仁)なんなんだよ、お前? ひたすら荒れるだけ荒れて……。

(星野源)いま、ニッコニコです(笑)。

(小田部仁)ニッコニコ。言いたいことを言ったから(笑)。

(星野源)でもなんか、いわゆるアーティストを好きだっていうだけじゃなくて、自分を持ってほしいっていうことでしょう?

(Orono)そう!

(星野源)自分の世界を持って、その中でアーティストを愛してほしいと。

(Orono)そうそう!

(星野源)そのアーティストを愛するだけの存在になってほしくないと。それ、すごいよくわかる。

(Orono)そうそう! 「この人、大好き!」とかそこで終わってほしくない。もっとそれを超えるようなところに行ってほしい。「この人よりいいものになるぞ!」みたいな感じで。

(星野源)自分の生活だったり、そういうものをちゃんとね、生きてね。

(Orono)そう。だからその人がどういう人生を送っているのか、すごく気になる。

(星野源)そうだね。そのことはこのメールには書いていないからね。

(Orono)書いてないです。DMしてください。

(星野源)フハハハハハハッ!

(Orono)私、読むから。

(小田部仁)「話しましょう」っていうね。

(Orono)話しましょうよ。なにがやりたいんですか? なんて名前の人?

(星野源)オノマトペ。

(Orono)オノマトペさん。25歳。なにしてんの? 話そうよ!

(小田部仁)そうだね。コミュニケーションしてね。

(星野源)めっちゃやっているかもしれないから。普通に。

コミュニケーションをしよう

(Orono)そう! 教えて。それを知って、それを知ることによって、そのメッセージの……The importance of it?

(小田部仁)重要性?

(Orono)Yeah, to me is increase because I know the effect on her life, you know?

(小田部仁)自分の人生にとっての重要性みたいなものが増すっていうことだよね? だから、もうちょっとコミュニケーションをすることによっていろいろと分かってくることがあるから。そうすると適切な答えを返せるっていう。

(Orono)そう!

(小田部仁)そうだよね。

(星野源)いや、面白いわ。最高!(笑)。

(Orono)フフフ(笑)。

(小田部仁)ヤバすぎますよね、これ(笑)。

(星野源)最高! 最高です!

(小田部仁)こんなトークがあるか?っていうね。

(星野源)最高です! 最高のラジオです!

(Orono)イエーッ!

(小田部仁)すげえなー。いいっすね。

(星野源)いま、ディレクターのヒカルちゃんが「オールナイトをやりたい」っていま、ここで俺、言われてる(笑)。

(Orono)フフフ(笑)。

(星野源)耳の中で俺、いま言われたから(笑)。

(小田部仁)すげえなー(笑)。

(星野源)じゃあ、そんな感じで。オロノ、面白いわー。残念ですが、お別れでございます。

(Orono)Boo!

(星野源)Boo!(笑)。

(小田部仁)じゃあ、今度は俺抜きで来たらいいんじゃない? 普通に。

(星野源)ああ、それもあるね。あと、小田部くんだけっていうのも面白いかなって(笑)。

(小田部仁)意味がわからないですけども……エミリーとかもね、連れてきたらいいんじゃないですかね。

(星野源)ああ、そうだね。日本に来る時に。それこそサマソニの時でもいいですし。

(小田部仁)その時はちゃんと通訳をする用意をして。メモとか持ってきますんで。ちょっとがんばります。

(Orono)できるの?

(小田部仁)がんばります。オロノさんに頼ることもあると思いますけども。

(Orono)Yes!

(星野源)拳を突き合わせて(笑)。おもしれーわ(笑)。じゃあ、そんな感じで最後に1曲、かけてもらおうかしら。

(Orono)Yes. The best song ever. 『Sprorgnsm』 by Superorganism. Yeah!

(星野源)じゃあ、今日のゲストはスーパーオーガニズムからオロノ!

(Orono)It’s me!

(星野源)そしてライターの小田部くんでした。ありがとう!

(小田部仁)ありがとうございました。

(Orono)Thank you.

Superorganism『Sprorgnsm』

(中略)

(星野源)いやー、どうでした? オロノ。

(寺坂直毅)いやー、素晴らしかったですね。

(星野源)最高でしょう? 面白いんですよ。なんでみなさん、YouTubeでもライブが上がっていますし、日本にも来ますし。ぜひライブを見てください。で、またオロノ、いつでも来てね。イエーイ、イエーイ! フフフ(笑)。いや、本当に話していて面白いし。なんだろう? いつ話しても本音で話せるっていうか。やっぱりどうしても、まあ普段話していて、いわゆるすごい深い友達じゃない場合。なにかをちょっと忖度したりとか。それは別に、わざととかじゃなくて染み込んでいるなにかみたいな。

どうしても「ああ、これは傷つくからやめよう」とか「これを言うとちょっと不思議な空気になるかもしれないからやめよう」みたいな。なんかそういう話を意識的でもなく、無意識にしないようにしちゃったりするもんだと思うんですけども。そうじゃなくて、いま思っていることをいま、本当に正直にただただ言う。それで思っていることを聞く。

で、そのお互いがお互い、ちゃんと自立しあっているから、それで傷もつかないし。むしろ、話し合って、意見が違うことがあったら「面白い!」っていう。それで合っていることがあったら「アツい!」っていう。で、ハグして帰るみたいな。そういうのが非常に楽しくて。うん。あと、なんか縁がいろいろとあるんですよ。俺のサマソニでマリンスタジアムでやったのをたまたま見ていたりとか。うん。そういうこともあったり。

あと、伊丹十三さんの話、すればよかったね(笑)。伊丹さんが好きで、僕が伊丹十三賞をもらったこともいろいろと話をしたりとか。なんかそういう話とかも……また次回来た時にぜひゆっくりお話できればと思います。

<書き起こしおわり>

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