PUNPEEさんが2020年7月28日、EXPANSION NYのカークさんのInstagramライブに出演。フリースタイルMCバトルとMPCバトルについて話していました。
明日@PUNPEE 氏とIG liveです。楽しみです。お時間ある方は是非宜しくお願い致します! pic.twitter.com/4KLHGMnD8b
— EXPANSION NY (@EXPANSIONnyc) July 27, 2020
(カーク)で、中学校3年生から話が飛んでいっちゃうんですけど。UMBの東京大会。この時ってその板橋の皆様と一緒にフリースタイルみたいな感じでやり始めてて……っていう?
(PUNPEE)そうすでね。なんか高校卒業した後に大学生ぐらいからDJを始めたんですよ。下北沢とかで。その流れで「ライブをやってみないか?」っていう誘いを受けて。それで弟の5lackとGAPPERとあと2人、いたんですけど。それでグループを組んでライブを始めたんですけど、なんかあんまりだんだん何をやったらいいか分からなくなってきちゃって。活動がちょっと止まって。
そこで1人でバトルに出たら、そのみんなの意識が変わるかな?って。そのメンバーの人とか、もっとやる気になってくれたりするかな?って考えて、MCバトルに2006年に初めて、そのフリースタイルのバトルに出ました。2005年かな?
(カーク)でもその前に……もうその時から「自信があった」っていう言い方は失礼かもしれないけど。どこかの中で「出たら俺でもいけるな」じゃないけど。「Let me do this shit.」みたいな感じで?
(PUNPEE)フハハハハハハハハッ! いや、あったっすけど……なんだろう? その、忍術みたいなのが好きで。忍者。結構自分の周りにいたフリースタイラーが上手い人たちはもうみんな忍者みたいな。ちょっとメインストリームと違う人たちだったんですよ。で、自分はそれまでずっとメインストリームの人たちの下でライブとかしてたんですけど。急にちょっと90年代のアンダーグラウンドな知り合いの方フレーバーを持った人たちが、すごいフリースタイルが格好良くて。「なんかこれ、すげえ忍者みたいだな」と思って。それで、バイト中に練習をずっとしてて。
(カーク)へー!
ビデオ屋のバイト中にフリースタイルの練習
(PUNPEE)ビデオ屋でバイトしてたんですけど、夜になるとお客さんが1時間に1回ぐらいしか来なくなるんですよ(笑)。その時に、前のお客さんが帰った瞬間にフリースタイルを始めて。それで次のお客さんが来るまでずっとライミングしてるっていう。
(カーク)右にヘッドホンをつけて、お客さん来ると取るみたいな?
(PUNPEE)そう。とか、普通に自分のビートを店内でかけながらやったりとかして。有名なフリースタイラーを倒すにはこういうラインを使ったら勝てるみたいなメモ帳を書いて、それをひたすらやってたっすね。
(カーク)じゃあ、もうその時からビートは作ってたっていうことなんですか?
(PUNPEE)ビートの方が先です。ラップよりも。DJから始めて……元々は最初は弟のビートを作ってたんで。それで5lackのを作っていて。そこから、自分もラップをやってみようってなったっすね。
(カーク)それで、どうだったんですか? そのUMBの東京大会を優勝して?
(PUNPEE)UMBは優勝して……結局東京の予選で優勝して、本選で、全国大会でもう1回戦で負けちゃったんですよね。でもなんか、その後からやっぱり昔、影響を受けてた……バトルも好きだったですけど。やっぱり曲にすごいやられてたから。なんかかっこいい曲をもっといっぱい作りたいなっていう風にマインドが変わっていって。そしたら弟とかGAPPERもまたラップをする気になっていたので。それでPSGを組んで、またグループをちゃんとやろうかな?ってなって。そんな感じだったっすね。
(カーク)ふんふん。でもその時、やっぱり優勝した時に何となく自分の中で「OK, I’m good. I grab the MIC.」じゃないけども。そういう風になったというか……?
(PUNPEE)なんですかね? なんか、本当に好きだったんですけど。即興でやるのが。でもなんかある一定の時期に、まだたぶん年齢的にも若かったから。もうなんか次のフェイズに行きたかったのかもしれないですね。曲を作って、かっこいいアルバムを……って。で、その時に見た『FREESTYLE: THE ART OF RHYME』っていう映画があったんですよ。日本でもやってたんですけど。
(PUNPEE)スーパーナチュラルとかが出てて。ジュースVSエミネムとかやってた時に、映画の中でなんか「フリースタイラーはそのアティチュードを音源に落としこむのが下手」っていう風にすごい言っていたんですよ。音源があんまり良くないなことをその映画の中で言ってて。「えっ、マジ? そうなの?」ってなった時に、ちょっと悔しかったんですよ。「いや、フリースタイルやってる人でもかっこいいものを作れるよ」みたいな。
(カーク)たしかにスーパーナチュラルとかも出してもダメだったし。俺もスーパーナチュラル、目の前で何回も見させてもらったりとかしてたんだけど。
(PUNPEE)ああ、そのバトルを見たんですか?
