朝井リョウ DJ松永と『ミッドサマー』を見に行った話

町山智浩『ミッドサマー』を語る 高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと

朝井リョウさんが2020年3月29日放送のニッポン放送『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』の中でDJ松永さんと映画『ミッドサマー』を見に行った話をしていました。

(朝井リョウ)ちょっとアーティスト同士のラジオっていうことで、最近インプットしたクリエイティブの話をしようかなと思っているんですけども。

(高橋みなみ)ああ、お願いします。

(朝井リョウ)映画を見ました!

(高橋みなみ)ああ、『パラサイト』も見たけど、また別の映画を?

(朝井リョウ)普通に映画を見に行ったの。私、もう去年の8月にね、その映画が日本でも公開されるって発表になって、それからずっっっっっっと、楽しみにしてたんですが……。

(高橋みなみ)『ドラえもん』?

(朝井リョウ)『ドラえもん』は公開が延期になりました。『ミッドサマー』。

(高橋みなみ)なにそれ?

(朝井リョウ)という映画があってね。海外の映画なんですけど、ホラー映画なんですよ。その前が『へレディタリー』っていう映画を監督された人の作品で。それがすごい話題になっていて。「新しいホラー映画だ」っていうことになっていて。

(高橋みなみ)『ミッドサマー』?

(朝井リョウ)いや、『ミッドサマー』は絶対……予告を見ただけでめちゃめちゃ面白そうって思うから!

(高橋みなみ)もう今、公開されているっていうこと?

(朝井リョウ)だから見に行ったんだよ!

(高橋みなみ)そりゃそうか。

(朝井リョウ)ここ、カットしてもらってもいいから、予告を見てもらってもいいですか? どれぐらい私が面白そうだなと思ったかっていう。

(高橋みなみ)見たい。これかな?

『ミッドサマー』予告編

(高橋みなみ)うわっ、怖かったよ。でもなんかね、きれいだからこそ逆に怖いかも……。

(朝井リョウ)そうなの。もう本当にあなたはいい質問をする方なんですけども。この映画の特徴は、だから今までのホラー映画って暗闇から何かが見えたりとか。あと怖い瞬間に大きな音がバンッて鳴ったりとかっていうので驚かせるというのが主流じゃないですか。『ミッドサマー』の面白いところは本当にきれいなのよ。でも、より不気味にどんどん感じてくるの。これ、147分があるから長いんですよね。で、始めは本当にきれいな映像が続くんだけれども、どんどんもう逃げ出したくなってくるの。見てるうちに。

(高橋みなみ)そんな感じ?

(朝井リョウ)その美しさが余計に怖いの。満開の桜がちょっと怖いのってあるじゃないですか。不思議と。それが大画面でずっと続く感じなんですよね。

(高橋みなみ)ああ、結構、なんだろう? なんだろうね?

(朝井リョウ)ゾクソク感が新しいのよ。で、これがずっと日本で公開されるってなっていたんだけども。それでポスターとかもすごいセンスが良くて。日本版も。すごい素敵で、楽しみにしててね。それで、こんなに楽しみにしてたやつだったからさ、ちょっと共有したかったの。1人で見に行ってももちろんいいんだけど、一緒に誰かと見に行って「いや、これは良かったね!」とか「すごい映画だったね!」っていうことをやりたくて。それでまあ友達……DJ松永を(笑)。

(高橋みなみ)フフフ、もうさ、その人しか出てこない(笑)。

DJ松永を誘う

(朝井リョウ)そうなって、連絡したんですよ。「『ミッドサマー』っていう映画が超見たくて……」って言って。それで「まあホラー映画なんだけど」って。それで一応予告編みたいなのもくっつけてさ。「こういうの、すごいずっと昔から見たかったんだけど」って。それで私、今までま映画を一緒に見に行く人って、友達でいるじゃないですか。で、結構映画が好きな人と行くでしょう? そうなると……そういうのに慣れていたの。「この映画、見に行きたいんだけど?」って言ったらどういうリアクションが来るか?っていうのが。割と映画が好きな人は「ああ、この監督のあれね。めっちゃ良かったよね」とか。それでホラー映画だったら「ああ、どのタイプかわからないけど。でも面白そうだね」みたいなのが来るじゃないですか。でも、DJ松永からの返信ね。「それ、血が出る?」って(笑)。

(高橋みなみ)かわいい! なに?

(朝井リョウ)すごいびっくりしたのね。なんかいままで、そんなこと聞いてくる人いなかったのよ。

(高橋みなみ)女の子じゃない? なになに?

(朝井リョウ)「それ、血が出る?」って書いてあってなんか脱力したの。「『ミッドサマー』を見よう」って書いて連絡をして「それ、血が出る?」って返ってくると思わなかったのよ。でも彼はK-1とかは大好きなの。だから殴る・蹴るとか鈍痛は大丈夫なんだって。でもその、本人が言うに皮を通過したらダメなんだって。だから切ったりとか刺したりとかは苦手。あと銃で撃つとか。そういうのはダメなんだけど、殴るとか重いものがドンッみたいな。そういう圧死みたいなのは大丈夫らしいんですよ。でもなんかさ、これはさ、なんていうの?

(高橋みなみ)これはでもさ、絶対にダメじゃん?(笑)。

(朝井リョウ)そう。絶対ダメなんだけど、でも私は何か見たかったの。どうしてもこの映画を見たかったから。しかもそれでやり取りをしてたのが火曜日だったのね。で、火曜日って「ああ、クリーピーのオールナイトがある曜日だな」と思って。それでRさんってめっちゃ映画が好きなのよ。それでLINEでこの映画の今、話したような、「映像が美しくて、これまでのとは違って……」みたいなのを伝えるのって、ちょっとダルかったから。「ああ、Rさんと会うんだ。たぶんRさんが絶対チェックしてるから、Rさんにこの映画のどこが面白いかをプレゼンしてもらって」って言って。そしたらRさん、してくれたのね(笑)。

(高橋みなみ)本当にしてくれたんかい! 優しいな。

(朝井リョウ)それでRさんってプレゼン、めっちゃ上手いから。本当に見たくなるようにたぶん、すごいプレゼンをしてくれたんだと思うんだけども。「Rがすごい面白いって言っているから、見たい!」みたいな(笑)。「Rさん、ありがとう!」って(笑)。

(高橋みなみ)おっ、すごい! 完璧に乗せられて(笑)。でも、大丈夫だったの?

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