(カーク)バトルを。俺、フリースタイルを見に行くの、大好きだったから。よく見に行ったりとかしていて。あと、ALっていうラッパーがいるんだけども。スパニッシュのやつで。そいつがアップタウンでライブしている時にフリースタイルをブワーッてやっていて。そしたら、ジェイ・Zがいたのね。
(PUNPEE)それ、何年ぐらいですか?
(カーク)94年とか……忘れちゃったな。でも、そのへんだったんだけども。忘れちゃった。ごめんなさい。で、そのALのライブがすげえ盛り上がっちゃって。みんなが「うおおーっ!」ってなっちゃっていて。それで「ジェイ・Zがいる!」ってなって。「Yo, J! Come up to the stage.」とかってなっていたんだけども。結局、ジェイ・Zはいなくなっちゃったんだけども。ごめんなさい。話が逸れちゃった。
(PUNPEE)いやいや、聞きたいです。結局どうなったのか?
(カーク)みんなで見ていたんだけど、ジェイ・Zはどっか行っちゃって。そうそう。でもALが……ごめんなさい。あんまり日本のはわかんないんですけども。アメリカのバトルとかってそういう空気を作っちゃったらもう勝ちみたいな感じで。そうそう。
(PUNPEE)えっ、ジェイ・Zも昔、バトルしてた時があったんですか?
(カーク)昔、やってたでしょう。あの人、元々は。一番最初の方とか。そこまではちょっとあれだけど。で、たしかにさっき仰ってたようにALにしろ、ロウカスかなんか出してるんだよね。でも全然ダメだったし。スーパーナチュラルもダメだったけど、そういうのに対してPは「そんなことねえよ。俺でも……」っていうことですよね?
(PUNPEE)なんか当時はそう思ったっすね。で、かっこいい曲が作りたいっていうモードにシフトしていったかもしれないです。で、その時に日本だとスカーズ。SEEDAくんとかがすごい音源でカマしていて。『CONCRETE GREEN』っていうミックスCDとかやってたんですけど。それがすごいかっこよかったですよ。そこに触発もされました。そこに影響された気がします。
(カーク)でも、あれだよね。音楽……ビートとリリックってやっぱりビートもすごい重要な気がするんですよ。個人的な見解になっちゃうんだけど。
(PUNPEE)いや、でもそうですね。そう思います。
(カーク)で、そこでバトルが終わって、音楽の方に専念する方向になっていくってことですか?
(PUNPEE)わりかし、そうですね。自分の中で音源期。音源の時代に入ったのが2008年とかで。
(カーク)で、2009年にサンプラーバトルの『GOLDFINGER’S KITCHEN』に?
(PUNPEE)そうですね。MPCのバトルで優勝して。
(カーク)気持ち的にはどうでした?
MPCバトル『GOLDFINGER’S KITCHEN』
PUNPEEの"夢追人"に一瞬映る過去映像、一枚目は3on3なのはすぐ分かるけど二枚目はgoldfinger 's kitchenかな?どちらも10年以上前の大会でリアルパンピー感が強い。 pic.twitter.com/S54SIBKup2
— JIŃ露FKČ (@JINROFKC) July 1, 2020
(PUNPEE)なんですかね? いや、でもあの時にはあんまり何も考えていなくて。言ったらそのバトルって同じレコードを対戦相手と自分に供給されて。そこからかっこいいビートをどちらが作れるか?っていうバトルだったんですけど。普段、MPCで家で作ってるノリで曲を作ったら、いい感じにうまくいっちゃって。あんまり何も考えてなかったっす。
(カーク)ということはさ、UMBもそうだけど、この『GOLDFINGER’S KITCHEN』もそうだけど、全部即興っていう?
(PUNPEE)そうですね。でもMCバトルは結構練習したんですよ。その当時、バイト先とかで練習したっすけど、MPCはもう本当それ以上前から使ってたんで。練習したの2日前とかだったんですよ。2日前で、ちょっと練習して。なんかすごいファニーな感じでやったら優勝できたので。結構ラッキーだったかもしれないです。で、その優勝したのがPSGのアルバムを出すのの1ヶ月ぐらい前だったんですよ。だから結果的にプロモーションになっちゃったみたいな。全然何も意図してなかったですけど。そんなこともありましたね。
(カーク)でも、この両方でちょっと自分の中に自信が付くっていうか。そういうのはあったりしたんですか?
(PUNPEE)いや、どうだろう? あんまり……でもMPCの時はあまり自信とかになったっていうよりも、PSGのことばっかり考えちゃってたんで。あんまりMPCバトルのことは励みになったかって言われたら……あんまり覚えてないですね。
(カーク)もうグループのことがメインで考えてすごい動いてたっていう?
(PUNPEE)その当時は。でも今、思い出したっすけど。MPCバトルの時に、もらったレコードにドラムが入ってない時があるんですよ。じゃあ、ビートをどうやって作るの?ってなった時に、その時に瞬間的に「針を落とす音」をキックにしたんですよ。「ドンッ」っていう音をサンプリングして、それをフィルターしたそれがキックになったっていうことがあって。なんか今、思い出しました。急に(笑)。
(カーク)そうだよね。2009年ぐらいの話だから、11年前の話(笑)。
(PUNPEE)でも今、思い出したっすけど。そんなこともしてましたね。
<書き起こしおわり>